
CORTON Grand Cru “Clos de la Vigne Au Saint”[1998]
◆Domaine Louis Latour
◆ワイン種類:赤ワイン
◆テイスト:フルボディ
◆生産地:フランス / ブルゴーニュ / コート・ド・ボーヌ / AOCコルトン特級
《テイスティング 感想》
◎色:さすがに10年以上前のブルゴーニュということもあって、 紫というより濃い目の朱色に近い色合い。 それでもまだ枯れた感じはしないので、期待できる色合い。
香り:ボリューム的には中程度かな? フルーツ感は溶け消えて、革のような動物的な感じと、 熟成ボルドーなんかにもある煮豆っぽい雰囲気の香りがあります。 そして味は、渋味も酸味も柔らかいのは悪くない感じなんだけど、 惜しむらくは甘味がありません。 だもんでなんだかストイックな感じなんだよなぁ。しっかりとした熟成感はあるけど、 「やさしいおばあちゃん」というより「頑固じじい」に近い感じでしょうか。 やっぱり値段は正直だよなぁ。 5,000円で飲める熟成ブルゴーニュという意味ではアリだけど、 5,000円のワインとしてはまぁそれなりです。(2011)
◎97’は軽めの感じのワインでした。香りはすごい。(2011)
◎バランス良く、熟成感もあって香りも良いです。コルトンらしい硬質なミネラル感も程々です。
ただ5000円前後で買えるので値段的には満足ですが、他の特級と比べると見劣りしますね。一級クラスのワインに感じます。まあルイ・ラトゥールのコルトンとしては非常に優秀です。
買うなら程々のヴィンテージの10年以上経ったワインをお勧めします。(2012)
◎注ぐとまだエッジは若く温度が低いせいかすこし青臭い、茎っぽいというか。温度が上がると香ばしい。しっとりとした舌触りとピノらしい背筋ののびる精密な味わい。しばらくするとくどくない甘い香りもでてきた。これはもう少しおいておいてもよかったかな。(2012)
◎コルトンらしい誠実さと、古酒に差し掛かったブルゴーニュ特有の官能的な雰囲気も感じられました。コルトンには珍しく、味よりも香りが好印象でした。(2013)
◎ちょうど飲み頃かと。但し、抜栓直後はイマイチで、10分位してから本領発揮。尚、2日目には完全にピークが越えていて、3日目は劣化が激しくもう駄目。1998年vintageなので、15年の熟成を経たワイン。色も、ふちがガーネット系になっていました。(2012)
《ルイ・ラトゥールについて》
ワインの産地としてボルドー地方とともに賞されるブルゴーニュ。「ルイ・ラトゥール」は、この地で家族経営を守り続けている世界的に著名なワインメーカーです。その歴史は、1731年に一族がブルゴーニュの中心コート・ド・ボーヌでぶどう畑を所有し、ぶどうの栽培と樽づくりを手がけたことに始まります。
1768年にアロース・コルトン村へ移住した一族は、フランス革命直後の1797年に、醸造家かつネゴシアン(ワイン仲買人)として創業を迎え、まだ残る革命の余波をもろともせず、徐々に自社畑を広げていきました。
また成功への大きな契機となったのは、4代目当主による大胆な改革でした。19世紀後半、彼はヨーロッパのぶどう畑がフィロキセラ(畑を食い荒らす害虫)で壊滅状態になった際、従来のピノ・ノワール種に替え、コルトンの丘にそれまで誰も想像さえしなかった、シャルドネ種の苗木を植樹し、後にブルゴーニュの2大白ワインのひとつと謳われた「コルトン・シャルルマーニュ」を誕生させたのです。こうした努力と成功を経て、「ルイ・ラトゥール」は現在、コート・ドール最大規模のグラン・クリュ(特級畑)を所有するブルゴーニュ屈指の造り手にまで成長を遂げています
《ルイ・ラトゥールのワインについて》
ブルゴーニュの偉大なワインの誕生は、熟成のため約12ヶ月もの時間をともにする、樽の品質に大きく関わっています。「ルイ・ラトゥール」もその重要性を十分に認識し、自社で樽工場を所有しています。
樽づくりは、今日でも決して機械化されることなく、熟練した職人によって手作業で行われており、その卓越した技術と知恵は、父から子へ脈々と受け継がれ、ワインの品質を支える財産となっています。
そしてその樽は、現在、毎年2,000樽以上も生産されており、半数が、品質の高さから、世界の名だたるワイナリーに輸出されています。
同様にワインの顔となるラベルもワイナリーに併設された印刷所で、1世紀以上も、ほとんど変わることのないデザインで印刷されており、“商品に関わるものは自らで”というこだわりの哲学は、時代を超えて堅持されています。
「ルイ・ラトゥール」の赤ワインの特徴として、色の淡さがあげられますが、その問いに醸造責任者、ボリス・シャンピが答えています。
“当社では、発酵期間を他社が通常3週間のところ、10~15日間と短く設定しています。もちろん色を濃くしようとすれば、例えば、発酵期間にワインとぶどうの皮とのコンタクトを長くすることで可能です。しかしながら、あえて発酵期間を短くすることで、味わいに繊細さを残すことができ、またピノ・ノワールがもつぶどう本来の魅力が、自然に溢れ出てくるのです。”
《Corton Clos de la Vigne au Saint について》
ルイ・ラトゥール社が所有するコルトンの畑の中でも「クロ・ドゥ・ラ・ヴィーニュ・オー・サン(聖人のぶどう畑の意)は2.5haの南側の区画。
甘いスミレのような香り、すっきりとした酸味とタンニンがやわらかく調和する、エレガントで繊細な特級赤ワインです。