メールは、表情や音声が伴わない分、対面や電話でのコミュニケーションに比べて感情が伝わりづらいですが、ちょっとした文末の表現の工夫により、その弱点をカバーすることができます。


実用性が高いものとしては、以下のようなものがあります。




<効果>
喜び、楽しみ、感動、感謝など、ポジティブな感情やイメージを伝えることができる。

<活用例>
早速にお時間頂戴できるとのこと、大変にありがとうございます!
当日、お目にかかれることを楽しみにしております!



・・・。

<効果>
悲しみや残念な気持ちやイメージを伝えることができる。

<活用例>
今回はご欠席とのこと、大変に残念ですが、了解いたしました・・・。
そこまで気が回らず、大変に申し訳ございませんでした・・・。



ね。

<効果>
相手への共感を示したり、同意を求めることで一体感を表わすことができる。

<活用例>
ここのところ、週末もお仕事のようで大変ですね。
今日は朝からとても爽やかな天気で気持ちがよいですね。



この他にも、「(笑)」「(悲)」「(怒)」など、漢字一文字で感情を表す方法もありますが、ビジネスメールにおいては、使わない方が無難でしょう。


また、顔文字については世代間ギャップが大きく、ある程度の年齢の人は嫌悪感を示す人も多いので、同期入社の友達同士などであればまだしも、特に社外宛てメールでは余程のことがない限りは使用すべきではないでしょう。


効果的なプラスαの内容の付け加え方の2つ目の方法は、メールの本題を書き終わった最後に、追伸としてTPOにあった文章を挿入するやり方です。


この場合は、本題と切り離した書き方となるため、1つ目の方法 よりも、自社のPRに近いものや、よりプライベートに近い内容でも許容されやすいという利点があります。


--------------------------------------------------
(例文)


件名:弊社異業種交流研修のご紹介について


いつもお世話になっております。
XYZラーニングの上杉です。


さて、この度、弊社では、新たに若手リーダーの育成を
目的とした異業種交流研修を企画しております。
●●様にも、是非一度、ご紹介の機会を頂戴できればと
思っております。


(中略)


何かとお忙しい時期かと思いますが、
ご検討の程、何卒、よろしくお願いいたします。


P.S.
明朝の“めざましテレビ”で、弊社の研修の様子が放映
されることになりました。よろしければ是非ご覧ください!


XYZラーニング
上杉 謙三



<その他文例>
今週末は、家族帯同で伊豆に社内旅行に行って参ります。
天気にも恵まれそうなので、とても楽しみです!


御社のお近くで、美味しいイタリア料理のお店を見つけました。
今度、ランチでもご一緒しませんか?


●●さんも毎晩、お帰りが遅いようですね。
お体ご自愛ください。

--------------------------------------------------


プラスαの内容を付け加える際の注意点としては、あくまでもビジネスメールであることを意識して、本論(主題)とプラスα(副題)の部分を明確に切り分けることです。


目安として、プラスαの内容は10%~15%程度に留め、相手に「この人はしっかりしている」「ビジネスパーソンとしての礼儀ができている」という印象を与えつつ、そこにスパイスとして人間味・人間臭さをにじませることが大切です。


このメリハリさえしっかりできていれば、プラスαの内容を書き加えることでメールに感情が吹き込まれ、相手との関係性をさらに深めていくことができるでしょう。


ビジネスメールである以上、簡潔さや目的の明確さは最優先事項ですが、それを踏まえつつ、自分自身のプライベート・近況・内面などについて簡単に自己開示したり、相手に対するちょっとした気遣いや関心の言葉を盛り込むだけで、相手との距離をグッと縮められる可能性があります。


効果的なプラスαの内容の付け加え方の1つ目の方法は、メール冒頭の挨拶文の直後(本題に入る前)に1~2行程度で簡単にTPOにあった文章を挿入するやり方です。


この場合は、天気や季節に関連するものや、相手の会社への興味・関心など、無難なものが賢明でしょう


---------------------------------------------------

(例文)


