STEAM英語

STEAM英語

英語を学ぶのではなく、英語で学ぶ。そして、学んだことを正確に伝える。
STEAM教育、科学実験、論文英語、特許英語を通して、科学と技術を世界へ伝える力を考える。

 

先日、X(旧Twitter)でこんな問いを見かけました。

「お金をもらっていいのかなと思えるほど楽しい仕事は何でしたか?」

さまざまな職業を経験した方々が、自分の仕事について語っていて、興味深く読みました。

 

私は、特許や論文の翻訳、そして知財パラリーガルの仕事をしています。

この地味な仕事は、子どもたちの「将来なりたい職業ランキング」に登場することは、まずありません。

そもそも、そんな仕事があること自体を知らない人のほうが多いでしょう。

でも、私には合っているようで、長く続いています。

 

この仕事では、99%が納品物とメールという文字でのやり取りに終始するので、

「どう伝えれば正確に伝わるか」「どんな言葉を選べば誤解がないか」を考え続ける日々とも言えます。

書いているのはほぼ英語ですが、単なる英語力だけでは足りません。

相手の意図を読み取り、論理を整理し、限られた時間の中で最適な答えを考え、必要に応じて提案する。

ときには法律、ときには工学、ときにはビジネスの視点も必要になります。

 

振り返ってみると、学生時代にはこの仕事の存在すら知りませんでした。

だから私は、子どもたちに伝えたいのです。

将来の仕事は、今知っている職業だけではありません。

世の中には、まだ知らない仕事がたくさんあります。

だから、「将来何になりたいか」がすぐに決まらなくても大丈夫。

それよりも、どんな仕事にも役立つ力を少しずつ育てておくことが大切だと思います。

例えば、

  • 言語で正確に伝える力
  • 相手と対話する力
  • 論理的に考える力
  • 限られた時間で判断する瞬発力
  • 相手の立場を想像できる思いやり

こうした力は、どんな職業に就いても必ず財産になります。

そして、いつか「こんな仕事があったんだ」「これは自分にぴったりだ」と思える仕事に出会えたら、それはとても幸せなことです。

子どもたちにも、まだ知らない世界との出会いを楽しみにしながら、自分の可能性を広げていってほしいと思います。

「英語はAIが翻訳してくれるから、もう勉強しなくてもいい。」

そんな意見を聞くことがあります。

確かに、AIはとても優秀です。

英語の論文を日本語に翻訳することも、海外へのメールを数秒で作成することもできます。私自身も、日々の仕事でAIを活用しています。

AIの翻訳は100%正しいとは限らない

しかし、AIが出力した文章は、100%正しいとは限りません。

一見自然な日本語でも、本来の意味が少しずれていることがあります。英語のメールでも、文法は正しくても、相手に誤解を与える表現になっていることがあります。

特に科学や技術の分野では、用語の選び方や文のかかり方が少し違うだけで、内容が大きく変わることもあります。

そのため、AIが作った文章をそのまま使うのではなく、内容が正しいか、意図が正確に伝わっているかを確認することが必要です。

これから必要なのは「修正できる力」

これから求められるのは、すべての英文をゼロから自力で書く力だけではありません。

AIが作った英語や日本語を読み、内容を理解し、必要に応じて修正できる力です。

どこが不自然なのか。

元の意味とずれていないか。

相手に誤解される表現になっていないか。

こうしたことを判断するためには、英語の基本的な語彙や文の構造を、自分自身が理解している必要があります。

AIを上手に使うためにも、英語力は必要なのです。

科学技術英語の構文は意外にシンプル

STEAM ENGLISHでは、科学や技術を題材に英語を学びます。

科学技術英語には、できるだけ曖昧さを避け、事実を正確に伝えるという特徴があります。

そのため、使われる文法や表現は、意外なほどシンプルです。

例えば、

「温度が上がった」

「二つの結果を比較した」

「水を加えると色が変わった」

「この結果から、〇〇であることが分かった」

といった内容は、基本的な単語と構文で表すことができます。

難しい言い回しをたくさん覚えなくても、観察したこと、起きた変化、その理由を順序立てて伝えることができます。

基本構文が「聞く・話す」の土台になる

