ー詩ー キンカン色の、おっつきさん
からだが告げたんです。
バナナ、ねぇ。バナナたべたい。
からだはバナナに向かって一直線だったんです。
バナナ、そぅ。バナナ、たべたい。
飛びだした外。
パッと目に飛び込んできたのは、オレンヂのお月さん。
オレンヂっていうよりか、キンカンいろだったんです。
はぁ、どこまで欲してんだろう。くだもの。
そんなこと思いながら。
手をそっと、のばしてみたんです。
そしたら、てのひらはお月さんにタッチ。
お月さんはアッハッハって。笑って、揺れて。
あわわわ、どうしよ。
どうしよどうしよ。
自分が触れてしまったから。。。こんな事に。
あせって転んで。
ふと見上げてみたら。
お月さんは、相変わらずのキンカン色で。
でも、
でも。
いつもとおなじように。
ウサギにもちをつかせて。
カニさんを横たえて。
女神の顔を映し出して。
何事もなく。そこにいました。
何事もなく・・・。
記憶。
それは不確かで。
感覚。
それはあいまいで。
けれど、変わらない、確かなもの。
あります。
それだけは、かわらない。っていう。
どんなヘンテコなことがあろうとも。カワラナイ。
月がつきであるということ。
あなたがあなたであるということ。
わたしがわたしであるということ。
◆小説◆「Elephant Signs(エレファント・サインズ)」第九話
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
ケルマーンとファイは、ジッグラドとアリーを探している道中、アリーのものと思われる足跡を見つけていた。
「これをたどっていこう。」
手掛かりは見つかり、ケルマーンは希望に瞳を輝かせていた。
これでジッグラドとアリーは見つかるものだと思ったのだ。
しかし・・・
足跡を追っても追っても、彼らの姿は見つからない。気配すら、ない。
そんなこんなしているうちに、彼らは遂に、チョガ・ザンビールが見える地点までたどり着いてしまった。
夜な夜な歩いたのでケルマーンもファイも、疲れ果てていたが、力を振り絞って、チョガ・ザンビールまでは行ってみることにした。
(おかしいなぁ、足跡の感じでは、一旦家に帰ろうとしているみたいなのに・・・。
またチョガ・ザンビールに引き返してるだなんて。やっぱり、何かあったんだろうか。)
ケルマーンは先日拾った首飾りをいじりながら、ふぅ・・・とため息をついた。
・・・と、そのとき。
「隊長!こんなところにヤツがいました!逃げたと思ったら、隠れてたみたいなんです!
しかも今度は違う象に乗ってやがる!!」
モビルスーツに身を包んだ男の一人が、彼を見つけたようだ。
ずっとジッグラドを探していたようだ。声を裏返して叫んでいる。仲間を呼ぶ気か?!
「な、なんだ?お前ら・・・何、その格好・・・」
ケルマーンは恐怖というよりも、見たこともない格好の人々を目にして呆然としていた。
ファイはというと、動物の勘で危険を感じたのだろう、ケルマーンを載せて駆けだした。
「こら、待て!貴様、時空の鍵を返せ!!」
例の「POLICE」集団は、今度はジッグラドではなくケルマーンを追う。
どうやら彼らの目的は、ケルマーンが拾った首飾りのようだ。ジッグラドはケルマーンと見間違えられ、誤って追われていたのだ・・・。
「なんだよ、時空の鍵って!!この首飾りのこと?!欲しいならくれてやるよ!!」
そう叫んだケルマーンだったが、ふと追っ手の奇妙なほどの執着を見て、これを彼らに渡すのは危険な気がしてならなかった。
そういえば、この首飾りを拾った状況・・・
それは彼の父親の死亡が確認された場所で、父親の遺体の下に隠されるようにして眠っていたのであった。
もしかしたらこれは、父が守り抜いたものだったのではないだろうか?!
時空の鍵という言葉も気になる。
(逃げよう。父さんやジッグラドの死を無駄にはしない!俺は生きぬいてやる!)