件名:弊社異業種交流研修のご紹介について


いつもお世話になっております。
ABCラーニングの武田です。

今日は、朝から爽やかでとても気持ちの良い天気ですね。
こんな日は、お客様の訪問がより一層、楽しみです。


さて、この度、弊社では、新たに若手リーダーの育成を

目的とした異業種交流研修を企画しております。

●●様にも、是非一度、ご紹介の機会を頂戴できればと

思っております。


(中略)


ご検討の程、何卒、よろしくお願いいたします。


ABCラーニング
武田 信吾



<その他文例>


今日は、朝から爽やかでとても気持ちの良い天気ですね。
天気が良いことを見込んで、昨夜は溜まった洗濯物を
一気に干して来てしまいました。


今日は久々に青空が顔を出していますね。
何とか週末までこの天気が持って欲しいものです・・・。


今朝の日経新聞で、御社の社長交代の記事を拝見しました。
より海外事業が強化されていくことになりそうですね。
---------------------------------------------------

ビジネスメールは、仕事に欠かせないコミュニケーションツールとなっていますが、感情の伝達にはあまり適さないため、次のような悩みをお持ちの方も多いと思います。


・ 「杓子定規で、お役所的なメールになってしまう」
・ 「相手とのやり取りはスムーズだが、何となく味気なさを感じている」
・ 「仕事で毎日のようにメールのやり取りをしているが、お互いのプライベートについてはよく分かっていない」



ここまでは、主に“いかに簡潔で分かりやすいメール”を書くかについて触れてきましたが、このような状況を打開するためには、「簡潔さ・分かりやすさ」に加えてもう1つ、「親しみやすさ」が必要になってきます。


ここでは、“親しみのこもったメール”を書くためのコツをお伝えしていきたいと思います。



お礼? or 御礼

ください? or 下さい?

いただく? or 頂く?



など、メール(文章)を書く際に漢字にすべきか、

ひらがなにすべきか迷うことがあると思います。


これについては、絶対的な正解はありませんが、

最低限、以下の観点は意識すると良いでしょう。


○同一文書の中では表記を統一する。

(同じ表現についてひらがなと漢字を混在させない)

