小説NO.50 『 サラvsジャガー、決着のとき 』
「この獣め、いい度胸してやがるな( ̄ヘ ̄)俺に勝つ気か?
まぁいい。こっちからさっさと片をつけるぜ!」
フンっと鼻を鳴らすと、ジャガーは剣を抜き、飛び上がった。
サラも便乗して飛び上がる。
・・・しかし、サラが空中に跳んだ瞬間には、ジャガーの姿はどこにも見当たらなかった。
なんと、あれはフェイクだったのだ。
実に巧妙な演技。
ジャガーは飛び上がるふりだけし、便乗してとび上がってしまったサラの真下に、
移動していた。
剣を真上に突き立てるジャガー。
このままではサラは重力に押されて地上に落ちると共に、串刺しである。
(サ・・・サラ!まずいぞ・・・手を出すか・・・しかし約束が(→o←)ゞ!!)
シュリは頭を抱える。
あえて見ないことにした。
目を伏せ、気を感じ取る。気を読めば、最低でも二人の生死は確認できるからだ。
約束。
いくら仲間の命が危なかろうとも、その仲間が望んだこと。
手を貸すわけにはいかなかった・・・。
そのとき。
・・・シュリはハッとした。
今、どちらかの気が、突然、非常に弱くなったのだ。
(一体なにがあったんだ・・・?!まさか・・・サラが?!)
シュリは恐る恐る、瞳を開いた。
するとどうだろう。
サラは串刺しになるどころか、凛として狼の毛並みを輝かせている。
なにがあったのだろうか!?
シュリは気の流れを思い出しながら、先ほど行われた戦いの残像を瞼の裏に映し出した。
まるで、巻き戻しをしたビデオテープを再生しているかのように・・・。
そうしてわかった事実はこうだった。
実は、空中から落ちてくるとき、サラは「火の鳥」から貰った「羽」を自らの背中に突き刺したのだ。
ちょうど、2枚。
するとどうだろう、サラの体は剣の先端寸前で宙に浮いたのだった。
それにはサラ自身も驚いたが、これは火の鳥のおかげだと信じ、今度は火の鳥の「まつ毛」を
口に含み、ジャガーに向かって吹き出した。
「ぐおぉっ?!」
火の鳥のまつ毛は、ジャガーの瞼、瞳に突き刺さった。目潰しができたのである。
ここぞとばかりに、サラはルースから貰った弓矢の「矢 だけ」を狼の口でくわえ、
もがいているジャガーの胸部を狙って空中から突激したのだった。
見事に矢は、ジャガーの胸を打ち抜いていた・・・。
「く・・・くそう。この畜生め・・・!ル、ルースと戦うまでは・・・
負けるわけ・・・には・・・いかなかった・・・のに・・・、
チキショウ(>0<)!!!」
そう言って、最後の言葉を残すと、ジャガーの体は、まるで氷が溶けるように、
じゅわーっと音を立てて、真っ黒な液と化した。
間もなくその液は、天空へと蒸発して行った。黒い蒸気・・・。
「やったな、サラ!」
シュリはさらに駆け寄って、顎の下と頭を撫で撫でしてやった。
が、顔の毛並みが湿っていることに気づく。
「どうした?」
「あの人。一生懸命だったのよね。ルースにもう一度会うために。そして、戦うために。
昔、会った時はあんなに鋭い目も、戦う術も備えて無かったわ・・・。
それにあたい、人をあやめたのなんて初めてで・・・」
狼の口は動かないが、シュリの耳にはサラの声が届いていた。
「サラ、君は優しい。ただ、優しいだけじゃ、戦っていけないということを学んでくれ。
耐えるんだぞ・・・。」
シュリはサラの耳元でそっとささやいた。
瞳をぬらした狼は
ウォーーーーーーーン・・・!!!
と、声高く、遠吠えした。
その声は、朱音、健司、そしてルースにも届いていた。
「あいつ、がんばったな(´`。)」
ルースは自分のことのように喜び、涙腺を熱くした。
健司も微笑みながら頷いた。
さて、中央の通路を歩む朱音は・・・というと、壁・天井・床のすべてが、鏡張りヾ( ̄0 ̄;ノ!!
の通路であった。
最初は落ちつか無さを感じていたが、彼女は徐々にその鏡屋敷のような空間に楽しみを覚えた。
(あっちを見ても、こっちをみても、私が同じ格好してるのね(‐^▽^‐))
何だか楽しくなって来た朱音は鏡の前でポーズを取ってみた。
(ちょっとモデルになった気分♪)
現世でトレンドの雑誌を読んでいたのを思い出す。
ああ、なつかしい・・。
ポーズを取ったまま、朱音は天井の鏡へ目をやった。
「愉しんでるね・・・」
自分以外の人が天井に映っているではないかΣ(゚д゚;)
まるで忍者のような風貌・・・。
辺りを見渡したが、姿は見えず、1枚の鏡にしか映っていない…
「朱音殿がここに一人で来るとは、拙者、嬉しい限り( ̄▽+ ̄*)
お手並み拝見と行こうか?」
朱音、ひとりでの戦い・・・
中央の通路で、遅咲きの戦いが、始まろうとしていた・・・