まひる野会運営委員である島田修三さんが第56回短歌研究賞を受賞されました。

 

対象は角川「短歌」2019年11月号掲載の「いいなあ長嶋」28首です。

 

おめでとうございます!!

「短歌研究」8月号に詳細が掲載される予定です。

 

※ 授賞式は例年9月下旬に新人賞・評論賞とともに行われていますが、

今年は新型肺炎感染拡大防止措置のため現段階で未定となっています。

 

既にまひる野誌6月号にて告知されていますが、8月に開催予定だった全国大会は新型肺炎の流行による現状を鑑みて来年の8月に延期といたします。

 

※これだけでは寂しいので、以下2020年6月号の新型肺炎流行を扱った歌を一部紹介します。

 

 

いつの世も物資不足は闇を呼ぶマスクが足らねばマスクに闇が  /三宅昭久

 

 ウイルスをひろひ帰るを心配しふる里は遠くさみしい彼岸   /坂田千枝

 

 いつよりかマスクの顔がわれとなりマスクの中で低くなる鼻  /伊藤利恵

 

粛々と葉桜になりささくれはいまだ痛くて テレワークならず  /荒川梢

 

 「布マスク2枚」にすぽんと抜かれたるわたしの度肝、あおみどりいろ  / 北山あさひ

 

 蒸気でホッとうるおいマスクの残骸をつけたOさん 朝の駅にて    /佐巻理奈子

 

この春を生き延びようねと切り上げて半分はまあ冗談、そして   / 富田睦子

 

 避病院といふものありきその前は走り過ぎよと教へられたる    /麻生由美

 

 マスクもガウンも底見えたりと友の声ごめんってなんだ、でもごめんしか   /小原和

 

2020年3月以降の歌会につきまして、

 

名古屋歌会  2020年3月22日(日)

札幌歌会    2020年4月11日(土)

 

の中止が決定しています。

その他の歌会につきましても主催者にお問い合わせの上ご参加ください。

 

まひる野会の前運営委員長 橋本喜典さん(享年90歳)が4月8日に亡くなられました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 

昭和3年11月11日 現東京都世田谷区生まれ

昭和23年8月     まひる野入会

昭和27年       第2回半田良平賞(現まひる野賞)受賞

昭和29年4月     早稲田中・高教諭に着任(平成6年定年退職)

昭和30年10月    第1歌集『冬の旅』刊

平成7年5月       第6歌集『無冠』により第22回日本歌人クラブ賞受賞

平成10年8月    『歌人窪田章一郎―生活と歌』刊

平成13年6月    まひる野運営委員長となる

平成16年7月    第7歌集『一己』により第4回短歌四季大賞受賞

平成21年       第8歌集『悲母像』にて第24回詩歌文学館賞、短歌新聞社賞を受賞

平成27年9月     「わが歌」にて第51回短歌研究賞受賞

平成29年       第10歌集『行きて帰る』にて第51回迢空賞、第28回斎藤茂吉短歌文学賞を受賞

平成30年       第11歌集『聖木立』刊

              旭日小綬章受章

平成31年4月8日  逝去

 

 

(む)

名古屋支部拡大歌会のお知らせ

名古屋支部では5月5日(日)に拡大歌会を開きます。
通常の歌会は見学を除き会員内部の歌会ですが、拡大歌会は外部の方の参加を歓迎いたします。みなさまお誘いあわせの上参加くださいませ。

日時  2019年5月5日(日) 10時~17時
会場  愛知県芸術文化センター12階アートスペースE・F
会費  1,000円
持ち物 軽食・飲み物
    まひる野4月号5月号(外部の方など掲載のない方はホワイトボードに書きますので一首持参してください)




まひる野賞のおしらせ

会員の皆さま、4月号33ページに第64回まひる野賞の募集要項が掲載されています。
奮ってご応募ください。作品50首の投稿です。詳しくは応募要項をご覧ください。

 

 

田口綾子さん第十九回現代短歌新人賞受賞

 

3月10日、さいたま市にて授賞式が開催されました。まひる野5月号に報告が掲載される予定です。

田口さん、あらためておめでとうございます!