「時空の鍵」を首にかけたケルマーンは、ファイに全力で逃げるよう指示をあおった。
(僕はきっと切り抜けられるさ。首飾りをかけているもの。
この首飾りには何かあるに違いないのだから・・・。)
後ろからは、ジッグラドが追われていたのと同じような空中に浮いたバイクが、何台か彼らを追いかけてきていた・・・。
◆小説◆「Elephant Signs(エレファント・サインズ)」第八話
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
「おっしゃー!やってやる!ビビるもんか―!!」
前田は自らテンションをあげ、今日も岩の前に立ちはだかった。
どうも昨日露出した象の鼻をみると苦笑いが漏れたが、気にしないよう心掛け、その付近にそっとノミをあてた。
露出した顔部分から行くか、それとも胴体を軽く露出させて全体の大きさをつかむか・・・それが悩みどころだ。
結局彼は、胴体部分から攻め、この象がどのような体制で岩に閉じ込められているのかを探ることにした。
(頭がここだからなぁ。立っているか、伏せているとして・・・大体このへんかな。)
コンコンコン・・・
カツカツカツッ・・・
数時間予想した場所を打ち続けたが、なにも出てこない。
おかしい。頭部だけが埋まっているというのだろうか?
「くっそー、作戦変更!まず顔から行って、胴体を探るぜ!」
この鮮度で顔だけとは考えにくい。胴体があるはずだ。
前田は昨日露出した鼻部分から首までを露出させ、そこから胴体を探る方法に切り替えることにした。
これだけ「生」の状態で埋まっていたため、皮膚表面に水分と脂分が多いからだろうか、
象の首までは意外とすんなり露わにすることができた。
「よーし!胴体に行くゾウ!」
一人でわけのわからぬギャグを言ってみたりしながら、前田は首の曲がり具合を見て、ふと気がついた。
(あれれ、曲がってる・・・首。これって・・・「お座り」のポーズっていうか、尻もちついたみたいな恰好ってこと、か?!)
サーカスかなんかの象なのか・・・とか、尻もちついた衝撃で死んでしまったのか・・・とか、彼は色々と考えていたが、結局、とりあえず象の体全体を見てから解剖してみるのが一番よさそうだ、と判断した。
それからというもの、彼は無言で岩を砕き続けた。
先ほども述べたが、意外とすんなり岩は象から簡単に剥がれおちてくれる。そのため日の出から作業を始めた後、午後2時くらいには、象の体はほぼ100パーセント露出させるのに成功した。
「おっしゃ!あ~しんど。。。」
汗を流しながら、前田は象の全体像を写真に収める。
するとふと、奇妙な部分が(もともと奇妙な現象なのだが・・・)見受けられた。
(この象、妊娠でもしてんのかな?腹がやたらでかいぜ。
・・・にしては乳が張ってないなぁ。これくらいの赤ん坊が入ってたら、もう張るころなのに・・・。)
サンドイッチで昼飯をササッと済ませると、彼は気になる腹の部分を解剖してみることにした。
発掘を職にしているとはいっても、こんな死んで間もないような動物は初めての経験。しかも大きな象・・・。
一応道具はもっているものの、ほとんど使ったことはない彼にとって、この作業は少しばかり緊張する作業だった。
(変な液とかでてきたらどうしよーーーう。。。)
そんなことを思いながらも、彼は岩から出した象の体をクレーンを使ってそっと横たえると、メスを持って腹部の前にスタンバイし、ごくりと唾を飲んだ。
◆詩/art◆ 潮風はこぶ ランニング。 海に浮かぶ、天王洲アイル。(埋立地のね)
(落書き。描きたい気分だったんだ。絵。)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
うんと薄めた、墨汁みたいな空。
いつにでもこぼれ落ちそう。DROPS.
ランニングシャツ。wetなまま。どうしよう。迷った。
でも、見たかったんだ。海。
見れなくてもいい。
近づきたかった。嗅ぎたかった。風に乗る、潮水。
ぬれたシャツ。
髪を結わう。
手が届きそうだったんだ。
海の薫り。
車の吐き出す煤煙にむせながらも。
風を感じていた。
おもしろいんだ。
みんな見るんだよ。だって恰好、実業団みたい。
いいんだ、軽い。からだがウズク。うず、うづ。
結局、海は嗅いだだけ。見なかったんだ。
すぐそこまで行ってたんだけど。
切なくなりそうで。
みたいな、あなたと。
みようね。いっしょに。
◆小説◆「Elephant Signs(エレファント・サインズ)」第8話
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
今日は眠りが浅い。
やたら喉が渇くし、いやな夢ばかり見る。
「はぁ・・・」
前田は4回目のトイレに起きた。
象のあの皮膚感を思い出すだけで、どうしてこんなにも胸騒ぎがするのだろうか・・・。
(明日からどうすっかなぁ・・・。
ムハンマドたちは護衛をしてくれているはずだ。
急がなくても、誰かが侵入することはない。どうも気味悪いんだよなぁ・・・。)
再びゴソゴソと寝袋に潜り込んだ。
(しっかし・・・、こういうことをやってこそ、俺が目指す発掘じゃねぇか?
