もう現金持ち歩きたくない | サラリーマン弁護士がたまに書くブログ

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2019年7月にうつ病を発症したことをきっかけにブログを始めたサラリーマン弁護士が、書きたいことをたまに書いています。

今日はキャッシュレスの話です。

 

僕は,キャッシュレス賛成派で推進派で擁護派で,現金主義反対派で撲滅派です。

 

キャッシュレスのメリットは,ちょっとググればたくさん出てきますが,僕が思いつくだけでも,

 

・盗難防止

(払う側としても,現金持ち歩かなくてよくなるから,財布盗まれて現金だけ抜かれるという被害を防止できるし,払われる側としても,現金を従業員が横領したり・強盗や窃盗犯に盗まれるリスクがなくなる)

 

・お釣りいらない

(払われる側は,お釣りの小銭を用意する必要がなくなって,小銭を用意する手間と費用(最近は両替に費用がかかる)を削減できるし,払う側もお釣りが正しいかどうかを確認する必要もなくなるし,双方にとってもお釣りを正しく受け取ったかどうかの問題が生じなくなる。)

 

・購入履歴が記録される

(キャッシュレスだと,購入履歴が全て記録されるので,お金の流れが明確になって,払う側としては,自分のお金の管理がやりやすくなる。現金で払っていると,現金が財布からなくなった理由をいちいちつけておかないと,どうしてお金が減っているのか把握できない。)

 

・脱税防止

(購入履歴が全て記録されるということは,払われる側としても,払われた金額が全て記録されるということ。当たり前ですが,売り上げた金額は全て課税対象です。しかし,現金で売り上げた分は記録が残らないので,売上額は,本人申告で把握するしかない。例えば,売上の現金が溜まったレジからいくらか抜いて,仕入などの経費として控除されるべき費用以外に使っていたら,売上が目減りして,課税対象額が減る。キャッシュレスだとこういった脱税が防げる。)

 

・締めの作業がなくなる

(売上に現金が含まれると,レジ内の現金をすべて数えて,その日の売上がいくらだったのか確認する必要があるけれども,キャッシュレスだったら,売上は全て記録されてて,機械が足し算して売上額を算出してくれる。)

 

・現金を用意する手間と費用を削減できる。

(そもそも,当たり前過ぎて気づいていない方もいるかもしれませんが,現金を用意するにも手間と時間がかかります。現金を用意するためには,預金を引き出す必要があるからです。ATMに行くための時間と費用,そして,預金を引き出す費用(出金手数料)がかかります。出金手数料はゼロにしている方が多いかもしれませんが,そもそも,銀行が負担しているATM維持費は,何かしらの形で僕らの負担になっています。ATM維持費を優先的に確保するために,預金利息はとても低く抑えられ,貸付利息が上乗せされているわけです。ATM維持費がなくなれば,その分を預金利息に回したり,貸付利息を下げたりできるわけです。見かけの出金手数料がゼロであったとしても,それをゼロにするために,他にしわ寄せがいくのは,少し考えれば,当然です。)

 

 

まあ,いくらあげてもきりがないのですが,現在は,国もキャッシュレスを推進しています。

 

しかし,よく店側(払われる側)から出てくる意見が,「手数料」です。

 

「手数料≒3%が高いから,導入できない」という理屈ですが,僕もかつては「そうだよなぁ」と思っていました。

 

しかし,この動画をまず見てください。手数料の相場が3%に決められた歴史について解説されています。

 

ちょっと説明すると,そもそも,どうして決済手数料が,3%という高い水準となってしまったのか,ということを考える必要があるということです。

 

ここでいう決済手数料は,クレジットカードの決済手数料です。

キャッシュレスには,大きく分けてクレジットカード決済と,QRコード決済がありますが,ここから説明するのは,クレジットカードの決済手数料についてです。(QRコード決済手数料については,後で説明します。)

 

↑の動画では,クレジットカードが生まれた歴史にさかのぼって説明されていますが(クレジットカードが生まれたのは1950年代だそうです。カーボンコピーとか使っていたらしい。クレジットカードの番号や名前が浮き出ているのは,カーボンコピーしていた名残らしいです。),日本でクレジットカードが導入された当初は,電話回線にデータをのせて,クレジット決済を成立させていたそうです。

 

昔(といっても,僕もよく知っていますが),電話回線にモデムを繋いで,ダイヤルしてインターネットに接続していた,という例が↑の動画で説明されていますが,それと同じように,電話回線にデータをのせてクレジット決済を成立させていたらしいのです。

 

そして,そのクレジット決済導入当初,電話回線は電電公社が独占していました。

つまり,クレジット決済というのは,国営企業である電電公社が電話回線を独占していた時代に,電話回線にデータをのせて決済するという方法で始まったもので,その当時成立した古いシステム(「キャフィス」)のまま,現在まで引き継がれているので(現在「キャフィス」はNTTデータという会社が引き継いでいます。),決済手数料が高いのです。

