増え続ける事の異常さ | 『もの想い』macoto

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常に増え続ける事が
求められる社会が終わろうと
しているような気がしませんか?


世界中で新型コロナウィルスが
猛威をふるっています

その勢いはとどまることを知らず
人々は未知の存在に畏れ
不安を抱えている方も
多くいることだろうと思います


しかし自然の理に想いを馳せれば
常に増え続けることはほとんどない
ということが見えてきます


たとえば人間がこの地球で
我がもの顔をする以前は
恐竜だったり動物だったりが
支配をしていたのでしょう

その頃の人間はそれらの捕食者に怯え
逃げ隠れて過ごしていたと思われます

やがて進化の過程で
他の生物より脳が発達し
知恵を継承することで
人間は種の多様化とともに
増え続けてこれたのでしょう


もちろんその間にも様々な困難があり
今回と似たような状況にも
なってしまった歴史があります

ウィルス・戦争・自然災害
・生物の大繁殖など
困難の際にも大規模な被害や
多くの命を失ってきました


しかしどんなに増えたとしても
いつかは減っていきます

新型コロナウィルスも
どんなに増殖したとしても
感染のピークは必ず来て
いずれは減り始めることでしょう

なぜなら媒介する個体が
絶滅すればウィルス自体も
生きることはできなくなります

そしていずれどちらかが
進化をして耐性を得るからです



ここに人間が自然と共存する
ヒントがあると私は思います



資本主義国家の台頭により
常に増え続けることが
当たり前となり
富める者と貧しき者の格差は
ますます広がる世の中で
人々は人口も経済も生産性も
増え続けていくことが当然のように
考えてきたような気がします

私はここ数年
そんな価値観に疑問を持って
悶々と自問自答していました


もちろん人間には感情がありますし
経済や生産が止まれば
大きな代償を支払わなければ
ならないこともあります

それによって死を覚悟する人も
いるかもしれません

一個人として一度きりの人生で
死というものは人生の終わりで
受け入れ難いものだと思います

しかしそれは生きとし生けるもの
すべてが同じだと私は信じています

そして命さえあれば
その代償は取り返すことも
不可能ではないと思います



たとえば人間以外の気持ちを
想像してみましょう



もしも大量発生して
食べる草を求めて大移動する
バッタの一匹になったとしたら
あなたはどう感じますか?

周りにはあなたと同じ
お腹を空かした仲間たちが
我先にと片っ端から
満腹になるまで
草を食べ続けています

草を食べ尽くせばその一帯は
当分の間
食糧の草は生えてこなくなり
また別の場所へと
草を求めて移動します

やがてすべての草を食べ尽くせば
あなたを含めみんな餓死して
全滅することでしょう


人間も同じようなことをしていると
いずれは絶滅するのかもしれません


それではなぜこの地球では
生き物は居なくならないのでしょうか?

もちろん絶滅した種は
数え切れないほどです

人間が滅ぼした種も多いと思いますが…
絶滅した理由も様々です

それでも多種多様な
生態系を抱える地球では
様々な生き物が
絶妙なバランスを保っています


いま地球に存在している生き物の
多くは自然の摂理に則った生き方を
しているからなのだと私は思います


ライオンなどは
お腹が減っていないと
エサとなる草食動物などを
むやみやたらと襲わないと聞きます

草食動物も一箇所の草を根まで
すべて食べ尽くすのではなく
あちこちの草を食べて
また食べられるようにしている
ように思います



さてウィルスはどうでしょうか?

ウィルスも種の保存の原則から
動物や人間を媒介して
増やそうと思うのは同じ
なのではないでしょうか?

人間の絶滅を望んでいるのではなく
いまは自分たちの住処を探している
のではないでしょうか?

自分にとって居心地の良い場所へ
集まるのは人間もウィルスも
考えることは同じなのではないでしょうか?

そう考えると
いま自分がしなければいけないことや
してはいけないことがわかります


ウィルスが考えることは人間も考える

いまあなたが一番最初に浮かんだ
したいことは他の人も同じように考えています

その一番最初に浮かんだ行きたい場所は
ウィルスも行きたい場所です

そのとき冷静になって立ち止まることが
自分やあなたの大切な人を
守ってくれると私は思います


地球という大きな視点から見てみると
人間もウィルスも
同じようなものかもしれません

人間にとって
ウィルスが増殖して苦しめる行為と
地球にとって
人間が環境に負荷を加える公害などは
とてもよく似ているように思います



盛者必衰の理



どんなに強き者でも
いずれは衰えが来るように
ウィルス感染のピークも
必ず来て収束する時は来るでしょう

おそらく新型コロナウィルスとも
共存していくしかないので
終わることもないと思いますが
少しでも深刻な事態が収まるよう
いまは自覚を持って
命を最優先に守りましょう


私たち人間も
常に増え続ける事の異常さに気が付き
いまここにあることが
当たり前ではないという奇跡に
感謝しましょう

いつかは減ることや衰えることもあります

そして
やがて訪れるであろう死も
自分の一部として受け入れられるように
少しずつでも準備していきましょう





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202004252000エッセイ『もの想い』

※4年ぶりに書いた最初の『もの想い』です。
2020年4月25日コロナ禍の自粛や
医療従事者やスーパーなどの店員さんへ
少しでも気持ちを届けたくて
休んでたときに感じてたことを
コロナに重ねて表現しました

第一波の続きから感染者は
過去最高に増えたいまだから
もう一度読んで欲しいエッセイです😊

しばらくしたらまた元の日付に
戻しますのでご了承ください🙇※


いま一生懸命まわりの命を守ろうと
がんばっているあなたへ

がんばって働いてくれてありがとう
がんばってじっとして居てくれてありがとう
あなたが倒れると
あなたが救える命も助からなくなります
できるだけ睡眠と栄養を摂って
笑っていてくれると嬉しいです
おたがいにがんばりすぎずにがんばりましょう^^