ニューヨーク州に外出制限令(自宅待機)が発動されて6週間目に入った。
この期間の私の健康状態は至って良好。
それでも精神的にキツい5週間だった。
自分も医療従事者の端くれだから必要以上の恐怖心は無い。
出来る予防をしっかりして、免疫力を高める。
私の周りには10日以上家に籠り、外へ出ない出ない人達もいる。その人達から怒られそうだが、
私は天気が悪い日以外外へ出ている。
スーパーへの買い物は週に1回と決めているけれど、散歩はほぼ毎日している。
マスクをして、人との距離が十分に保てて、屋外。
健康を保つにはある程度の運動と共に日光浴も大切だと考えている。
それに気分転換にもなる。
「精神的にキツい」
それは先が見えない不安、経済的不安、友人達5人が罹患し亡くなった現実。そして、FB等で見かける
「インフルエンザと同じ。周りは誰も罹ってないし、死んでいない。」との文章。
ずっと書いては消してを繰り返していたのだけど自分の気持ちを書こうと思う。
私見だけど、COVID-19の致死率(毒性)は高くないと思う。致死率が高いウイルスだと宿主(人間)から違う宿主へ移る前に宿主が
死んでしまう。だからここまで世界中に広がるという事は致死率は高くないと言えると思う。NYで看護師をしている友人達も同じ見解。
ただ感染率はこの現状を見ると高いと言えると私は思う。
インフルエンザと同様?
インフルエンザは約100年前に最初のパンデミックがあり、その後繰り返し季節性流行を繰り返し100年経ち今があります。
100年経っても数年毎に流行が起こり、亡くなる方がたくさんいます。治療法や薬、ワクチンもあるのにです。
医療が発達した今もこの状況だったら100年前はどうだったのでしょう。
そして今回初めて流行したCOVID-19.
治療法も薬もワクチンも無い手探り状態のウイルス。 患者の症状がどう出るかもわからないウイルスをインフルエンザと比べることはどうなんだろうと先ず思いました。
そして症状も千差万別。無症状から亡くなる方まで。
私の在NY日本人友人も3人罹患しました。人工呼吸器が必要無いということで「軽症」自宅療養でしたが、下がっては上がる熱、猛烈な頭痛と体の痛み、味覚、嗅覚障害、肺の違和感が2週間近く続き、完治に3,4週間罹ったそうです。そしていつ呼吸困難になるか恐怖で夜が怖かったと。
そして急変して亡くなる方もいます。私の友人は5人亡くなりました。そして看護師をしている友人のボスも。
友人のボスは看護主任で彼とは1度食事したことがあります。NYの看護師で最初に亡くなった方です。
亡くなる原因は様々でCOVID-19が引き起こす合併症がいろんな形で患者さんを襲うと現場で治療にあたっている友人は言いました。
肺炎、心不全、全臓器不全等。。この急変が凄い速さで起こると聞きました。この肺炎や心不全で亡くなる方はCOVID-19で亡くなったんじゃないと言ってるのも読みました。
インフルエンザで亡くなる方もインフルエンザ「脳症」やインフルエンザ「肺炎」で亡くなりますし、ガンを患っている方も
癌性「肺炎」でも亡くなります。COVID-19も同じことです。
アメリカ国内でもっとも感染者数と死者数が多いニューヨークです。日本に住んでいると想像がつきにくいと思います。
ニューヨークはピーク時毎日700人以上の人が亡くなっていました。今でも1日に300人以上です。1日で日本国内のコロナ感染で亡くなった方の人数を越してしまいました。トータルでニューヨーカー1000人に1人が亡くなったそうです。
毎日朝から晩までひっきりなしに聞こえていた救急車のサイレン。
知り合いや知り合いの知り合い等が罹患してない、亡くなってない方を探す方が難しいニューヨーク。
それだけ多くの人達が亡くなっているのです。
私も4月に入って1か月未満で5人の友人と知人を1人亡くしました。こんなこと人生で初めてです。
職業柄他の人より死の瞬間に立ち会う回数が多く、人はいつか死ぬものとどこか冷静な自分がいましたが
多すぎます。
悲しい事にお葬式にも行けなくて最後のお別れもできないのです。
だれも死なない。インフルエンザと同じと言ってる方はインフルエンザで五人の友人をひと月に亡くしたことがありますか?
想像してください。もし自分の友人がひと月に複数人亡くなったらと。同じセリフが言えますか?
私はビル・ゲイツがどうしたとか各国の企みとか恐怖を煽っているとかどうでも良いのです。
私が唯一知っている事実は、「たくさんの人が亡くなっている」という事です。
それを自分が罹患したことも無い人が「誰も死なない。インフルエンザといっしょ。コロナは嘘」と言えるのか理解できなくて
FBを見てはやるせない気持ちでいっぱいでした。
私も自分の経済破綻が目前に迫っていて外出制限が終わる日を心待ちにしている1人です。
毎日の知事の会見で外出制限期間が延長されるたびに動揺し、鬱になる日々を過ごしていますがNYでロックダウン解除デモが
起こらないのは私を含む多くのニューヨーカーがあまりにも多くの命が消えていくのを目にしたからだと思います。
自分と自分の周りで誰も罹患せず死亡しないのは、とても幸運なことです。そのまま幸運が続くことを祈ります。
それでも多くの命が消えている事実も知ってほしいです。 決して嘘じゃないのだから。
看護師の友人が言っていました。
「死にたくない」と