CVVCとかいう超便利音素のおかげで毎日調声が楽しい | チラシの裏 ~UTAU調声メモ~

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UTAUの調声の話を中心に、初心者向けの使い方からうまく歌わせるコツ・ニッチなネタまで、独断と偏見で書いています。

初稿:2020年9月

 

 

CVVCはいいぞ~~~!!

 

これは、単に「CVVC音源の子はいいぞ」という話ではない。

「CVVCという音素材」が、UTAU上で音をこねくり回すのにちょうど良い便利さなのでHappy!という話なのだ。

 

 

○CVVC化で子音長をあれこれする

 

まずはこの動画を見てほしい。

 

CV-VC音源によるグルーヴの追求(前回の補足)

 

CVVCをうまく使うと、歌にリズムを付与できるのがわかる。

ちなみにこの動画の作者であるやすたんげさんはかなりの神調声師だ。

 

 

もっと詳しく言うと、リズム・グルーヴ感を出すには「子音の長さ」を調整する必要があって、

その手段のひとつが「CVVC化」である。

 

ほかにも、子音長を調整するには子音速度を変えるなどの方法があって、発音の種類によって方法を使い分ける。

詳しくは「スタッカート・子音の溜め・小さい「っ」の作り方」に書いたのでそちらを参照されたし。

 

 

 

○音質の違いをCVVC化で緩和する

 

連続音でうまくつながらない部分がCVVC化で解決することもある。

 

表情音源の表情が変わる部分では、連続音の母音クロスフェードだと表情切り替え部分が目立ってしまうことがあるが、

CVVCなら表情の変わり目が子音になるため目立たない。

(とくに、裏声に変わるときなど)

 

 

多音階音源で、音程が急に上がったり下がったりする部分も

低域用の音源と高域用の音源で音質差が出ることもあるので、

それも表情音源と同じようにCVVC化で目立たなくさせることができる。

 

 

 

○VCを伸ばしたくない音もある

 

CVVC化して子音長を調整するときはVCの長さを調節することになるが、

もともと子音というのはすごく短い音なので、

短い音素材をむりやり引き伸ばすとけっこうノイズが出る

 

特にサ行やシャ行は顕著にノイズが出るので、

元が連続音の子はCVVC化よりも子音速度で対応したほうが音が綺麗な場合が多い。

元がCVVCでも、VCの長さ調整と子音速度を併用したりする。

 

sをめっちゃ伸ばすとガッサーーー!!!って言う。

 

例外として、「あーsーーーーー」みたいに子音を伸ばして録った音素材を使うときは、素材の引き伸ばしが起こらないので音は劣化しない。

(空花ルアや暗鳴ニュイなどに搭載されている)

 

 

 

○無声破裂音のVCを作る

 

私が特によく使うVCが、k,t,pの3つ。

 

スタッカート・子音の溜め・小さい「っ」の作り方」にも書いたが、

カ行・タ行・パ行などの無声破裂音は子音長ではなく、子音の直前の無音の長さを調整する必要がある。

だからカ行・タ行・パ行は子音速度ではなく、CVVC化で対処する。

 

↑「あか」から[a k]を切り出す例。

[a k]には手前のあ~kの子音の直前までが含まれる。

(kの音は[か]に含まれるので、[a k]には入れないのが一般的)

 

 

冒頭でCVVCはいいぞ~~!!なんて言っておきながら、結局よく使う音源は連続音なので、連続音からCVVC素材を切り出すことになる。

 

しかしCVVCの原音設定ってけっこうめんどくさい。

なので、私は必要最低限として、kとtとpだけ作ることが多い。

 

 

【UTAU関連ソフト配布】oto.iniまとめて改造ましーん

こちらのソフトに「連続音にVCを追加」という機能があって、

子音を伸ばすのに使えそうなVCは一括生成できる。

(拗音などはない)

 

また、setParamプラグインの「エイリアス複製さん」でも

VCのエイリアスを作成することができる。

 

 

他にも、原音設定を一括で処理するソフトは「UTAU音源制作wiki」の

補助ツール や

setParam ←setParamプラグインまとめがある

これらのページが詳しい。