2012/11/7 吉田恭子 ヴァイオリンリサイタル | 音楽と競馬、思ったことを書いて行きます


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仕事が早く終わり、開演時刻に間に合いそうでしたので、急遽行って来ました。S席2,000円と言う格安の優待券が入手出来たんですが、客入りが半分行かないぐらいでしたので、ビックリしました。東京に比べればそうでもないでしょうが、大阪でも多くのコンサートが連日・格安な料金で行われています。吉田恭子さんの演奏を生で聴ける機会などそう多くはないですし、この個性派ヴァイオリニストのファンの多さからは、今日のこの客入りは、考えられないですけどね・・・。さて、彼女の特徴はとにかく「音」「音色」ですよね。1音聴いただけで魅了されてしまいます。今日もその「音色」は健在で、特に小品でそれが良く発揮されていたように思います。マイクを持って3回程お話をされていましたが、それを聞くにつけ、彼女はとても聡明な方なんだと認識を新たにしました。ただ、それがソナタと言う長大な楽曲を弾く時には、一方でマイナスになってしまうんではないでしょうか。ご自分でも良く自覚されている「音色」の素晴らしさには頼らず、自分の持てる構成力を「ソナタ」で見せようとするがあまりに、少し理屈っぽく聴こえてしまうんです。ソナタ形式の第1楽章に最もそれが顕著に現れていたように思いましたし、非常に長い変奏曲形式の第2楽章もちょっと勿体ぶったような演奏になってしまい、退屈に思われる瞬間があったのは残念でした。この楽章は、巨匠が弾くと尤もらしく聴こえるんですが、まだ若い彼女にはちょっと手に余る楽章になってしまっていました。もっと自身の若さを見せながら、前向きに進んで行くような演奏を聴きたかったですかね。他の小品はどれも素晴らしく、「吉田恭子の世界」を十分感じられましたが、シューベルト=リストの曲は、少し表面的な印象で、まだ十分手の内に入っていないような未熟さも感じました。もっともっと弾きこんでもらいたいですね。アンコールの2曲、これは本当に素晴らしかったですね。「月の光」は単音を並べ、ドビュッシーには珍しいはっきりとした旋律を唄うように流麗に弾いて成功していましたし、シューマンで見せた「唄心」は感動的でした。時間があればサイン会に参加したかったんですが、叶いませんでした。

ソナタとツィガーヌの終わりに大声で「ブラヴォー」を叫ぶ男性がいました。吉田恭子さんが「このホールの響きは本当に素晴らしい」とおっしゃっているのに、余韻をぶち壊す「ブラヴォー」、これは酷いですね。一昨日の「カメラータ・ザルツブルグ」の演奏会でも、全曲で「フライング・ブラヴォー」が発生していました。3曲とも全く同じ声の男性でしたね。こんな迷惑なことを続けていて、いったい何が楽しいでしょうか・・・。人の迷惑考えず、自分さえ良ければそれで良いの? 「フライング・ブラヴォー」を言わなくても、心からの拍手さえあれば、演奏家は十分にうれしく、そして有難く思うはずですけどね。何でもかんでも「ブラヴォー」の一つ覚え、それもフライング・・・。こういう人は、本当に「悲しい人種」ですよ。


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