 

(む)

 

 



 


マチエール

ばかにしても優しい男わたしより丸く小さき尻に足を置く   立花開

花の樹の根方に佇む小さき石ただそれだけの蓮月尼の墓    田村ふみ乃

卵三つカカンと割ってオムライス自分の機嫌は自分で直す   小原和

女子のみにアイロンかける赤白帽おんなは白と決まっておれば  浅井美也子

「新潟 アイドル 暴行」加湿器に手のひら濡らしじっとしており   佐巻理奈子


作品Ⅱ

地の人が「儲けもん」と言ふ青空に力をもらふ洗濯をせむ   岡野哉子

なすな恋わがなかぞらに訪ひくるる月の裏さへ知らず恋ひしか   入江曜子

「元気か」と賀状に書けば「元気だよ」一年かけて友の返信   高木啓

白々と痩せたる細き手を載せし腹部ばかりが異様に膨る     谷蕗子

二十五名揃ひて記念の写真とる誰かが動きてとまどふシャッター  辻玲子

息子より突然スマホを贈られて「ライン覚えて」だなんてアホな  棚橋まち子


作品Ⅲ

誠意って書いておカネと読む人も読まれる私も同じ人属    藤田美香

相談はたぶん口実進路よりわれの暮らしを女生徒は問う    滝本賢太郎

まだ眠り足りないような薄曇りペットボトルをすすいで棄てる  稲葉千咲

先制の部屋に子どもら集まりてパンというもの食べた日遥か   横山利子

未熟児とまざまざ残る母子手帳初子のわれを母が記せり     岩岡正子

訪れる人の稀ならむ村社小さき餅のひび割れてをり       木谷夏樹

九十の人の賀状の添書に「頂くは嬉し」と念を押したり     冨沢昌晴

ぐい呑みに秋灯ひとつづつ容れてすこし眠たいまだ話したい   伊藤利恵

(む)




 



作品Ⅰ

庭隅に埋めおきたる癇癪玉二、三発石に叩きつけむか   橋本喜典

病みしより書ける速度の定まらず耳に沁み入るきさらぎの雨  篠弘

雪を食べ腹下りして母にかくれ富山の薬の赤玉のみき    小林峯夫

とっぷりと車窓は暮れて静岡に会いたきひとりたちまちに過ぐ  大下一真

ニス塗りの卓上にうつる灯のひかり薄き幸ひこぼるるごとし   島田修三

これからが辛かろうぜと黒毛虫道に落つるを草の葉に載す   柳宣宏

このあたりまでは「おはよう」、町内のこの先「ございます」を付加する  中根誠

頼朝か直義なるかは知らねども神護寺紅葉の中の肖像     柴田典昭

一枚を捲るつもりが三枚であったらしい唐突にヒロインが死ぬ  今井恵子

勿忘草、真中なるその黄のやうなわづらはしさにきみをおもふも  染野太朗

いぬのように幼のように子の髪を洗ってやりぬ試験の前夜    佐藤華保理

新しき親族が増え正月は凧揚げよりもとドローン持ち来     箱崎禮子

思ひ出を重ねるやうにして今日も疵をもたない林檎を撰ぶ    大野景子

マルキストの伯父の話は聞き置いて露兵の暴を語りゐし叔父   大林明彦

焼きたての団子ほほばる若者がヤバイと言へば児はヤバといふ  門間徹子


まひる野集

だれもゐない職員室に『牡丹の伯母』を閉ぢワードをひらく   広坂早苗

夕食の献立をメールに告げあひて日の暮れきざす寂しさやらふ   小野昌子

是非もなく索引にそと並びゐる三々九度と三三五五と      升田隆雄

石くれは寂しきものか知らねども石くれのやうに寂しと言ひつ   麻生由美

冬くれば春を待ちゐて春くれば何を待ちなむ茫洋として霧    久我久美子

軽やかに来るは教へ子宅配の天地無用の荷物をになひ      森暁香

(む)

ピヨ太:架空のトリ。まひる野入会一年目。作品ひな欄所属(架空の欄です)

今年の目標:50首連作を作り、まひる野賞に応募すること。

 

チュン美:スズメ。ピヨ太の先輩。スズメール欄所属(架空の欄です)

 

ヨウムさん:ヨウム。ピヨ太の先輩。趣味:タップダンス

 

Y川しゃちほ子:実在の人物。まひる野入会19年目。今年から作品Ⅰ欄所属。

 

 

ヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコヒヨコ

 

 

 

 

 

 

こんな感じでメモから歌を作りました

   下矢印

 

お正月。大晦日から起きていたが眠くない。年賀状が思っていたよりもたくさん届く。まひる野の人からも来ていて焦る。同級生の雛吉からも来ていた。内容は普通だったが自分を「俺」と書いてあることにけっこうなショック。初詣。おみくじ「吉」。

★作った歌

友達が自分を俺と書いてきたこの年賀状ちょっと取っとこ

 

まひる野の人たちとヨウムさんのタップダンス発表会に行く。音がするのは靴に加工がしてあるからと知って驚く。ダンスの先生がヒトだけど頭がレインボー色だった。後ろの席の人が「しもだかげき……」(漢字不明)と言っていた。あとで調べると作家の名前だった。

★作った歌

コチコチと音がするのはそのひとの爪ではなくて靴底の板

 

①網で焼く②フライパンで焼く③お雑煮にいれる、を繰り返していたらお餅がなくなる。晴れていたので買い物に行き偶然チュン美さんに会う。お餅は小さく切って油で揚げるのもおすすめらしい。③は好きではないらしい。「のり」を思い出すそうだ。海苔?ノリ?