 

古いシステムというのと,決済システムが,キャフィスと全銀協(こちらも,古いシステム)の全銀ネットのシェアが高い寡占状態にあるため,決済手数料が高止まりしてしまっているのです

 

この歴史を理解すると,次はこういった疑問が生まれてくるはずです。

 

「じゃあ,そんな古いシステムに変わるシステムを持ってくればいいんじゃないの?」

 

はい,そうです。それがQRコード決済です。

 

古いシステムを飛び越えて,それにとらわれない決済方法を確立したのが,QRコード決済なのです。これは,古いシステムとは違って合理化されていて,決済手数料を従前と比べて格段に抑えることができるようになっています。

 

実際に、現在,QRコード決済の1つであるペイペイは手数料無料キャンペーンを実施中です

 

この「ペイペイ」は,導入がめちゃくちゃ簡単です。

QRコードが書かれた紙を置くだけでいいんです。客側が,そのQRコードを読み取って,金額を入力して,「支払う」ボタンをタップしたら,それで決済終了です。

LINE Payも,同様です。

 

お店側の負担は,とても小さいです。導入費用無料キャンペーンもやっています。

 

とすると,今現在,ペイペイすら導入してないのは、ペイペイを導入する手間を惜しむ代わりに,客に対して,現金を用意する時間と費用を押し付けていることになります。

 

そんなことをしておいて「手数料分をお客様に還元しています」なんて言えませんよね。

客に「現金用意してこい」と強要しているわけですから。店側に手数料かからないのにです。

 

「今は決済手数料無料でやってるけど,将来どうなるかわからない」なんて言葉を口にする経営者もいますが,もし手数料とるようになったら,経営判断で解約すればいいだけの話です。

 

手数料に見合うサービスが提供されなければ解約すればいい。

 

そして,おそらく,ペイペイやLINE Pay側としても,どれくら加盟店が増えてくれるか実験中だと思います。加盟店が増えれば増えるほど,ブランド力も向上していくわけですから,決済手数料ではなく,そのブランド力を生かした広告料で利益を出すという戦略に傾きやすいと僕は思います。

 

そうすると,やっぱり,QRコード決済を導入するべきなんですよね。

導入する店舗増えたほうが,引き続き決済手数料ゼロとなる可能性も高くなるから。

 

こういう風に考えると,

導入も簡単で費用もかからないQRコードすら受け付けない店舗は,現金を用意する手間と時間を客に強要すると同時に,取引が透明化すると困るような取引をしているのかな?脱税まがいのことをしているのかな?なんてことも思われかねないということです。

 

もうね,現金用意するの面倒です。

なんでATMに並ばなきゃいけないんだよ。時間の無駄だよ。

ATMなんて撤去しろよ。あんな機械にお金かけなくていいよ。電気代とか修繕費とか現金補充をアルソックに委託したりとか,無駄多すぎるだろ。そもそも,銀行は,ATM一台あたりいくらで仕入れているんだよ。そんなのやめて利息増やせよ。

 

閑話休題

 

それと、災害時キャッシュレスの問題がありますよね。

「電気などがストップした際は使えないんだから,キャッシュレスは災害に弱い」

というやつです。

 

しかし,これは本当に正しいんでしょうか。

 

そもそも,災害時は,ATMすらストップするわけですから,現金も引き出せなくなっています。

 

だから,普段現金主義だろうが,キャッシュレスだろうが,災害時に買い物ができるように,現金を備蓄しとかなきゃいけないという話だと思うのです。

 

食料や水などを災害に備えて備蓄しておくように,現金も備蓄しておく。

そういうことです。

 

「災害時にキャッシュレスは使えないから普段からキャッシュレス使わない」

これはおかしくて,

「キャッシュレスは災害時に使えないから,現金を備蓄しておく」

ということです。

「災害時にATMは使えないから,現金を備蓄しておく」と同じ発想です。

 

「災害時にキャッシュレスが使えないこと」

「普段からキャッシュレスを使うかどうか」

は全く別の問題なのです。

 

そして,キャッシュレスが進むと,現金が特別なものになるというコマーシャルもありますが(この動画),確かに僕もそう思います。

 

ただ,「現金じゃないと特別な思いは伝わらない」というのは違うと思います。

僕は,キャッシュレスで特別な思いは伝わると思います。

 

例えば,結婚式です。

 

結婚式に出席する際は,ピン札用意して祝儀袋に入れて名前書いて・・・・とかいう作業が必要です。

面倒です。無駄です。

 

僕が結婚するときは,現金もらうよりキャッシュレスでもらったほうが嬉しいです

中身だすのめんどくさいから。

たくさんの祝儀袋が散乱して,それを捨てるべきかどうか悩むのもめんどくさい(まあ,捨てるだろうけど)。

 

