佐藤友哉 「鏡姉妹の飛ぶ教室」
- 佐藤 友哉
- 鏡姉妹の飛ぶ教室
誰もが三百六十五日分の一日で終わる予定でいた六月六日。
鏡家の三女、鏡佐奈は突然の大地震に遭遇する。
液状化した大地に飲み込まれていく校舎を彩る闇の色は、生き残った生徒たちの心を狂気一色に染め上げてゆく――。
佐奈を待つもの――
それは死か? それとも死か??
衝撃の問題作、『クリスマス・テロル』から三年の沈黙を破り、佐藤友哉が満を持して放つ戦慄の<鏡家サーガ>例外編。
あの九十年代以降の「失われた」青春のすべてがここにある!
みんなで飛ぼう!!
◆ ◆ ◆
佐藤友哉の<鏡家サーが>例外編。
「クリスマス・テロル」なんていう文字通りの「問題作」を書いているから、もうこの人は小説なんて書かないのかと思っていたのですが・・・・・・。例外だからいいのでしょうか?
いきなりの地震、地盤沈下、そして戦闘。
どこもかしこも死体だらけの学校で、繰り広げられる意思のぶつかり合い、とでもいうか。
もう無茶苦茶。というよりはぐちゃぐちゃ。
人間離れした能力を持った<闘牛(トロ)>やら、それを捕獲するための<闘牛士(トレロ)>を始めとして、
鏡姉妹やその他諸々のキャラクターたちが、あちらこちらを動き回ります。
流れに押されて、物凄いスピードで物語が展開していく。
各所で出てくるネタや(半分ほどしか判りませんでしたが)、「佐藤友哉」的な文章(としか形容の仕様がない)、本当にどう表現していいのか判らないのですが、読んでいながら「これは小説として成り立っているのか?」と疑問を感じてしまうくらいに滅茶苦茶な本。
しかも、ラストは・・・・・・。「いや待て、そんなところに落ち着くの!?」と思い切り叫びたくなります。
これってあらかじめこのオチを計算していたのか・・・・・・。一応、伏線らしきものはあるのですが。
それにしたってこれは・・・・・・。ううむ。最後まで佐藤友哉だったか・・・・・・・。
とにかく、佐藤友哉しかこんな小説は書かないでしょうし、ジャンルなんてものがあるようにも思えず、ただひたすら「佐藤友哉」なのですが、何だかんだで面白かった・・・・・・のだろうか?
評価なんてつけようもないんですが、よくわからないので6点ということにしておきます。
これって純文学なのかなぁ・・・・・・。
TRICK 新作スペシャル
昨日、日曜洋画劇場で放送されていた「TRICK 新作スペシャル 」。
このシリーズは小学校の頃に初めて見て、とても面白いと思ったドラマで、
先日ふと新聞を見たら新作が放送される、ということで早速録画、今日学校から帰ってすぐ見終えました。
いつもどおりのTRICK。
胡散臭いキャラクターや、ある意味無茶苦茶なトリック。
それが面白さの一つなんですけど。
タイトルがTRICKなのに、肝心のトリックがこんなのでいいのか? という疑問はやはり残ります・・・・・・。
一番最初の事件などは、今までのパターンからしてすぐにわかりますし、
二番目も、考えるまでもなくトリック(といっていいのかどうか)は一発で解けます。
三番目の溺死トリックに関しては全く見抜けませんでしたが、いくらなんでもこれは・・・・・・。思わず笑ってしまいました。
他にもトリック関連で突込みどころはやたらと多いのですが、これもいつものこと、というか、前述したとおり「面白さの一つ」なんで。
個人的には満足です。
まあ、本格ミステリとかそういったものではなく、あくまで「ドラマ」として楽しむべき作品ですね。
最後の最後も、いつもどおり後味悪いですし、スペシャルといっても本当に普段と変わらないTRICKでした。
(しかし、TRICKってなんとなく「金田一少年」あたりと似ているような・・・・・・)
西澤保彦 「仔羊たちの聖夜」
- 西澤 保彦
- 仔羊たちの聖夜(イヴ)
通称タックこと匡千暁、ボアン先輩こと辺見祐輔、タカチこと高瀬千帆―。
キャンパス三人組が初めて顔を突き合わせた一年前のクリスマスイヴ。
彼らはその日、女性の転落死を目の当たりにしてしまう。
遺書、そして動機も見当たらずに自殺と結論づけられたこの事件の一年後、とあるきっかけから転落死した女性の身元をたどることになった彼らが知ったのは、五年前にも同じビルから不可解な転落死があったということ。
二つの事件には関連はあるのか? そして今また、新たな事件が…。
二転三転する酩酊推理、本格ミステリシリーズの逸品。
◆ ◆ ◆
西澤保彦の、タック&タカチシリーズの三作目にあたる作品。
このシリーズの作品は今までに五冊読んでいるのですが、どれもなかなか面白かったので、抜かしていた本書も読んでみました。
