もうすぐって…いつ? -40ページ目

小説NO.53  「 先を阻む 壁 」

王は不機嫌な思いでいっぱいだった。

水晶に映る自分の兵の敗北。



(クソが!役立たずめ・・・(`Δ´)!)



王はちらっと培養液でぴちゃぴちゃと水(培養液)遊びをしている「ぼうや」に目をやる。



「なぁ?ぼうやや。そろそろ、お外で遊ばないかぃ?」

先ほどのきつい口調とは打って変わって王は優しくぼうやに話しかける。



「オソト。タノシイ?」

ぼうやは今日、上機嫌。



「た、たのしいさ。あそぶ物もいーっぱいあるぞ!でておいで(^▽^;)!」



「ウーン。コノ遊ビ、終ワッタラ、出ル。ボクチャン。」



王は思いがけないぼうやの言葉ににやり( ̄ー ̄)と微笑んだ。


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左の通路を進んでいるルースと健司、

右の通路を進んでいるシュリとサラ、

この二組は、いま同時に、困った状況に陥っていた。



崩れ落ちる通路から走って前進していた「左通路組」は、すでに通路の崩れ自体は止まり、

安心していた矢先のことだった。



ジャガーを倒し、涙していたサラも再び人間に戻り、気分も落ち着いたようなので、「右通路組」は

足早に前を目指しているところ、その矢先であった。


2組とも同じ。


前がふさがっている。

進もうにも、前に通路が「ない」のだ。



実は中央の通路で仮眠をとっている朱音も、同じ状況に陥っているのだ。

前への道が消え、岩壁になっている。


ただ、本人が、気づいていないというだけで・・・(´Д`;)


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「どうしたら・・・いいっすかねA=´、`=)ゞ?!」

左通路組、ルースは、健司に相談していた。



健司も腕組みをし、眉間にしわを寄せて考えている。


「予想外だな・・・」



健司は手のひらを岩壁にあて、何かを感じ取っているようだ。



「・・・ん?!」

健司の目が、鋭くなる。



「この先に、様々な気の集まりやその混合体を感じる。

前、シュリが言っていたよな?「研究室」とやらがあると・・・。この先は、その研究室に違いない!」



「ほ、ホントっすか?!そこも、潰しておいたほうが、いいと?」



ルースの言葉に健司は深く頷く。

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「サラ、何か感じないか?!」

右通路組、シュリはサラにそう尋ねた。



「そうね、感じる・・・というほど確かではないんだけれど、ルースが近くにいる気がする

ルースに貰ったこの弓矢、紫色が波打って反応しているの

ルースなのよ、この弓矢。あたい、最初からわかっていたの。

ルースが自分の竜の体を犠牲にして、作ってくれたものなんだって・・・。



サラの言葉に「なるほど」、と思ったシュリ。


(そうか、自分の一部、遺伝子を手にしている者はその人が近くに居ると、何らかの方法で、

わかるわけだな。)



「サラ、君、言葉を飛ばせるよね?ルースに飛ばしてみてくれないか。

近くに居るよ、って。どうするか?って。弓矢伝いに、言葉が返ってくるかもしれない。」




サラは頷くとルースに語りかけた。心の中で。



「ルース。聞こえる?サラよ。あたいたち、今、前がふさがって進めないの。  

そっちはどう?これからどうしよう・・・。心で私に語りかけて?教えて?」


その言葉はルースの心に届いた。

「おっちゃん!サラたちも、同じ状況下にいるみたいだぜ!?

俺たち、今すごく近くに居る・・・。」


ルースは言われたとおり、心の中で呟いた。

「サラ、聞こえるよ。俺たちは今、研究室の目の前に居るようだ。

これは恐らく結界・・・。

みんなで同時に手を合わせ、気をぶつければ、

この結界を壊せるかもしれない。

どうだろう・・・?」

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そのとき朱音は目を覚ましていた。

勿論、最初は何が何だかわからなかった。目の前が、岩壁!

「何よこれ・・・・(ノД`)」


しかし、朱音はふっと仲間の一人が近くに居るのが感じられた。



シュリ・・・。


なぜ?


