曼珠沙華 | 『もの想い』macoto

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祇園精舎ぎおんしょうじゃ の鐘の声

 

諸行無常しょぎょうむじょう の響きあり

 

沙羅双樹さらそうじゅ の花の色

 

盛者必衰じょうしゃひっすい ことわり をあらはす

 

おご れる人も久しからず

 

ただ春の夜の夢のごとし

 

たけ き者も遂にはほろびぬ

 

ひとへ に風の前の塵に同じ

 

 

 

平家物語第一巻の祇園精舎より

 

 

 

 

 

私は学がないので

 

いままで 曼珠沙華マンジュシャゲ をみると

 

(別名:彼岸花・リコリスなど)

 

祇園精舎の一節を思い浮かべました

 

 

 

きっと沙羅双樹と曼珠沙華の

 

語感が似ているから

 

思い違いをしていたのでしょう

 

 

 

学生時代に習ったはずのことも

 

当時はそこまで深く考えずに

 

試験のために覚えていたのです

 

 

 

しかし勉強から離れてから

 

社会に出てさまざまな経験をし

 

改めて深く考える年齢になると

 

勉強する時間がたくさんあった

 

学生時代が懐かしくなります

 

 

 

祇園精舎の意味を考えると

 

この世の中のすべては

 

絶えず変化をしていて

 

どんなに勢いの盛んな者も

 

いつかは必ず衰えが来る

 

という仏教の教えから

 

この世の無常を説いた言葉と

 

一般的には訳されています

 

 

 

ではなぜ私が曼珠沙華をみて

 

この祇園精舎の一節を

 

思い浮かべたのだろうかと

 

改めて考えてみました

 

 

 

曼珠沙華はまず花が咲いてから

 

あとから葉っぱが伸びるという

 

通常の花とは逆の生態を持ちます

 

 

 

ですから花のイメージしか

 

私にはありませんでした

 

そして彼岸花という別名から

 

お彼岸や死者の弔いという

 

イメージが湧いてきました

 

 

 

このイメージが私の中で

 

祇園精舎の鐘の声

 

諸行無常の響きあり

 

という言葉と結びつき

 

やがては私にも死が訪れて

 

最後に残るものはない

 

という想いに繋がったのでしょう

 

 

 

人はいつか必ず命が尽きます

 

望まなくても死が訪れるのに

 

あえて自ら死を選ぶということは

 

すべてをやり尽くしたあと

 

最後の最期の手段でいいと

 

私はさまざまな死を感じて想うのです

 

 

 

そしていつか来る最期のときには

 

後に生きる者への知恵や

 

私が生きた証となるものを

 

残すことができれば良いなと

 

ささやかながら願うのです

 

 

 

赤色の曼珠沙華の花言葉には

 

「あきらめ」「悲しい思い出」という

 

ネガティブな言葉もありますが

 

「想うはあなたひとり」

 

「また会う日を楽しみに」という

 

素敵な言葉もあるのです

 

 

 

曼珠沙華の花をみかけたときには

 

いつかまた会いたいと思っている

 

大切なあなたのために生きている

 

生きていればいつかまたあなたと

 

笑い合える日が来ることもあると信じ

 

心のなかの情熱の曼珠沙華を

 

咲かせてくれることを祈っています

 

 

 

 

 

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202009301000エッセイ『もの想い』

 

あとがき

ちなみに沙羅双樹というのは

「沙羅の木」というフタバガキ科

の実在する木があるそうです。

 

しかし耐寒性の弱い沙羅双樹は

日本では育たないので実際には

夏椿のことを指しているという

説が多いそうです^^;

 

情報過多な時代ゆえに

どんな情報から何を学ぶかの

取捨選択はとても重要です。

 

人類が残した様々な遺産を

活かすも殺すも自分次第だと

曼珠沙華の花をみながら

ふと『もの想う』のでした。

 

今後とも未熟者のmacotoですが

読んでくれる誰かに寄り添った

言葉を綴って生きたいと願って

PCの画面を閉じます😌

 

 

 

 


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