「もう帰るの?もっとゆっくりして行けばいいのに?」
「ごめんなさい、まる代さん。
今日はこの後、日本大使館に呼ばれてるの。」
日米印の三国会談が正式に決まり、晩餐会に私が作った「ほんやくコンニャク・プロトタイプ」が出されることもほぼ確定した。
大変なのはこれからだ。
外国の首脳に提供するなら外務省は勿論、食品としては厚生労働省、斬新な発明なら文部科学省に特許庁と、たかだか蒟蒻一枚を巡って、私は面談を受けることになった。
これはそもそも、三国会談をまとめたのが、防衛大臣の出来杉さんだからということで、当の外務省が面目丸潰れということでカンカンらしい。
しかも晩餐会まで取り仕切られとしては…ということで、私は有能過ぎる出来杉さんのやっかみの風避けに今から大使館に向かいます…。
面談というか取り調べだわ…。
「なぁ、シズカ。大使館に行くなら、俺に遅らせてくれ。俺も自分の国の大使館に用があるんだ。」
****
エムポパさんが運転する黒い車は、伸太さんとエムポパさんが強盗を追い払った時の戦利品。ホントに頂戴しちゃったんだ…。
「エムポパさんはどうして大使館に?」
「…故郷の幼なじみをこっちに呼ぼうと決めたんだ。」
「幼なじみって女性の方?」
「あぁ、家族になるつもりさ!ゾウタクシーと農園でやっと安定してきたからな。
次のステップの目処が立ったのさ。」
「ステップ?違うお仕事を始めるの?」
「…シズカ、この声を君は知ってるんだろ?」
と、エムポパさんがカーステレオのボタンを押すと、懐かしいまるで風邪を引いたような太い声が…。
「そこがきみの悪いところだ!
何かやってみて、うまく行かないと直ぐに嫌になってしまう。
そんなことではいつまでたっても何も出来ないよ。」
間違いなく、ドラちゃんが伸太さんを叱ってる声だった。
「大切な親友を失ったが、声だけが残ってると伸太が言ってたよ。自警団をしながら触れ合った子供達に、為になるメッセージだけを聞かせてあげてるのさ。
勿論、穢れた俺達が何をやっても偽善だろうがな…。」
「そんな、偽善だなんて…。」
「俺は『何でも屋』を開くつもりだ。伸太と一緒にやるつもりだがな。
あいつも子供の頃、『何でも引き受け会社』って大人の真似事をして、親友に説教されたと言ってたよ。
でも儲けなんかより、憧れの女の子が僕の秘書やってくれたらそれだけで十分だったと。シズカのことだろ?」
タガロ・エムポパ…アフリカ出身の元フランス軍人。
兵士の心理療法の一環として伸郎叔父さんのイモ畑とゾウ舎の手伝いを始める。
後に伸太の軍人としての師匠であり、自警団glass runner を結成。
原作モデルは「映画のび太と雲の王国」で島が洪水で流されて保護されたタガロ少年。
茂手最哲夫(もて もてお)…ジャイ子の同級生で同人雑誌で漫画を描いてた仲間。
現在は駆け出しの映像クリエーター。
戦争に抗議する芸術で作った「ラフレシア同盟」の活動は段々と過激になり、茂手はインド在住の伸太に出来杉の狙撃依頼をする。
しかし、実際に会った伸太の人柄とイモ農園の雰囲気に触れたことで改心。
現在は周音夫の下で、22世紀の未来に発明される「家庭用子守ロボット・ドラえもん」の設計に携わるチーフデザイナー。
あくまで外観のデザイン部門のみで技術部門は専門外だが、ドラえもんの未来技術に間近で触れて感嘆する。原作モデルは「映画がんばれジャイアン」に登場する茂手もて夫。
河井伊奈子…グローバル企業の骨川コンチェルンの社長秘書。
周音夫とは同じ小学校に通い、周音夫の熱烈アプローチにより入社。
周音夫とは事実婚状態。茨城県の実家には、「地下シェルター兼秘密会議室」がある。
原作は18巻「ガールフレンドカタログ」回に名前だけ登場。