○漢字は硬め、ひらがなは柔らかい印象を相手に与える。



また、私は次の考え方で使い分けをしています。

◎「動詞」として使う場合は漢字で表記
◎動詞に対して「補助的」に使う場合はひらながで表記



<使用例>


・先日はご丁寧にご挨拶を頂き、ありがとうございました。
⇒「もらう」という動詞の扱いのため、漢字を使用


・後日、あらためてご連絡させていただきます。
⇒「連絡する」の敬語の扱いのため、ひらがなを使用


相手に何かお願いをするときや、お断りをしないと

いけないときに、語調を和らげてソフトな印象を与える

ために使う表現を「クッション言葉」と言います。


前述の、お願い表現 を使用する際も、クッション言葉を

組み合わせることで、相手に不快感を与えない、

気持ちの良いコミュニケーションを取ることができます。



<クッション言葉の例>


・恐れ入りますが、
・お手数(ご面倒)をおかけしますが、

・申し訳ございませんが、

・お忙しいところ恐縮ですが、
・お差し支えなければ、
・もしよろしければ、

・失礼ではございますが、
・大変申し上げにくいのですが、
・誠に勝手ではございますが、
・大変に僭越ではございますが、




また、状況に応じて、クッション言葉とお願い表現を

適切に組み合わせることで、メッセージの丁寧さの

度合いを調整することもできます。


-------------------------------------------

【丁寧さが「高め」の表現例】


ご多忙のところ大変に恐縮ですが、

ご回答の程、宜しくお願いし申し上げます。



【丁寧さが「普通」の表現例】


お忙しいところすみませんが、

ご回答の程、よろしくお願いいたします。



<相手にアクションを期待する際の表現方法>


知っておくと便利な、「お願い」表現には以下のようなものがあります。



☆読んで欲しい

・ご高覧ください

・ご一読ください

・ご笑覧ください


☆教えて欲しい

・ご指導ください

・ご教示ください

・ご指摘ください


☆答えて欲しい

・ご回答ください

・ご返答ください

・ご返信ください



☆受け取って欲しい

・ご査収ください


☆知っておいて欲しい

・ご承知おきください


☆注意して欲しい

・ご留意ください



【使い方】

1.よろしく○○ください。

例) ご依頼の資料を添付しますので、よろしくご査収ください。


2.○○の程、よろしくお願いいたします。

例) 今後とも、ご指導・ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

例) お手数をおかけしますが、ご回答の程、よろしくお願いいたします。



前回、『To Do管理②』 では、用件が済んだメールを

受信トレイから移動させる整理方法をご紹介しましたが、

ここでは、効率的なフォルダの切り方を考えます。



◇フォルダの切り方のポイント


1.業務別、プロジェクト別、企業別など大き目の括りで分ける


→ 細かく分けすぎると、検索するのが大変になります。

また、メールの「発信者」など個人名で分けてしまうと、複数人で

同一用件をやりとりした場合に、メールがあちこちのフォルダに

入ってしまい、やはり検索するのに不便です。



2.記号・数字や階層を使って並び順を変える


→ フォルダの数が増えると、順番付けも大事になってきます。

何もしないと、エクスプローラー上の表示と同様に「名前順」に

並んでしまうので、次のような工夫をして使いやすい順番に

並び変えると良いでしょう。



☆工夫①: 数字を振る


例)

□ 01_XXX

□ 02_YYY

□ 03_ZZZ

□ ...


☆工夫②: 記号を使う


例)

□ [XXX]

□ [YYY]

□ [ZZZ]

□ ☆xxx

□ ☆yyy

□ ☆zzz

□ ...



業務の内容、好みによっても一番良いフォルダの切り方は

変わってくるので、定期的に見直してみると良いでしょう。



To Do管理に便利な方法の2つ目は、メーラーの受信トレイを

そのままTo Doリストとして活用するやり方です。


(色々と試しましたが、私はメール管理はこのやり方が

ベストだと思っています)


やり方は至って簡単で、受信トレイのメールのうち、用件が

済んだメールを片っ端から削除、あるいは、タスクごとに

切り分けたフォルダ にドラッグして移動させます。


慣れるまでは、処理済メールを移動させるのが面倒ですが、

こうすることで、未処理のメールだけが「受信トレイ」に残るので、

受信トレイがそのまま、To Doリストになるわけです。



◇移動の手間を軽減する方法①

メルマガなど、決まった宛先から送られて来てTo Doとして

不適切なモノについては、自動仕訳ルールを活用して、

自動的にフォルダに振り分けてしまうと便利です。


Outlookの場合は、「ツール」-「仕訳ルールと通知」から、

以下のような条件を設定することができます。

・特定の人から受信したメッセージをフォルダに移動する

・件名に特定の文字が含まれるメッセージをフォルダに移動する

・件名に特定の文字が含まれるメールを削除する



◇移動の手間を軽減する方法②

誤って違うフォルダに移動してしまった!

どのフォルダに移動したか分からなくなってしまった!

そんな時は、「Ctrl+Z」キーでその作業をやり直す、

すなわち受信トレイにそのメールを戻すことができます。

(ただし、有効なのは、直前の作業だけとなります)



ここまでは“スピードアップ”のコツを書いて来ましたが、

ここからは、“業務整理”のためのノウハウをお伝えします。


同時に複数の仕事を進めていく上で、「To Doリスト」の

作成・管理は欠かせません。


To Do管理に便利な手法の1つとして、携帯電話(あるいは

PDAなどの携帯端末)の活用があります。


例えば、外出時や会社からの帰宅時、または寝る前などに、

ふと、「あ、明日あれをやらないと!」などと急に思い出す

ことはないでしょうか?


そんな時は、携帯電話から、自分の会社のパソコン宛に

すぐにその用件を簡単に送っておくと、便利です。


その時は「大事!」と思っても、すぐに忘れてしまうことは

多々ありますし、何かメモを取ったとしても、そのメモの

存在そのものを忘れてしまうことも往々にしてありがち

なので、このやり方はオススメです。



応用編として、業務上の「また、やってしまった!」という

ような反省点があったら、タイトルを【反省】などとして、

同じように都度、自分がメインで使用するパソコン宛に

送っておいて、さらにそれを、「反省箱」として、専用の

フォルダに書き留めておく、といったやり方も有効です。