
Beaune 1er Cru Cent-Vignes 1988
生産地:フランス、ブルゴーニュ、コード・ド・ボーヌ地区
格 付:ボーヌ プルミエ・クリュ(1級畑)
生産者:ALBERT MOROT
品 種:ピノ・ノワール100%
タイプ:赤、辛口、ミディアムボディ
また88年はブルゴーニュ地方の偉大なヴィンテージなので期待できます。
この年の出来をワイン評論家は「サン・ヴィーニュ畑は第1級畑の中でも美味しく、魅力的であり、この生産者は非常に伝統的でクラシックなスタイルのブルゴーニュを造るので、より注目すべきである。」と評価。
パーカーポイント:86点
《テイスティング 参考》
◎膨らみがあり果実味が豊かで力強く感じますが、バランスは良くクセはあまりありませんので飲みやすいタイプ
◎酸っぱい第一印象がそれ。確かに良い甘味もあるけれど、それより酸が目立つ。
う~ん、捉え方によっては、充分甘いと言う人もいると思う。何て言うか、バランスが悪いなあ。。。色はまだまだ明るくきれいな赤でヘタってないし、香りには古酒らしいインキーなニュアンスもあって、なかなかのものなんだけど、どうも味わいが。。。
1時間以上経ってからだろうか酸に代わって、ミネラルが現れ始める。これでやっとまとまってきたかな。
値段も値段だし、手放しに誉められるほどには思えないが、ゆっくり飲めば、それなりの良さが出てくるね。案外難しいワインなのかも知れないな。(2008)
熟成した『アルベール・モロ』のワインは まるで、極上のヴォルネイを思わせるほど滑らかで、 それでいて強い骨格があり、飲みごたえ抜群!
◎10年くらい置いておくと本領発揮といわれる生産者です。20年以上でどうなるのか、興味がありました。
色:明るい赤でエッジはピンクからオレンジ、足長い
香:枯葉、紅茶、フランポワーズ、ジャム
味:繊細だがまだしっかりとしたタンニン、軽い酸味と甘み、バランスが良く飲みやすい。(2009)
◎デキャンターなどで無理矢理起こさず、抜栓後一時間くらいそっとしておいた方が良いらしいので、抜栓してほんの少しだけテイスティングをして一時間我慢してゆっくり飲んだ。一時間後のグラスでの香り、味わい、グラスにそそいでからの開き方を楽しむ。24年間この日抜栓されるのを待っていたワインはさすがに寝起きが悪かった。最後の一杯はゆっくり注いだつもりだったが、澱を出してしまった。機会があれば10年くらいのビンテージを飲んでみたい。(2012)
《 Albert Morot について》
ボーヌ屈指の造り手。
アルベール・モロは1820年にネゴシアンとして創設されたが、1890年に7haのブドウ畑を購入。
以降、ネゴシアンとドメーヌの2足の草鞋を履いてきた。
アルベール・モロの孫にあたるギィ・モロとフランソワーズ・ショパンの兄妹が経営に当たっていたが、1980年代半ばにギィが病気に倒れ、フランソワーズはネゴシアン・ビジネスの廃業を決意。ドメーヌ経営に集中した。
その彼女も引退の時を迎え、直系の子供がいないことから、パリで生まれモンペリエで農学を修めた、甥のジョフロワ・ショパン・ド・ジャンヴリにドメーヌを託すに至った。
現在、ドメーヌの規模は8ha。
サヴィニー・レ・ボーヌ1級ヴェルジュレスにモノポールのクロ・ド・ラ・バタイエールを所有する以外はすべてボーヌの1級畑。
トゥーロン、グレーヴ、トゥサン、ブレッサンド、サン・ヴィーニュ、マルコネ、そして2001年に加わったエーグロと7つものクリマが揃う。
2008年からは村名ポマールのメタイヤージュを始めた。エーグロの4分の1が白のほかはすべて赤である。
ドメーヌでは2009年からビオロジック栽培を実施。唯一、マルコネの畑だけがトラクターのアクセスの関係からビオロジック栽培が難しかったが、小型のトラクターを2011年に導入し、このクリマもビオロジックが可能になった。
赤ワインの醸造は、完全除梗。4、5日の低温マセレーションを経てアルコール発酵を行う。
以前は木桶を用いていたが、2005年からステンレスタンクに変わっている。
トータルで20日間のキュヴェゾンの間、発酵の前半はピジャージュを行い、後半はルモンタージュにより抽出。その後、18ヶ月間の樽熟成となるが、以前は50%に達していた新樽率が近年徐々にその比率を落とし、2009年以降は3分の1となっている。
瓶詰めまで澱引きはなし。これはワイン中の炭酸ガスで酸化を防ぎ、亜硫酸の添加を避けるためである。
かつてはやや粗野な印象の強かったモロのワインだが、ジョフロワの時代になって洗練度を身に付け、とくに近年の出来は磨きがかかっている。
ボーヌの1級畑がズラリと揃うことから、このアペラシオンの特徴を学ぶには最適のドメーヌと言えるだろう。
ブルゴーニュの赤ワインの代表的な生産地ボーヌで最も評価の高いクロ・デュ・ロワに隣接しているが、レ・サン・ヴィーニュ(100本のブドウ)はもう少し繊細なワインで、ふっくらとしてはいるけど、濃厚に中身がつまった感じはしない。それでもブーズ街道の北側の一級らしい濃さと強さはもっている。
モロのボーヌ1級の中でも、このサン・ヴィーニュは女性的な柔らかさを持つタ イプで、シルキーな丸みが特徴。