でも間違いない。右通路組が近くに居るのだ。

「シュリ・・・、私、ここにいるのよ?!シュリにはわからないの?」


シュリは微かに聞こえる「何か」に耳を傾け、ハッとした。



朱音の声だ・・・。

僕には、朱音の声が・・・聞こえる。なぜ・・・?」


横できょとんとするサラ(゜ρ゜)


理由はまだわからないが、聞こえるのはラッキーなこと。今はそう思うしかない。

シュリは朱音に心で叫んだ。


朱音!わかるよ!僕は近くに居る!サラも居る。

そして、左に進んだ二人も、壁にぶち当たり、同じ状況にあるんだ!

ここは研究室の前。この壁は研究室の結界だそうだ。

今からそれを壊す。力を合わせて、ね。

とりあえずその岩壁に朱鳳凰をあてておいてくれ。

合図したら気を込めるんだ!!いい?」


「分かったわ!」


朱音の声は、すぐに返ってきた。


なぜ・・・この二人が会話できるのか・・・。

いずれ、わかることになるだろう。いまは、それどころではない。



3つの通路にわかれた仲間の力。合わせる時が、きたのだ。



-詩-    「 カ ラ ス 」

照らされて。つややか。ORANGE帯びたBLACK。

くわくわっくわっ

かっかっかー

おしゃべり。してる。

影にひそみ。見つめる。INDIGO帯びたBLACK。

きょとん。みつめる。

怒りで。睨みつける。

CROW。

嫌われちゃうよね。にんげん に。

似すぎてるからだと思うんだ。

Like HUMAN Being・・・

きらいじゃないけど。

怖いときあるもん。わたしだって。

瞳の奥に映る自分の姿に、さ。




あ、鳴き声。やんだ。




小説NO.52 「 朱音・朱鳳凰のコンビネーション 」

(朱鳳凰、おねがい・・・私に手を、貸して・・・!!!)

朱音は心でそう叫ぶ。

まかせなさい。あいつに「小技」ではかなわない。

わたしが何とかする。

思い切り、気を込め、わたしの名を、呼びたまえ・・・


朱鳳凰の言葉が、頭の中で響いた。

(朱鳳凰、私のパートナー。

 ・・・頼んだわよ!!!協力してね(>_<)!)



朱音は朱鳳凰に言われたとおり、握り締めた柄に更に力を込め、足の先から指先、

頭の頂点まで、神経を集中させた。


「おやおや?硬直しちゃったのか?御主も諦めればよいものを(▽´ )!」


菊武は意地悪くそう言うと、自らの、手指の間全てに、手裏剣を挟みこんだ。



「これでお前も終わりだ!」


菊武は両手、計8枚の手裏剣にそれぞれ様々なカーブや回転をつけて朱音に投げつけた。

8枚の手裏剣の後ろには、竜巻のような、風の螺旋が出来ている。

これに当たったら、もう次の攻撃は出来ないだろう・・・。



(朱鳳凰・・・はやく・・・)

朱音はひたすらに気を高める。高めて、高めて・・・髪は逆立ち、火花が散る。

瞳の毛細血管にまで、脈がどくどくと波打ち始めた。



よし、これでいける・・・


朱鳳凰の、満足げな声。

次の瞬間・・・

ボウッ・・・!!!


