音楽と競馬、思ったことを書いて行きます -45ページ目

ここ数年、予選から聴かせて頂いているこのコンクール。毎年感じますが、運営がもう少し「マシ」になって欲しい・・・と願う、一聴衆です。

開場時間(開演5分前に入場開始というのは、いくらなんでも・・・)もそうですし、聴衆の「質」、何とかして欲しいですね。会場に涼みに来ているような雑音を出す聴衆は、このコンクールには必要ありません。排除するなり退場させるなり、して欲しいですし、そもそもピアノ伴奏される方の名前を「必要ない」との理由でアナウンスされないと言うのは、「共演者」と言う存在を、一体どのように思われているのでしょう。

 

今年は、どう言う訳か、特にピアノ部門のレヴェルが半端なく高く、そこらへんのコンクールで本選に出場されるような方が、この予選で敗退と言うことになってしまいましたが、この部門は、無理に3人に限ることなく、可能性のある出場者の方を何人も本選で弾かせてあげたら、と思いました。特に、辰野 翼さんのドビュッシーは、演奏そのものより、彼の弾く「質の高さ」を評価して欲しかったでしょうか。本選では更に良い演奏が期待出来たのに・・・。また、今村 佳奈さんのシューマン、派手さはありませんが、実に懐の深い音楽を聴かせて頂きました。例年であれば、おふたりとも当然本選に進んでも良い演奏だと思いました。また、尾上 理絵さんのデュティユーも、その前の方が弾かれた同じ曲の演奏と比べれば、相当に素晴らしい演奏だったんですけれど・・・。と言うことで、選ばれた3人の方は、いずれも本選に進まれるに相応しい演奏だと思いましたし、特に岡本 千佳さんは、(デュオではありましたが)昨年末にお聴きした「石井 なをみ 還暦~」での演奏の記事で書かせて頂いた通りの、大変見事なデュティユーの演奏で、本選での最優秀賞に手が届くような演奏でした。また、中村 太紀さんの神経の行き届いたプロコフィエフ、そして中安 修也さんの、知的で熱いラフマニノフ、3人の皆さんの本選での白熱した演奏が期待出来そう、そんな、充実したピアノ部門でした。

管弦打楽器部門は、クラリネットのお二人のレヴェルが高過ぎ、残り1枠を、どのサックスの方を選ぶのか、そんな趣きでした。

声楽部門は、昨年最優秀賞を受賞されたソプラノ・村田 藍さんのような傑出した方が見当たらず、7人の受験者の方から上位3名を選ばれた、そんな感じだったでしょうか。この部門で最優秀賞を狙うには、更なる研鑽が必要でしょうか。

本選では、ピアノ部門から2名程度の、また管弦打楽器部門から、1~2名の最優秀賞受賞者が選出されるのでは、と言うのが、私の予想です。

出場された皆さん、お疲れ様でした。


音楽と競馬、思ったことを書いて行きます


音楽と競馬、思ったことを書いて行きます


仕事が早く終わり、開演時刻に間に合いそうでしたので、急遽行って来ました。S席2,000円と言う格安の優待券が入手出来たんですが、客入りが半分行かないぐらいでしたので、ビックリしました。東京に比べればそうでもないでしょうが、大阪でも多くのコンサートが連日・格安な料金で行われています。吉田恭子さんの演奏を生で聴ける機会などそう多くはないですし、この個性派ヴァイオリニストのファンの多さからは、今日のこの客入りは、考えられないですけどね・・・。さて、彼女の特徴はとにかく「音」「音色」ですよね。1音聴いただけで魅了されてしまいます。今日もその「音色」は健在で、特に小品でそれが良く発揮されていたように思います。マイクを持って3回程お話をされていましたが、それを聞くにつけ、彼女はとても聡明な方なんだと認識を新たにしました。ただ、それがソナタと言う長大な楽曲を弾く時には、一方でマイナスになってしまうんではないでしょうか。ご自分でも良く自覚されている「音色」の素晴らしさには頼らず、自分の持てる構成力を「ソナタ」で見せようとするがあまりに、少し理屈っぽく聴こえてしまうんです。ソナタ形式の第1楽章に最もそれが顕著に現れていたように思いましたし、非常に長い変奏曲形式の第2楽章もちょっと勿体ぶったような演奏になってしまい、退屈に思われる瞬間があったのは残念でした。この楽章は、巨匠が弾くと尤もらしく聴こえるんですが、まだ若い彼女にはちょっと手に余る楽章になってしまっていました。もっと自身の若さを見せながら、前向きに進んで行くような演奏を聴きたかったですかね。他の小品はどれも素晴らしく、「吉田恭子の世界」を十分感じられましたが、シューベルト=リストの曲は、少し表面的な印象で、まだ十分手の内に入っていないような未熟さも感じました。もっともっと弾きこんでもらいたいですね。アンコールの2曲、これは本当に素晴らしかったですね。「月の光」は単音を並べ、ドビュッシーには珍しいはっきりとした旋律を唄うように流麗に弾いて成功していましたし、シューマンで見せた「唄心」は感動的でした。時間があればサイン会に参加したかったんですが、叶いませんでした。

