羽海野チカ 「ハチミツとクローバー 9、10巻」(漫画)
- 羽海野 チカ
- ハチミツとクローバー (9)
- ハチミツとクローバー (10)
- ついにこの漫画も完結。
- 読み始めたのは一年ほど前ですが、どの巻をとっても面白い傑作だっただけに、完結が寂しいです。
- この9巻、10巻は、今までの割とゆったりとしていたスピードから一転し、想像もしなかった急展開になります。
特に、9巻の展開は全く予測不可能。確かに急ではあるのですが、森田先輩絡みの話など、1巻から伏線が張ってあったりして・・・・・・。これはあらかじめ予定されていたのだなあ、と。感心しました。 - 9巻で今までと話が一変してから、わずか数話で最終回へと持っていくのも凄いことだと思います。
- 9巻を読んだ時点では、少なくともあと2、3巻程度は刊行されるだろう、と思っていました。
- 実際、人気のある漫画なのだから、そうしても問題ないと思ったのですが・・・・・・。
- そこをあえてせず、物語を一気に終わらせるとは。
- ・・・・・・やはり、こういう構成は好みです。
- それに、最終回もまた好み。「ハチミツとクローバー」には思わず泣いてしまいます。
- 切ないような、ほろ苦いようなラストですが・・・・・・。
- 青春ものとしては最高の読後感だな、と感じました。この、優しさや苦さといった要素のバランスが上手いんですよね。前にも書いた気がしますが、米澤穂信のような感覚です。話から受ける印象は全く別の”青春”なのですが。
- 1巻から通して読むと、感慨もまたひとしおでしょうが、残念ながら手元にそろっていないので実行できず。いつかまとめて読みたいです。
・・・・・・しかし、感想書きづらいですね。
いくら書いても良さが伝わらない、というか。やはりこの作品は読んで貰うのが一番だと思います(別にこれに限ったことではないですが)。
ミステリではなくとも、トップクラスに面白い漫画であることは間違いないので是非読んで見てください。
青春ものが好きな人は必読だと思います。
山田正紀 「女囮捜査官<3> 聴覚」
- 山田 正紀
- 女囮捜査官―五感推理シリーズ〈3〉聴覚
女囮捜査官の北見志穂は、凶暴な殺人犯を射殺したことで追いつめられ、軽度の神経症に陥っていた。直後、誘拐事件が発生し、犯人は志穂を名指しで身代金の運搬役を命じた。
犯人は誰?
双子の妹?
精神を極限まで蝕まれた志穂は、いないはずの双子の妹のことが頭から離れない。
「世界最小の密室」の謎―
驚天動地の本格推理シリーズ第三弾。
◆ ◆ ◆
SAMANAさん にお勧めしていただいた誘拐ミステリです。
シリーズものの三作目なのにいきなり読んで大丈夫なのかな? と思ったのですが、読み終わってみればそれも杞憂、単独で読んでも十分に優れた誘拐ものでした。
正直、タイトルからしてあまりぱっとしないので、読み始める前はそんなにたいしたことないのかなー、と甘く見ていたのです。
それが・・・・・・。ラストで驚嘆、これは本格ミステリの傑作ですね。
双子、誘拐、それに加えて多重人格という要素が加わり、途中までサイコミステリ的な落とし方をするのだろうか、と予測していましたが、終盤で明かされる真相の数々は、非常に綺麗な、まさに本格と言えるもの。
伏線も十分に張られており、十分納得できます。
全く予想していなかったところに伏線が張ってあったりと、後でいくつかのシーンを読み返してみると面白いですね。
キャラクターが薄いことをのぞけば、特に欠点も無いように思えます。
同じ誘拐もののミステリ「99%の誘拐」「大誘拐」などよりも、真相の意外性は高めで、より本格ミステリ志向の作品だと思います。少なくとも、その意気込みはラストで十分に伝わってきます。
ただ、その分中盤のストーリーに、先の二作ほどの面白みがなかったのが残念。もっとも、比べなければ、十分サスペンスとして優れた展開だと思います。
おそらく、お勧めが無ければまず手に取ることはなかった一冊ですが、タイトルだけで作品を決めつけてはダメですね。
誘拐ものや多重人格ものがお好きな方には、特にお勧めです。ミステリ好きなら絶対楽しめる一冊でしょう。
8点。
大場つぐみ 「DEATH NOTE 12巻」(漫画)
- 大場 つぐみ, 小畑 健
- Death note (12)
- 読んでから結構時間が経ってしまい、感想を書こう書こうと思いつつ機会を逃していたのですが、