柄(ツカ)から鍔(ツバ)の先、つまり刃の部分が大きく燃え上がった。


驚く朱音。


支えるのがやっとなほど、「気」が重く強い。

ふとその炎を見て、朱音は更に度肝を抜かれた。

なんと、その炎は・・・「朱鳳凰」なのだ。


シュリの火の鳥のように、ふわりとした羽毛などない。

本当に、「炎のフェニックス」。それが鍔から先で、ゆらゆらと揺れながら、

鏡に反射され、煌々と照っている。



朱音、あいつを焼くぞ。

鏡もあいつの一部に違いない。やつのテリトリーだ。

此処ごと、暴れるからな。

力を、保ってくれよ・・・


朱鳳凰は「ケーーーーーーーン・・・」、と声を上げると

一気に前に飛び抜けた。


勿論朱音の握る柄と、連結したまま・・・。


燃える。炎に包まれる。


菊武は必死で鏡の一枚をはがし、それを盾にふんばっていた。

「くそっ、なんだこれは?!」



その押し合いが何十分続いただろうか。

朱音ももうへとへとだった。しかし朱鳳凰のエネルギーは自分の「気」。

それを頭に叩き込んで、必死で耐えた。



パリーン・・・


鏡の盾が、割れた。

朱鳳凰は空を舞うと、もとの剣の状態に収まった。



それはつまり、菊武に押し勝った、ということを意味していた。

菊武の姿はない。

鏡張りだった通路も、ただの洞窟のように変化していた。



「朱鳳凰、菊武は?!そして、あなたは・・・一体どこまで飛べるの?!」

朱音は剣に収まった朱鳳凰に尋ねる。

疲れきった声が、頭にひびく。



菊武は、わたしが呑み込んだ。

これでわたしたちは、彼の「気」の分も強くなれるから・・・。

どこまで飛べるか?

それは、君とわたしの心のつながり、力の通じ具合でどこまでも、だよ。

ちょっと休もう。


そう言うと、朱音の体にもどっと疲れがきた。

緊張の糸が緩んだのだろう。


「そうね、少し休みましょう・・・」


朱音は洞窟の隅でそっと横になった。



気をつけろ朱音。

まだ敵は全滅したわけではない。

NO.2、NO.1、そして謎のぼうや、何より「王」が

君たちを待っているのだから・・・



-詩- GO to HEAVEN or HELL !!!

鏡に映る。おびえた顔。

心、映し出しているの?


CLASH!

BREAK!


常識なんて、脱皮して

自分の世界

未来の自分

                   


DREAM

さがそう。             

さぐろう。

見つけるんだ!



見つめる先。扉から。

光・・・見えたなら。

DUSH!

BREAK!


飛び込むよ?

人生はREPLAYできない。そうでしょ?     [ GO to HEAVEN or HELL!!!!!! ]




小説NO.51  「 朱音に現われし敵 」

「あなた、一体どこに居るの(((゜д゜;)))?!1枚の鏡にしか映っていないなんて・・・」


朱音は辺りを見渡しながらその男に言った。

周りにその男の姿は、無い。

ただ、天井の鏡1枚に映っているだけで・・・。


「拙者はここにいるではないか。『鏡1枚にしか映ってない』だ何て笑わせないでくれたまえ。

その1枚の鏡の中に、拙者は今、いるのではないか。」


男は表情一つ変えずにそういった。


「あなたは、一体・・・」


「誰か?と聞きたいのか?教えてしんぜよう。

拙者、菊武(きくたけ)。王に、NO.3の名を言い渡されし者だ。」


朱音が名を尋ねる前に、彼は自分から名乗り出た。


(NO.3?!わ、私にいきなりNO.3が出てきてしまったのね…?!)


朱音はやや困惑した。

無理も無い。何せ朱音は、ひとりでまともに戦ったことが無いのだから…。


菊武は言った。

「安心しろ。

王から、御主だけは命を残した状態で、捕らえて来い、との命令が下されている。

お主が逆らわず今、ついてくると言うならば戦う必要はない。

そちらのほうが懸命だと思うよ?

お主が拙者に勝てるはずなど無いのだから。」


朱音の頭の中では、二人の自分が葛藤を起こしていた。

「このまま付いて行けば・・・シュリたちが助けてくれるかもしれない。

でも・・・。」


先ほどのサラの遠吠えを思い出す。

彼女は戦いきったのだ。恐れもあっただろうに、自分に打ち勝って・・・。

逃げる選択を選ぼうとしている自分、そして、まだみんなに頼ろうとしている自分が、

朱音には許せなかった。



「私は逃げない。つまり、付いていかないわ。菊武さん、あなたを、倒す。私のこの手で!」


朱音ははっきりとそういった。鏡の中の菊武に向かって…。



「ほぅ。青いね。自分の実力も知らずして。バカバカしい。

まあ、良い。では、鏡から抜けて、お主と同じ舞台に立つとするか。

殺しちゃいけないってのが、難儀だが、な( ̄ー☆」


菊武はそう言うと、朱音の目の前に現れた。音もなく、気配すら感じさせずに…。

まるでさっきからそこに居たのではないかという錯覚まで起こさせるほど、

彼の動きには無駄が無い。


「どうしたい?かかってきたいか?