同じ場所、同じような状況での三つの転落事件。
転落者のすぐ傍には、包装紙で包まれた「プレゼント」が落ちていた・・・・・・。
この三つの転落事件、それぞれ真相がなかなか凝っています。
三番目の事件が起こったときや、最後に明かされる真相などは驚かされました。
想像のつかない展開、推理、というか。それが後味を悪くしている感もあるのですが。
タック&タカチシリーズのある種のテーマとも言える「親子関係」に関することは、今回もやはり事件に絡んできていて、
読みながら、色々と考えさせられてしまいます。かなり重いです。
西澤さんの作品は、一見軽く見せておきながらも、実は重いテーマを扱っている、後味が悪いといったものが多くて、本書もその中の一つ、といった感じでしょうか。
そんなこんなでも、シリーズのファンとしては結構楽しめました。ということで、7点。
次は「依存」を読む予定ですが、シリーズの中でも重要な作品ということで、今から期待は大きいです。
多分、これもまた重い作品なのでしょうが。
オープンスクール当日
今日はオープンスクール当日。
授業が終ったら、美術室に向かって残った準備を済ませる。
昨日から行っていたので、これはそれほど時間かけずに終らせられました。
演技用の衣装に着替えてしばらく練習していると、開始時刻のベルが。
お客さんも最初のほうは少なかったですが、10分もするとどんどん入ってきて、すぐに忙しくなりました。
ある程度、正式な場ということで、僕も数日前から色々マジックの流れ等考えていたのですが、
始まってからは、もう流れなど気にする余裕もなくて、ただ目の前のことだけで精一杯。
一つ予想外だったのが、お客さんの年齢層が、小学校低学年あたりが多かった、ということ。
高学年くらいを予想してマジックを作っていたので、少々拙かった・・・・・・。
コイン、ダイス、カードを使ったものを演じていたのですが、コインなどは低すぎる視線のおかげで全く演技が出来なかったり。せいぜい、消したり移動させたりが限度。
途中からは、あらかじめ予定していたようなマジックは放棄して、アドリブで学園祭で演じたルーティンなどを見せていました。
実際、こちらのほうが受けは良かったり。
どれも、「TVでは絶対に見ないような演技」というコンセプトの元に作ったマジックなので、多分新しさはあったとは思いますが・・・・・。
一番受けたのは、学園祭の時に作ったとあるマジック。
これは、もう一つ別のオリジナルマジックからつなげて演じているカードマジックなのですが、
自分でも恐ろしくなるくらい、誰に演じても受けがいいです。不思議。
何で受けるのかはさっぱりわからないのですが。
一応オリジナルなので、どこにも公表はしていませんが、自分が演じられる中で間違いなくベスト。
多少演技に詰まっても、最後にこれを持ってくれば大体の方は満足して帰っていただけるという、こちらからしてみるとまさにとっておきの魔法のようなもの。
今回もこれで切り抜けさせてもらいましたが、よく考えると学園祭以来進歩がない、とも言えるわけで、なんだかなぁと思ったりも。もっと練習しないとダメですね。
そんなこんなで、カードを中心に何人かの人にマジックを見せていたら、いつのまにか二時間以上経過して終了時刻に。
時間が経つのは早い・・・・・・。と、そんな当たり前のことをまたまた実感。
思う存分に演技が出来て、良い機会でした。お客さんに楽しんでもらえたならこちらも嬉しいのですが。
次回の発表の機会は12月のクリスマス少し前。
聖園招待、というイベントがあり、そちらでもまたマジックを演じることになっています。
ひとイベント終ったからといって、気を抜くわけにもいかないのです。
今から、そちら対策の練習もやらないと・・・・・・。
実のところ、練習中がとても楽しかったりするので、「大変」とか「苦労」とか、そういった単語は存在しないのですが。
今日はずっと立ちっぱなし、しゃべりっぱなしでさすがに疲れたので、明日は一日ゆっくり過ごします。
西尾維新 「クビキリサイクル」
- 西尾 維新
- クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い
絶海の孤島に隠れ棲む財閥令嬢が“科学・絵画・料理・占術・工学”、5人の「天才」女性を招待した瞬間、“孤島×密室×首なし死体”の連鎖がスタートする!
工学の天才美少女、「青色サヴァン」こと玖渚友(くなぎさとも)(♀)とその冴えない友人、「戯言遣い(ざれごとづかい)」」いーちゃん(♂)は、「天才」の凶行を“証明終了(QED)”できるのか?
