映画レビュー『ミッドナイトスワン』 | 『もの想い』macoto

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映画『MIDNIGHT SWAN』

  ミッドナイトスワン

 (2020年9月25日日本公開)

 

 

 

 

 

映画ストーリー

故郷を離れ、新宿のニューハーフ

ショークラブのステージに立つ、

トランスジェンダーの凪沙。

 

ある日、養育費を目当てに、

育児放棄にあっていた親戚の娘

一果を預かることになる。

 

常に片隅に追いやられてきた凪沙と

孤独の中で生きてきた一果。

 

理解し合えるはずもない二人が

出会ったとき、かつてなかった

感情が芽生え始める。

 

女性として生きる健二と、

親から虐待されてきた少女。

 

孤独な二人が寄り添う、

世界で一番美しいラブストーリー。

 

(劇場フライヤーより抜粋)

 

 

 

 

カチンコ感想

 

久しぶりの俳優・草彅剛の主演映画を

待ちに待っていたmacotoです😊

 

今回の役どころはトランスジェンダー

という演技が難しそうな役ですが、

性別は男性として生まれても幼い頃から

心は女性として生きてきた健二と凪沙を

演じ分けていてやはり唯一無二の俳優だと

あらためて再確認できました。

 

颯爽と歩く姿は孤高の女性そのもので

本当に後ろ姿は格好良い女性に見えました👀

 

凪沙がホルモン注射の副作用かなにかで

フラフラになって部屋に帰って泣くシーンは

トランスジェンダーとして生きてきた苦悩や

生きづらさを表現しているように感じて

部屋で待っていたまだ心を通わす前の一果が

じっと凪沙を見ているのを気にして

「あんたには分からないわよ」と

ボロボロ泣いている姿は狂気すら感じ

本気で泣いているようにも思えました😭

 

一果が紹介された違法アルバイトが発覚し

親友りんの母親に悪者扱いされたことで

昔の母親の虐待を思い出し自傷行為の

自分の腕を噛むシーンでは

凪沙と健二とどちらとも言えぬ感情で

「うちらのようなもんは

ずっと独りで生きてかなきゃならんで

強く生きなきゃならんで」と

一果をキツく抱き抱える場面も

感情に強く訴えかけられて涙しました😭

 

これはLGBTQ+だけじゃなく

障がいを持つ者やマイノリティ全般の

孤独を感じている人たちには

とても響くシーンだと思いました。

私も勇気づけられました。

 

この作品を通して言えることでもあるが

俳優・草彅剛は全身で演じていて

指先ひとつの動きですら微妙な動きで

感情を表現している繊細な俳優だと思います。

 

 

劇中で度々出てくる「らんま1/2」を

二人が読んでたのが個人的にツボでした😆

「犬夜叉」や「うる星やつら」や

「めぞん一刻」など数々のヒット作を

持つ高橋留美子先生の漫画ですが、

主人公の乱馬は水を被ると男から女に

変身してしまうという漫画だけに

この映画との親和性から選ばれたのでしょう。

 

 

LGBTQ+と現在ではセクシャルマイノリティも

さまざまな幅を持ってきましたが、

まだまだ世の中を堂々と生きられる時代とは

言えないのが現状で、LGBTQ+だけでなく

なんらかの障がいを持つ者やうつ病やHSPなど

マイノリティと呼ばれる人たちにとっては

「生きづらさ」を感じる世の中だと思います。

 

 

macotoは幸い高校生の時に

初めてのバイトが新宿二丁目の

ど真ん中にあるコンビニでした😅

 

もちろん当時は新宿二丁目が

有名なゲイのお店が集まっている

聖地とは知らずに求人広告に応募し

普通にコンビニバイトを始めました。

 

しかし実際に働いてみると

お客さんのほとんどがゲイかオカマで

当時は細くて色白なmacotoは

みなさんからの人気がすごくて

界隈のゲイのみなさまがこぞって

「あの子とお友達になりたい」と

毎晩のようにナンパされてました(笑)

 

私は性に関してはノーマルなので

丁重にお断りしましたが、

たくさん話す機会があったので

そういったLGBTの方たちへの

理解や中身は普通の人間という

安心感やLGBTだからこその

心の優しさを感じられました😊

 

夏休みの間はほぼ毎日バイトして

その間に何十人と声をかけられ

私は「そういう世界には興味ない」

と伝えてもちゃんと受け入れてくれて

私に対しても急に態度が変わったり

横柄な態度になったりすることもなく

きちんとお礼と挨拶をして

二丁目に戻って行ってました😌

 

そこらへんの下衆な野郎や

ナイと思ったら態度を変えるひと

なんかよりよっぽど紳士・淑女でした。

 

LGBTQ+というセクシャルマイノリティ

の方たちは自分たちが普通ではないと

いつも感じて生きているからこそ

自分の感情には素直にもなるし

ひとつの出会いを無駄にできないからこそ

相手のこともきちんと思いやることができる

とても優しい心の持ち主なのだと

高校生ながらに私は感じました😊

 

 

話しがそれてしまいましたが、

映画『ミッドナイトスワン』の感想に

強引に戻しますと…(笑)

 

草彅剛さんの演技はもちろんのこと

新人の服部樹咲さんのバレエは綺麗で

演技も新人とは思えないくらいの

素晴らしいものでした😊

 

ちょっと「僕と彼女と彼女の生きる道」

の美山加恋さんが演じてた子役の凛ちゃん

っぽい雰囲気も感じられて母性を擽られました

…私は男ですけど(笑)また草彅剛さんは

演技をしながら共演者の魅力も引き出す

不思議な力を持ってるなぁ…と思いました。

 

また実のお母さん役の水川あさみさんも

憎らしい役を見事に演じていましたし、

真飛聖さんとの掛け合いも面白かったです。

 

凪沙を「お母さん」と呼ぶシーンは

重いシーンが多いこの映画では

ほっこり笑顔になれる唯一のシーン

だったかもしれません。

 

この作品を観て内田英治監督の

『下衆の愛』『全裸監督』にも

興味を持ったので今度観たいです😊

 

渋谷慶一郎さんの音楽もピアノの重厚な

演奏がこの映画に厚みを加えてました♪

 

とても考えさせられるいい映画だと

私は思いましたのでオススメです音譜おすすめ

 

 

 

macotomacoto

 

 

 

 

 

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目次はコチラ

 

 

 

 

監督:内田英治

脚本:内田英治

原作:『ミッドナイトスワン』

   内田英治

(文春文庫刊)

キャスト:

凪沙役:草彅剛

武田健二役:草彅剛

桜田一果役:服部樹咲

瑞貴役:田中俊介

桑田りん役:上野鈴華

水川あさみ・吉村界人

佐藤江梨子・真田怜臣

真飛聖・田口トモロヲなど

音楽:渋谷慶一郎

制作:CULEN