だから、奥さんが許してくれるなら、僕はキャッシュレス祝儀にしたいです

 

そもそも僕は会費制(事前に伝えた金額を払ってもらう)にしたいと思っていますが,僕がやりたい会費制は,金額を事前提示しておくけれども,実際に払う金額は,会費以上の金額で払う側が自由に決めていいというやつです。

 

そして,払いたい金額をLINE Payとかで送ってもらうのです。

 

「これだと雰囲気台無し」なんていう保守派のかたの意見が聞こえてきそうですが、違います。

 

LINE Payには言葉をつけられるんですね。

「結婚おめでとう」などのメッセージ付きでお金を送れるなんて,とてもすばらしいと思います。

今まではできなかったことです。

 

ちょっと脱線しますが、そもそも言葉(文字)をお金にする仕組みが既にあります。

 

「レターポット」というシステムです。(『新世界』という西野亮廣さんの本で知りました。)

これは,このシステム内の文字数をお金で買うのです。

100文字(レターポットでは「レター」という単位が使われています。)あたり500円で購入し,「レターポット」内で,メッセージをやり取りします。

例えば,「結婚おめでとう」という7文字を友達に送ると,自分の手持ちから「7レター」分消滅し,友達の手持ちには「7レター」増えるという仕組みになっています。

 

つまり,自分のメッセージが,相手への援助になる。

 

『新世界』では,西日本豪雨の例が書かれていたけど,「一緒に頑張りましょう」というメッセージで被災者の方にお水が届けられたら,それはとっても素敵なことだと思います。

 

こういう仕組みは,現代の大量生産・大量消費社会から生まれたものです。

 

先ほどの結婚式の例でいうと,モノが少ない時代は,立派な祝儀袋にピン札を入れてご祝儀を渡すというのは,貴重でありがたいものだったのかもしれない。

でも,祝儀袋なんてどこでも手に入るし,ピン札も銀行の両替機ですぐ出てくるし,祝儀袋は邪魔で捨てなきゃいけない。祝儀袋をいちいち保管していたら,家はモノで溢れかえってしまうからです。

被災地支援もそう。モノで溢れかえって,うまく支援が届かないことがある。被災地に手紙なんか送っても,何にもならない。手紙ではお腹はふくれないし,喉の乾きも満たされない。

そのときに,応援メッセージとお金が電子化されて紐付いていたら,モノの負担を強いることなく,応援して,援助できる。

 

(さらに脱線ですが,この「レターポット」では,当然,文字数をお金で買わなきゃいけないので,文字数が限られてくるわけですが,そうすると,人は,相手を励ましたり,喜ばせたり,そんなプラスの思いを伝えるようです。ここに感動しました。やばい、泣きそう。というか、読んだ瞬間に泣いた。)

 

だいぶ脱線しましたが,キャッシュレスというのも,物質としての「モノ」が持つ価値が見直されているという,現象の1つなのかもしれません。

 

「紙幣」や「硬貨」といった,物質的なお金の意味は,急速に失われつつあります。お金に限らず,物質が要求される場面は減っています。(ゲームはスマホゲームが流行だし,電子書籍で読む人も増えてるし。)

 

しかし,僕は,物質の意味が薄れていくことで,逆説的に、物質の持つ価値は更に上昇すると思います。

 

つまり,あえて物質を必要とするためのハードルが極端に上がり、そのハードルを越えないものは、全部無価値=電子化でいいよねとなるわけで、それでもなお、物質が必要というのであれば、その価値はすさまじく大きいんだと思います。

 

話をキャッシュレスに戻すと,

あえてキャッシュが必要な場面はないし、にもかかわらず、客にキャッシュを要求する店は、客の時間を奪い,銀行の収益を圧迫してるので,やめてほしいです。

 

それと、「少額でキャッシュレスというのはいかがなものか」という人がいるけど、違うから!

少額こそキャッシュレスだから!

小銭をがしゃがしゃしなくて済むのがメリットなのに、少額でキャッシュレス使わないわけないでしょ!

 

それと、レシートもいりません。

キャッシュレスは記録が残るというメリットがあるからです。

確かに、キャッシュレスでも、何を買ったかまでは残らないけど、何を買ったかまで記録を残して置かなきゃいけない場面て日常生活であんまりないと思います。

 

必要な時だけ、レシート発行すりゃいい。

いちいちレシートという物質を生み出すのもムダです。

 

あと、お金って汚いから、きれい好きの現金主義者とか、矛盾してます。

お金って誰がどこでどう触ったかわからないものがぐるぐる回ってるわけだから、くそ汚いよ。

僕はなるだけ触りたくない。

 

早く,現金を一切持ち歩かなくて済むようにならないかなぁ

 

それではまた明日。

 

 

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