俺、反対を押し切ってまでこんな危険な国に来たってのに・・・ビビってるわけにいかねぇよな。)
「よっしゃ!」
小さな声をあげると、彼は心に決めた。
発掘を続けることを・・・。
不思議と、「続・発掘」を決めた途端、彼のこころの錘は溶けてしまったかのようであった。
すやすや・・・。彼は日の出まで眠り続けた。
次の日の朝、更に衝撃的な発見があるとは夢にも思わずに・・・
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
ケルマーンはファイの肩に乗り、彼の耳で自身の体を支えた。
「ファイ、ジッグラドがいつも行く道のりは、こっちだ!」
「パォン・・・!!」
ファイやアリーを含め、この地方で飼われている象は、インド象(※注1)だ。
耳はさほど大きくなく、気質も穏やか。とても優しい眼をしている。
ケルマーンとアリーは、ジッグラドがいつもアリーの散歩と自分の訓練を兼ねている場所へ向かっていた。
向かっている場所?
そう、それは、ジッグラドが好きな遺跡のある場所。
チョガ・ザンビールの付近である。
アジアゾウ Elephas maximus
(インドゾウ)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆脚注◆
※注1インドゾウ(アジアゾウ)
体長500-640cm。尾長100-150cm。体高200-300cm。体重はオスは平均4-5t、メスは2-3t。胴体は中央部で最も高くなる。
額には隆起があり2つのコブ状になる。門歯(牙)はオスでは発達する。メスの牙は短く外観からわからないこともある。歯は臼歯が上下左右それぞれ1本ずつの計4本あり、一生のうち5回生え変わる。
耳は小さく四角形で、集音の他に放熱や広げることで威嚇等の役に立つと考えられている。鼻の先端には上部に1つだけ突起がある。前肢の蹄は5本、後肢の蹄は4本。
年をとると皮膚の色素が薄くなり、体のところどころ(主に顔面や鼻など)に肌色の部分が現れることが多い。
(WIKIPEDIAより部分抜粋)
◆詩/short film◆ 彩-SAI-/廻る、 巡る、その核へ
acidman; short film
彩-SAI-/廻る、 巡る、その核へ(ノーカット版)
http://jp.youtube.com/watch?v=8ajy0paunsg
出逢う。
何回でも。 何度でも。
・・・形を変えて。
なのかも、しれない。
動物かな?それとも虫?・・・トリがいいかもな。
イイヤ、なんだって。
のんびりしよう?
わたしたちに、おわりなんて。
ないんだよ。
世界の色は変わっても。
その色とともに。
カメレオン?