しかし、現在の水田わさび版ドラえもんでは、彼女が顔出しでデザインされていた。

月形まる代…同じく「ガールフレンドカタログ」の回に登場。

原作では、隣の小学校ながら、のび太の落第生ぶりを知っていた。
庭に入ったのび太を、彼女のおじいちゃんが厳しく叱ってたシーンがありましたので、本作ではレールに敷かれた未来にうんざりし、高校の講演会に来た冒険家の伸郎叔父さんに心酔し、インドに渡る。
捨て子のプサディーを伸太や他のスタッフ達と育てるが、伸太個人との距離はそれ以上に縮まらず。
源義雄(みなもとよしお?よしかつ?)
…しずかちゃんのお父さんは、一度だけ表札に名前があった。数学者というのは本作のオリジナル。原作では職業は明らかになってないが、美術関連の仕事という話も。
クリシュナ教授…インド神話から名前を貰った自作キャラ
兵士の心理療法の一環として伸郎叔父さんのイモ畑とゾウ舎の手伝いを始める。
後に伸太の軍人としての師匠であり、自警団glass runner を結成。
原作モデルは「映画のび太と雲の王国」で島が洪水で流されて保護されたタガロ少年。
茂手最哲夫(もて もてお)…ジャイ子の同級生で同人雑誌で漫画を描いてた仲間。
現在は駆け出しの映像クリエーター。
戦争に抗議する芸術で作った「ラフレシア同盟」の活動は段々と過激になり、茂手はインド在住の伸太に出来杉の狙撃依頼をする。
しかし、実際に会った伸太の人柄とイモ農園の雰囲気に触れたことで改心。
現在は周音夫の下で、22世紀の未来に発明される「家庭用子守ロボット・ドラえもん」の設計に携わるチーフデザイナー。
あくまで外観のデザイン部門のみで技術部門は専門外だが、ドラえもんの未来技術に間近で触れて感嘆する。原作モデルは「映画がんばれジャイアン」に登場する茂手もて夫。
河井伊奈子…グローバル企業の骨川コンチェルンの社長秘書。
周音夫とは同じ小学校に通い、周音夫の熱烈アプローチにより入社。
周音夫とは事実婚状態。茨城県の実家には、「地下シェルター兼秘密会議室」がある。
原作は18巻「ガールフレンドカタログ」回に名前だけ登場。

