地獄のMath Camp① | LSE・経済学修士留学戦記(イギリス経済学大学院留学)

LSE・経済学修士留学戦記(イギリス経済学大学院留学)

2012年夏~2013年夏にかけてLSE・Economics修士に在籍。
これから経済学大学院へ留学する人に向けて、この1年の戦いを記録する。

通常、イギリスの大学院のコースは10月からコースがスタートしますが、Economics10月の本コース前にプリセッショナル(通称Math Camp)があるため、一か月早く、9月からコースが開始します。


このMath Campの趣旨は、本コースが始まる前に、Economicsで頻繁に使用する数学・統計の基礎を習得し、学生のレベルを均一のものにするというものです。

(アメリカのPhDコース等でも普通にあるようです)。


学生によっては学部でやっている内容とかなりの重複があるようで、そのような学生はかなり余裕のようでした。

また、MReS/PhDコースの学生も同様のコースを取っているのですが、そのような学生は既に修士を取っている人がほとんどのため、このコースは簡単すぎるようで、学生によってレベルはかかなりことなるようでした。



一方、私は大学から離れて5年が過ぎ、経済学のことについてはほぼ全て忘れており、かなりキャッチアップが大変でした。

また、Revision中心といえど、(私がきちんと勉強していなかったからだけかもしれませんが)大学時代に習わなかったような内容も多かったです。

また、初めて英語で受ける授業&大量の課題…慣れないこともあり、私はこの1年弱のコースの中で、このMath Campの時期が1・2を争うほどきつかったです。。。



この時期は、毎日夜の2526時まで宿題・予習・復習に追われ、土日も朝から晩までずっと図書館籠り生活でした。

最終的には、ストレスでじんましんが出てくるほどに…(今でも思い出したくない…)。


さて、科目は4つの科目で構成されており、内容は以下の通りです。


1.Revision Mathematics

-Vector

-Open Sets, Closed Sets and Continuous Function

-Multivariate Calculus

-Matrices

-Determinants

-Eigenvalues, Eigenvector and Diagonalizing Matrices

-Taylor Approximations

-The simple Linear Regression Model


2.Mathematics for Microeconomics

-Tools for Optimization (Positive/negative definite, Concavity and Convexity…)

-Equality Constrained Optimization Problem (Lagrange Theorem)

-Inequality Constrained Problem (Kuhn-Tucker Problem)

-Maximum Value Function

-Envelope Theorem

-Implicit Function Theorem


3.Mathematics for Macroeconomics

-Dynamic Programming (Bellman equation including stochastic problem)

-Optimal Control (Hamiltonian)

-Ordinary Differential Equations (Construction of Phase Diagram)


4.Probability and Statistics

-Random Variables and Probability Distribution

-Moments of a random variable

-Some frequently used distribution (ex. Uniform, Bernoulli, Binominal…)

-Joint, Marginal and conditional distributions

-Functions and transformations of a random variable

-Inference

-Hypothesis testing



上記の通り、週間というコースの中でカバーする内容は多岐にわたるのに対して、授業数は少ないため、授業でカバーされるのは最低限覚えておかなければならない一部のみとなっています。

例えば、Revison Mathは、配布されるノートが約150ページもあるのに対して、授業でやるのは、エッセンスのみです。


このMath Campの最後には、テストがあるのですが、授業でカバーされなかった部分は、Classで行うProblem Setや自主学習でやったこととみなされ、授業でカバーしなかった部分もテスト範囲となります。

とにかく読む量や宿題量が半端ないため、Math Campが始まる前から、できるところは進めておかないと授業についていくのがかなりしんどくなります。



さて、次回は、1日の流れ&最後のテストについて、説明したいと思います。