★作った歌

チュン美さんいつか立派な米俵できるはずだよ君ならできる

クーポンの印字されたるレシートを結局使えなくて捨てたり

ミョウガより少し大きなそのひとの体の中の赤い心臓

 

 

日記メモから少しずつ歌を作りためて、ついに連作ができました!

応募もしました!お二羽(ふたり)の感想を聞きたいのですが、読んでもらえますか?

 

 

ついにやった……立派になって……ホロリ汗

もちろん読みます!

 

 

 

 

 

 

ここでインタビューコーナーです。

22.「ミョウガより少し大き」いのは「そのひと」?「心臓」?あなたはどっち派!?

 

 

えっ!?てっきり「心臓」だと思いこんでました。言われてみれば「そのひと」の意味にもとれますね。

⒈の「そのひと」はヨウムさんの発表会のことだから22.もそうだと思っていました。

それなら心臓=ミョウガの大きさも合う……のかな?

でもよく考えたら⒈が発表会のことっていうのも私たちしか知りえないことだし、作った時はそうだったとしてもこの連作のなかではヨウムさんをモデルにはしていないかもしれないですよね。

先入観なしで読んだらやはり「ミョウガ」の比喩がどちらにかかるのか判断できないです。

 

ミョウガは「そのひと」にかかるんじゃないの?

もし「心臓」にかかるとしたら、比喩が少し離れすぎているのでは。体言止めの「心臓」が思わせぶりだからそう考えたくなるのかな。

上句と下句でポイントが散漫になってしまうから、ミョウガを活かしたいのなら下句の比重を軽くした方がいいかもね。

 

 

 

 

お二羽(ふたり)ともご回答いただきありがとうございました!

ピヨ太さん、聞いてみていかがでしたか。

 

いや~、こんなに読みこんでもらえるほど考えて作ってたのか自信がないです(汗

これはナイショなのですが、実は近所のスーパーでチュン美さんに会った時に、もしかしてチュン美さんってミョウガくらいなんじゃないか?と思って作ったんです。

自分としてはものすごくわかりやすい歌だと思っていたのですが、こんなに意見がわかれるとは思いませんでした

 

あと、ちょっとカッコ良くしたくて、思わせぶりになるように結句を「心臓」にしたんですが、全部見破られてしまいました。

恥ずかしくて炎ヤキトリ炎になりそうです。

 

ピヨ太さん、ありがとうございました。以上、インタビューコーナーでした!

では、ヨウムさんから連作の感想をお願い致します。

 

50首から9首選んだけれど、前半に採れる歌が少なかった。最初にいい歌がギュッとつめられるようになるといいね。

25.「それぞれの~」は肉の部位や名前を表しているんだろうけれど、初句が大雑把なのと、二句とほぼ同じ意味なのでもったいない。

「名前を食べる」は面白いのでここを残して手直しするともっと良くなると思うよ。

 

連作には、こういう印象に残る歌が何首も入っていると良いね。

 

ピヨ太くんは体言止めが多いね。悪い事ではないけど無意識にやっているなら意識した方がいい。

 

28.46.はちょっと弾けたリズムで面白い。

「かたくて」が両方ともひらがななのはわざとかな。

この二首がなんだか元気で若者っぽくて面白いんだけど、49.「何歳だっけ?」で、結局本当に何歳なんだ!?って試されてる気がした。豆をこぼしているのも、酔っぱらっている若者なのかな、とか、実は若くないのかも?とか。

49.の歌は連作をほぼ読み終えるところに配置されているんだけど、読者がここまでにこの連作に抱いていた印象によってこの歌の読みも変わるよね。

50.いつか立派な米俵……最後の歌は、力尽きたのかな(笑い)

 

ドキン

 

ヨウムさん、ありがとうございました。それではチュン美さんお願い致します。

 

はい。私がまず気になったのはタイトルかな。

このタイトルは十首目「クーポンの印字されたる~」からつけたのですか?

