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☆タイムカプセル☆

日常の出来事や思っていることなど、つらつらと綴っています☆



Henriot Cuvee Des Enchanteleurs


◆生産国 フランス シャンパーニュ
◆造り手  HENRIOT
◆タイプ スパークリング
◆セパージュ シャルドネ 50%・ピノ ノワール 50%
※シャルドネ<Côte des Blancs(コート・デ・ブラン)地区<Avize(アヴィズ)村、Chouilly(シュイィ)村、Les Mesnil-sur-Oger(ル・メニル・シュル・オジェ)村>
ピノ・ノワール<Montagne de Reims(モンターニュ・ド・ランス)地区<Mailly-Champagne(マイィ・シャンパーニュ)村、Verzenay(ヴェルズネイ)村、Verzy(ヴェルズィ)村>



丁寧に織り込まれたシルクのように美しい構成と、緻密なバランスと一体感を持っている。たっぷりとしたリンゴをつかった焼菓子、砂糖漬けのオレンジピール、蜂蜜の結晶やドライアプリコットのフレーバーが、スモーク、海塩、燻したナッツのヒントのニュアンスの上に広がる。心地よくフレッシュで、長く続く余韻。今から2028年頃までが飲み頃。二度テイスティングをしたが、しっかりと香りを保っていた。

◆パーカーポイント 93点
◆ワインスペクテーター 95p

■1998年ヴィンテージ
冬~春の乾燥と豊富な日照でブドウの生育が順調に進みました。夏は40度を越す猛暑で、収量は減りましたが、乾燥していたため、残されたブドウは健全に仕上がり、優れた質を備えました。ランスの地下セラーで12年以上の熟成を経てリリースされた。

■新デザイン
1998年ヴィンテージから、キュベ アンシャンテルールの「上品さ」「洗練さ」をより表現した新しいエチケットとボックスにデザインが変わりました。


《テイスティング 参考》

◎1998年産で、2013年にもなると15年目。開けると、泡立ちは穏やかな部類。色は金色だが、シャルドネの緑のニュアンスもわずかに入っている。
香りはトップ・キュヴェならではの深い香りが最初からする。焼き菓子のような香ばしい香り、花の蜜、柑橘系の爽やかさもあり、少しヘーゼルナッツのようなナッツ系の香りやシダのような森の香りも感じられる。
12年もの熟成期間を経て蔵出しされるだけに、液体は上質。まろやかな中に細かい泡が立ち上るこれを口に含むと、品の良い酸と、ビロードのようななめらかな泡が心地よく、味わいは熟成した白ワインのよう。(まあ、シャンパンだってワインなのだから、当たり前といえば当たり前だが、「ワイン」を感じるシャンパンは意外に少ない)
飲み進めると、どんどん香りは深く、幅広く、複雑さを見せるが、絢爛豪華というよりは、奥深い品の良さが際立つ感じ。アンリオというと、ちょっとメゾンのイメージが沸きにくいし、一般にはマイナーな存在だろうけれども、この深さは、逸品。そしていわゆるフィネスは特筆もの。感心しながら心地よく飲める1本だった。(2013)

◎豚肉の脂身部分が口中でトロ~リととろける状態が絶品で、14年の時を経たアンシャンテルールと合わせると、きわめて滑らか! 口中で混然一体感が広がり、最高の組み合わせ。アンシャンテルールの供出温度は10度。香りふくよか、若干温度があがったことで、酸味がまるくなり、デザートの甘さとのバランスも良い。(2012)




《アンリオについて》

アンリオ家は17世紀からワイン造りに携わり、1808年にアポリーヌ・アンリオ夫人がメゾン アンリオを設立。この時から今日に至るまでの200年以上、家族経営を行っている老舗のシャンパン メゾンです。
1850年にアンリオは宮廷への正式な納入業者としての証明書をオランダ王より与えられ、宮廷の御用達シャンパーニュとなりました。また、1905年にはオーストリア皇帝かつハンガリー王フランソワ・ジョゼフ2世により御用達の証明書が与えられるという名誉を得ました。
20世紀初頭、フィロキセラの流行や第一次世界大戦により畑は大きな被害を受けました。1926年にエティエンヌ・アンリオ氏が経営を継承。畑の回復に尽力、海外市場の拡大とアンリオの成長に貢献しました。その後、シャルル・エイドシック社、ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン社の社長を経たジョゼフ・アンリオ氏が経営を引き継ぎ、アンリオの名声を確固たるものに築き上げました。
2008年、アンリオは創立200周年を迎えました。現在は息子であり次期当主のトマ・アンリオ氏が中心となり、さらなる品質の向上を目指しています。



