柴犬 男の子 ひなた7歳 あお、そら6歳

メモ柴犬ひなあおそら プロフィールの記事

 

 

父、犬を飼う~ 犬嫌いだった男が、柴犬3匹と暮らすに至った物語

 

 

「父の心配。ひなたは強い、そして優しい」
 

 ひなたが3匹の中で一番強いことは間違いありません。それを忘れてしまう弟たちのわがままや勝手をひなたは何も言わずに許しています。
 そしてひなたには自分が2匹の弟たちを守らなければならない自覚があるように思います。




 父が散歩に行くときは3匹一緒に連れていきますが、たまに2人で散歩に行くことがあります。その場合は父がひなたを連れて歩きます。先頭はひなたが歩き、後から2匹がついていくことが多いのですが、ひなたは必ず後ろを振り返って2匹がいるかを確認します。先に曲がり角をまがって後ろが見えなくなるとそこで立ち止まり、2匹が追いついて見えるまでその場で待っています。そして弟たちが見えると安心してぐんぐんと力強く前に進みます。これは家が目の前に見えていても同じで、絶対に弟たちが見えてくるまでは先に家には入りません。最初は父もわからなくて「早く行こう」と引っ張ったりしましたが、今はひなたの意志を理解して一緒に待っています。




 昔はドッグランによく行っていたのですが、今はいろいろな理由があって行っていません。その理由のひとつがひなたの兄としての強さです。ドッグランではさまざまな犬がノーリードで走り回っています。犬同士仲良くならなくても、けんかさえしなければ楽しくみんな過ごせます。そんな中であおいは他の犬とけんかをすることがありノーリードにできないこともある要注意犬です。ひなたは特にけんかも仲良くもしないタイプです。そらだけは違っていて人懐っこくて人でも犬でも誰にでもなついていきます。
 その日のそらもそうでした。みんなにかわいがられて争いに巻き込まれるような気配はまったくありませんでした。ところがある犬がそらを威嚇したことで事件はおきました。威嚇自体は別に驚くようなことではなかったのですが、離れた場所にいたひなたはそれに気付きます。そこで父が目にしたのは猛然と走ってくるひなたの姿でした。ひなたは威嚇した犬に一直線で突進し一撃をくらわします。父も相手の飼い主もすぐに気づいて引き離したので大事には至りませんでしたが、威嚇した犬は血を流して軽い怪我をしてしまいました。ひなたはそらを守るために威嚇した犬に戦いを挑んだのです。
 この時いたドッグランは小型犬は入れないエリアでした。その中で柴犬は最も小さい部類に入ります。そして偶然にも相手の犬はひなたと同じくらいの大きさでした。でも相手がもっと大きな犬であったとしてもひなたは迷わず走ってきて戦ったはずです。






父は心配です
ひなたは必ず弟たちを守るから
相手の強さに関係なく戦うから
相手を傷つけるかもしれません
自分も傷つくかもしれません
でもひなたの意志は強いから
父もひなたの気持ちがうれしいから
父は油断せず見守ります

ひなたは弟たちを見守ります
父はひなたを見守ります
誰かが最初に死ぬでしょう
それでも父は見守ります
ちゃんとみんなを最後まで見守ります
誰が最後になってもさみしくないように

ひなた
弟たちのために戦わなくていいように
血を流さなくていいように
父が油断しないで見ているから
だから安心して長生きしてね



父が更新
 過去の記憶をさかのぼると思い出せることが少ないことに驚きます。日記はそのためにあるのですね。次回でこのシリーズは完結です。

 

父、犬を飼う12~多頭飼いの醍醐味を感じ、犬たちへの感謝があふれる