世界自体が終るのならば 新たな世界を作ろうか。。。
それとも。
そのときは 世界とともに、眠ってみようか。
喧嘩したって、あなたが好きだよ。
眠るときは、隣が好きだよ。
あ。でも・・・ネゾウ・・・。
暴れたら、ごめんよ。
眠りのアタシ、猛獣。
・・・らしいけど。
飼いならしてよ。 「 眠りの猛獣。 」
◆小説◆「Elephant Signs(エレファント・サインズ)」第七話
「象・・・?!」
それが象だと思ったのは、象独特の、あの「長い鼻」にノミが突き刺さったから。
思わずその「良すぎる鮮度」に、彼の鼓動は、高鳴った。少し、気味が悪い。
見てはいけないものを見てしまったのか、それともこれ以上見ない方がいいものなのか・・・。
どちらにせよ、奇妙すぎるものなのは確かだ。歴史上のこと、とか、化学変化、とか、そういう類のものではないように思える。
これ以上その日、作業をやる気にはなれなかった彼は、無言のまましばらくそこに、立ち尽くしていた・・・。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
「じいちゃん、じいちゃん!ね、じいちゃんってば!!」
ひとりの少年が、うつらうつらと眠っている翁の腕をゆすった。
さきほど象にまたがっていた少年と同じ顔をしているが、少し声のトーンが低い・・・ようにも思える。
「うにゃ、めしかぇ?」
「何言ってんだよ、さっき食べたばっかりじゃないか・・・もぅ。
あのね、まだ帰ってこないんだよ、ジッグラドのやつ。絶対おかしいよ。」
「あ?お前、そこにいるじゃねぇか・・・」
「僕はケルマーンだよ!双子だからって、見分けてくれよ~。」
(だめだ・・・じいちゃん、寝起きはボケてるや。)
彼の名は、ケルマーン。
象にまたがっていた少年、「ジッグラド」の、双子の兄なのだ。彼の家は代々象使いをしており、今は祖父と兄弟の3人暮しであった。彼の父は、2年前、行方不明になっていたが、去年見つかった時には、すでに帰らぬものとなっていたのだ。
彼の住んでいるイラン高原では、戦(いくさ)には象を使うことが少なくなく、そのための「戦象」※注1
を育てているのだ。先日も約20頭の象を、涙ながらに売却したばかりであった。
彼らにとって、象との別れはいつもつらかったが、・・・暮らしのためである。そう思うことにしていた。
そんな少年、ケルマーンは、がっくりと肩を落とし一人で歩き出すと、何やら動物のにおいが漂う小屋に向かった。
そこには2匹のオス象と、1匹のメス象が仲良く肩を並べていた。これらの象たちは、戦象としてではなく、象使いとしての訓練や移動手段に使う象として、ケルマーンの家で飼われているのである。
それにしても、この象たち・・・。3匹ともなんだか、落ち着きがない。
いつも帰っているはずのもう一匹がまだ帰ってこないのが、気がかりなのだろうか・・・。
「なぁ、ジッグラドが帰ってこないよ。アリーも。
・・・まさか、こないだ拾ってきた変な首飾りの呪い?!・・・そんなはずないよね。
僕、探しに行こうかな?」
パォン・・・
アリーの旦那さんであるファイが、ケルマーンの意向を悟ったのか、彼にすり寄ってきた。
「お前、一緒に行ってくれるのかい?」
もちろん、と言わんばかりに、ファイはケルマーンの足元で、体制を低くした。
(ムガル帝国のアクバルが率いた軍の絵画)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~脚注~
※注1・・・戦象
(せんぞう)とは軍事用に使われた象のことである。主にインド、東南アジアや古代地中海世界で用いられ、突撃で敵を踏み潰すか、あるいは敵戦列を破砕することを主目的とした。象の社会は血縁のある雌の群れを基礎とした母系社会であり、それが原因で雌象は他の雌象へ向かって行く傾向があったため、軍用には雄の象が用いられた。
戦象は軍事的に多くの役割を担っていた。その巨躯と力は輸送を任せると非常に有効であり、武器や兵糧の運搬から、軍楽隊の大太鼓、大砲の牽引まで幅広く用いられた。王侯や指揮官は背中に豪奢な輿を載せることもあった。
普通、戦象の背には1人の象使いと、他に1~3人の弓兵や槍兵が騎乗した。見晴らしの良い高所にあるため、弓兵を乗せると特に威力を発揮した。戦場では、戦象はおおむね中央の列に配置され、可能になると突撃した。戦象の突撃は時速30kmに達し、騎兵と違って歩兵の槍で防ぐことは困難だった。巨躯から来る威圧感は大きな恐怖心を呼び起こし、訓練されていない軍隊ならば容易に壊走させることができた。