新青春エンタの傑作、ここに誕生!第23回メフィスト賞受賞作。
◆ ◆ ◆
世間はもっぱらネコソギラジカルの話題で盛り上がっているのに、こんな時期に一作目を読み返している自分。
これを読んだのは、今から三年ほど前でしたが、そのときはそこそこ面白かったかなという程度の感想しか持たなかったのです。
続けて、「クビシメ」を読んだときは、望んでいたミステリ要素が薄くなっていて、「クビツリ」にいたって完全にミステリを放棄し、「この方向性はあわない」と決め付けそれから全く読んでいなかったのですが。
もしかしたら、その決め付けは早すぎたのかもしれない、という不安もあって、「完結したら改めて読んでみよう」と思っていたのです。
で、実際に読んでみたら。
意外に面白い。
真相部分も、何箇所も忘れていた場所があって、意外とミステリとしてよく出来ていたんだな、と。
エピローグで明かされる真相は、一度読んでいたはずなのに結構驚かされたり。
・・・・・・なんというか、三年間で随分自分は変わったんだな、と感じました。
天才が天才っぽく見えない、と各所で言われている部分は、もうどうでもいいやという感じ。
キャラクターは・・・・・・。ある程度、ライトノベルも何冊か読んで耐性が出来ているので。
初読の時はどう思ったのか忘れてしまいましたが、言葉遊びも、そこまで引っかかりませんでした。
一つ気になるのは、清涼院流水の推薦文がついた帯、これって実際売上に貢献したのでしょうか?
逆効果な気が・・・・・・いえ、何でもありません。
とりあえず、エピローグが良かったので、8点くらいはつけていいかな、と。
残りの作品が楽しめるかどうかは判りませんが、とりあえず読み返してみます。
スクラップブックの紹介など
このようなもの をつくってしまいました。
スクラップブック。
どうせ作るなら、いいIDをとりたいなぁと思い、さっと新しく作ってみたのですが。
そうしてとったIDはmystery。つづり間違えていたら恥ずかしいですが、多分大丈夫なはず・・・・・・。
・・・・・・でもこれで参加者いなかったら・・・・・・。ううむ。
というわけで、もし宜しければ是非是非ご参加いただけると嬉しいです。
小説でなくても、映画などでも全然構いませんので。ミステリーにそれほど深くこだわらなくても良いですし・・・・・・。
どうかよろしくお願いします。
追記:
咄嗟だったのでタイトルなども適当につけたのですが、後で「変更不可」だと知ってビックリ。
もう少し考えればよかったかな・・・・・・。
ちなみに、「ビブルの会」は麻耶雄嵩氏の小説に出てくる、探偵小説好きの人たちの会です。
サラ・ウォーターズ 「荊の城(下)」
- サラ・ウォーターズ, 中村 有希
- 荊[いばら]の城 下
スウが侍女として入ったのは、俗世間とは隔絶した辺鄙な地に建つ城館。
そこに住むのは、スウが世話をする令嬢、モード。
それに、彼女の伯父と使用人たち。
訪ねてくる者と言えば、伯父の年老いた友人たちだけという屋敷で、同い年のスウとモードが親しくなっていくのは当然だった。
たとえその背後で、冷酷な計画を進めていようとも。
計画の行方は?
二人を待ち受ける運命とは。
◆ ◆ ◆
先日の予告どおり、本日読了。
久々に読んだ海外作品です。
ネタバレになるので下巻のあらすじはかけないのですが、
上にある文庫裏のあらすじが苦し紛れにつけた感じで、苦労したんだろうなー、と思いました。
下巻の最初は、第一部のどんでん返しの「裏」を次々と明かしていきます。
ある程度予想していたとはいえ、なかなか意外な展開。
そして、第三部に入り、スウを待ち受けるもの・・・・・・。
ここの描写がものすごく丁寧で(ここだけでなく、全体的にそうなのですが)、それ故重く感じられます。
ただ、それでも続きが気になって途中で止められないのも確か。
やはり、この人の文章は凄い・・・・・・。雰囲気があります。
ラストは、どんでん返しとまではいいませんが意外な展開で、少し驚きも。
こういうところに落ちるのか、という。
まあ、全体的になかなか面白かったです。
ミステリ的には「半身」のほうが優れていますが、
読みやすさ、面白さではこちらのほうが上かな?
