「一礼して、キス」(2017/東急レクリエーション)
監督:古澤健
原作:加賀やっこ
脚本:浅野晋康
池田エライザ 中尾暢樹 松尾太陽 鈴木勝大 前山剛久
萩原みのり 結木滉星 金森啓斗 佐藤友祐 眞島秀和
おすすめ度…★★☆☆☆ 満足度…★★☆☆☆
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171122/16/ma7360/89/82/j/o0540096014075836794.jpg?caw=800)
久しぶりの御一人様観賞会でした。
公開直後なかなか時間が取れなくて、2週目には早くも上映回数が2回になって、翌週にはもうレイトショーのみという感じで、焦ってなんとか駆けつけた感じです。
池田エライザ初主演えいがということでもう少し話題になるのかな?と思っていましたが、この内容ではちょっと厳しかったですかね。
池田エライザという名前を最初に知ったのは「映画 みんな!エスパーだよ!」でテレビシリーズで夏帆が演じた役を引き継いだとき。
最初はやはりその名前のインパクトがあって「だれや?」って感じだったわけですが、その後も深夜枠のテレビドラマや学園系映画の同級生役とかでチェックしていたんですよね。
そのイメージが大きく変わったのは、今年1月からオンエアされた上白石萌音主演ドラマ「ホクサイと飯さえあれば」で、主人公ブンちゃんの大学の同級生ジュンちゃんを演じたとき。
へえーこんなほんわかした役もできるんだ?という感じで、この雰囲気はそのまま「トリガール」の土屋太鳳の友人役に繋がっていきます。
今回改めて思ったのは池田エライザって典型的なたぬき顔なんだってことで…その一方で単体のビジュアルだとやや華やかさに欠けるのかなという印象。
その辺のイメージがなかなか彼女が次のステップにいけないところなのかなと。
そんな池田エライザの初主演劇場作品ですから期待もしていたのですが、残念ながら女優としてのキャリアにあまりプラスにはならないのかなと思ってしまいました。
そもそも原作はまったく知りませんし、作品全体を覆う重く張りつめた空気感が正しいのかどうかも分かりませんが、これを観て感動とか共感を求めるのは少し酷なのかな。
高校の弓道部が舞台ということなので、知世版「時かけ」世代はそれだけでワクワクしてしまうのですが…広瀬すずの「先生!」もあったし…その弓道の魅力もこれでは伝わらない。
高校の弓道部の先輩である部長岸本杏に恋心を寄せる二年生の三神。
幼少期に両親がドイツに渡り、以後は日本の親戚宅で生活してきた彼は、人の愛し方を知らないまま成長してしまった。
その歪んだ愛情表現に振り回される杏だが、やがて彼の弓道に対する真摯な取り組み姿勢を知り、杏に対する的確な指導もあって次第に心を惹かれていく。
まあそういうストーリーなのですが、全然その心の揺らぎみたいなものが見えてこないし、すべてが唐突感でいっぱいで、驚く以前に唖然としてしまうという表現しか思い浮かばない。
前述のとおり、池田エライザの魅力がまったく映像の中に切り取られていないし、三神を演じる中尾暢樹にしてもファンから見ても、これは違うって思うのかもしれません。
監督の古澤健は「ReLIFE リライフ」もありましたね。
あの作品はそこそこ好きだったし、池田エライザもかわいく撮れていたと思うんですけどね。
どうもこの映画の撮影期間がものすごく短かったそうで、やっつけ仕事にしてももう少しやりようがなかったのでしょうかね。
弓道の試合の場面とかだけでももう少しきっちり描けたらメリハリがついたのかな。
三神の杏に対するアプローチはどう見てもストーカーのそれですし、そこまで支配されるほど彼に思いを寄せていた風には見えないんですよね。
池田エライザは現在主演ドラマ「ぼくは麻理のなか」がオンエア中。
先にオンエアされた「アイ 私と彼女と人工知能」や「伊藤くん A to E」も含めて需要はこれからもありそうなので、引き続きしっかりキャリアを重ねていってほしいところ。
来年早々には「伊藤くん A to E」の映画版の公開も控えていますし、これからもチェックしていこうと思います。
それにしても原作ファンや女性層を狙ってタイムテーブルを設定したと思われる夕刻からの上映回におやじが一人で鑑賞ってのはつらい。
MOVIX伊勢崎 シアター11