 

はい。タイトルは連作の中の歌を使おうと思ってこのタイトルにしました。

 

そうね……10.はあまり結句がよくないかな。

タイトルにするなら…しなくても、もうちょっと丁寧に作った方がいいと思います。セピア色というのも一首には出てこないし…。

 

セピア色……昭和歌謡っぽいよね

 

そう。セピア色は既存のイメージが強くて、それに引っ張られてしまうかな。

 

20.これは私はニュースで見ました。

とても珍しい種類の、絶滅寸前の蛙の最後の一匹がオスで、ロミオとい名前なのですが、最近になって仲間が発見されたそうなんです。

 

そのことです。セイウェンカズミズガエルという金色の蛙です。名前や見た目が色々面白いなと思って日記にメモして歌にしました。

 

毎日作っていると色んな歌ができるわよね。でもこれだけではロミオがその蛙だとはわからないかな。キョロちゃんとロミオと一首で両方書くっていうのは難しいかもね。またはロミオの説明を詞書にするか……。

 

ことばがき?

 

歌の横に小さい字で言葉が書いてあることがあるのよ。Y川さんの歌集にもあるから探してみて。

ともかく題材は面白いわ。

でもこのままだとキョロちゃんとロミオが並んでいるだけでピヨ太くんの気持ち(書きたいこと)があまり伝わらないのでもう少しがんばってください。

 

はい!

 

49.私は好きでした。お豆って持てないわよね。ウフフ

50.もしかして力尽きたのかしら?気持ちはうれしいけど……。

 

ドキン!

 

チュン美さん、ありがとうございました。

五十首目が力尽きたという意見が出ていましたが、ピヨ太くんはどうやって並べましたか?

 

日記メモを見ながら作った歌がほとんどなので、迷った時は時系列で並べるようにしました。まあ、年賀状の次がいきなり節分になってしまいましたが……。

やってるうちにどうやって並べたらいいかどんどんわからなくなって、50.はぜったい連作に入れたかったけれどどこに置いても浮いてしまって、末尾まで押し出されてきたという感じです。

 

一首が五十集まったもの、というだけでなく連作としてもまた一つの作品になるので、それを意識して並べないとね。

 

厳しいことも言ったけれど、一人で最後まで作ったのは本当に偉いわよ。

また、私たちのコメントは一般的な価値観を目安にしたものなので、

必ずしもピヨ太くんがそれに縛られる必要はありません

作品を作るにあたってピヨ太くんが大事にしたいことは何なのかを意識してみてください。

 

今回作ってみてどうだった?

 

はい。連作の最後の方で力尽きたことや、歌の作り方で意図したことがほとんどバレてしまいました。

他の読みも、歌だけでこんなにわかってしまうのかと驚きました。

自分が考えていたよりもずっと深く読みこんでいただきとてもありがたいです。

 

今回のことで連作をつくるのがすごく大変だとわかりました。

ほかの人の作品もこれを乗り越えて作られていると思うと読むときの目が変わると思います。

読んでいただきありがとうございました!

 

 

どういたしまして!

 

虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹

 

 

ピヨ太くんはこの一年よくがんばったよね。

宣言した通りに連作も作ったし。

 

エヘヘ。ありがとうございます!

歌を読んでもらって、お二羽(ふたり)がスラスラ言葉が出てくるのがすごいなと思いました。

自分はやっぱり読みが苦手で、歌会などで言葉がでてこなくて石化してばかりなので、なんとかしたいです。

 

そうね。

読みと言えば、「日々のクオリア」というページがあるわよ。歌人の方が書いた一首評が掲載されています。

二名交代で一年間かけて月~土曜までほぼ毎日更新されます!

(2019年担当者:生沼義朗さん、花山周子さん)

 

ほぼ毎日!? 聞いただけで鳥肌が……

 

ちょっと読んでみようか。

2019年1月25日 日々のクオリア(花山周子) (全文はリンク先をご覧ください)

あたまより鴉飛び立つ反動をわれの頸部は長く記憶す (村上和子 第三歌集『しろがね』 青磁社・2017年)

 

村上和子さんの歌集から花山周子さんが一首選び、鑑賞したものだよ。

三首の短い連作の一首で、鑑賞文では一連全体についても語っている。

 

一部を抜き書きするね。

※下記、花山さんの書いた記事の冒頭部分の引用です。

 

今日の一首は、以下の三首連作の最後の一首になる。

 

「反動(鴉三首)」

・わが頭を一瞬がしと摑みたる鴉のをりし図書館の森(※「がし」のところに傍点「・・」が付く。)

・嘴太鴉(はしぶと)の爪が残せる感触の痛みに変はる家へ着くころ

・あたまより鴉飛び立つ反動をわれの頸部は長く記憶す

 

短歌において、三首連作というのは案外珍しいし、歌集『しろがね』中でもこの「反動(鴉三首)」のみである。そして、この三首に、私は三首連作という形式の可能性を思った。

