12月14日でマーラーに因んだことを2,3挙げてみたいと思います。


1904年12月14日

第3交響曲のヴィーン初演(世界初演は1902年6月9日・クレーフェルトにて)


1930年12月14日

生誕70年(没後19年)の記念演奏会の一環として。

正午から、クレメンス・クラウス指揮/ヴィーン・フィルハーモニーが第7交響曲。

午後8時から、アントン・ヴェーベルン指揮/ヴィーン交響楽団(この時点ではまだヴィーン演奏協会管弦楽団)が第6交響曲。


アルマが晩年に至ってもいろいろと話題にした素晴らしい演奏会だったようです。

マーラーの生誕150年と没後100年の記念演奏会がさまざまにありますが、その中でもひときわお聴きいただきたい演奏会を紹介させていただきます。


里の猫さんの秘蔵っ子、マリア・フォシュストロームがマーラーの「告別」をメインに歌う演奏会です。


Trick or Treat!


Trick or Treat!


マリア・フォシュストローム アルトリサイタル 


4月21日(木)開演18:45  

宗次ホールにて 


プログラムは以下の通りです。

シューベルト:

春の想い/ます/糸を紡ぐグレートヒェン/君こそわが憩い/魔王


ペッテション=ベリエル(スウェーデンの国民的作曲家):

待ち時間は特別なもの/憧れは私が受け継いだもの/あなたは私を悲しませた


グリーグ:6つの歌 作品48より

ナイチンゲールの秘密/青春の日々/夢


グリーグ:山の娘 作品67より

逢引き/小山羊のダンス/イェットレの小川で


マーラー:告別――「大地の歌」より(作曲者自身によるピアノ伴奏版)


マリア・フォシュストローム(アルト)

マッティ・ヒルボネン(ピアノ)



マリアさんと言えば・・・


Trick or Treat!

Mahler Songs   左矢印HMVへ


ちなみにこのCDはオーケストラ版をオルガン伴奏に編曲したものですが、演奏会ではマーラー自身によるピアノ伴奏版の演奏です。
そして、演奏に先立ちまして6時15分から、「大地の歌」についてプレトークという形で私がお話をさせていただくことになっています。


チケットは12月12日(日)より一般発売されます。


宗次ホールチケットセンター

TEL:052(265)1718

どうぞ、よろしくお願いいたします。


          

 芝のはづれに楓を主とした庭木があり、裏山へみちびく枝折戸も見える。夏といふのに紅葉してゐる楓もあつて、青葉のなかに炎を点じてゐる。庭石もあちこちにのびやかに配され、石の際に花咲いた撫子がつつましい。左方の一角に古い車井戸が見え、又、見るからに日に熱して、腰かければ肌を灼きさうな青緑の陶の榻が、芝生の中程に据ゑられてゐる。そして裏山の頂きの青空には、夏雲がまばゆい肩を聳やかしてゐる。

 これと云つて奇巧のない、閑雅な、明るくひらいた御庭である。数珠を繰るやうな蝉の声がここを領してゐる。

 そのほかには何一つ音とてなく、寂寞を極めてゐる。この庭には何もない。記憶もなければ何もないところへ、自分は来てしまつたと本多は思つた。

 庭は夏の日ざかりの日を浴びてしんとしている。……


「豊饒の海」完。


昭和45年11月25日



1889年11月20日、ブダペストで、マーラーは、2部5楽章から成る「交響詩」(後の第1交響曲の原曲となった曲)を初演した。タイトルもプログラムもなし。詳しくは『クラシックジャーナル041』の拙稿を。


99年前、1911年11月20日、マーラーが亡くなってほぼ半年後のこの日に、ミュンヘンでブルーノ・ヴァルターの指揮により『大地の歌』が初演された。さらに、コンサートの後半には交響曲第2番が演奏された。


クラシックジャーナル〈041〉マーラーを究める。/著者不明
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