《栽培と醸造について》

自社畑を27ha所有し、それ以外に長期契約を結んだ栽培農家のブドウを使用しています。アンリオが使用するブドウの大半はグラン クリュとプルミエ クリュで、アンリオの特徴の一つとして格付け率の高さがあります。
シャルドネはコート デ ブランのグラン クリュの畑のブドウをメインに使用。ピノ ノワールはモンターニュ ド ランスの山の北側の斜面にあるグラン クリュのブドウをメインに使用しています。
区画毎に収穫場所に近いプレス機で圧搾し、区画もしくはクリュ毎に別々に発酵させます。
アンリオの特徴としては、シャルドネ比率の高さが上げられます。シャンパーニュ地方の平均が30%程度であるのに対し、アンリオでは40~60%シャルドネを使用しています。また、アッサンブラージュは多数の異なるクリュからのワインを使用し、さらに複数のヴィンテージワインを使用しています。ブリュット スーヴェランで35~40%の複数のヴィンテージのリザーブワインを使用しています。
熟成においては、いずれのキュヴェにおいても法律上の最低瓶熟期間よりも長い期間瓶熟させます。グラン クリュの原酒は非常にパワフルで酸味豊かなため、オリと触れ合った状態で長い期間熟成させることが可能です。ブリュット スーヴェランで3~4年瓶熟させています(ノンヴィンテージの法律最低瓶熟期間は15ヶ月)。
これらにより、複雑で深みのあるメゾンスタイルを表現しています。



《キュベ・アンシャンテールについて》

「アンシャンテルール」とは、カーヴでワインが発酵するのを見守る職人を意味する、古くからのシャンパーニュ地方の言葉です。その昔、シャンパンの発酵や熟成はたるで行われていました。ワインを選別する熟練したカーブ係は作業場(シャンティエ=chantier)で、厚板の上(アン=en)にたるを次々に積み上げていくことを仕事にしながら、最高のキュベを造りあげる特権を有していました。過去にその職人が行ったアッサンブラージュが最良であったことから、彼ら(祖先)に敬意を払ってこう名付けられたとか。
達人の技、卓越した仕事ぶりを思わせる職人アンシャンテルールの語源です。

シャルドネとピノ ノワールが約半々(ヴィンテージにより異なります)。10年以上の瓶熟を経てリリースされます。
ヘーゼルナッツやカラメルのような熟成香とシトラスやミント、スパイスやモカのような複雑味。果実味と酸、ミネラルがいずれも高いレベルでバランスを取り、しっかりした厚み、長い余韻を生み出しています。


Volnay 1994
 


国 フランス
生産者(社) ラ・プスドール
産地 ブルゴーニュ
地域 コート・ド・ボーヌ
地区 ヴォルネイ
品質等級 一級
葡萄品種 ピノノワール
種類 赤


1994年:ブルゴーニュ地方はまずまずの出来で、柔らかく果実味に富んでいます。



《テイスティング 参考》

◎色:明るい赤、エッジはピンク、足長め
香:赤いベリー、萎れたバラ、枯葉
味:辛口、酸がしっかり、タンニン丸くなっている
とても優しく上品で飲み頃
時間が経つとタンニンがやや強くなり、複雑さも増した

開栓したコルクはなんとプルミエクリュ カイユレ!(2011)



※プスドールは・品質に対して非常に高いこだわりがあるため、(ラベルには全く記載がないのですが)時々見かけられる格下げ品(デグラセ:中身は正真正銘の1級ワインなのに、ラベルとお値段は村名ワイン)があります。
ラベルこそ村名ですが、1級畑のぶどうだけをミックスして造った、正真正銘の1級ワインです。
ヴォルネイ随一のエレガントワインになる60ウーヴレと、しっかりした骨格を持つカイユレ、濃密で深い味わいのブス・ドールに、繊細なクロ・ドーディニャック。
こんなそうそうたる1級ワインをミックスさせて、ヴォルネイ1級それぞれの長所を引き立てあった結果、プス・ドールは素晴らしいワインを生み出しました。

こんなすごいワインがあると知れればリリース直後に一瞬で姿を消してしまうものですが、プス・ドールは「プロモーションにお金をかけるぐらいならワインに使う」と言うスタンスを貫くため、このワインの存在自体をご存知ない方がとても多い。
 
