マーラーに対して長年あたためてきた構想がありました。

アルファベータの中川右介さんと出会ったことで

去年の秋から書き始めることができました。

それが、もうすぐ出版されます。


こちらです。



アレグロ・オルディナリオ~マーラー資料館とわたしの大切なこと


以下の文章はアルファベータのホームページから

許可を得た上で転載しています。




不遇でもなく、死の影に脅かされたものでもない、
輝ける音楽家人生。

作られた神話、あるいは俗説・通説を
徹底的な資料の検討によって覆す。
かつてないマーラー論にして、スリリングな評伝。


【本書で覆される、通説、俗説、伝説、神話…】


・マーラーは不遇だった。
・第一交響曲は小説『巨人』に基づいて作曲された。
・第六交響曲第一楽章の副主題はアルマを描いたものである。
・第七交響曲のタイトル《夜の歌》はマーラーが付けた。
・第八交響曲の《千人の交響曲》はマーラーが認めた題である。
・マーラーは第九のジンクスに怯えていた。
・マーラーは長年患っていた心臓疾患が悪化して亡くなった。
・ベートーヴェンの第六番をニューヨークで初めて指揮した。
・そして、最大の虚構――マーラーは死の影に脅かされていた。

《なぜ、何度も何度も「マーラーの時代が来た」と言われるのか。……。


そして、「マーラーの時代が来た」という表現が飽きることなく繰り返し使われるということは、「マーラーは世に受け入れられていなかった」「マーラーは不遇であった」「マーラーの生涯は死の影に脅かされたものであった」といったたぐいの、マーラーに関するネガティヴな「神話」が絶えず再生産されていることに対応しているのであろう。
そのような、マーラーに対してのネガティヴな「神話」を検証していきたい。また、併せて、そのような「神話」がどのようにして作られたのかということも多少なりとも解明できればと思う。――「はじめに」より――》



予約も始まっています。


どうぞ宜しくお願いいたします。


叢書 20世紀の芸術と文学 マーラー 輝かしい日々と断ち切られた未来 著者:前島良雄[単行本]/著者不明
¥2,730
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なお、完売のため品切れとなっていた

クラシックジャーナル041「マーラーを究める。」も増刷されました。

こちらに書いたことは、文脈上どうしても必要な一部以外、重複を避けるために新刊では詳しく触れてはいません。

未読の方はこちらも併せてどうぞ宜しくお願いいたします。


クラシックジャーナル〈041〉マーラーを究める。/著者不明
¥1,260
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100年前の今日、1911年5月18日、マーラーは亡くなりました。


マーラーの曲をいくつか聴いたあと、

忘れてはいけない、以下の曲も合わせて聴きたいと思います。


まず、

少年時代のマーラーがピアニストとして演奏した記録があるリストやタールベルクの曲。


次に、

マーラーの「作品」としては、最初に出版された、ブルックナーの交響曲第3番の4手ピアノ版編曲。


それから、

ニューヨークでの最後のシーズンに最も多くの回数取り上げた、『バッハ組曲』。


「チェンバロ」のパートにピアノを使った唯一の録音である高関健のCDが個人的には一番好きです。

後期ロマン派に於けるトランスクリプション/高関健 群馬交響楽団
¥3,000
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ちなみに、私が持っているCDのブックレットに昨年サインをしていただきました。
アレグロ・オルディナリオ~マーラー資料館とわたしの大切なこと-110518_1939~01.jpg


そして、

この『バッハ組曲』の中のアリアのメンゲルベルク盤を忘れるわけにはいきません。

下のナクソスの3枚組みに収録されています。

J.S. バッハ:マタイ受難曲(メンゲルベルク)(1939)/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
¥3,750
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ところで、『マーラー 輝かしい日々と断ち切られた未来』という評伝の原稿を書き上げ、先ほど、後書きも書き終わったところです。

今までのマーラー像とは全く違った側面に焦点を当てて書いています。

今は校正のゲラを確認している段階です。

来月早々にはアルファベータから出版される予定です。

時期などの詳細がはっきりしましたら、また、ご案内させていただきます。



4月20日前後に発売となっている、こちらも宜しくお願いいたします。

【映画「マーラー 君に捧げるアダージョ」 公式ガイドブック】クラシックジャーナル043/著者不明
¥1,260
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ちょうど100年前の1911年2月21日。

数日前から発熱の続いていたマーラーは

立ち上がるのも困難なほどの高熱をおして

ニューヨーク・フィルの指揮台に立ちました。


プログラムはイタリアに因んだもので

シニガーリア、マルトゥッチ、ブゾーニ、ボッシという同時代のイタリアの作曲家の作品とメンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」というものでした。


結果的にはこの演奏会が、マーラーにとってのラスト・コンサートになってしまいました。


・・・・・・ということも含めて、現在かなりくわしいことを執筆中です。


時期がきましたら、また、ご案内させていただきます。




アレグロ・オルディナリオ~マーラー資料館とわたしの大切なこと


アレグロ・オルディナリオ~マーラー資料館とわたしの大切なこと


この映画に関係するものについては、間もなくお知らせできると思います。

明けましておめでとうございます。



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生誕150年だった昨年に引き続き、今年はマーラーの没後100年ということで、マーラー・イヤーは続きます。

「マーラーを究める。」にも日頃思っていることを書いたのですが、今年は書き下ろしで1冊、そのほかにも今のところ2、3の原稿を予定しています。

また、近くなりましたら、お知らせさせていただきたいと思います。


数ヶ月の間品切れとなっていた拙訳書『マーラー 交響曲のすべて』も第2刷ができあがり、昨年の暮れには店頭に並びました。

amazonなどにも入荷されているようです。


マーラー 交響曲のすべて/コンスタンティン フローロス
¥9,240
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なお、こちらはまだいろいろなところに在庫があるようです。

クラシックジャーナル〈041〉マーラーを究める。/著者不明
¥1,260
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今年もどうぞよろしくお願いいたします。

萩尾望都原画展に行ってきました。


『ポーの一族』の原画の前では、あまりの感動にしばし立ち尽くしました。



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図録です。



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いろいろと買ってしまいました。



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これも買ってしまいました。


『ポーの一族』はリアル・タイムで読んでから今日に至るまで何回読んだことでしょうか。

でも、また、読みたくなってきました。


ポーの一族 (1) (小学館文庫)/萩尾 望都
¥590
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ポーの一族 (2) (小学館文庫)/萩尾 望都
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ポーの一族 (3) (小学館文庫)/萩尾 望都
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