- 今日、たまたまこのニュース を見て思い出したので、いい加減に感想を残しておきます。
- ・・・・・・あまり良いきっかけとは思えませんが。たいしたことをやったわけでもないので大丈夫だとは思いますが、大事にならければ良いです。
さて、DEATH NOTE最終巻。いつも以上に意外な展開です。
・・・・・・実を言えば、ラストは連載で読んでしまっていたのですが、
まさかこんな終わり方をするとは思いませんでした。
可能性としては十分ありえるけれど、さすがにそれはしないだろうなー、と思うようなラストです。それをやってしまうのがDEATH NOTEの凄さですね。
このラストは絶対賛否両論分かれるだろうなー、と思いつつも、個人的には賛成の立場です。
第一部のラストと併せると、こういう構図も、最初から意図されていたとしても十分納得がいくものだな、と。
第一部ほどではないですが、ラストのほうの互いのトリック、心理戦も巧妙なものですし(若干解りづらいのは同じ)、ラストに到っった時の緊張感も最高点。
最語に残された謎も、この漫画らしくて良いです。最後の最後まで、読者に対して何らかの問いかけを投げかけているような・・・・・・。
とにかく、1巻から最終巻まで通して傑作だと思います。
細かい粗はあったとしても、良くこれだけの質を12巻分も保てたものです。
今までに読んだコミックの中でベスト3に入る、と言えるほどには面白かった作品。
ほぼ初期の頃から追っていたのですが、この三年間、良いものを読ませてもらったなあ・・・・・・と。
大場つぐみには是非、次回作を書いていただきたいです。勿論、絵は小畑健で。実現は難しそうですが・・・・・・。
このレベルの漫画が、またいつか出てきてほしいものですね。
国際的交流?
今日、バスの中で知らないお爺さんに話しかけられました。
良くあることです。
何を話しかけられたのか、というと、
「君、英語をやっているのかね。中学生?」
英語の教材を読みながら口をもごもごと動かしていたので(発音はしていませんが)、そう訊かれたのでしょう。
咄嗟のことなので、「あ、はい、高校一年です」と適当な返事をしたら、その後なにやら英語は重要だという話になり、そして、
「Most important thing for you!!」
笑顔で言われました。「しっかり勉強しなさい」と。
・・・・・・何というか。いや、それには納得できるのですが。
まさかバスの中でまで、知らない人に英語の重要さを教わってしまうとは・・・・・・。
しかも、これ、今回が初めてではないのです。
以前など、隣に同級生の知り合いが座っていたにも関わらず、そちらには目もくれず僕にだけ向かって「君は英語が好きかい?」と訊いてきたおじさんがいました。その後、電車を降りるまでずっと英語の重要性を説かれました。
また、ただぼーっと英語の教科書を眺めていただけなのに、いきなり「暗記が重要だよ、英語はよく勉強なさい」とバスの中で言われたこともあります。
勿論、全員別人です。
・・・・・・何なんだ?
そんなに僕は英語ができなそうに見えますか。
別に有り難迷惑だ、なんて思っていることはなく、話はしっかり聞いておくようにしていますが、
・・・・・・何で僕?
それは確かに、僕は英語が苦手ですけれど。普段から英語に悩まされていますけれど。
というか、丁度今英語のテスト対策で追い込まれていますが。
だからといって、なぜ?
・・・・・・まあ何にしろ、ありがたいお言葉として受け取っておくことにします。
英語、勉強しないとなあ。
京極新刊
タイトルからして面白そうです。これは「魍魎」と対応しているのかな?(確か、邪魅は魑魅と一緒だったはず。魑魅魍魎で四字熟語を為し、魑魅が山の妖怪ということを考えると・・・・・・。姑獲鳥と陰摩羅鬼も対応しているようですし)
だとすれば、「魍魎」好きな自分としては何としてでも読みたいわけです。しかし。
・・・・・・「塗仏」以降の作品(といっても三冊ですが)読んでないんですよね。 最後に京極を読んでから随分経つし・・・・・・。いまから「塗仏」読んでも、内容を理解できるかどうか。だからといって、一作目から読み返すような余裕もなく・・・・・・・。
さて、どうしよう。うーん、シリーズのキャラクターをほとんど忘れてしまっているのに、「塗仏」なんて読んで大丈夫なのだろうか?