戦象にはいくつかの致命的な弱点があった。その性質上、前進以外の戦術行動は不可能であり、方向転換や急停止は至難の業だった。ザマの戦いで大スキピオはその性質を利用した。また、高所に位置するために、騎乗するものが狙われやすく、象使いが殺されると戦象は制御を失って暴走した。また、銃声や鉦のような大音響にも弱かった。ただし、これは訓練である程度克服することが可能だった。ムガル帝国では、火器の発する轟音に慣らすため、幼い頃から耳元で銃声を聞かせる訓練が施された。このため、ムガル軍では戦象に銃兵を乗せることも可能だった。
また、象の皮膚は一般に分厚いため原始的な矢や鉄砲などの飛び道具に強かったが、一方で足の付け根などの皮膚の柔らかい部分が弱点となることが多かった。そのため東南アジアなどでは象の足下に護衛用の兵を置くこともあった。
また象の調教・維持には多くの時間と金がかかるという欠点もある。
◆歴史◆
象を家畜化する試みは、4000年前のインダス川流域で始められた。しかし、低 い繁殖力と成長の遅さ、飼育下の群での繁殖の困難さ、妊娠期間の長さのために、おそらく大半は、そして現代に至るまでケッダなどと呼ばれる追い込み罠で野 生の象を捕まえて飼いならしていた。初期の象の利用は、強い力を生かした農耕の補助にあった。軍用の起源は紀元前1100年ごろで、その活躍をたたえるサ ンスクリット語の賛歌が複数残っている。
その後、戦象の運用はインド亜大陸に隣接したイラン高原を通じて西方へ伝播し た。紀元前331年のガウガメラの戦いで、ペルシアのダレイオス3世はアレクサンドロス大王率いるギリシャ軍に対して戦象を運用した。また、アレクサンド ロスがインドに侵入した際、ヒュダスペス川の戦いで、パンジャブ王国側は200頭の戦象を運用した。アレクサンドロス死後のディアドコイ戦争では、戦象は より積極的かつ大規模に用いられた。紀元前301年のイプソスの戦いでは、両軍合わせて500頭近くの戦象が運用された。この頃までに用いられていたのは 主にインドゾウだったが、入手が困難な地中海世界ではアフリカゾウの亜種マルミミゾウを戦象化する試みが進められ、エジプトやカルタゴが育成に成功した。
( WIKIPEDIA より 部分抜粋 )
それが象だと思ったのは、象独特の、あの「長い鼻」にノミが突き刺さったから。
思わずその「良すぎる鮮度」に、彼の鼓動は、高鳴った。少し、気味が悪い。
見てはいけないものを見てしまったのか、それともこれ以上見ない方がいいものなのか・・・。
どちらにせよ、奇妙すぎるものなのは確かだ。歴史上のこと、とか、化学変化、とか、そういう類のものではないように思える。
これ以上その日、作業をやる気にはなれなかった彼は、無言のまましばらくそこに、立ち尽くしていた・・・。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
「じいちゃん、じいちゃん!ね、じいちゃんってば!!」
ひとりの少年が、うつらうつらと眠っている翁の腕をゆすった。
さきほど象にまたがっていた少年と同じ顔をしているが、少し声のトーンが低い・・・ようにも思える。
「うにゃ、めしかぇ?」
「何言ってんだよ、さっき食べたばっかりじゃないか・・・もぅ。
あのね、まだ帰ってこないんだよ、ジッグラドのやつ。絶対おかしいよ。」
「あ?お前、そこにいるじゃねぇか・・・」
「僕はケルマーンだよ!双子だからって、見分けてくれよ~。」
(だめだ・・・じいちゃん、寝起きはボケてるや。)
彼の名は、ケルマーン。
象にまたがっていた少年、「ジッグラド」の、双子の兄なのだ。彼の家は代々象使いをしており、今は祖父と兄弟の3人暮しであった。彼の父は、2年前、行方不明になっていたが、去年見つかった時には、すでに帰らぬものとなっていたのだ。
彼の住んでいるイラン高原では、戦(いくさ)には象を使うことが少なくなく、そのための「戦象」※注1
を育てているのだ。先日も約20頭の象を、涙ながらに売却したばかりであった。
彼らにとって、象との別れはいつもつらかったが、・・・暮らしのためである。そう思うことにしていた。
そんな少年、ケルマーンは、がっくりと肩を落とし一人で歩き出すと、何やら動物のにおいが漂う小屋に向かった。
そこには2匹のオス象と、1匹のメス象が仲良く肩を並べていた。これらの象たちは、戦象としてではなく、象使いとしての訓練や移動手段に使う象として、ケルマーンの家で飼われているのである。
それにしても、この象たち・・・。3匹ともなんだか、落ち着きがない。
いつも帰っているはずのもう一匹がまだ帰ってこないのが、気がかりなのだろうか・・・。
「なぁ、ジッグラドが帰ってこないよ。アリーも。
・・・まさか、こないだ拾ってきた変な首飾りの呪い?!・・・そんなはずないよね。
僕、探しに行こうかな?」
パォン・・・
アリーの旦那さんであるファイが、ケルマーンの意向を悟ったのか、彼にすり寄ってきた。
「お前、一緒に行ってくれるのかい?」