抜いたコルクにある「VOLNAY 1er Cru(ヴォルネイ1級)」の刻印がその証しです。
コルクを見ると畑名が刻印されています。大当たりはカイユレ60"クロド60ヴーヴレ"。
ブルゴーニュではこんな風に、「ボトルの中身がラベルの格付け以上のワイン」ということがたまにりあります。





《ヴォルネイのワインついて》

ヴォルネイは、ブルゴーニュ、コート・ド・ボーヌ地区の中心地、ボーヌ市から南西へ4km下ったところにある人口300人の小村です。
ヴォルネイは、コート・ド・ボーヌ地区において、繊細で女性的な赤ワインを産出する銘醸地として知られ、Grand Cru (特級畑)こそないものの、30区画(クリマ)もの1er Cru (1級畑)を擁する評価の高い秀逸なアペラシオンです。

ヴォルネイの数ある1er Cru (1級畑) のなかでも、「クロ・デ・デュック」、「カイユレ」、「サントノ」のクリマはとりわけ評価が高く人気があります。

中世の時代より、ヴォルネイのワインは評価が高いことで知られています。
歴史上の人物では、フランス王国によるフランス統一と中央集権を進めたルイ11世、歴代のブルゴーニュ公、フランス絶対王政の絶頂期を築いたルイ14世などが愛したワインとして知られています。

とりわけルイ11世は、ヴォルネイのワインを好み、1477年にフランスを統一し、ブルゴーニュ公国からヴォルネイの畑を継承すると、全収穫量を接収して宮廷のワインとして用いるほどでした。
しばしばヴォルネイの地に足を運び、ヴォルネイの村には、今でもルイ11世ゆかりの建物などが残っています。



ヴォルネイの土壌は、ムルソーからサシャーニュ・モンラッシェにいたるブルゴーニュで最も偉大な白ワインを生み出す土壌と同じ基盤層の上にあります。
ジュラ紀に生成された石灰岩と粘土質の基盤層は、シャルドネの白ワインとピノノワールの赤ワインの生産に適していて、ワインはフィネス溢れるものとなることで知られています。
女性的なワインを産出するヴォルネイ(Volney)は、ワインのフィネス溢れるスタイルから、コート・ド・ボーヌ地区で、最も男性的な赤ワインを産出するポマールとよく対比されます。
鮮やかなルビー色、明るく澄んだガーネット色、スミレ、チェリーのような繊細なアロマの芳香、溌剌とした穏やかな味わいが特徴、ヴォルネイのワインはフィネス溢れ、高貴さを感じる秀逸なワインとして知られています。

ヴォルネイのワインは、率直な味わいで、かなり早い時期から味わいが開花するスタイルといわれています。
長期熟成を待たずとも、比較的早いうちからエレガントでフィネス溢れる味わいを楽しむことができることもヴォルネイの魅力となっています。
ブルゴーニュワインに対して純粋さや優しさ、繊細さというイメージを持つならば、ヴォルネイこそが最高のワインかもしれません。


「もし、ブルゴーニュワインのことを全く知らず、造り手も、畑のことも、各年のブドウの作柄についても見当がつかないのであれば、コート・ドールのどの村のものよりも『ヴォルネイ』のワインを選ぶのが最も手堅い選択である。」(マット・クレイマー)

この言葉は、ヴォルネイの特徴を端的に表現しています。
ヴォルネイの造り手たちの水準は高く、また、村の畑の半分以上が1級畑に指定されるなど土壌や日照などぶどう畑の自然条件も恵まれています。
生産者水準の高さ、自然条件の良さ、繊細で優しいワインのスタイル、すなわち、ヴォルネイのワインを選択すれば、飲む人の期待通りに、ブルゴーニュらしい優雅なワインを楽しむことができることを意味しています。

19世紀の本をみても、ヴォルネイに対して「繊細」「フィネス」「純粋」「優しい」といった言葉が並んでいるといわれ、これらの言葉こそブルゴーニュらしさだ、という価値観を有する者にとって、ヴォルネイは最高のブルゴーニュワインのひとつだと思われます。




《Domaine de la Pousse d'orについて》


 ドメーヌ・ド・ラ・プス・ドール。その歴史は1505年、ブルゴーニュ公の時代までさかのぼり、かつては侯爵や貴族が所有、19世紀には当時のDRCのオーナーが所有していたことでも知られる名門ドメーヌ。

