「マイノリティ・リポート」(映画)
- 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- マイノリティ・リポート
昨日放送されていたものを録画して鑑賞。
プリコグと呼ばれる三人の予知能力者によって、犯罪者は犯罪を犯す前に逮捕される近未来を舞台にしたSFサスペンス。
「未来の殺人の場面が見える」→「その映像から、どこで殺人が行われるのかを特定する」→「殺人が行われる前に逮捕」
・・・・・・これってタイムパラドックスは起きないの?
まあ、見ている間は気にしませんでしたが。それだけ、引き込まれるストーリーです。
未来の殺人の容疑で、犯罪予防局に追われることになる主人公。
被害者は、名前も顔も全く知らない男。
自分が殺人など犯すわけがない・・・・・・ではなぜ? という話で、
アクションあり、謎解きありの豪華な内容。
また、近未来SFとして、結構設定が細かいです。
少し中途半端な部分もありますが、決して適当に作ってあるわけではない。
CGも大量に使われていて、独特な感じの映像が、上手く「近未来」を演出しています。
この雰囲気は凄いと思う。
見る前に期待していたミステリ的な部分もなかなか。
特に、最後で明かされる犯人の使ったトリックは、シンプルながらかなり納得させられます。
犯罪予防システムの盲点をついており、SFミステリらしい解決。
犯人の意外性などは特になく、オチも普通かな・・・・・・と思いましたが、娯楽性重視の映画なので特に気にとめることもないかな、と。
その分、全く飽きることなく集中して見ることができたのでOK。
SFサスペンスが好きな人は見る価値あり。
ただ、タイムパラドックスものとしてはそれほどでもないです。
7点。
TBS「白夜行 第二話・第三話」(ドラマ)
第二話・第三話まとめての感想。
第一話で 、もう原作とは全く別の話になるんだろうな・・・・・・とは思っていましたが、
これだけ別物だと、逆に楽しめてくる。
この第二話・三話では、犯罪計画を立てる段階の二人を描いていて、その場面の心情描写がとても面白いですね。
これを見るだけでも、主人公二人はどう考えてもわざと原作と違ったキャラクターに仕立ててあるのだとわかります。
亮司がやたらとうじうじしていたり、雪穂がキレたり・・・・・・。
雪補がいきなり教会で暴れ出した時は「何だこの展開・・・・・・」と思ってしまいました。
見事なまでに、原作の二人に重なりません。
「原作と比べると・・・・・・」というのは、原作と重なる部分があってこその話で、全く別物であれば違和感も何もどこかに飛んでしまいます。
おかげで、第一話よりもずっと印象は良かったです。
内容は全く別でしたが、大まかな展開は原作の章分けに忠実。
第四話も、予告編を見ると第四章に大幅にアレンジを加えたものになる様子。
小説の方は十三章あるので、丁度良いのかも。
また、第一話の感想で書こうと思って忘れていたのですが、映像がとても綺麗。
太陽の光の入れ方(というのか?)がとても上手いです。
音楽も雰囲気に合っていて、特に強く印象に残るわけではありませんがなかなか良いです。
初回の感想は微妙でしたが、この分なら次回以降も楽しめそう。
どうせ見るなら、より楽しく、がベストですよね。
割り切ったもの勝ちだと思います。
大石英司 「ぼくらはみんな、ここにいる」
- 大石 英司
- ぼくらはみんな、ここにいる
あの夏、ぼくらは無人島で…
眩しい海、広がる空。永遠の時間の中で流れ続ける音楽…
合宿に訪れた少年たちを待つ、壮大な運命とは?