まあ、京極の前に借りている本を読もうという話ですが。・・・・・・読む本が無いのは辛いけれど、ありすぎるのも困りものです。
夏の終わりの
この一週間、恐ろしいほどの密度でした。
日記として書くネタがあまりにも多く、何を書こうと迷っても、すぐに次のイベントで書く機会を失ってしまい・・・・・・と、
今までの夏休みを取り返すような充実度。
今年の夏はどうしようもなく無駄に過ごしてしまったなー、と感じていたので、最後の最後に思い出ができたのは嬉しいことです。
・・・・・・まあ、密度が濃い、というのは、宿題等の要因もあるのですが。それはそれで良いことです。「やらないといけない、むしろやりたい」と思っていたものがそのまま宿題だったので・・・・・・。軽く10時間以上かかりましたが。
この間にあった出来事をいくつか上げてみると、
芸術家兼教諭の某氏とサークルメンバーでボウリング(6ゲーム)をしたり、横浜でプロマジシャンと何時間かお話ししたり、花火大会に行ったり、サークルのTシャツ作りをしたり、・・・・・等々。
地味かもしれませんが、どれも貴重な経験です。マジック関係のものが多かったかもしれません。
また、その間に考えたり発見したりしたことも多く、
シナリオの構想に新しいマジックの技法、転生の考察まで、自分で納得できる程度のものがいくつか出来ました。
普段、これだけアイデアが浮かぶのは、定期テスト中などのせっぱ詰まった状況下くらいなのですが、
今回は宿題でそれだけ追いつめられていたからでしょうか・・・・・・。
そんなこんなで夏休みは過ぎ、明後日は始業式。
思い返してみれば、中学入学以降最も読書をしなかった夏でした。それだけが残念。とはいえ、読んではいるものの感想を上げていない小説が大量にあるので、書評には困らないですが。
夏が終わってしまうのは相変わらず寂しいですが、新学期にも色々楽しみなことがあるので、楽観的にとらえることにしましょう。
夜ピクやSAW3などの映画が公開されますし、新刊も期待できそうなものが多いです。学校行事もいくつかありますし・・・・・・。
でもまずは米澤さんのサイン会。これは友人と行く予定です。
ちなみに、今朝電話したら、まだ整理券番号118番だったので、今から予約しても間に合うと思います。
もし行かれる方がいらしたら、声をかけて頂ければ嬉しいです。
城平京・木村有里 「ヴァンパイア十字界 1~7巻」(漫画)
- 城平 京, 木村 有里
- ヴァンパイア十字界 1 (1)
「スパイラル ~推理の絆~」で有名な城平京原作のヴァンパイアもの。
現在、月刊少年誌ガンガンにて連載中。
タイトルから、「なんだ、ミステリじゃないのか」と思うかもしれません。
自分も、2巻まで読んで「これはミステリではない」と軽く失望し、一年ほど連載分も単行本も一切読まないでいました。
ところが先日、友人と会話していたら、たまたまこの作品の名前が浮上し、
話を聞いてみると何か面白そうな予感。
早速続きを購入して読んでみたら・・・・・・これは凄い。
まさかこれほどまでミステリ的な漫画だったとは。
どんでん返しの数で言えば「スパイラル」以上です。
何度もひっくり返される構図、予想を遙かに上回る展開の数々。
これは面白い、と断言しておきます。
「スパイラル」の陰に隠れて、ほとんど話題になっていない漫画ですが、間違いなく隠れた傑作です。
あらすじを説明するだけでもネタバレになってしまうという構造故、ストーリーに関してはあまり書くことができませんが、ミステリ好きならきっと楽しめるような構成になっています。
途中まではただの戦闘ものの少年漫画に思えるかもしれませんが、この漫画の真の方向性が明らかになるのは3巻から。2巻までは、まだ伏線を張っている段階にすぎません。
出来れば7巻まで、と言いたいところですが、「どういったものなのか知りたい」という方は3巻まで読むことをお勧めします。
もっとも、一番の衝撃が待ちかまえているのは7巻。ここで明かされる真相には全く思い当たりませんでした。
「容疑者X」的な感動も覚えます。美しく、驚きにあふれた真実。
これこそ城平京ですね。どの作品にも共通した、ロマンチックなどんでん返し。
やはり、この人はミステリ志向なんだ、と改めて確認できて嬉しいです。
まだ7巻が発売されたばかりですが、8巻が待ち遠しいですね。
もうそろそろ終わりそうですが、まだどんでん返しは残っているのでしょうか?
