ザ・マシンガンズの必殺技(絶望日記) -194ページ目

ザ・マシンガンズの必殺技(絶望日記)

 心にうつりゆく よしなしごと

交通信号の一番左側にある色。

あれは、青色ですか、緑色ですか。


大空に輝く太陽。

あれは、赤色ですか、黄色ですか。


茶色、水色、空色、瑠璃色…

本当にそんな色がついているでしょうか。


いま、日本で市販されている色鉛筆やクレヨンには「肌色」はなく、

同系統の色のほとんどが「ペール・オレンジ」と表記されています。

「ペール・オレンジ」とは "pale orange" つまり「薄いオレンジ色」です。

私たちの「色」に対する認識は、非常に曖昧で、

かつ極めて主観的だといえます。

おおよそは便宜上、イメージに基づいて決められています。

みなさんは「肌色クレヨン」をご存じですか。

黒色、茶色、薄オレンジ色、赤色…

24色あって、どれもみんなそれぞれ違います。

しかし、どれもみんなそれぞれ同じ「肌色」なのです。


ひとは、人種によってさまざまな皮膚の色をしています。

また、同じ人種であっても、生活習慣によって皮膚の色は異なります。

あなたと、あなたの隣にいるひとでは、皮膚の色は違うはずです。

そもそも、私たちの皮膚は「肌色」でもなければ、

「肌色」は、皮膚の色を指す色でもないのです。


「肌色」というとき、それは世界中のひとの数だけある色を指します。

つまりは、この世にあるどの色も指すことができないのです。


自分の肌の色は、この世にふたつとない色。

それを指し示す色の名前など必要でしょうか。


                                     by スグル

町や街を歩いていると、鼻をくすぐる芳香。

匂いの方へ目を向けると、目に鮮やな花々。

あらゆる感覚を刺激され、思わず足を止めます。

寒さに耐えて、可憐に咲きました。

つられて、顔もほころびます。

すると、不思議なことに、急に寒さが和らいだような気がしてきます。

そして、ひとに優しく接したくなります。

手紙を書こうかと思い立ちます。


その場を去ろうと踏み出した足が、さっきより軽くなっています。



春の問題

             辻征夫


また春になってしまった
これが何回めの春であるのか
ぼくにはわからない
人類出現前の春もまた
春だったのだろうか
原始時代には ひとは
これが春だなんて知らずに
(ただ要するにいまなのだと思って)
そこらにやたらに咲く春の花を
ぼんやり 原始的な眼つきで
眺めていたりしたのだろうか
微風にひらひら舞い落ちる小さな花
あるいはドサっと頭上に落下する巨大な花
ああこの花々が主食だったらくらしはどんなにらくだろう
どだいおれに恐竜なんかが
殺せるわけがないじゃないか ちきしょう
などと原始語でつぶやき
石斧や 棍棒などにちらと眼をやり
膝をかかえてかんがえこむ
そんな男もいただろうか
でもしかたがないやがんばらなくちゃと
かれがまた洞窟の外の花々に眼をもどすと―

おどろくべし!
そのちょっとした瞬間に
日はすでにどっぷりと暮れ
鼻先まで ぶあつい闇と
亡霊のマンモスなどが
鬼気迫るように
迫っていたのだ
髯や鬚の
原始時代の
原始人よ
不安や
いろんな種類の
おっかなさに
よくぞ耐えてこんにちまで
生きてきたなと誉めてやりたいが
きみは
すなわちぼくで
ぼくはきみなので
自画自賛はつつしみたい



うららかな春の日に。

心にはどんな花が咲きましたか。


                                     by スグル

ニューヨーク市警に勤める父リチャード・クイーン警視を助けて、

数々の難事件を解決する名探偵、エラリー・クイーン。

一連のシリーズは、世界中のミステリファンに愛され続けています。

著者は、探偵の名前と同じエラリー・クイーン。

実は、いとこ同士であるフレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーが、

探偵小説を書くために用いた筆名の一つなのです。


それでは、今回はミステリクイズの第8弾です。



〈難易度 ★☆☆☆☆〉


「何も触っていません、机の電話以外は。急いで警察に連絡したので」

F氏は、到着した刑事にそういった。

G氏は狭苦しいオフィスの机の後ろに倒れていた。

右手の横には大きなフランス製のピストルが落ちている。

「何があったんですか」

刑事はF氏に尋ねた。

「彼に呼び出されたんです」

F氏が説明を始めた。

「そうしたら、いきなり奥さんと僕のことを怒鳴り散らしだしたんです。

とんでもない勘違いをしているとなだめようとしたのですが、

彼はひどいかんしゃく持ちで、落ち着かせるのはとても無理でした。

彼は突然いすから立ち上がると『殺してやる』と叫びました。

そして、一番上の引き出しを開けたと思ったら、

銃を取り出すなり僕を撃ったんです。幸いにも、弾ははずれました。

それで、僕も慌てて撃ち返しました。正当防衛だったんです」


刑事は、大きなフランス製のピストルの銃身に鉛筆を差し込んで、

床からピストルを拾い上げた。

それから、机の一番上の引き出しを開けて、その中を覗き込んだ。


警察が詳しく調査したところ、F氏は私立探偵で、

G氏の命を奪ったピストルはちゃんと登録されていた。

さらに、机の向かいの壁からフランス製のピストルの弾が見つかった。

このピストルは、G氏の指紋しかついていなかったが、

登録されていなかったので、彼のものだという確認はとれなかった。


刑事から一部始終を聞いて、Q探偵はいった。

「正当防衛なものか。これは殺人だよ。そう自白しているんだから」


さて、いったいどういうことだろうか。



名探偵のみなさん、いかがですか。

華麗な謎解きを期待しています。


                                     by スグル