とりあえず、一般受けするのは「半身」より「荊の城」でしょう。
7点、ということにしておきますが、読んで損はない作品です。
(でも、やはり「このミス」一位は何故かわからない・・・・・・。これってミステリ? 「このミス」だからでしょうが)
オープンスクール対策
今週の土曜日に、僕の学校のオープンスクールがあります。
僕は学校では美術部&マジックサークルに所属していて、
昨年までは、ずっとオープンスクールでは美術の展示や、簡単にできるアートなどを実演していたのですが。
今年。
何故か、本当に何故だかわからないのですが、美術部の展示等は一切行わずに、
クロースアップ・マジックの演技をサークルのメンバーで行うことになったのです。
クロースアップ・マジックとは、知っている人も多いかとは思いますが、カードやコインなどを使って、観客のすぐ目の前で見せる奇術の種類。
そして、オープンスクールに来るお客さんの年齢層は、大体小学校中学年~高学年。
この頃の子供にマジックを演じるのは、実は意外と難しいことだったりするのですよ。
ある程度対策を練っておいたり、演じるマジックを考慮しないと失敗しやすい。
そういうわけで、今日もサークルで練習。家に帰っても練習。
一応、会長を勤めさせてもらっている手前、下手な演技をするわけにもいきませんし・・・・・・。
密かなプレッシャーです。
まあそれはいいとして。
ミステリとマジックは、よく言われますが似通った存在ですよねー。
ミステリ好きで、マジックを趣味にしている人って、結構多いようですし。
尤も、マジックの場合は謎を謎として残しておき、解決はしないという点がミステリとは異なりますが。
マジックにしろミステリにしろ、何かしらの「驚き」は欲しいものです。
完全に観客の予想を裏切るような、そんなマジックを演じられればいいな、などと思いつつ、
あと三日、ひたすら練習。上手くいけば良いのですが。
サラ・ウォーターズ 「荊の城(上)」
- サラ・ウォーターズ, 中村 有希
- 荊[いばら]の城 上
19世紀半ばのロンドン。17歳になる少女スウは、下町で掏摸を生業として暮らしていた。そんな彼女に顔見知りの詐欺師がある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかして結婚し、その財産をそっくり奪い取ろうというのだ。スウの役割は令嬢の新しい侍女。スウは迷いながらも、話にのることにするのだが…。CWAのヒストリカル・ダガーを受賞した、ウォーターズ待望の第2弾。
◆ ◆ ◆
2005年度の「このミス」で一位を獲得した作品。
この作者、2004年度のこのミスでも「半身」で同じく一位を獲得しています。
「半身」がそれなりに良かったので、この作品にも手を伸ばしてみました。
まだ上巻しか読んでいないのですが、読んでいて思ったのは「半身」より格段に読みやすい、ということ。
カタカナの名前は苦手なのですが、登場人物がそれほど多くないためこの作品に関してはこんがらがることなく読めました。
上巻の内容を一言で言えば、「詐欺」。
それも、非常に大掛かりな騙し。
第一部と第二部の途中までが収録されているのですが、第一部のラストのどんでん返しは驚き。
普通なら真っ先に疑うべきところなのに、この濃密な文章とな雰囲気に飲まれて、仕掛けのことなど全く考えていませんでした。
あらすじなどからして、こういう方向性の作品だというのは大体わかるのですが。
尤も、そのどんでん返しなどを除けばあまりミステリらしい個所はなく、何故これが「このミス」一位なのかは謎ですが、下巻で何かあるのでしょうか。
とりあえず、上巻だけでも面白いことは間違いなく、ラストの二行などを読むと第一部のどんでん返しへの見方も変わってきます。
下巻では一体どのような展開に持っていくのか。
とても続きが気になる・・・・・・。
まだ読み終わってないので評価はつけませんが、これはなかなか良さそうです。
下巻の感想は、明後日くらいにでも。
本格ミステリベスト10投票しました
「2006 本格ミステリベスト10 MY BEST RANKING」
ギリギリでしたが、投票してきました。
もちろん読者投票。なので、別に隠す必要もないから投票した作品はこちらに書いておきます。
第一位 双竜町事件―仮面幻双曲
第二位 容疑者Xの献身
第三位 神様ゲーム
第四位 扉は閉ざされたまま
第五位 クドリャフカの順番
流石にコメントまでは載せませんが(ただ単に恥ずかしいので)。
ギリギリに読んだ「双竜町事件」を結局一位にしました。
本格ミステリ、という観点から見ればこれが最もよく出来ていたと思います。
でも、絶対これに投票した人は少ないでしょう。
傑作なのになぁ。
電子書籍ですが、投票してよかったのか?
残りの四つは、前にも色々と書いているので省略しますが、やはりその四つの中での順位は変わりませんでした。
また、評価でつけた点数から行くと、この並び方は少々違っているのですが、「本格ミステリ」としてみた場合の順位ということなので。
「双竜町事件」以外の四作は、おそらく上位にランクインするはず。でも、クドリャフカはどうだろう。
個人的に気になるのは、「容疑者X」と「扉は~」のどちらが一位をとるか、ですね。
やはり「扉は~」だろうか・・・・・・。
発表が待ち遠しいです。