それとも、こちらから仕掛けて、軽く気絶させられたいか?」


菊武は愉しそうだ。


「戦います。私が出来る限り、あなたに攻撃を仕掛けるわ!」

朱音はそう言うと、主鳳凰を菊武に向けた。


「珍しい剣だな。面白い・・・( ̄ー ̄)



朱音は主鳳凰に「いくわよ?」と囁くと、菊武に向かって剣を振り下ろした。


強烈な「」が菊武にぶつかる。

しかし、剣自体は空を切っていた。


「「」は強いようだな。しかし、遅いんだよ。」

気づくと菊武は朱音の真後ろに移動している。


(い、いつの間に?!)


振り返ろうとする朱音の首筋に、菊武はグッと短剣を押し当てた。

朱音の首に、血が滲む。


「ついて来いよ…王のもとへ。

わかるだろ?御主じゃかなわないんだよ、拙者に。」


朱音は短刀を払いのけた。そして首を横に振る。


「くらえ!」

いつの間に覚えたのか、朱音は気弾(気の玉を発射させたもの)を、菊武の顔面に

打ちあてた。そのスピードは、目にもとまらぬ速さだった。


バゴーン!!


破裂音が鳴り響く。

煙がもくもくと立ち込めた。


見事に気弾は菊武の顔面に命中していた。

ひざを突き、下を向きつつ震える菊武。


しかし・・・菊武は笑っている。


「拙者はとして生きるもの。何の装備もなしにここにいると思うのか?」


そう言うと菊武は、真っ赤に腫れ、血を流す「顔」をベロリとめくった。

何と、その下にはかすり傷程度しか負っていない菊武の顔が現れる。

自分の顔を模った仮面を被っていたというのか?!



「何だか時間の無駄だな、御主と戦うのは。悪いがこちらから攻撃させてもらう。

御主が、死なない程度に、な( ̄ー ̄)


ニヤリと笑う菊武はこれまで以上に不気味さを増していた。


(どうすれば、どうすればいいの、朱鳳凰・・・(>_<)

あなたの力が必要よ・・・)


朱音は、心の中で、パートナーでもある剣、「朱鳳凰」に、そう語りかけた。

ここで菊武の言いなりになるわけには・・・いかない。

そうは・・・いかないのだ!!

 『小説、NO.50を迎えたね!』 BY:シュリ

小説NO.が50になったということで!

今日はキャラクターのみんなにQ&Aをしてみようと思いますo(〃^▽^〃)o

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かおる(以下:K)「あ、その声はルースね?ルース、あなたサラのことぶっちゃけどう思ってるの??」


ルース(以下:R)「どうって。。。」

サラ(以下:S) 「恋人よ(=⌒▽⌒=)!そうでしょ、ルース♪」


R 「・・・。ご想像に、おまかせします・・・。(そういわねぇとぶっ殺されるぜ(=◇=;)!!)」

S 「わーいラブラブやっぱり!結婚するんだ~♪」

R 「・・・・・・・・・・・・・。」


K 「そ、それはそれは^^;仲良しですね・・・」



K 「あ、朱音ちゃんじゃない!朱音ちゃんは最近どう?」

朱音(以下:A)「どうって・・・?なにが??」


K 「現世は懐かしいだろうけど、ここからいなくなるのも、寂しいと思わないの?」

A 「まぁ、ねm(u_u)mでも、私が居るべき場所は、現世だから・・・。」

K 「ダンナも寂しがるだろうに・・・」


A 「ダダダダ・・・ダンナ?!」 

K 「にやり。シュリよ、シュリ(^ε^)♪」

A 「・・・・・・・。プ、プライベートですからっ(//・_・//)」


K 「あ、噂をすればシュリ~♪」

シュリ(以下:S)「え(・・。)ゞ?何の噂??」


K 「あなたと朱音の恋よ、LOVEドキドキ

S 「・・・・・・・。プ、プライベートですからっ(//・_・//)」


K (あー・・・おんなじこと言ってる;)


健司(以下:KN)「わけぇモンはいいよなー。俺も青春したいぜ!(´Д`;)」

A 「母さんがいるでしょ!世界は違うけど!」


KN 「∑ヾ( ̄0 ̄;ノコエェ・・・。はい、すんません!!なんか最近、母ちゃんに似てきたな…」


A 「私はまだ若いからヾ(▼ヘ▼;)!」

KN「はい・・・すんません・・・」


K「えーと。。。なんだか喧嘩になりそうなのでこの辺で(;´▽`A``」


全員「喧嘩なんてしてません!!!!」


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と、とにかく、心強いみなさん・・・ということがわかりました、ね!

