14年前に作った道具がある。作ったというよりも改造した、という方が正しい。
当時、【ある材料】が手に入らなくてガムテープで仮留して作った試作品だったのだけど、けっこう使っていた。ただ、ガムテープで仮留めしてあるだけだったので何度か使うと剥がれてくるという欠点があった。その都度、貼り直して使っていたのだけれど。
一時期、ホームセンター巡りをして、その材料を探しまくった時期があったが結局見つからず、いつの間にかその道具を使わなくなってしまった。
あれから14年の歳月が流れ、フェンシングの審判機を修理するために、電気部品のお店へ行った。なぜ、フェンシングの審判機の修理を?と、思ったかもしれない。
実は私の奥さんは高校のフェンシング部の顧問をしている。そして高校生というのは機器の扱いが乱暴なのか、よく審判機が壊れる。壊れると言ってもそんなに難しい箇所ではなく、電源コードの根元が断線するのだ。「そんな簡単なモノ、自分にでも直せるよ。」と、言ったのが運の尽き。奥さんの学校以外の高校の審判機も何台か修理する羽目になってしまった。皆、同じ個所が壊れるようで困っていたらしい。
修理と言っても新しい電源ケーブルをハンダ付けするだけなので、あっという間に直ってしまうのだけれど、それだけではまた同じところが故障するので、断線しないように補強する、というサービス付きである。(笑)
いや、フェンシングの審判機の話はこの際どうでもよくて、電源ケーブルを買いに電気部品の店に行ったのだ。
すると、14年前に、あんなに探しても見つからなかった【あの材料】が、大量に置いてあるではないか!なぜ電気部品の店にこんなものが置いてあるのか謎ではあったがすぐにその材料を大人買いしたのは言うまでもない。
そして14年前に作りかけて途中で放置していたあの道具がようやく完成した。それがこれである。
コレは何かというと、画家が使う「イーゼル」を改造したもので、マジックで使うカードやスケッチブックなど、ディスプレイするスタンドである。
普通のイーゼルではディスプレイできない大きなものが3段も並べてディスプレイできるよう改造したのだ。
もしも、マジックショーやサイエンスマジックショーで見かけたら
「あ、コレが14年の年月をかけて作ったアレね。物好きね💕」と笑っていただければ幸いである。