感動の書き下ろし最新作。
◆ ◆ ◆
上の帯の紹介文に惹かれて手にとってみたのですが、良く考えるとほとんどストーリーの紹介になっていませんね。
僕はほのぼのとした青春小説を予想していたのですが、実際は、
無人島に合宿にきたブラスバンド部員三十名と、その他数名が島ごと江戸時代にタイムスリップしてしまう話、でした。
一体だれが想像できるんだろう・・・・・・。帯以外には、内容の説明のようなものはどこにも書かれていませんし。
これはこれで面白かったので良いですが。
過去にタイムスリップすることを、一部の人たちは事前に知っており、またその上で準備もしている・・・・・・という設定が良いですね。
これがもし、何の準備もなくタイムスリップしてしまったとしたら、とても生き延びることは出来ないだろうし、展開も滅茶苦茶になっていたでしょう(それはそれで面白そう・・・・・・というか、そういう小説はいくつもあるような)。
それがこの設定によって、江戸時代の無人島でも、現代的な生活と半分半分、といった感じになっています。
なんだか奇妙な感じです。
タイムスリップは重要といえば重要なのですが、むしろ無人島でどうやって暮らしていくのか、その生活のほうがメイン。
無人島生活を書きたいがためにタイムスリップを持ち出したのかな、と思うほど・・・・・・。
それこそ、このような特殊な状況でも作り出さない限りは、無人島で何年も暮らすという状況はまず生まれませんし。
無人島もの、なんてジャンルがあるのかどうかわかりませんが、もしそういったものが好きなら、読んでみて損はないかと。
サバイバル、というには温いですが・・・・・・。
読んでいる間は面白いです。
7点。
また、これは作者本人が仰っているのですが、本書は最後まで読み終わった後プロローグをもう一度読み返してようやく完結する作品、とのこと。確かに、読んでみて納得です。
僕も、読了後プロローグを再読することをお勧めします。
ポール・アルテ 「第四の扉」
- ポール アルテ, Paul Halter, 平岡 敦
- 第四の扉―ツイスト博士シリーズ
オックスフォード近郊の小村に建つダーンリー家の屋敷には、奇妙な噂があった。
数年前に密室状態の屋根裏部屋で、全身を切り刻まれて死んだダーンリー夫人の幽霊が出るというのだ。
その屋敷に霊能力を持つと称するラティマー夫妻が越してくると、さらに不思議な事件が続発する。
隣人の作家アーサーが襲われると同時に、その息子ヘンリーが失踪。しかもヘンリーは数日後、同時刻に別々の場所で目撃される。
そして、呪われた屋根裏部屋での交霊実験のさなか、またもや密室殺人が…。
犯罪学者アラン・ツイスト博士が、奇怪な事件の真相を暴く。
◆ ◆ ◆
最近少しミステリから離れていたので、久々にガチガチの本格でも、と2003年度本ミス1位の本書を手に取ってみました。
薄い本なので、軽い気持ちで読み始めたのですが、
予想以上に「凄い本格」でした。
序盤から次々と繰り出される謎の数々。
本当にこれら全部解決されるのか? と少し不安になりながらも読み進めていくと、まず第三部で明かされる衝撃の事実。
だから前半部がこうなのか、と驚くと同時に納得。
こういう構成の作品だ、ということを中盤まで明かさないというのが面白いですね。
そして、解決編の第四部。
見事に、すべての謎が解かれる。
しかも、トリックにそこまで新しさはないとはいえ、期待以上の解決。
一気にいくつもの謎が解決されていく様は、読んでいてページをめくる手を止めることができません。
これだけでも十分良かったのですが、本書にはさらに続きがあります。
第五部で待ちかまえるどんでん返し。
少々混乱はしましたが、これには参りました。
最後の最後まで気を抜けない作品です。
それにしても、これだけ大量の趣向を200ページあまりに全部詰め込んでいるのが凄い。
密度が濃いです。
本格ミステリが好きで、本書を未読なら、何が何でも読むべきと言ってもよさそう。
少なくとも、ミステリ部分はほとんど文句のつけようがない出来。
ただ、売り文句の(?)怪奇趣味や密室殺人より、遙かに別の趣向の方が個人的に面白かったのが少し残念、ではあるかも。
それでも、かなり高めの8点。
相当読みやすいので、海外作品が苦手な方でも大丈夫だと思います。
はやみねかおる 「ぼくと未来屋の夏 1巻」(漫画)
- 武本 糸会, はやみね かおる
- ぼくと未来屋の夏 1 (1)
講談社のミステリーランドから刊行されている同名小説の漫画化。
原作は正統派のジュブナイル・ミステリで、結構好みだったので漫画も手に取ってみました。
小説の漫画化はイメージに合わないことが多いのですが、これは絵の感じや雰囲気がぴたりと当てはまっています。
いかにもジュブナイル小説の漫画化、という感じで結構気に入りました。
今のところ、展開は原作に忠実。
神隠し、肝試しのエピソードと、自由研究のテーマを決めるところまで。
元がそれほど長い話でもないので、あと数巻続いたら終わりそうですが、オリジナルのストーリーなども絡めてくるのかな?