 

(中略)

 

この歌は一首単独で見ても、一分の隙もない完成度があり、見事だと思う。
それに加えて、三首で読むときの、ある一点の出来事に対する人の認識の経過、というものが、この見事な三首目を生み出す経過にもなっている。三首という、極めて簡素な形式によってこうした経過が描き出されるところ、上質な短編のような味わいがある。

 

※以上、引用文です。ぜひ全文をご覧ください。2019年1月25日 日々のクオリア(花山周子) 

 

ゴクリ。歌も文章も、とうてい自分の力では及ばなくて説明しきれないけれど、すごいということはわかります。

こんなに短い連作もあるんですね。

鑑賞文は、歌を上句・下句の目で見たイメージで分けることもしていて、こんな読みもあるんだと思いました。

自分は歌会には一、二回しか行ったことがないですが、初めての読み方でした。

 

・歌について

カラスって、最近本当によく見かけるようになりましたが、ミョウガサイズの僕やチュン美さんと違って、すっごく大きくて、力もものすごく強そう。

それが自分の頭に乗った上に、勢いをつけて飛んで行って、たぶんかなりの反動が首(頸部)に伝わったんでしょう。怖いし痛そう。

 

・「上質な短編小説のよう」という解釈から、連作全体について考えてみました。

一首目、頭をつかまれて、爪の力強い感触。二首目、家へ着くころに痛み始めてまたショックが思い出される。三首目、頸部に伝わった反動にクローズアップした回想。

経験したことの、体で感じた細かい部分にかなりクローズアップしているけれど、物語みたいな流れも感じました。

上手く言えないですが、文字数というか言葉の使い方が贅沢な感じもして、確かに「上質な短編小説」のようだと思いました。

 

自分が今言えることはこれくらいですが…。

今度は短い連作にも挑戦してみたいです。

歌も、読みも、思っていたよりずっと自由というか、もっと自分でちゃんと考えてどんどん挑戦していきたいと思いました。

 

ピヨ太くん……。初めての歌会で石化していた時から考えると、確実に成長しているわよ!

よかった……(ホロリ)

 

チュン美も本当によく頑張ったよ。初めての後輩だって張り切っていたもんね。

 

(そうだったんだ。知らなかった…)

 

 

 

 

さて、ここでピヨ太くんに大事なお話があります。

 

はい(ドキドキ)

 

この絵日記ブログは、今回が最終回です!!

 

えぇぇぇぇぇ~~~!?

 

 

チュン美:そうなのよ~ だから最後にピヨ太くんが成長を見せてくれてホッとしたわ~

ヨウム:「歌集ってなに❓」と言われた時は、どうなることかと思ったよね

 

ではピヨ太くん、最後に主人公として挨拶をお願いします。

 

さ、さいご!?

え~結社に入って、一羽(ひとり)で一年間歌を作っていた時からは考えられないたくさんの出会いがありました。

ヒト・トリとの出会いも、歌・文章との出会いもありました。

自分の歌を真剣に読んでくれる人がいると思うと、やみくもに焦ることが減った気がします。

よその鳥(ヒト)と比べるよりも、過去の自分と比べて成長を感じることができるようになった…かも?

自分には結社という形が合っていたと思います。これからもコツコツ続けて行きたいです。

読んでくれた皆さまありがとうございました。

 

では最後に、実際にこのブログを書いていたY川からも挨拶をします。

ピヨ太、チュン美、ヨウムさんに特にモデルはなく、ピヨ太の疑問や戸惑いは、自分が歌を始めたばかりのころを思い出して書きました。

当時の自分はもっと、ずっっっとヤバかったですが。

当時のことを思い出すことはほぼなかったので、貴重な経験ができたと思います。

 

私が書いたアドバイスなども、現在歌を始めたばかりの方から見ると、合わないと感じる部分もあるかもしれません。

その時は、自分がいちばん大事にしていることはなんなのか?と考えて結論を出してください。

 

あと、皆さまお気づきと思いますが、ピヨ太の歌もチュン美・ヨウムさんのつっこみも全て私が書いたので、

自分の作った歌を褒めたりけなしたり、ちょっと言い過ぎたと思って励ましたりしてカオスでした。

 

そうなの!?

 

まひる野ブログ公開にあたり、結社の方々、いつも更新してくれる北山あさひ、また読んでいただいた方々に深くお礼を申し上げます。

2019年4月5日 山川藍

 

 

 

ありがとうございました!!

 

山川藍

名古屋市出身 2001年まひる野入会

歌集『いらっしゃい』(2018年/KADOKAWA)