科学技術英語で使われる基本構文が身につくと、「英語を聞く」「英語を話す」ということへの障壁も、案外低くなります。

英会話では、流暢さや発音ばかりが注目されがちです。

しかし、実際に大切なのは、何が起きたのか、自分はどう考えたのかを、簡潔な文で相手に伝えることです。

基本的な構文を知っていれば、相手の説明の要点をつかみやすくなります。また、自分の考えを短い文に分けて話すこともできるようになります。

科学技術英語は、読むため、書くためだけの英語ではありません。

聞く力や話す力を支える土台にもなるのです。

英語のゴールは「資格」ではなく「伝えること」

もちろん、英検やTOEICなどの資格には大きな価値があります。

しかし、資格を取得することはゴールではありません。

例えば、将来、技術者や研究者、あるいはメーカーで製品開発に携わる社会人になったとき、本当に求められるのは、自分が開発した技術や製品を、自分の言葉で英語で説明できる力です。

「この製品はどのような仕組みなのか。」
「なぜこの材料を選んだのか。」
「実験ではどのような結果が得られたのか。」
「この技術にはどんな特徴があるのか。」

こうした内容を、相手に分かりやすく、論理的に伝えられることが、実社会では何より重要になります。

その土台となるのが、科学技術英語で使われる基本的な語彙や構文なのです。

AI時代だからこそ、自分の言葉で伝える力を

AIは、これからますます進化していくでしょう。

英語を使う場面でも、AIに助けてもらう機会はさらに増えていくはずです。

だからこそ、人に求められるのは、AIの答えをそのまま受け入れることではありません。

内容を確認し、誤りに気づき、自分の意図に合わせて修正し、最終的には自分の言葉として相手に伝える力です。

STEAM ENGLISHが目指しているのは、その土台となる英語力です。

英語を暗記科目として学ぶのではなく、考え、判断し、説明するための道具として身につけること。

AI時代だからこそ、「英語ができる人」とは、難しい単語をたくさん知っている人ではありません。

自分の専門や経験を、自分の言葉で世界に伝えられる人。

そんな英語力を育てることが、STEAM ENGLISHの目標です。

本当に英語が苦手なの?

「英語が苦手」という子どもたちは少なくありません。

しかし、その理由は本当に「英語」なのでしょうか。

 

現在の英語教育では、日常会話やコミュニケーションを重視した教材が数多く使われています。一方で、その内容に興味を持てず、「何のために英語を学ぶのか」が見えない子どもたちもいます。

 

シンプルだから伝わる科学英語

STEAM ENGLISHでは、科学や身の回りの自然現象、ものづくりなどを題材として英語を学びます。

科学で使われる英語には、大きな特徴があります。

事実を観察し、現象を説明し、結果を比較することが中心となるため、文章は比較的シンプルです。

The ice melted.
The color changed.
Plants need light.
The object floated.

このように、短く分かりやすい構文で、「何が起こったか」を正確に伝える表現が多く使われます。

 

事実を伝える英語

科学を題材とした英語には、もう一つ大きな特徴があります。

日常英会話では、「私はどう思うか」「あなたは何をしたいか」といった、人を主体とした表現や、その人によって答えが変わる内容が数多く登場します。

一方、科学では、「水は100℃で沸騰する」「磁石は鉄を引き付ける」「植物は光を必要とする」といった、観察や検証によって確かめられる客観的な事実や現象が学びの中心となります。

そのため、文の構造が比較的一定で、複雑な感情表現や抽象的なやり取りに比べ、英語そのものの仕組みに集中しやすいという利点があります。

 

世界へのパスポート

そして、英語が得意ではない子どもにとっても、「科学がおもしろい」という興味が、英語への第一歩になるかもしれません。

STEAM教育が目指すのは、教科を横断しながら、自ら考え、探究し、表現する力を育てることです。

その学びを支える言語として、英語は「目的」ではなく「道具」となります。

さらに、科学分野では英語が国際的な共通言語として広く用いられています。英語を学ぶことは、世界中の知識や情報へアクセスするための扉を開くことにもつながります。

 