ソナタとツィガーヌの終わりに大声で「ブラヴォー」を叫ぶ男性がいました。吉田恭子さんが「このホールの響きは本当に素晴らしい」とおっしゃっているのに、余韻をぶち壊す「ブラヴォー」、これは酷いですね。一昨日の「カメラータ・ザルツブルグ」の演奏会でも、全曲で「フライング・ブラヴォー」が発生していました。3曲とも全く同じ声の男性でしたね。こんな迷惑なことを続けていて、いったい何が楽しいでしょうか・・・。人の迷惑考えず、自分さえ良ければそれで良いの? 「フライング・ブラヴォー」を言わなくても、心からの拍手さえあれば、演奏家は十分にうれしく、そして有難く思うはずですけどね。何でもかんでも「ブラヴォー」の一つ覚え、それもフライング・・・。こういう人は、本当に「悲しい人種」ですよ。


音楽と競馬、思ったことを書いて行きます


音楽と競馬、思ったことを書いて行きます

企業主催の無料コンサートと言うことで、あまり期待しないで行きましたが、ごめんなさい、素晴らしかったです。学生の頃は大きな編成の曲に憧れ、春・秋のシーズンには1週間に2回平均のペースでエキストラでの本番を受けて来ました。演奏曲目がマーラーやブルックナーだったら無条件でエキストラで舞台に乗っていました。それでも飽きたらずにブルックナー「テ・デウム」やプロコフィエフ/5番のソロを弾きたくてJMJのコンマスまでさせて頂きまして・・・。大学を卒業しても、学生時代の仲間との付き合いが続く訳ですから、当然肥大化した編成の曲ばかり演奏していましたが、いつの頃から古典もいいなと思い、編成の小さいオケでモーツァルトやベートーヴェンを何回か弾いた後、関西に転勤になり、古典はそれっきりになってしまいました。今日聴いたこのオケに、私が弾きたかったような編成と演奏の仕方があったんですよね。弦の編成が7-6-5-4-3、決して無理して音を出していないので、響きが良いの何のって。音が透き通っていました。スウィングしながらモーツァルトを弾くなんて、おしゃれですし、こんなのやってみたいですよね。演奏ですが、遅い部分を早めのテンポで通過して行くので、全くダレた印象が無く、すっきりと聴かせていました。この種の演奏会ですから、繰り返しも省略されるのかなと思っていましたが、手抜きなしの全曲すべて繰り返しの演奏をしてくれました。アンコールもビックリしましたが、とても素敵でしたね。39番の第3楽章トリオ、管のあんな遊びを聴いたのは初めてでした。ふざけているのかなとも思いましたが、指揮者が何食わぬ顔で棒を振っていましたので、ああいうのもありなんですね。今年聴いたコンサートでも五本の指に入る素晴らしい演奏だったと思います。こんな演奏、一度してみたいものです・・・。


音楽と競馬、思ったことを書いて行きます

音楽と競馬、思ったことを書いて行きます


3日間続く同じプログラムの定期演奏会の中日、知人が行けなくなったと言うことで急遽行って参りました。ほぼ満席。料金が安いこともあるのでしょうけど、人気があるんですね、このオケ。第一印象はとにかく「若い」。青竹の薫りを嗅いでいるような初々しい音がしますね。とにかく音がきれいです。学生を終えたばかりのような若い団員が多いんでしょうけど、皆さん基本がしっかりしているせいか、オケの音が澄んでいます。それに関しては気持ちが良いですね。メンバー表やプログラムを見ますと、定期的なオーディションなどにより、実力のある人が前の方で弾くような仕組みになっているんでしょうか。知りませんでしたが、これって面白いですね。団員の採用や継続の仕組みは存じませんが、パンフレットも団員ひとりひとりに光を当てているような感じで、そういう意味ではやりがいがあるでしょうし、当然手抜きも出来ませんよね。穴になるようなパートも無く、そこらへんからも良いアンサンブルに聴こえるんでしょう。管楽器で時々大きく間違えたり落ちたりするパートもありますが、真摯に取り組んでいる姿勢を見ると、許せてしまいます。コンマスやトップなどの重要な位置にベテランを配したりエキストラを招いて、若い団員にアンサンブルの仕方をそれとなく教えている、そんな心配りも素敵な仕組みだと思います。