ちょっと無理やりなシメかしらん(^_^;)??


ちょっとここで皆さんに見せたいものがあります!


某ブロガーGさんが、この小説を愛読してくださり、

朱音のイメージ図をプレゼントしてくださいました。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。!!


        紹介します♪

            ↓↓↓


みなさん、本当にいつもありがとう(^^)!今後ともよろしくお願いします♪


                                  かおる



小説NO.50  『 サラvsジャガー、決着のとき 』

「この獣め、いい度胸してやがるな( ̄ヘ ̄)俺に勝つ気か?

まぁいい。こっちからさっさと片をつけるぜ!」


フンっと鼻を鳴らすと、ジャガーは剣を抜き、飛び上がった。

サラも便乗して飛び上がる。


・・・しかし、サラが空中に跳んだ瞬間には、ジャガーの姿はどこにも見当たらなかった。

なんと、あれはフェイクだったのだ。

実に巧妙な演技。

ジャガーは飛び上がるふりだけし、便乗してとび上がってしまったサラの真下に、

移動していた。


剣を真上に突き立てるジャガー。

このままではサラは重力に押されて地上に落ちると共に、串刺しである。



(サ・・・サラ!まずいぞ・・・手を出すか・・・しかし約束(o)ゞ!!)

シュリは頭を抱える。

あえて見ないことにした。

目を伏せ、気を感じ取る。気を読めば、最低でも二人の生死は確認できるからだ。





約束。

いくら仲間の命が危なかろうとも、その仲間が望んだこと。

手を貸すわけにはいかなかった・・・。



そのとき。

・・・シュリはハッとした。

今、どちらかの気が、突然、非常に弱くなったのだ。



(一体なにがあったんだ・・・?!まさか・・・サラが?!)



シュリは恐る恐る、瞳を開いた。

するとどうだろう。



サラは串刺しになるどころか、凛として狼の毛並みを輝かせている。

なにがあったのだろうか!?

シュリは気の流れを思い出しながら、先ほど行われた戦いの残像を瞼の裏に映し出した。

まるで、巻き戻しをしたビデオテープを再生しているかのように・・・。



そうしてわかった事実はこうだった。



実は、空中から落ちてくるとき、サラは「火の鳥」から貰った「」を自らの背中に突き刺したのだ。

ちょうど、2枚。

するとどうだろう、サラの体は剣の先端寸前で宙に浮いたのだった。

それにはサラ自身も驚いたが、これは火の鳥のおかげだと信じ、今度は火の鳥の「まつ毛」を

口に含み、ジャガーに向かって吹き出した。



「ぐおぉっ?!」



火の鳥のまつ毛は、ジャガーの瞼、瞳に突き刺さった。目潰しができたのである。



ここぞとばかりに、サラはルースから貰った弓矢の「 だけ」を狼の口でくわえ、

もがいているジャガーの胸部を狙って空中から突激したのだった。





見事に矢は、ジャガーの胸を打ち抜いていた・・・。



「く・・・くそう。この畜生め・・・!ル、ルースと戦うまでは・・・

負けるわけ・・・には・・・いかなかった・・・のに・・・、

チキショウ(0)!!!」



そう言って、最後の言葉を残すと、ジャガーの体は、まるで氷が溶けるように、

じゅわーっと音を立てて、真っ黒な液と化した。

間もなくその液は、天空へと蒸発して行った。黒い蒸気・・・。




「やったな、サラ!」

シュリはさらに駆け寄って、顎の下と頭を撫で撫でしてやった。

が、顔の毛並みが湿っていることに気づく。



「どうした?」



あの人。一生懸命だったのよね。ルースにもう一度会うために。そして、戦うために。

昔、会った時はあんなに鋭い目も、戦う術も備えて無かったわ・・・。

それにあたい、人をあやめたのなんて初めてで・・・」



狼の口は動かないが、シュリの耳にはサラの声が届いていた。



「サラ、君は優しい。ただ、優しいだけじゃ、戦っていけないということを学んでくれ。

耐えるんだぞ・・・。」



シュリはサラの耳元でそっとささやいた。

瞳をぬらした狼は


ウォーーーーーーーン・・・!!!