もちろん、と言わんばかりに、ファイはケルマーンの足元で、体制を低くした。
(ムガル帝国のアクバルが率いた軍の絵画)
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~脚注~
※注1・・・戦象
(せんぞう)とは軍事用に使われた象のことである。主にインド、東南アジアや古代地中海世界で用いられ、突撃で敵を踏み潰すか、あるいは敵戦列を破砕することを主目的とした。象の社会は血縁のある雌の群れを基礎とした母系社会であり、それが原因で雌象は他の雌象へ向かって行く傾向があったため、軍用には雄の象が用いられた。
戦象は軍事的に多くの役割を担っていた。その巨躯と力は輸送を任せると非常に有効であり、武器や兵糧の運搬から、軍楽隊の大太鼓、大砲の牽引まで幅広く用いられた。王侯や指揮官は背中に豪奢な輿を載せることもあった。
普通、戦象の背には1人の象使いと、他に1~3人の弓兵や槍兵が騎乗した。見晴らしの良い高所にあるため、弓兵を乗せると特に威力を発揮した。戦場では、戦象はおおむね中央の列に配置され、可能になると突撃した。戦象の突撃は時速30kmに達し、騎兵と違って歩兵の槍で防ぐことは困難だった。巨躯から来る威圧感は大きな恐怖心を呼び起こし、訓練されていない軍隊ならば容易に壊走させることができた。
戦象にはいくつかの致命的な弱点があった。その性質上、前進以外の戦術行動は不可能であり、方向転換や急停止は至難の業だった。ザマの戦いで大スキピオはその性質を利用した。また、高所に位置するために、騎乗するものが狙われやすく、象使いが殺されると戦象は制御を失って暴走した。また、銃声や鉦のような大音響にも弱かった。ただし、これは訓練である程度克服することが可能だった。ムガル帝国では、火器の発する轟音に慣らすため、幼い頃から耳元で銃声を聞かせる訓練が施された。このため、ムガル軍では戦象に銃兵を乗せることも可能だった。
また、象の皮膚は一般に分厚いため原始的な矢や鉄砲などの飛び道具に強かったが、一方で足の付け根などの皮膚の柔らかい部分が弱点となることが多かった。そのため東南アジアなどでは象の足下に護衛用の兵を置くこともあった。
また象の調教・維持には多くの時間と金がかかるという欠点もある。
◆歴史◆
象を家畜化する試みは、4000年前のインダス川流域で始められた。しかし、低 い繁殖力と成長の遅さ、飼育下の群での繁殖の困難さ、妊娠期間の長さのために、おそらく大半は、そして現代に至るまでケッダなどと呼ばれる追い込み罠で野 生の象を捕まえて飼いならしていた。初期の象の利用は、強い力を生かした農耕の補助にあった。軍用の起源は紀元前1100年ごろで、その活躍をたたえるサ ンスクリット語の賛歌が複数残っている。
その後、戦象の運用はインド亜大陸に隣接したイラン高原を通じて西方へ伝播し た。紀元前331年のガウガメラの戦いで、ペルシアのダレイオス3世はアレクサンドロス大王率いるギリシャ軍に対して戦象を運用した。また、アレクサンド ロスがインドに侵入した際、ヒュダスペス川の戦いで、パンジャブ王国側は200頭の戦象を運用した。アレクサンドロス死後のディアドコイ戦争では、戦象は より積極的かつ大規模に用いられた。紀元前301年のイプソスの戦いでは、両軍合わせて500頭近くの戦象が運用された。この頃までに用いられていたのは 主にインドゾウだったが、入手が困難な地中海世界ではアフリカゾウの亜種マルミミゾウを戦象化する試みが進められ、エジプトやカルタゴが育成に成功した。
( WIKIPEDIA より 部分抜粋 )
◆小説◆「Elephant Signs(エレファント・サインズ)」第六話
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
前田が、再びチョガザンビールに戻った頃、辺りはすでに暗くなっていたため、岩の調査は次の日の早朝から行われた。
「さて、と。」
まずは岩全体の撮影。
その後、前田はや鎌、タガネやハンマーを用いて、岩の表面を丁寧に打ち、削った。砕いた後は、細かな発掘物がないか調べるため、ハケできれいに処理をする。
「しっかし、変な岩だなぁ・・・。ドカンと唐突にあるわりに、手つかずだもんな。」
いくつかの岩の破片を顕微鏡をルーペでのぞきこみながら、前田はつぶやいた。
「ん??」
(なんだこれは・・・)
彼は岩の中に、何かを発見した。毛・・・、哺乳類と思われる、短い毛だしかも、かなりリアルな状態で、その毛は岩から姿を現したのだ。
(こりゃ、何かの動物が眠ってるとみたぞ、この中に。ますます不思議だなぁ、今死んだかのような動物の毛だ。こんな状態で岩の中にいるなんて・・・。一体どうやったらこんな状態になるってんだ?!)
