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「ワーズワースの冒険」-主題歌と人形の話

、まだ民放テレビの活きが良かった頃、「ワーズワースの冒険」という番組があった。

 

YouTube:

「シャ・リオン」/河井英里

 

 

まずは、ネットから消えた昔のWEB日記から。

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2002-01-12
「シャ・リオン」/河井英里


 たまたま知人から借りた「peaceful」(ポニーキャニオンPCCY-01482)というCDの2曲目にこの曲が入っていて、懐かしくて繰り返し聴いている。この曲は、フジテレビ系列の番組「ワーズワースの庭で」と「ワーズワースの冒険」のテーマソングだった。当時、CDがあったら買いたいと思っていたのだが、なかなか見つからず結局諦めた。

 この曲を聴くと天野可淡の人形が思い浮かぶ。この番組で唯一記憶に残っているのが、「消えた少女人形の謎~カタン・ドールの世界~」と題された「ワーズワースの冒険」の第22話なのだ。たしか、猫の人形が、生みの親(可淡)を追い求めて失踪した少女人形を探し回るというあらすじだったと記憶している。当時、可淡のことは、人形写真集を本屋で見て知っていた。放映日を調べてみたら、1994年8月28日。...あれから7年以上も経ったのか。

 ところで、この曲の歌詞は一体何語なんだろうか?と疑問に思っていたのだが、なんと「造語」なのだそうだ。

 

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この第22話は多くの人々の記憶に残ったようで、先日思い立って検索してみたところ、ネット動画の形で観ることができた。

ちなみに、この日記に書かれたあらすじの記憶は微妙にズレていて、正確には、失踪した少女人形の捜索を猫の人形(声:竹中直人)から頼まれた少女(柏おとね)が、(いわば狂言回しのように)東北地方を旅して様々な人形習俗に触れながら、最後は恐山で少女人形を見つける、というものだった。猫人形は旅の過程でまるでテレパシーのようにおとねに語り掛けるので、一緒に探し回ったという見方もできる…その意味では、全くの間違いというわけではないのだが。

(現在、この猫人形は国立工芸館のコレクションとして収蔵されている。)

 

この番組の制作意図としては、人形作家天野可淡を紹介するとともに、その背後にある日本的な人形観を浮かび上がらせようとしたのだと思われる。しかし、このテーマ設定が曲者で、その内容を解説しつつエンターテインメントに仕上げようとして、無理矢理ドラマ仕立てにしたように見える。このドラマ自体の出来については「?」が付くが、可淡関連の情報をはじめ映像素材がずば抜けて魅力的だったために、記憶に残る作品となった。

 

 

当時本屋で見かけた天野可淡の人形写真集。

 

 

 

エディシオン・トレヴィルから復刊された書籍版二冊とシンフォレストによるCD-ROM版作品集(Windows3.1用!)。

 

 

CD-ROM版作品集のジャケットを開いたところ。

左側のページに件の番組に登場した人形が載っている。(元写真は『KATAN DOLL fantasm』に掲載)。

 

 

この種の人形は「球体関節人形」と呼ばれ、主に四肢の構成要素がボールジョイント(球体関節)を介して接続されることにより、可動性が確保されている。なかには腹部球体を用いて胴(胸部-腹部-腰部)を曲げたり捻ったりできるようにしたものもある。

 

日本人作家の球体関節人形としては、澁澤龍彦の書斎に居る少女人形(四谷シモン作)が特に有名で、いくつかの書籍の表紙に登場している(例えば、復刊された 『貝殻と頭蓋骨』)。

 

澁澤邸を参照しつつヴンダーカンマー的書斎を目指す私の部屋にも、(当然ながら)球体関節人形がいる。

(緋衣汝香優理作「葉月」)

 

人間の子供用の振袖の構造をそのままにミニチュア化した服を着ているが、裁縫作業は和裁の専門家でも大変だったらしい。この人形は、服の上から触って確認した限りでは腹部球体を持っているようだ。

 

見る角度や光の方向によって表情がコロコロ変わって飽きない。

このスナップなどは、意識も知性も持っていそうだ。

 

 

 

さて、今回の風景写真は、人形つながりで、横浜人形の家。

 

上層の建物の三角屋根と壁面の三角形模様の連なりが美しい。

 

 

横浜にちなんで、

「赤い靴の女の子」 (島村龍児作)。

 

 

 

最後に、「ワーズワースの冒険」の主題歌シングルCDに収録された「シャ・リオン」のカップリング曲。

この歌も良いね。

 

YouTube:

「Campos Neutros」/新居昭乃