と、声高く、遠吠えした。



その声は、朱音、健司、そしてルースにも届いていた。


「あいつ、がんばったな(´`。)

ルースは自分のことのように喜び、涙腺を熱くした。

健司も微笑みながら頷いた。





さて、中央の通路を歩む朱音は・・・というと、壁・天井・床のすべてが、鏡張りヾ(0;!!

の通路であった。

最初は落ちつか無さを感じていたが、彼女は徐々にその鏡屋敷のような空間に楽しみを覚えた。


(あっちを見ても、こっちをみても、私が同じ格好してるのね(‐^▽^‐))


何だか楽しくなって来た朱音は鏡の前でポーズを取ってみた。

(ちょっとモデルになった気分♪)


現世でトレンドの雑誌を読んでいたのを思い出す。

ああ、なつかしい・・。

ポーズを取ったまま、朱音は天井の鏡へ目をやった。



「愉しんでるね・・・」

自分以外の人が天井に映っているではないかΣ(゚д゚;)

まるで忍者のような風貌・・・。


辺りを見渡したが、姿は見えず、1枚の鏡にしか映っていない…


「朱音殿がここに一人で来るとは、拙者、嬉しい限り( ̄▽+*)

お手並み拝見と行こうか?」


朱音、ひとりでの戦い・・・

中央の通路で、遅咲きの戦いが、始まろうとしていた・・・


-詩-  POSITIVE STORY ~ 疑いなき 道 ~

靴底の下。

なにか潰してしまった気分がした。

それは、偶然に寄り添っているエゴかもしれない。

でも、それは、必然的なことで・・・。のちに気づくんだ。

そこに足をおいた。

それは、自分の選択だったから。

悲しい。悲劇だとは思わずに、

哀しい、喜劇だと思おうよ。って。

何年後か、きづくんだよ。

あの時、足を置いた場所。

足でPUSHした事実。

    それは・・・

今へのスイッチ・ON。だったって、こと。

PUSHして、今の自分が歩いていて。居る。此処に。

    それは・・・

人生を取り巻くヴィーナスがくれた 選択肢だったんだ。

そうだよ?

足を置かずに前へ進むことなんて、

誰にも出来ない。

潰したんじゃなくてPUSHしていたんだ。

  そう、  POSITIVE STORY。

  いつしか、HAPPY。


  信じて、いれば。




 

    信じて、みようか。

 自分のCHOICE。  歩む道。

小説NO.49 「 右の通路 」 ~NO.5、現る~

薄暗い通路。これがの空間だった。

七つ坊のときとは違い、「真っ暗」ではない。

しかし、悪魔が好みそうな、そんな寒気の漂う空気に、包まれていた。

そんな空気の中、クンクンと臭いをかぎながら、サラは怪訝な顔つきをした。

「ねぇ、段々こっちに、誰かが近づいてきてるわ。あたいたちも前に進んでるわけだから、

その距離はもう、そう遠くない(-_☆)」

「そうか・・・。ついに来たか。敵が・・・」

シュリはサラを見て、満月の夜がもう目の前であると感じた。

嗅覚が敏感になるだけでなく、目つきが獣だ。しかも、徐々に尾が生え始めている

そのときだ。

目の前を、黒い影が横ぎった。

一瞬。ほんの一瞬・・・。

しかしシュリもサラもそれを見逃してはいなかった。

「誰だ!?居るなら出て来いよ!」

シュリは叫んだ。

「・・・・・。」

返事は、ない。

どこからかこちらの様子を伺っているに違いない。

しかし、返事が返って来るまでに、そうも時間はかからなかった。

「なーんだ。アイツはいねぇのか?」

口を真っ赤な布で覆い、真っ黒なマントをまとっている人物。

「あ、あんた、ダーリンの敵Σ(゚д゚;)!ガルルルル・・・(`Δ´)!」

サラは現れた敵の姿を見て、思わず声を上げる。

既に狼のうなり声も同時に混ざっていたが・・・。

「お?その尻尾、かすかなうなり声。お前まさか・・・満月の夜に現れた狼か?」

黒ずくめの男は、声に「不機嫌さ」を含ませながら言った。

「そうよ。グルルルル・・・・・゛(`ヘ´#)」

シュリはこの会話でやっと、相手が誰なのかがわかった。

 