期待というよりも、深まるのは謎だった。
彼の仕事ペースは上がった。汗をダクダク流しながら、休むこともなく・・・。
そして夕暮れ時。
ハンマーで打ったノミからは、これまでにはない感触がした。「カツン」ではない。何かに刺さるような、・・・生っぽい感触・・・。
「ん?」
一片の岩肌が剥がれおちる。前田は・・・、息をのんだ。
「な?!な・・・なんだこれ・・・。」
そこに現れたのは、まだ発汗しそうなほどに新しく、生々しく刺さったノミから血を流す、象の皮膚であった・・・。
SOUL&BODY
ブログネタ:注目の『すり合わせ夫婦』って知っていますか?
参加中本文はここから
「ハニダリちょうどいい診断」サイト
「Honda ちょうどいいラボ」サイト
新婚になろうっていう自分たちに、タイムリー。
そんな『口コミ』。ふぅむ、ふぅむって、思ったんだ。
中央大学文学部教授の山田昌弘教授によると、
『すり合わせ夫婦』とは、
“お互いのことを思いやり、夫婦2人にとってちょうどいいモノを選ぶ夫婦”
だ、そうな。
ふぅむ、ふぅむ。
ステキだと思うよ。必要、だよね。 「思い愛」。
「ちょうどいいもの」ってのが、よくわかんないけど。
常にベストだもん。 失敗だって、次の糧。 一時の「あちゃぁ・・・」だね。
そうだな・・・・・すり合わせるのは、 「こころと 肌の ぬくもり」。
頬、からだ、うぶげの感触。ゆびの腹の、しわ・・・あ、いわゆる指紋。
お風呂では、水鉄砲。勝てなくなったら、抱きしめる。
・・・まるでボクサーみたく。
道をタッカタッカ・・・カスタネットみたく、打ちならす。
ふたりでパッパカ、ランニング。
いろんなとこで、すり合わせてるよ。
え。そういうすり合わせ、じゃないって??
よくわかんないけど。いいよね、結果的に・・・なかよしこよし。
すり すり、すりすり、すりすりすり すりあわせ。
肌。こころ。
すりよせて、合わせて重ねて。ぐっと、ぐぐっと、繋がるから。
みんなみんな すり合わせ夫婦、なるといいと 思うな。
そしたら減るよ。
変な事件だって。
みんな一部屋もつんだ、FREE SPACE。
ちょっとイラッとしても、相手がイラッとしてても。
愛おしく思えるさ。 ずっと、かならず。
相性診断とか。いらない。
たいせつなのは、ふたりの熱と、にぎった手のひら。指先だけだから。
えっと、念のため。。。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆口コミ内容(ここはコピー&ペイスト)◆
突然ですが、『すり合わせ夫婦』ってご存知ですか?
今、いろいろなところでも注目が集まっていますが、
いまどきの幸せな夫婦を『すり合わせ夫婦』と呼ぶみたいです!
