皆様、こんにちは。マックベビーUSAです。
先日日本からレシピアント様がご移植に渡米されました。
この方の凍結受精卵は日本でドナーさんが採卵されて作られた受精卵でした。
採卵を行った日本の病院でご移植予定でしたが、病院の事情により卵子提供の受精卵を移植することを断られてしまいました。
その為に日本から凍結卵を11時間も離れた米国の病院に移送していただきました。
レシピアント様の希望で、彼女の移植サイクルに使うホルモン剤の選択、量、開始日、検査日は全て日本の病院の医師が指示し、米国の病院では移植だけを行うことになり、米国のドクターは移植日に移植すること以外は指示は一切しないとのことでした。
米国の病院から、既に日本の病院で行っているかもしれないけれど、念の為こちらで指示している移植前の不育症検査の項目だけ確認してもらいたいのことでリストを送りましたところ、日本の病院の対応は塩対応で、あまり好意的に思われていないようでした。しかし、実際にそのリストの中でいくつか抜けている検査を行っていただきましたら、内膜の培養でかなり強い細菌がいることがわかり、2か月間強い抗生物質で治療を受けることになりました。また、子宮鏡の検査結果では内膜が炎症を起こしていることも確認していただけました。
この強い細菌が炎症を起こしている内膜にいたままですと、内膜に受精卵を何個も移植しましても、受精卵が細菌に負けてしまって成長しません。
移植サイクル前に受精卵が入る肝心の内膜の検査をしっかり行うことはこちらのクリニックでは基本です。
また、風疹と水疱瘡の抗体の値も調べてくれていませんでした。
妊娠中に風疹と水疱瘡にかかる妊婦さんがいらっしゃいますが、流産、早産、奇形のリスクがありますので、こちらの米国クリニックでは移植サイクルに入る前に必ず抗体が十分にあるかどうかを検査する必要があります。
あと、もう一つ気になりましたことがあります。
日本の病院の医師の多くがピルの服用を採卵サイクルの患者用と移植サイクルの患者用と区別ができていないです。
採卵サイクルの患者様(ドナーも含みます)の場合には、ピルの服用期間を長期化しないように、なるべく10日までで中止して生理を起こさせて、連続では飲ませないようにします。ピルを連続して飲み続けることによって卵巣機能が不活発になり、いざ誘発開始する時には誘発剤が効きにくくなります。→卵子ドナーサイクルの基本です。
逆に、移植サイクルの患者様の場合には、卵巣機能は不活発の方が好ましいので、ピルの服用は連続して飲ませても問題ないです。上記のように、10日以内の服用を何度も繰り返して生理を何回も起こさせる方が体に意味のない負担がかかります。→ 今回日本のクリニックから移植サイクルのホルモン投与開始日の前に数回続けて生理を起こすようなピルの飲み方を指示されていました。
確かにAMHが低くて卵胞数が少ない不妊症の方はなるべく早い年齢からピルの服用(ピルを一定期間飲んで定期的に生理を起こす)を開始されて卵巣機能を保つことが重要です。しかし、不妊治療の採卵サイクルに入るモードにする時は、このピルの成分を抜いてからでないと、卵巣機能が眠ったままなので、卵胞がかなり減っている状態になっているのです。3か月以上ピルを服用されていた方は、採卵サイクルに入る前に3か月分はピルを全て抜いてから、開始されることが重要です。卵巣機能を温存する為に飲むピルは、妊活中の採卵サイクルでは反対の作用になってしまいますので気を付けてください。
話が脱線してしまいましたが、レシピアント様は無事お子様と一緒にご移植を終えられ、ご帰国されました。
お子様はお母様がみえないと大泣きしてしまう為にご移植開始ギリギリまでピッタリとくっつかれていました。
ご帰国後の判決日のご報告は陽性でした!
現在順調にご成長されております。
どうかこのままご出産まで無事ご成長されますように心から願っております。
マックベビーUSA