学校や地域の教育現場においても、英語だけを学ぶのではなく、科学や探究活動と結び付けながら英語を使う機会を増やすことで、これまで英語に興味を持てなかった子どもたちにも、新しい学びの入口を提供できるのではないでしょうか。

STEAM ENGLISH LAB.は、科学と英語を結び付けることで、「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」へ。一人でも多くの子どもたちが、英語を世界を学ぶための道具として使い、自らの知的好奇心を広げていけることを願っています。

 


M&M'sの色

M&M'sというチョコレート菓子は、とても鮮やかな色をしています。

この色は、それぞれ異なる食用色素によってつくられています。

 

でも実は、鮮やかな色を表現するためには、「白い下地」も重要な役割を果たしていました。

その白い成分が二酸化チタン(Titanium Dioxide)です。

 

二酸化チタンは白色顔料として用いられ、赤や青、黄色などの色をより鮮やかに見せる役割を果たしていました。

 

ところが、この二酸化チタンは健康への影響について議論が続いた結果、EUでは2022年から食品への使用が禁止されました。

 

一方、日本やアメリカなどでは現在も使用が認められており、同じ食品でも国によって原材料が異なる場合があります。

つまり、世界では国や地域ごとに食品安全に関する考え方や規制が異なるのです。

 

輸出入を行う企業は、それぞれの国のルールに合わせて原材料や表示を変更し、安全で安心な食品を世界中へ届けるための努力を続けています。

 

身近なお菓子から世界が見える

STEAM ENGLISH LAB.では、キャンディーの色が水に広がる様子を観察する実験の資料を提供しています。

日本語(無料)

英語(一部無料)

 

身近なお菓子の色から、濃度や密度といった科学、食品安全、そして国際的なルールへ。

科学は、私たちの生活や世界と密接に関わり合っています。

STEAM ENGLISH LAB.による「Spaghetti Tower Challenge」教材

乾燥スパゲッティとマシュマロだけを使い、できるだけ高く、そして倒れないタワーを作るアクティビティです。

四角形から始めるチームは「あれ?ぐらぐらする……」と気付きます。

そこで、三角形を取り入れると、一気に構造が安定します。

この瞬間、子どもたちは教科書で学ぶ「三角形は強い」という知識を、自分の手で実感します。

実際、このようなスパゲッティタワーは世界中の理科・工学教育で用いられており、三角形を基本とした構造の強さや、試作と改良を繰り返すエンジニアリングデザインを学ぶ教材として活用されています。


身近な実験が、社会につながる

STEAM教育では、「知識を覚えること」だけを目的にしていません。

そしてSTEAM ENGLISH LAB.では、見たこと、わかったこと、考察したことを正確に言語で伝達すること、そして「なぜだろう?」から始まり、「社会ではどう使われているのだろう?」へつなげることも大切にしています。

 

スパゲッティタワーは、一見すると楽しい工作です。

でも、その中には

  • 三角形と四角形の性質
  • 力の伝わり方
  • 重心と安定性
  • 試作・失敗・改善という設計プロセス
  • エンジニアの考え方(限られた材料・時間・コストの中で、できるだけ強く安定した構造を考える)

といった、本物の工学につながる学びが詰まっています。


「本物」とつながる体験を

このXの投稿では、更に進んだ実験の一例を見ることができます。⇒X
 

STEAM ENGLISH LAB. は、英語を学ぶだけではなく、英語で科学を学び、科学を通して社会を見る。そんな体験を、これからも子どもたちに届けていきます。

 

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今回ご紹介した「Spaghetti Tower Challenge」のアクティビティも、STEAM ENGLISH LAB.の教材に収録されています。ご家庭や学校、英語教室でぜひご活用ください。

 

 

英語教材はこちらで販売しています。

STEAM ENGLISH for BEGINNERS Description and Worksheet
STEAM ENGLISH for BEGINNERS Report Samples

【無料サンプル】
>> Free Sample Pack (Unit 5-1: Colors from Candies in Water)
>> Free Sample Pack (Unit 9-1: Secrets in Eggs)