『ジャガー』。ルースの幼馴染。

「君がジャガーなんだな?なぜ、君がここにいる?!」

シュリが尋ねると、ジャガーはゆっくりとこちらに歩み寄り、前触れも無く、シュリの腹に蹴りを入れた。


唐突過ぎて、ゲホッ、ゲホッ、とむせるシュリ。

(何てめちゃくちゃなヤツだ・・・。ルールもくそも、あったもんじゃないな・・・)

「貴様よ。お前がシュリだな?クソ野郎のシュリか。何で俺がここにいるかって?

馬鹿なこと聞くんじゃねぇよ!

俺は特訓を繰り返し、NO.5にのぼりつめたんだぜ?」


ジャガーはニヤリと笑っているようだった。覆面の布が歪むので分かる。



「がるるるるる・・・ヾ(▼ヘ▼;)」

サラは唸った。

まだかろうじて人間の姿を残しているが・・・。


「君がNO.5だろうとNO.1だろうと僕には関係ないんだ。

そこをどくか、戦うか。さぁ、どうする?」


シュリは返事が後者だと解っていたが、尋ねてみた。


「王から貴様を殺すよういわれているし、俺の手柄も上がる( ̄¬ ̄*)

そのガキもルースの連れならぶっ潰す。それが答えだ。」


やはり答えはそうだった。シュリは苦笑いする。



ジャガーは剣を抜いた。


「そのガキ、個人的に憎たらしい理由があるからな。そっちから潰すぜ。

手ぇ、だすなよ!裏切り野郎のシュリ!」


シュリが何か言いかけた瞬間には、もうサラはジャガーに飛びついていた。

既に彼女は完全なる「狼」になっていた。


(ひとまず任せるよ、サラ・・・!)

心でそう呟くと、シュリは腕を組んで1足下がった。

サラを信じようと言う、シュリの判断だった。



サラが飛びついてジャガーの腕に噛み付いた。

ガブリッという牙が食い込む音がする。

シュリは彼女の顎の力が、すさまじいのを知っている。 (いいぞ、サラ!)


しかし、次の瞬間、ジャガーは想像もつかぬことをした。

噛み付かれ、サラを腕にぶら下げたまま、今度は自分からサラの首もとに喰らいつき、


きゅぅん・・・・


と声を上げ、顎の力が抜けたサラを、うっとおしそうに払いのけたのだ。

通路の壁に、追突するサラ。


サラは暫く脳震盪を起こしかけていたようだが、すぐに目を見開いた。

先ほどよりも、更に激しい狼の怒りを漂わせながら・・・。


「ふん、俺は過去に一回受けた攻撃では、やられねぇ。

自分から血が流れようとも気にしねぇ。すぐ回復するしな( ̄ー ̄)!」



ぽたり、ぽたり、ジャガーの腕からは血液の雫が零れていた。

ジャガーはそれをぺろりと舐めた。

そしてマントの一部を破ると、血止めとしてギュッと巻き付けた。


「サラ、大丈夫なのか?!」

シュリはサラに駆け寄ろうとした・・・が、サラの心の声がシュリの頭に届いた。

サラは狼のとき、言葉を発せない為、こうして脳に直接言葉を飛ばしてもらい、

通信するようにしているのだ。


(シュリ・・・、おねがい。

あたいにやらせて!ルースを殺そうとしたやつなのよ!

絶対ヤツを、倒すから!!)


サラの心のそこからの声であることが、身に染みてわかった。

シュリは、条件をつけることにした。


「チャンスは2回。それ以上は危険だから、俺も出る。

でも、その2回の攻撃はサラが好きにやっていいよ。その2回で仕留めてくれ!」


サラは頷いた。


ジャガーはバカバカしい、といわんばかりにこちらを眺めていた。



サラは、愛する人のために、そしてみんなのために、

今・・・立ち向かおうとしている・・・。



~ 一行詩 ~ 「 か細く・強く 」




か細くても。微かな呼吸でも。頼ってくれる者はいる。足元、の土台。地面にしっかりと。根を生やせれば…