「マッドマックス:フュリオサ」
“FURIOSA: A MAD MAX SAGA”
(2024/アメリカ=オーストラリア/ワーナー・ブラザース)
監督:ジョージ・ミラー
脚本:ジョージ・ミラー ニコ・ラソウリス
アニヤ・テイラー=ジョイ クリス・ヘムズワース
アリーラ・ブラウン トム・バーク チャーリー・フレイザー
ラッキー・ヒューム ジョン・ハワード ジョシュ・ヘルマン
おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★☆
シャリーズ・セロンが「マッドマックス/怒りのデス・ロード」で演じた世紀末の荒野で死闘を繰り広げる女戦士フュリオサの前日譚ともいえるシリーズ続編にして、いわゆるエピソード0的な作品。
当時も振り返ったけれど、自分が「マッドマックス」シリーズをスクリーンで観たのはこの時が最初で、あまりにも有名な第1作「マッドマックス」や「マッドマックス2」はテレビ放映やCS放送で観たのみ。
そして世界観が新作とも繋がる「マッドマックス/サンダードーム」も未見で、果たしてシリーズ全体の話が繋がるかどうか?
いや、実際に前作を観なおしてから臨むつもりがタイムテーブルの関係もあって早々に劇場のスクリーンで最新作を観ることになった。
案の定、話が繋がらない、というか思い出せない。
でも、結果としてそれが正解だったかもしれない。
本作ではフュリオサの幼少期から女戦士として成長していく様を時間軸に沿って描いていくので、真のシリーズの主人公マックスありきではなく、フュリオサに焦点をあてて観ることができたのは幸い。
あとでその後のシリーズを振り返るシーンも挿入されるので、何となく「あーあれがこーで、これがあーで」みたいな相関図もなんとなく思い出せたので問題はなし。
それにしても少女時代の囚われのフュリオサの容姿を見て「少女鉄仮面伝説!」…もちろん「スケバン刑事Ⅱ」…と思った世代も少なくないはず。
またマイティ・ソー=クリス・ヘムズワース=ディメンタスが大悪人ってことで、そうなると前作「ソー:ラブ&サンダー」のキャラが…と思ったけど、あれは全然覚えていないほどの凡作だったからいいか。
作品はフュリオサの成長につれていくつかのエピソードに分かれているのでとても見やすい。
敵キャラも含めた対立関係もなんとなく整理できたし、どうやらこの先も続くと思われる本シリーズへの期待は維持できそうか。
前述のクリス・ヘムズワースのダサダサのビジュアルも含めて、男のキャラたちが極めて劇画的なので、どうしても世代的には「北斗の拳」がオーヴァーラップしてしまう。
一方でアニヤ・テイラー=ジョイが演じるフュリオサはかっこよかったし、その少女時代を演じたアリーラ・ブラウンの目力も半端なく強くてよかった。
もっとも称賛されるべきは、今回もメガホンをとったジョージ・ミラー監督だろう。
予告編で「偉大なるジョージ・ミラー監督」と持ち上げたのも伊達じゃない。
第1作から45年間にわたって作品の世界観を構築しづけて、今なおこれだけのクオリティを維持できるのはすごいこと。
昨今はハリウッドもリブートブーム花盛りだけれど、ジョージ・ミラーには最後までこのシリーズだけで完結させてほしい。
ユナイテッド・シネマ前橋 スクリーン7