読んでいて気になったのは、
このままだと敵がブラックスワン・GM御前のみになりバランスが欠けてしまうこと、ユキ・花雪・ステラの顔があまりに似すぎていること等。何かありそうです。
もう一つか二つくらい、予想を完全に裏切るような展開を期待したいところ。
ようやく連載が再開された「スパイラル・アライヴ」と併せて、このシリーズも要注目です。
「ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編」(ゲーム)
先日書いた記事ですが、なぜかアップできず停滞していました・・・・・・。
98だとアップ出来る、ということに気づいたのは昨日。なぜか理由は不明ですが。何にしろ、送れましたがこれでようやく感想を上げられます。
二年近くリアルタイムで追ってきた「ひぐらし」もこれで完結。
最終話「祭囃し編」。
プレイ時間は過去最長。半日ほどかかりました。
でもその分、面白かった、と言える部分が多いです。
完結編ということで、今回の感想は、「ひぐらし」の総評に当たる部分もあります。
前回同様、少しの先入観も無いほうが良い、という人は読まない方が良いと思います。
まずはミステリ部分について。
これは、ほとんどないに等しいです。前作の謎解きをひっくり返すようなトリックもありません。
やはり、謎自体は前回の段階で全て解明、ということでしょうか。あれが真実でなければ良い、と願っていたのですが・・・・・・。
ただ、ストーリー全体としては完成度高めだと思います。
全体で三部構成になっており、
第一部は鷹野視点、第二部はカケラ紡ぎ、第三部はハッピーエンドを達成するための”解決法”。
まあ、第一部と第二部は大して面白くもなかったのですが、第三部は最後の最後なだけあって力が入っています。
「罪滅ぼし」のラストと、「皆殺し」の中盤を混ぜたような感じ。
何となく読んでいて福井晴敏の小説を思い浮かべたり。要はそんなストーリーです。
しかも、活躍する面々が渋い。
赤坂、富竹、葛西、大石・・・・・・。ラストにきて急に格好良くなりました。
また、彼らの活躍に反比例するように、圭一やレナたちの出番は少ないです。
おそらくこの点が、ファンの間では評価を低くする原因になると思うのですが、
部活メンバーに最後までなじめなかった自分にはむしろ好印象でした。
特に赤坂の活躍はとても嬉しい。
唯一、変なところ(?)の少ない真っ当な人間なので、この作品の中では結構好きだったりします。
ある意味では、最も人間離れしていますが。
何にしても面白いのは確か。
独特の文章も、ここまで来れば勢いがあって良いですし。
解決編の中では一番楽しめたと思います。
第二部の形式に必然性があるように思えなかったり、ストーリーに熱中することを妨害しているとしか思えないキャラクターがいたりと、短所を挙げればいくつもありますが、それを補って第三部は優れたものでした。
そして、毎回のことですが、ストーリー以上に良いのが音楽。
今回も「You -destruvtive」や「being」等、聴いただけで感動して泣けてくるような傑作揃い。
「You -destructive」は特に、使われているシーンが最大の見せ場であったため、流れた時には鳥肌が立ちました。
daiさん 、凄すぎます。
これを聴くだけでもプレイする価値はあると思います。プレイしなくても、この音源だけで2000円は十分元がとれるはずです。
・・・・・・祭囃し編の感想は以上です。
最後に、「ひぐらしのなく頃に」という作品に関して。
僕はこの作品を傑作だとは思いません。
と言うのも、ひぐらしをいくつかのパーツに分解してみれば、どれに対してでもそれ以上に優れた作品を挙げることができるからです。
戦闘なら福井や奈須のほうが圧倒的に上だと思いますし、魅力的な謎と推理する余地というならば、中澤工や麻耶の作品のほうが明らかに完成度が高い。
ただ、そういったことに対していちいち不満を言っていてはキリがないでしょう。総合的に見てどれほどバランスが悪くても、どれほど粗が多くでも、「面白い」と感じた瞬間が何度もあったのは事実。否定的な立場をとっても、それだけは認めないといけません。
粗だらけなのが、逆に幸いだったと思います。
これから作者は商業へ移行するようですが、おそらくもうミステリ関連は書かないでしょうね。