しかし、現在の水田わさび版ドラえもんでは、彼女が顔出しでデザインされていた。

月形まる代…同じく「ガールフレンドカタログ」の回に登場。

原作では、隣の小学校ながら、のび太の落第生ぶりを知っていた。
庭に入ったのび太を、彼女のおじいちゃんが厳しく叱ってたシーンがありましたので、本作ではレールに敷かれた未来にうんざりし、高校の講演会に来た冒険家の伸郎叔父さんに心酔し、インドに渡る。
捨て子のプサディーを伸太や他のスタッフ達と育てるが、伸太個人との距離はそれ以上に縮まらず。
源義雄(みなもとよしお?よしかつ?)
…しずかちゃんのお父さんは、一度だけ表札に名前があった。数学者というのは本作のオリジナル。原作では職業は明らかになってないが、美術関連の仕事という話も。
クリシュナ教授…インド神話から名前を貰った自作キャラ
私は拡大し続ける世界大戦を止める為、
「首脳会議の晩餐会で『自家製・ほんやくコンニャク』を提供する」
という目標に向かって、インドの研究所で完成を目指していました。
そして世界のトップ達が集まる舞台を整えてくれたのは…一度は私達が憎悪を抱いた出来杉さんでした。
以下の話は、私こと源 静香が後から聞いた話です。
****
「武くん、朗報だよ!
遂にインドの外務省筋が仲介役を了承したよ!」
「おぉ、よくやったぜ出来杉防衛大臣よ!
で、サミットはいつだ?」
「それはまだもっと先だよ!
まずは、日米とインドのトップが集まった場所で、インドの首相には、我が国と対立する大国二つと、交渉を仲介すると宣言してもらうんだ。」
「そうか、ご苦労だったな。じゃあ、約束だ。
これを見ろ。」
「…どら焼き…?がどうしたの、武くん?」
「これは俺が預かったどら焼き型をしたブルーキャットの『動力源』だ。周音夫が持ってる『身体』にこのどら焼きの形をした始動エネルギー源を注入すると、ブルーキャットは動き出す。お前が欲しがってた未来の秘密道具も、ブルーキャットの身体もまだ教えるわけにはいかない。
だがこの動力源は俺が俺の責任で託された物だ。
あんまり知られていないけどな、ドラえもんって、核で動いてたんだぜ?」
「核!?」
「驚くのも無理ねぇよな。俺もビックリしたっつーの!人間と同じご飯食べてたドラえもんの身体に核だぜ!?」
「でもご飯を食べてたってことは…?」
「あぁ、俺には難しいことは解らないが、人間と同じ食事で機械が動くってことだ。」
「それを可能にしてるのが核エネルギーってことなんだね…凄いな…22世紀の世界は…。」
「だからその始まりの科学者にお前ならなれるっつーの!
バカな俺でも、世界中に溢れる核兵器が、『ご飯を食べるロボットの胃袋』になるんだぜ!?こんな平和利用があるか?」
「確かに壮大なロマンだ…しかも手元には既に『結果』があるわけだし…。」
「出来杉、お前だって俺達の心の友だったんだよ!ドラえもんが最後の力で俺達以外の記憶を消しても、お前だけ僅かに記憶が残ってたんだな…。本当にすまない。」
「武くん…僕だって、僕だって夏休みには映画のような冒険がしたかったよ…。」
「冒険なら今から出来るさ。皆で行こうぜ!インドによ!」

続。
「首脳会議の晩餐会で『自家製・ほんやくコンニャク』を提供する」
という目標に向かって、インドの研究所で完成を目指していました。
そして世界のトップ達が集まる舞台を整えてくれたのは…一度は私達が憎悪を抱いた出来杉さんでした。
以下の話は、私こと源 静香が後から聞いた話です。
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「武くん、朗報だよ!
遂にインドの外務省筋が仲介役を了承したよ!」
「おぉ、よくやったぜ出来杉防衛大臣よ!
で、サミットはいつだ?」
「それはまだもっと先だよ!
まずは、日米とインドのトップが集まった場所で、インドの首相には、我が国と対立する大国二つと、交渉を仲介すると宣言してもらうんだ。」
「そうか、ご苦労だったな。じゃあ、約束だ。
これを見ろ。」
「…どら焼き…?がどうしたの、武くん?」
「これは俺が預かったどら焼き型をしたブルーキャットの『動力源』だ。周音夫が持ってる『身体』にこのどら焼きの形をした始動エネルギー源を注入すると、ブルーキャットは動き出す。お前が欲しがってた未来の秘密道具も、ブルーキャットの身体もまだ教えるわけにはいかない。
だがこの動力源は俺が俺の責任で託された物だ。
あんまり知られていないけどな、ドラえもんって、核で動いてたんだぜ?」
「核!?」
「驚くのも無理ねぇよな。俺もビックリしたっつーの!人間と同じご飯食べてたドラえもんの身体に核だぜ!?」
「でもご飯を食べてたってことは…?」
「あぁ、俺には難しいことは解らないが、人間と同じ食事で機械が動くってことだ。」
「それを可能にしてるのが核エネルギーってことなんだね…凄いな…22世紀の世界は…。」
「だからその始まりの科学者にお前ならなれるっつーの!
バカな俺でも、世界中に溢れる核兵器が、『ご飯を食べるロボットの胃袋』になるんだぜ!?こんな平和利用があるか?」
「確かに壮大なロマンだ…しかも手元には既に『結果』があるわけだし…。」
「出来杉、お前だって俺達の心の友だったんだよ!ドラえもんが最後の力で俺達以外の記憶を消しても、お前だけ僅かに記憶が残ってたんだな…。本当にすまない。」
「武くん…僕だって、僕だって夏休みには映画のような冒険がしたかったよ…。」
「冒険なら今から出来るさ。皆で行こうぜ!インドによ!」

続。