オリジナルの登場人物は出てきているので、その可能性も十分にありそう。
むしろ、そうなることを期待します。
それほどミステリ要素は高い話ではないのですが、子供から大人まで楽しめる、という点は漫画でも変わらず(いや、やはり漫画の方が若干子供向けかも?)、読んでいて安心できます。
これから読む人は原作を読んだ方が良いと思いますが・・・・・・。
はやみねファンなら、出来が良いので漫画も買って損はないでしょう。
今までのはやみね作品の漫画化では、一番成功していると思いました。
高田崇史 「QED 神器封殺」
- 高田 崇史
- QED 神器封殺
和歌山での滞在を延ばした桑原崇たち一行。
そこで待ち受けていたのは、奇妙な殺人事件と、自らを「毒草師」と称す男・御名形史紋だった。
和歌山を拠点に起きる数々の奇妙な事件の謎、崇と史紋が突き当たった重大な歴史の謎。
古の神々と三種の神器に隠された真実とは?!崇の怒涛の推理が繰り広げられる。
◆ ◆ ◆
シリーズももう第十一弾。
今度のテーマは三種の神器。
しかも解決編(歴史部分)が袋とじになっています。
本書は前作「熊野の残照」から、時系列的に直接つながる話です。
前作で、現実で何も事件が起こらないのはなぜだろう・・・・・・? と思っていたら、こちらにつなげるためだったのですね。
本書の現実パートは、首と右手首が切り取られた死体の謎と、第二の事件の毒殺トリック。
毒殺トリックは「こんなん誰が知ってるかー!」と思わず言いたくなってしまうような、超特殊なもの(初期のシリーズ作品にあったアレに近い)。
これはいくら何でも・・・・・・。
また、首と手首を切断した理由。
これもまた無茶苦茶すぎる・・・・・・。
こんな理由かつて見たことがない。
わざわざそんなことのために首を切り落としたりって・・・・・・。普通やらないでしょう。
犯人は中盤で割れるので意外性などはないですし・・・・・・。
面白いといえば面白いのですが、これだけだと厳しいような。
歴史部分もそんなに驚きはないし・・・・・・などと思いつつ、期待の(?)袋とじを切り開いてみると、そこにはとんでもない事実が。
次々と飛び出す図版に呆然。
最初の方は、読みながら、本当に? こじつけじゃないの? などと疑いながらでしたが・・・・・・。
ここまで書かれたら、信じてしまいます。
というより、これが偶然だったらそっちのほうが驚異です。
「圧倒される」
もう、この一言しかない。それこそ、感動を覚えるほどに圧倒的な真相。
予想の範囲を超えていました。
しかし・・・・・・。どうしてこんなことが・・・・・・。
とても不思議です。
日本というこの国が、急に未知のものに思えてきます。
歴史って面白い。
総合して、今までのQEDでも特に良かった作品だと思います。
新しいシリーズの登場人物なども出てきて、今後のQ.E.D.にどう関わってくるのか楽しみ。
相当重要な位置を占めるであろう人物(タタルのライバル役か?)なので、ずいぶん話の感じも変わってきそうです。
できれば、本書を読む前に、「熊野の残照」を読んでおいた方が良いでしょう。
8点。
歴史がお好きな人は是非。
恒川光太郎 「夜市」
- 恒川 光太郎
- 夜市
- 大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。
- 裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。
- 夜市では望むものが何でも手に入る。小学生のころに夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。
- 野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが、弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。
- そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたというのだが―。第12回日本ホラー小説大賞受賞作。
- ◆ ◆ ◆
- 以前から、表紙の美しさに惹かれて気になっていた本ですが、直木賞の候補作になったのをきっかけに読んでみました。
- 朱川湊人さんのような、どこかノスタルジックで優しさが漂うホラーです。