かつてロマネ・コンティのオーナーであったデュヴォー・ブロシェ家の所有地の一部だったために、所有する15ヘクタールの畑は、グラン・クリュとプルミエ・クリュのみという質の高さでは群を抜きます
1964年、投資家たちにより再構築され、その時に醸造長となったのがヴォルネイ「プス・ドール」の名を世に高からしめた偉大なる醸造家、ジェラール・ポテル。
やがて、ポテルが株式の半分を取得し、もう半分をオーストラリアの投資家たちが所有していたが、1997年にポテルが急死。

ドメーヌは売りに出され、これを購入したのが現オーナーのパトリック・ランダンジェである。

彼は医療機械、とくに整形外科のビジネスで成功した人物だがヴォーヌ・ロマネに別荘をもっており、いつかは畑を買い、この別荘をドメーヌにしたいと夢想していた。そんな折、プス・ドール売却の話を耳にしたという。
手に入れるや否や、200万~300万ユーロの資金を投じて、醸造施設や発酵用の木桶、他の設備も一新。1999年に完成した醸造施設は6層構造になっており、収穫から醸造、樽熟成、瓶詰めまで、ポンプを一切使わず重力でブドウ果汁やワインが流れる仕組みになっている。

ランダンジェが投資したのは設備だけに止まらず、ブドウ畑の拡張も盛んに行われている。
1998年にコルトン・クロ・デュ・ロワ(1.45ha)とコルトン・ブレッサンド(0.48ha)を手に入れ、2004年にピュリニー・モンラッシェ1級カイユレ(0.73ha)。
そして2008年にはシャンボール・ミュジニーのドメーヌ・モワンヌ・ユドロを買い取り、村名シャンボール・ミュジニー(1.41ha)、1級のグロゼイユ(0.52ha)、フースロット(0.42ha)、シャルム(0.19ha)、レ・ザムルーズ(0.20ha)、そして特級ボンヌ・マール(0.17ha)をラインナップに収めた。その代わり、2009年にサントネイ1級のグラヴィエールは売却。

ブドウ栽培はすべてビオロジック農法がとられている。
赤ワインの醸造では木桶とステンレスタンクを併用し、7日間の低温マセレーションの後、日に2回のピジャージュをしながら長いキュヴェゾンを施す。樽熟成は1級で1/3、特級で40%前後。トータルで15ヶ月間。
白ワインは圧搾後、24時間のデブルバージュを経て、樽発酵、樽熟成。ただしただの小樽ではなく350リットルの中樽を用いる。新樽比率は50%。

ドメーヌ・ド・ラ・プス・ドールのワインはピュアで洗練されている。
果実味、酸、そしてタンニン、それぞれの要素が高次元でバランスよくまとまり、若いうちから十分に楽しめ、熟成にも耐え得るタイプだ。
とくにブルゴーニュ大公家が所有し、その後フランス王家のものとなったとされる、このドメーヌのモノポール「クロ・ド・ラ・ブス・ドール」は、力強さとエレガンスのせめぎ合いが面白いワインである。

さまざまなアペラシオンが増えたとはいえ、ヴォルネイを語る上で欠くべからざるドメーヌのひとつ。



CORTON Grand Cru “Clos de la Vigne Au Saint”[1998]



◆Domaine Louis Latour
◆ワイン種類:赤ワイン 
◆テイスト:フルボディ
◆生産地:フランス / ブルゴーニュ / コート・ド・ボーヌ / AOCコルトン特級



《テイスティング 感想》

◎色:さすがに10年以上前のブルゴーニュということもあって、 紫というより濃い目の朱色に近い色合い。 それでもまだ枯れた感じはしないので、期待できる色合い。
香り:ボリューム的には中程度かな? フルーツ感は溶け消えて、革のような動物的な感じと、 熟成ボルドーなんかにもある煮豆っぽい雰囲気の香りがあります。 そして味は、渋味も酸味も柔らかいのは悪くない感じなんだけど、 惜しむらくは甘味がありません。 だもんでなんだかストイックな感じなんだよなぁ。しっかりとした熟成感はあるけど、 「やさしいおばあちゃん」というより「頑固じじい」に近い感じでしょうか。 やっぱり値段は正直だよなぁ。 5,000円で飲める熟成ブルゴーニュという意味ではアリだけど、 5,000円のワインとしてはまぁそれなりです。(2011)

◎97’は軽めの感じのワインでした。香りはすごい。(2011)