さて、演奏ですが、メインのベートーヴェン/7番、とても良くまとまっていました。音楽自体には勢いを感じるんですが、どのパートも技巧的に安定しているので、決して焦っているようにも聴こえないですし、特に第4楽章は弦が音程の難しさを抱えているんですが、ここもきっちりクリアして、とても音楽的な演奏を聴くことが出来ました。あざといアクセントも無く、すっきりとした7番でした。アンコールのロッシーニも同様です。各奏者のテクニックが素晴らしいですね。感心しました。もう少し「味わい」を感じることが出来れば更に良いのでしょうけど。問題はダン・タイ・ソンさんをソロに迎えたベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番です。前日も同じ曲を本番で合わせたはずですが、オケとソロが全然合っていませんでした。途中で大きく集中力を欠くようば場面(第1楽章・短いカデンツァのあと終結部に向かう半音で上がって行くパッセージで1拍早く出てしまい、崩壊してしまいました)もあり、どうしちゃったの?と言う感じですね。ダン・タイ・ソンさんのピアノは表面的には非常に美しいんです。弱音はもちろんですが、強めの音も決して打鍵に頼らずに体を使って柔らかい音に転化させていると言った印象です。ただ、ミスタッチが非常に多いですし、加えてとにかく弾き急ぎすぎるんです。オケと寄り添って協奏曲を仕上げる、そういった姿勢が見られないんですよね。だから慌ただしく表面的に聴こえてしまい、結果として楽しめない演奏になってしまいました。帰宅してこの方の情報を得ようとしてこんな記事を発見しました。http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/121103/ent12110312260006-n1.htm  これを読んだ後でも尚、この日この曲を弾いた意味は理解出来ませんし、心から慈しみながら弾いてくれたようにも思えません。音が美しい分、手先でひょいひょいと弾いているって感じですかね。アンコールのドビュッシーが素晴らしく良く聴こえたことから、この人の場合は今はソロを聴く方が良いのでしょうし、ご本人もドビュッシーなんかが今弾きたい曲なんでしょう。この曲、弦で人数を少しずつ刈っていましたが、これはピアニストからの要望だったんでしょう。力強く聴かせる人じゃないので、それも理解出来ました。終演後、今後の演奏会のチケットを求めようとプレイガイドを尋ねましたが、完売とのこと。こういう若くて清廉な音で有名曲を聴けるわけですから、まあ当然でしょうか。単発販売のD席は1,000円なんですね・・・。


音楽と競馬、思ったことを書いて行きます


来週、東京で行われるプログラムの一部を、異なるピアニストとのコンビでご披露下さいました。長谷川陽子さんのチェロですが、特に中弦の音の響きが独特でとても趣深いです。音自体はあまり前面に出て来ず、深い響きが印象的です。ちょっと気になるのが、左手で指板を叩く音ですかね。左手の強さは良い音楽を作るのに重要ですが、指板を叩く音で音楽自体に傷がついてしまっていると言う現実もあります。ご本人、回りの方、そして聴衆がこのことをどのように感じているのでしょうか。仲道祐子さんのピアノは堅実にして明晰です。知性を感じますし、変に誇張したりしていませんので、音楽のラインがとてもきれいです。このお二人が奏でたプログラムですが、デュオではカサドの曲が最も楽しめました。ラフマニノフのソナタは、曲が冗長で、この素晴らしい演奏を以っても少し退屈な印象でした。チェロの音色自体が地味だと言うことで、余計にそのようにも感じられてしまったんでしょうか。カルメン幻想曲は、編曲が奇異な感じで、演奏そのものに没入出来ずに終わってしまったような感じです。こういうアメリカ的・現代的な編曲も時には良いのでしょうが、今日のようなコンサートではちょっと・・・と言うのが正直な感想です。ちょっと残念でした。一方、お二人のソロは共に素晴らしかったですね。特にバッハのシャコンヌは、原調と同じニ短調で弾かれたこともあり、技巧的にも極限を行く非常に困難な作業だったと思いますが、全く違和感無く、演奏者・聴衆ともに集中していました。惜しむらくはテンポ設定ですね。全体的にちょっと速かった。「月光ソナタ」は上でも書いた通りですが、とてもすっきりと、そして澄んだ音色が魅力的な演奏でした。このピアニストのファンになりそうです。アンコールは3曲と盛りだくさんでしたが、バラバラと退席者が目立ったのは残念でした。終演後の予定もあるでしょうが、最後まで座席で拍手を贈ると言うのが礼儀と言うものです。早々に席を立たれることがわかっているのであれば、出口に近い席で聴くべきです。それにしてもサーヴィス精神旺盛のお二人。とても楽しいコンサートでした。



音楽と競馬、思ったことを書いて行きます

終演後、長谷川陽子さんに、今日演奏されたシャコンヌが収まっている手持ちのバッハの楽譜にサインを頂きました。購入してもう30年になるボロボロの楽譜でちょっと恥ずかしかったのですが・・・。これを励みに、今後も音楽を聴き続けて・弾き続けて行きたいと思います。ありがとうございました。