- 「夜市」も良いですが、もう一つ収録されている「風の古道」が最高傑作。
- 日本ホラー小説大賞受賞作の中では、「玩具修理者」に続いて完成度が高いと思います。
- 「夜市」は、前半の不思議な市場の風景と、後半の予想外な展開が良い。
- 大賞受賞も当たり前。色々なホラー短編と比べても、トップクラスに優れた構成。
- そして、書き下ろしの「風の古道」。
- こちらも、「夜市」と世界観が共通した和風のホラーなのですが・・・・・・。
- 雰囲気、世界が本当に素晴らしい。
- 幻想的で美しく、儚く・・・・・・憧れる。
- まるで自分の目で見たことがあるかのように懐かしく、でも決して触れられない。
- こんな、「風の古道」に迷い込んでみたいです。
- 切なく、心に染みいるような読後感で、これは是非また読み返したい、と思いました。
- ホラーが苦手、という人にもこれなら安心してお薦めできます。
- 収録されているのが二編のみで、一時間少しで読み終わってしまうのが若干物足りなさを感じるので8点としますが、
- 「風の古道」だけでも、この一冊を買う価値はあります。
- この人の次の作品が楽しみです。
伊坂幸太郎 「魔王」
- 伊坂 幸太郎
- 魔王
政治家の映るテレビ画面の前で目を充血させ、必死に念を送る兄。
山の中で一日中、呼吸だけを感じながら鳥の出現を待つ弟。
人々の心をわし掴みにする若き政治家が、日本に選択を迫る時、長い考察の果てに、兄は答えを導き出し、弟の直観と呼応する。
ひたひたと忍び寄る不穏と、青空を見上げる清々しさが共存する、圧倒的エンターテインメント。
◆ ◆ ◆
今までの伊坂作品とは少し違った感じの、政治が絡んでくる話。
でも、やっぱり伊坂幸太郎らしさは変わっていない。
考えろ考えろ。
考えない考えない。
正反対の思考を持つ兄と弟。
それぞれを描いたのが、「魔王」と「呼吸」という、二つで一つのこの小説です。
どちらか一つが欠けても成り立たない。
この二編は正反対の話ではありますが、根本的なテーマは一緒。
兄と弟、どちらの考えが正しいのか、なんてことは問題ではないんですよね。
・・・・・・すべては読者に託されている。
読み終えて、真っ先にそう感じました。
「ひたひたと忍び寄る不穏と、青空を見上げる清々しさが共存する」
あらすじのこの言葉は、全くもってその通り。
どこか暗く、重く、不気味な話なのに、
爽やかな、どこまでも広がる青空のイメージがある。
この独特の感じが、先にも書いたように「伊坂さんらしい」のです。
さらっと書いてあるように見えて重く、また物語に読者を引き込む力を持っていて、
やはり、この人はただものではない。
これから、もっともっと流行る作家だと思います。
あと二、三年後には恩田陸と同じぐらいの読者がついているかも。
政治的な内容でも、本当のテーマはそれではありません。
読んだ人一人一人が考える物語。
・・・・・・果たして、未来にあるのは荒野か青空か。
今の日本だからこそ、お薦めです。8点。
城平京 「スパイラル ~推理の絆~ 15巻」(漫画)
- 城平 京, 水野 英多
- スパイラル~推理の絆 15 (15)
ついにこの漫画も最終巻。
様々な意味でもの凄いミステリ漫画でした。
1,2巻ではコナンや金田一のような「ふつうの推理漫画」風に展開していたのが、気がついたら戦闘ものの話になっていて、
それが一段落ついたと思ったら、今度は神や悪魔や運命やらと、ファンタジーに話が飛ぶ。
そして、すべてに決着が付くのがこの最終巻。
作品全体に仕掛けられていた(と言ってもいいと思う)とある「仕掛け」が明らかになります。
ミステリ漫画で、このレベルの大どんでん返しはあまり見ないと思います。
僕は連載時に読んでいたのですが、何度も予想した展開とはいえ、本当に衝撃でした。
予想できても、まさかその通りになるはずがない、なってほしくないと思っていたもの。
・・・・・・本当に、城平京は容赦ないですね。
「名探偵に薔薇を」を読んだときも思いましたが。
でも、この仕掛けがあるからこそラストが引き締まっている。
少しいい加減な終わらせ方(完全な解決になっていない)だと思う部分もあるのですが、これだけトンデモなストーリー展開ではそれも仕方がないでしょう。むしろ、よくまとめたな、と感心しました。
キヨタカとの決着が付いた後の展開は読み返しても感動。
少し泣けます・・・・・・。
