毒吐き注意!

なんともモヤモヤする映画。
主人公の暗さには共感できるし
同族嫌悪的な拒否感もわく。
ウチガワとソトガワと分けて、被害者意識、疎外感、無力感、見下しを行うのは
思春期には活発にやっていたし、
いや多分今も習慣的無意識にやっている精神活動なので・・・
この映画を絶賛している人のブログやレビューを読むと
「ソッチガワ」でめっちゃ共感してる人たちなんだろうなあと思う。
ウチガワとソトガワ
コッチガワとソッチガワ。
アート作品は出来不出来とは別に
こういう「誰かのための具現化」みたいな役割があるので
「隣の人は号泣してたけど私にはサッパリ」現象が起きても
それはそれでよいのだろうと思う。
で、この映画に関して
自分の中の「わかる」「描けてるがために嫌い」な部分と別に
「わからん」「稚拙すぎなくらいリアリティがない!」と思う部分が
混在しているのがなんともモヤモヤする。
さらに、「本当に嫌悪するのがクライマックス」という・・・・
(つまりいいところも悪いところも嫌いな映画、私にとって)
書き終えてみると
ネタバレ&とんだ悪態記事になってしまったので
この映画をまだ観ていない人、この映画が好きな人にとっては全くの毒記事ですので
どうぞ読まないでください。
そして興味があれば、まず作品を観てみてくださいね。
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ここから先は
映画を観たけどモヤモヤする人
なんだかけったくそ悪くて、誰かの弁をヒントに自分の整理をしたい人
などにお役立ていただければ。
一番無視できない、けど表層的な違和感は
夏休み中、思春期の子供を預かることになった
夫妻。
夜遅く帰らない子を心配しないの?
たびたび外出先で気を失うように眠るのに、何の制限もせずにまた出すの?
汚れて倒れている10代の娘に、強姦などの可能性を心配しないの?
ハラハラしすぎます。
次にいや~なかんじなのは、マーニーとアンナの関係。
マーニーの自分勝手さと、それにやすやすと振り回されてしまうアンナの図式。
「一番好きよ、誰よりも好きよ」の大安売り。
べたべたとくっつきあうのは、この年頃のある種の女の子たちの習性だけど
いちいち頬が赤くなる描写がうざい。
リアルなような、それでいて形だけをなぞりながら
消費に都合のよい形で出荷された模造品なような。
「私にいいアイディアがあるの」、ともったいつけて言いながらマーニーは
自分だけ着飾ったパーティーで
アンナにはばあやのショールを巻いて花売りをさせるって・・・!
屈辱感しかないんですけど・・・・・
話はズレるけど私が子どもの頃、
洋モノ児童文学の「赤毛のアン」「大草原の小さな家」「小公女」などに
あんまり傾倒できなかったのは、
なんだかわからないけど意地悪そうなおじさんやおばさんとか同級生とか、
そんなキャラクターについていけなくて怖かったんだな~、と
今ならわかるよ!という感じがしました。
(実生活では、私自身が周りを振り回す底意地悪いキャラだったっていうのも、深い)
そしてクライマックスのしつこいまでのシーン、「あなたを許すわ!」
なんでアンナがそれを「言わされて」しまうのか。
憤りを通り越して無力感を通り抜けて、ふつふつと、
深い恨みのような気持ちが湧いてくる。
自分より後の代に許してもらうことを、乞うな!!!!
未熟を悔いて、末代への尊敬と感謝と祈りを持って、息絶えればよろしい!!!!
ああ、これが私の人生観なんだな。↑
人は未熟であるが人生の中で精いっぱい向上しようとし
それでも未熟であることを悔いたり申し訳なく思いつつもそのいのちを
つないでくれる次の代に感謝と尊敬をもってバトンを渡す。
そこにいのちの祝福がある。
未熟さを、いちいち許されようなんて
言語化して担保しようなんて
ウザいんだよ!めんどくさいんだよ!逆に謙虚さが足りないんだよ!
人生に感謝が足りないんだよ!
と怒ってしまうよ。私は。
DVとか毒母とかが発するごめんねと同じ強制力で
被支配者に言わせる「もちろん、あなたを許すわ」
悪夢のようなシーンだった。
ほんとに、あれで大感動した人には申し訳ないけれど
その感動もその人のリアルなら
私の鳥肌と吐き気も、多くの人のリアルなのだ。
あ~ここまで書いてようやく自分が
本当にこの映画が嫌いだということがよくわかった。
蛇足的に、
許せない未完成感が
多くのweb上の映画評でも出てくる
育ての母による
「私、あなたを育てるのに、自治体からお金をもらってるの」
という異常な告白。
なんじゃこりゃ。
不自然極まりないタイミング・言語。。。。。
それを受けてアンナ
「知ってたわ」
コントか!
と突っ込みたくなるラストであった。ほへ。
驚愕なのが、これが「新人脚本コンテスト」とか「素人映画コンペ」とかじゃなくて
天下のジブリのある時期の「最新作」として売り出されたこと。
いいの?これで出していいの???
ここおかしくね?ここもダイジョブ?って
社内で誰も止めなかったんだろうか・・・・・
そこがこの映画の一番の謎だ。
というわけでおつきあいありがとうございました。
萌ポイントならぬ
モヤポイント総攻撃、でした。
失礼いたしました。

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