個人的には、ミステリではなく、キャラクターをもう少し一般受けしそうなものに、絵も別の人が手がける・・・・・・と言ったことをするなら、追いかけるつもりもあるのですが・・・・・・。そうすると竜騎士07の個性が消えてしまうし・・・・・・。
微妙なところです。まあ、このままでも良いのかもしれません。
・・・・・・しかし、本当に、この作品に対しては複雑な思いです。
原因の一つは、あまりにも人気が出たためだと思うのですが。
そこまで話題になるようなものかなあ、とどうしても思ってしまうのです。
要は、自分に合わなかった、ということかもしれません。残念です。
ただ、この作品は一つの可能性を提示してくれた、という意味では良いものだったかな、と。
何か繰り返しているようですね・・・・・・。これ以上書いても、同じように否定意見と肯定意見が入り交じった文章になりそうなのでそろそろ止めます。
点数をつけようと思ったのですが、あまりに自分の中での評価が揺らいでいるのでつけられないです。
これだけ「とらえきれない」作品は西尾維新とこれくらいですね。
アニメ化や漫画化で最近ブームになってきてはいますが、やはりひぐらしはゲームでやるのが一番だと思います。
これから「ひぐらし」がどんなものか知りたい、という人は、是非ゲームでプレイしてみてください。ミステリだと思わずに読めば、結構楽しめる気がします。
それに、ひぐらしの良さの半分は、作中で流れる音楽だと思っているので、その点からもゲームをお勧めします。
宿題処理
毎年この時期恒例のイベント。
いつになったら学習するんだか・・・・・・。
自分の勉強、というのが厄介です。
遊んでいるのではなく、一応趣味的範囲で勉強をしているので、それで満足を覚えてしまうんですよね・・・・・・。これもある種の現実逃避。そして気が付いたら宿題の方が残っていると。
何とかなるだろ、と思っていたら、
「数学の宿題、レポート用紙30枚使ってもまだ終わらない」
「自由英作がかなり面倒。しかも10個」
「一週間で終わると甘く見るな。答えを見てやってもそれ以上はかかる」
・・・・・・あれ? そんなに多かったっけ?
ひぐらしなんてやってる場合ではないでしょうこれは。
と言いつつ「エンドレスエイト」を再読している今日この頃。
今週中に終わるよう努力しないと。
岡嶋二人 「99%の誘拐」
- 岡嶋 二人
- 99%の誘拐
末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。
そして十二年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。
第十回吉川英治文学新人賞受賞作。
◆ ◆ ◆
誘拐ものの傑作に天藤真の「大勇界」がありますが、それと同様、なぜ今まで読んでいなかったんだろう、と言いたくなる一冊。
「この文庫がすごい!」で、出版から20年近く経っているにもかかわらず一位を獲得した、という事実だけでも本書の凄さは伝わると思います。
まず、面白い。そして、知的かつ巧妙。
タイトルにも書かれている通り、「誘拐もの」なのですが、ほぼ全編、誘拐の一部始終を語る形になっています。まず誘拐があって、その後に推理して・・・・・・といった形ではありません。そこが新鮮でした。
誘拐事件は、プロローグに相当する過去のものと、メインとなる現代のものの二つがありますが、
現代の誘拐事件で使用されているトリックは非常に斬新。
特に、誘拐に到るまでの手口や、アリバイの確保等・・・・・・。驚きました。誘拐ものの中ではトップクラスに巧みであると思います。
いわゆるハイテク技術が使用されていますが、1988年時点でこのトリックを目にした人の多くが感嘆したのは間違いないでしょう。今読んでも、これだけの新しさを感じるくらいですから。
しかも、岡嶋作品なだけあって、決してトリックのアイデアのみで終わっていません。
それを上手くストーリーに絡め、ノンストップの展開を描き出しています。読後感も良し。
西澤保彦の解説も一見の価値ありです。
今更自分が言うことでもないと思いますが、未読の方は是非とも手にとって見てください。
「クラインの壺」「そして扉は閉ざされた」と並んで、岡嶋作品ベスト3に入ると思います。
9点。