アトムの父 オッペンハイマー | Mの国より愛を込めて

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プロトニュウムの兵器開発の責任者となったオッペンハイマー

多くの仲間たちと共に全力で開発を進めていく

ところが完成間近で競争相手だったドイツが降伏してしまう

 

 

 

鑑賞日 2024年4月7日

映画館 キネマ館

 

R15+対象

 

 

性行為描写

 

多くの映画ファンから知られているクリストファー・ノーラン監督。

ダークナイトシリーズでその頭角を現し、インセプションやインターステラー、ダンケルクと強烈な演出で見せつけてきました。

 

そんなノーラン監督が原爆の父と言われるオッペンハイマーの題材に映画を撮るという事で、否応が無しに話題になった本作。

結果的に北米で大ヒットを記録、本年度のアカデミー賞でも作品賞を始め多くの賞を受賞する事になりました。

 

・・なのですが、揉めたのが日本での公開。

 

本作はユニバーサル製作のため本来なら東宝東和が配給となるはずが、その東宝東和が本作が原爆を題材にしていることから配給を断念。

中々配給が決まらない中、本国の公開から約1年弱を経てようやく公開された憂き目に会っています。

(配給のビターズエンドは中堅の配給会社なので、ハリウッドの大作としては異例)

 

ポイント

 

本作のポイントは力と利権。

 

物理学者として大学で教鞭を振るっていたJロバート・オッペンハイマー。

そんな折、プロトニュウムの臨界実験が成功し、折しもナチスドイツがポーランドに侵攻し第二次世界大戦が勃発する。

そこでアメリカはマンハッタン計画としてナチスドイツに先駆けて核兵器の開発を推し進めることに、そしてその責任者としてオッペンハイマーが選ばれる。

開発を先行するナチスドイツを逆転するため日夜研究に没頭するオッペンハイマー達、そしてようやく完成した原爆だったが使う相手が既に無くなってしまっていた。

それから10数年後、オッペンハイマーを目の敵にするルイスの画策によりオッペンハイマーは追い詰められていた。

 

果たしてオッペンハイマーが生み出したものは何をもたらすのか。

 

展開としてはマンハッタン計画で原爆作りに勤しむパートと敵対するルイスの画策により研究者としてのキャリアを潰されるパートが展開される形に。

また、オッペンハイマーの視点だとカラーですが、ルイスの視点ではモノクロで展開されるという視覚的な違いがあります。

なお、原爆作りは中盤で完結、以降は政策の対立による陰謀が渦巻く形となります。

 

見どころ

 

見どころは中盤、オッペンハイマーの幻聴。

精神的に追い詰められるような場面で何やら迫りくる音が。

その正体が後半になって分かるのですが、確かに強烈な体験です。

 

気になった点

 

気になった点はルイスによる画策が分かりにくい事。

終始二つの展開が繰り広げられるのですが、話の順番も無茶苦茶であり、何故こうなったという点の説明が乏しく、最後まで訳が分からなかったです。

 

あくまで私的な感想になりますが、悪い意味でノーラン監督らしくない本作。

今までの作品では視覚的や設定のこだわりに唸っていたのですが、本作ではそれらが全くありません。

恐らくきっかけは本国で酷評された「テネット」。

ちょうどコロナ過で公開されたため劇場で見れた人も少なかったという事もありますが、北米での興行収益は散々だったとか。

そのため、ベットシーン大好きな北米に合わせ明らかに要らない性行為描写があったり、原爆の肯定者が多いことを刺激しないよう原爆によりもたらされた被害の様子は映っていません。

個人的には原爆の威力をどのように演出するかが気になっていたのですが、なんだあれ?

 

オチについても核兵器の力で世界が亡びるかもしれないというモノですが、それは世界で最も核兵器を所有しているアメリカの力の誇示にも繋がっています。

 

結局アメリカ凄いで纏められている本作。

ただ、少し前ニッポン凄いを売りにしたTV番組が沢山放送されていましたが、今日ではニッポンのダメっぷりが明らかになったのを考えると、アメリカの衰勢をものがっているのかもしれません。

 

 

 

 

単独で記事を書いていませんが、日本の原爆研究を題材にした「太陽の子」。

正直、あまり面白くないのですが、そういえばあったねという程度で。