先にも書きましたが、本作の仕掛けに関して。
この仕掛け、たとえはまだ「スパイラル」を一冊も読んだことがない人が、一気に15巻分まとめ読みしてもそれほど驚けないでしょう。
「スパイラル」を最初に読んでから、完結するまでにかかった時間・・・・・・それに驚きの大きさが比例すると思います。
おそらく、数年間この漫画を読んでいる人なら、この仕掛けの可能性は絶対に一度は考えたことがあるはず。
それでも驚けるのは・・・・・・。やはり、信じがたいことだから、でしょうか。
キャラクター性が煙幕のような役割を果たしている、と言ってもいいと思います。
また、一応それとなく伏線も張ってありますが、仕掛けが明かされるまでは気づかないかと。
伏線だ、と言われて初めて、「ああ、そうだったのかもしれない」と思えるくらいのものですから。
それでも、すべてを知った上で最初から読み返すと、いくつかの台詞の意味がわかったりして面白いです。
そして切ない・・・・・・。本当、話の(というよりはひよのの)印象が一変しますね。
「スパイラル」はミステリ系の漫画の中でも、かなりマイナーなものですが、真っ当なミステリを求めない人、物語性重視の人には「Q.E.D. 証明終了」などよりお勧め。
今から読まれる方は、出来るだけ時間をかけて読むことをお勧めします(あまり意味はないかもしれないけれども)。
それにしても、何年間もずっと読んできた作品が完結するとやはり寂しいですね。
結構好きな作品だっただけにいっそう・・・・・・。
また今度、機会を見つけて一巻から再読してみます。
「ファウスト vol.6 SIDE―B」
- ファウスト vol.6 SIDE―B
- 今更ながら読みました。
- ・・・・・・といっても、実際読んだのは数編だけですが。
- 北山猛邦の短編が目当てだったので。
- それ以外はそんなに読みたい、と思うような小説はありませんでしたし・・・・・・。
- 北山以外で読んだのは、竜騎士07、浦賀和宏、それに渡辺浩弐くらい。
- ベストは北山。
竜騎士07「怪談と踊ろう、そしてあなたは階段で踊る」
後編。・・・・・・やっぱりこの人、ミステリを書くのが下手です。
前編の展開は結構好きだったのですが、ミステリっぽくなってきたあたりから急に失速、オチも何の面白みもないし理解できない。
ひぐらしと同じパターン。謎のままで、解決しない方がよっぽど面白い。
キャラクターや文章も相変わらず合いませんでした。
竜騎士ファンなら楽しめるのでしょうけれど・・・・・・。
浦賀和宏「リゲル」
実は浦賀和宏の作品を読むのは初めて。
しかも、どうやらシリーズの完結編だったらしいのですが、途中まで知らずに読んでいました。
佐藤友哉の小説に、どことなくにている部分があります。。
世界観がいまいち掴めなかったのですが、それなりには面白かったです。
この作者の他の作品も読んでみよう、とは思いませんでしたが。
でもやっぱり佐藤友哉としか思えない・・・・・・。
北山猛邦「糸の森の姫君」
物理トリック自体は、他の北山作品に比べればたいしたものではなく、また扱いも軽い(すぐに明かされる)のですが、この独特の雰囲気、登場人物などが北山らしくて良い感じ。全体的にミステリ度合は薄いですが、それはライトノベル系の雑誌だから仕方がないでしょう。
ちなみに、この短編はファウスト vol.4に収録されている「廃線上のアリア」の続編。
前作の、とある仕掛けのネタバレがあるので、事前に読んでおいたほうが良いです。
・・・・・・それにしても、北山の次の長編はいつ?
昨年中にミステリ・フロンティアから出す予定だったはずなのですが・・・・・・。
短編もいいですが、やはり久々に長編が読みたいです。
そのほか、渡辺浩弐の「Hな人々」もいつも通り面白かったです。
渡辺浩弐は、ショートショートが本当に上手い。
佐藤友哉の人生相談・後編は、前編以上にずっと真剣な内容になっている・・・・・・のですが、佐藤友哉の自問自答、のような。少なくとも、読者からの質問に答えるという一般的な形式は完全放棄。次回からはそうでもない、ということですが。
・・・・・・とまあ、内容自体はいいんですけどね。
前回も書きましたが、
この非常に読みにくい形はなんとかならないのでしょうか?
京極夏彦のほうがまだマシ。
さすがにいい加減にしてくれー、と言いたくなります。
絶対にどうにもならないとはわかっていますけど。