◎バランス良く、熟成感もあって香りも良いです。コルトンらしい硬質なミネラル感も程々です。
ただ5000円前後で買えるので値段的には満足ですが、他の特級と比べると見劣りしますね。一級クラスのワインに感じます。まあルイ・ラトゥールのコルトンとしては非常に優秀です。
買うなら程々のヴィンテージの10年以上経ったワインをお勧めします。(2012)

◎注ぐとまだエッジは若く温度が低いせいかすこし青臭い、茎っぽいというか。温度が上がると香ばしい。しっとりとした舌触りとピノらしい背筋ののびる精密な味わい。しばらくするとくどくない甘い香りもでてきた。これはもう少しおいておいてもよかったかな。(2012)


◎コルトンらしい誠実さと、古酒に差し掛かったブルゴーニュ特有の官能的な雰囲気も感じられました。コルトンには珍しく、味よりも香りが好印象でした。(2013)

◎ちょうど飲み頃かと。但し、抜栓直後はイマイチで、10分位してから本領発揮。尚、2日目には完全にピークが越えていて、3日目は劣化が激しくもう駄目。1998年vintageなので、15年の熟成を経たワイン。色も、ふちがガーネット系になっていました。(2012)



《ルイ・ラトゥールについて》

ワインの産地としてボルドー地方とともに賞されるブルゴーニュ。「ルイ・ラトゥール」は、この地で家族経営を守り続けている世界的に著名なワインメーカーです。その歴史は、1731年に一族がブルゴーニュの中心コート・ド・ボーヌでぶどう畑を所有し、ぶどうの栽培と樽づくりを手がけたことに始まります。
1768年にアロース・コルトン村へ移住した一族は、フランス革命直後の1797年に、醸造家かつネゴシアン(ワイン仲買人)として創業を迎え、まだ残る革命の余波をもろともせず、徐々に自社畑を広げていきました。

また成功への大きな契機となったのは、4代目当主による大胆な改革でした。19世紀後半、彼はヨーロッパのぶどう畑がフィロキセラ(畑を食い荒らす害虫)で壊滅状態になった際、従来のピノ・ノワール種に替え、コルトンの丘にそれまで誰も想像さえしなかった、シャルドネ種の苗木を植樹し、後にブルゴーニュの2大白ワインのひとつと謳われた「コルトン・シャルルマーニュ」を誕生させたのです。こうした努力と成功を経て、「ルイ・ラトゥール」は現在、コート・ドール最大規模のグラン・クリュ(特級畑)を所有するブルゴーニュ屈指の造り手にまで成長を遂げています



《ルイ・ラトゥールのワインについて》

ブルゴーニュの偉大なワインの誕生は、熟成のため約12ヶ月もの時間をともにする、樽の品質に大きく関わっています。「ルイ・ラトゥール」もその重要性を十分に認識し、自社で樽工場を所有しています。
樽づくりは、今日でも決して機械化されることなく、熟練した職人によって手作業で行われており、その卓越した技術と知恵は、父から子へ脈々と受け継がれ、ワインの品質を支える財産となっています。
そしてその樽は、現在、毎年2,000樽以上も生産されており、半数が、品質の高さから、世界の名だたるワイナリーに輸出されています。
同様にワインの顔となるラベルもワイナリーに併設された印刷所で、1世紀以上も、ほとんど変わることのないデザインで印刷されており、“商品に関わるものは自らで”というこだわりの哲学は、時代を超えて堅持されています。
「ルイ・ラトゥール」の赤ワインの特徴として、色の淡さがあげられますが、その問いに醸造責任者、ボリス・シャンピが答えています。
“当社では、発酵期間を他社が通常3週間のところ、10~15日間と短く設定しています。もちろん色を濃くしようとすれば、例えば、発酵期間にワインとぶどうの皮とのコンタクトを長くすることで可能です。しかしながら、あえて発酵期間を短くすることで、味わいに繊細さを残すことができ、またピノ・ノワールがもつぶどう本来の魅力が、自然に溢れ出てくるのです。”



《Corton Clos de la Vigne au Saint について》


ルイ・ラトゥール社が所有するコルトンの畑の中でも「クロ・ドゥ・ラ・ヴィーニュ・オー・サン(聖人のぶどう畑の意)は2.5haの南側の区画。
甘いスミレのような香り、すっきりとした酸味とタンニンがやわらかく調和する、エレガントで繊細な特級赤ワインです。