中央大学文学部教授の山田昌弘教授によると、
『すり合わせ夫婦』とは、
“お互いのことを思いやり、夫婦2人にとってちょうどいいモノを選ぶ夫婦”
のことだそうです。
相手と自分の意見をちゃんと「すり合わせ」するんですね♪
ちなみにこの山田先生は「パラサイト・シングル」という
有名な言葉の名付け親でもあるんですよ。
そんな
『すり合わせ夫婦』、あなたの周りにいませんか?
あなた自身や、あなたの周りのご夫婦で、“すり合わせて”
仲良くしていらっしゃるご夫婦がいましたら、是非教えて下さい!
こちらの
『ハニダリ(ハニー&ダーリン)ちょうどいい診断』ツールで
あなたと彼のちょうどいい度を診断することができます!!
もちろん、これは夫婦だけでなく恋人同士でも診断できます。
ぜひ、2人でチェックしてくださいね♪
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
だって。
◆小説◆「Elephant Signs(エレファント・サインズ)」第五話
「あ、その、あなた方の仕切っている敷地内で遺跡調査をしたくって・・・ですね。
で、その遺跡調査をだれにも邪魔されないように、保護してほしいんス。警備みたいなものかな。
お願いできないでしょうか?」
俺は少しどもりながらも、しっかりとボス格の男の目を見て話した。
そっと用意した金を差し出す。
ボス格の男は、その金を横目で確認すると、微笑んでこういった。
「かまわないよ。この金に応じた警備をしてやる。日本人は金持ちだな。」
あっさりと男は了承してくれた。
「さ、飲むか?お前も。」
男にグラスを差し出される。困った、俺は酒、苦手なのに・・・。断っていいものか。
そっとグラスに口を運ぶ。
(あれ?お茶・・・?)
ミントの香りが漂っている。
「あ、てっきり酒かと思いましたよ~。」
笑顔で俺がそう言うと、男は鼻を鳴らしてこう言った。
「・・・っは(笑) 私たちは、酒なんて呑まん。ドラッグにも手を出さん。(注1)
それらをやっている者は、イスラムを馬鹿にしたものたちだ。
私たちは、聖なる神に誓って、そう言う汚れた物には手を出さない。」
「そ、そうなんすか・・・。厳しいですね。」
(なんだかよく分からないけれど、イスラムの世界は複雑だなぁ・・・。とにかく酒じゃなくてよかった。)
ミントのさわやかな香りに包まれながら、俺は彼と握手を交わした。
「俺は、前田カツユキ。」
「私はムハンマド。」
頼りになる警備ができた。さて、ここから出て早速、岩の調査をしよう。
その後、俺は警備してほしい場所の詳細をムハンマドに伝え、洞穴をあとにした。
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「オイ!!あの少年はどこへ行った?!象しかいないじゃないか・・・。」
「逃げるはずないんだがな、象を置いていけるタイプじゃないだろ。」
「でも、象に用はねぇよ・・・」
「POLICE」の文字を背負った数人の男たちが、象を取り囲んでいる。さっきまで象の上に乗っていた少年は、跡形もなく、姿を消していた。
岩場と砂漠が広がるその場所にはポツンと、メス象のみが座り込んでいた。
モビルスーツの男のうちの一人が、何やらブツブツ無線でつぶやいている。誰かからの指示を聞いているらしい。
「今日は撤収だとよ。いくぞ!」
・・・その声が響いたとたんに、彼らの姿は、どこかに消え去っていた。
音もなく。 砂煙さえ、立てずに・・・。
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~脚注 ~
注1・・・イスラム教では、酒は戒律上禁止されているとする教派が主流であるが、
それは飲酒が理性を失わせる悪行であると考えられているからである。
しかし、コーヒーやタバコのように、イスラム教の教義が確立後にイスラーム社会にもたらされた常習性や興奮作用のある嗜好品については、酒と類似のものとして規制する説も歴史的には見られたものの、今日では酒と異なって合法的なものとみなされることが殆どであり、いずれもムスリムの愛好家は非常に多い。また酒にしても、禁令とは裏腹に、イスラーム社会で広くたしなまれていたことが知られている。
トルコ、イランなどではイスラム化以降も盛んに飲酒が行われた。
・・・とあるものの、過激派武装派組織や、熱心な信者は、飲酒やその他の嗜好品をたしなむことはないと考えられている(現在知られている範囲では、少なくとも、ない)。