条文の線状的(リニアな文字列)な文章をツリー表示(階層構造)に変換すれば,修飾関係,並立関係が可視化され,全体構造の理解が深まり,それにより記憶定着も促進される。
この趣旨から,1995年に実務教育出版から「分解穴うめ六法」シリーズが出版され,法律学習者の間で,一定の支持を得ていた。
▼「分解穴うめ六法 憲法」の憲法9条の正解ページ
しかし,ツリー構造表現の複雑なレイアウトに対して写植の手間がかかるうえ,度重なる法改正に追随できず,ほどなく絶版となり,惜しまれつつも現在に至っている。改正のない憲法まで道連れになったのが,もどかしい。
そこで私の出番である。「分解穴うめ六法」シリーズの趣旨を受け継ぎ,条文をツリー構造で表現し,空欄穴埋め方式の代わりにマーク開閉方式(暗記ペン方式)を搭載したAnkiデッキを完成した。マーク開閉方式(暗記ペン方式)は,空欄穴埋め方式と異なり,解答との見くらべが不要で,その場で正解を確認できる点で,より学習効率が高い。また,書籍ではなく,分散学習理論で定評のあるAnkiデッキである点でも優位である(「Ankiで暗記ペンを実現する方法【完全刷新版】」参照)。
従来,Ankiデッキでツリー構造を表現するのは,画像を貼り付ける方式以外には困難だった(しかも,その方式[画像穴埋めノートタイプ]では穴埋め箇所ごとに別カードが生成される仕様が条文学習に不向きである)。そこで,今回,文字情報を維持したまま条文の並立構造を字下げとラベル付き括弧で記述する軽量マークアップ記法(「構造文モジュール」と命名)をAI (Claude Code)に作成させる工夫により,個別のマーク開閉方式の適用を実現した。
▼各条ごとにサブデッキとしているので,ダイレクトに目的の条文を学習できる。

▼はじめて第9条を開いたところ(全マークが閉じている)。前回の学習時に開閉状態を「記憶」していた場合には,前回の開閉状態が再現される。

▼マークを個別に開閉しながら覚える。緑の▶ボタンで順次開くこともできる。キーボードショートカット(nキーで次のマークを開く。zキーで現在のマークを閉じる)もある。

▼「全開」したら,マークが全開する。

▼表面で「解答を表示」で裏面に進んだ場合,表面の開閉状態がそのまま裏面に引き継がれ,かつ,解説が表示される。
覚えた確信のあるマークは開いたままとし,それ以外のマークを閉じ,「記憶」ボタンで開閉状態を記憶する(パソコン+アドオン利用時のみ動作)。そうすれば次回に開いた場合に開閉状態が再現される。
覚え具合に基づいて「もう一度」などのAnkiボタンで申告する。

■パソコン(Windows・Mac)の場合
- Ankiデスクトップ版のインストールがまだの場合は、Anki公式ホームページからお使いのパソコンのOSに応じたAnkiデスクトップ版をダウンロードし、パソコンにインストールする(英語サイトだが、直感で可能だろう。手順の説明は、私の「知恵袋回答」に委ねる)。
- 下記からいずれかをダウンロードする。
分解マーカー六法 憲法.apkg いますぐダウンロード(135KB) - 1.でインストールしたAnkiソフトウェアから、2.でダウンロー
- ドした「分解マーカー六法 憲法.apkg」を読み込む。

- [マーク開閉状態の「記憶」機能を使いたい場合。ツリー構造表示だけでよければ不要]Ankiデスクトップ版の[ツール]→[アドオン]→[新たにアドオンを取得…]をクリックし,コードに「1837495105」と入力して「OK」をクリックする。
1837495105 - Ankiデスクトップ版を再起動する。
■iPhoneアプリ「AnkiMobile」の場合
- iOS端末(iPhone/iPad/iPodTouchなど)へのAnkiMobleアプリのインストールがまだの場合は,AppStoreで購入してインストールする(¥4,000円)。
- iOS端末でこの記事にアクセスし,以下から必要な級のAnkiデッキファイルのダウンロードURLをコピーする。
分解マーカー六法 憲法.apkghttps://share.takeo.cc/share.cgi?ssid=e449782acbc34ba595875a8ffe5caf84&openfolder=forcedownload&fid=e449782acbc34ba595875a8ffe5caf84 - AnkiMobileを起動し,トップ画面左下の「追加/エクスポート」をタップする。

- 「リンクをダウンロード」をタップする。

- あらわれた空欄に2.でコピーしたURLをペーストし,「OK」をタップする。
※空欄を長押しすると「ペースト」が選べるようになる。

■Androidアプリ「AnkiDroid」の場合
AnkiDroidは無料アプリである。インストールがまだの場合,GooglePlayからインストールしよう。
AnkiDroidには,iOSアプリ「AnkiMobile」のようなダウンロードリンクから直接ダウンロードする機能がない。したがって,以下のいずれかの方法によることになる。
(ア)Android端末のGoogle Chromeでこの記事で公開しているAnkiデッキ(.apkg)をダウンロードし,それをAnkiDroidでインポートする。
(イ)パソコン版のAnkiにこの記事で公開しているAnkiデッキ(.apkg)を読み込み,AnkiWeb経由でAnkiDroidと同期する(AnkiDroidマニュアル「Ankiとあわせて使う」参照)。
(ウ)パソコンにダウンロードしたデッキファイル(.apkg)をUSBメモリ等でAndroid端末に移動してAnkiDroidでインポートする(→AnkiDroidマニュアル「ankidroidで手動でファイルをインポートする」参照)。
更新履歴
- 当時の「Ankiで暗記ペン方式を実現する方法」記事のサンプルデッキとして初公開。ただし,ツリー表示は再現していない。
- 構造文モジュールを新開発し,ツリー表示を再現した版を初公開。
