本と散歩と珈琲と -2ページ目
大柳国華伝 本編+外伝 全6冊合本版 カバーイラストコレクション付き (講談社X文庫ホワイトハート)/芝原歌織
¥価格不明
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内内容(「BOOK」データベースより)

用心棒組織である黒武〓(ひょう)局の頭を父に持つ春華は、
男勝りで天真爛漫な少女。
ある日、春華は父から重要な仕事を任されるが、
味方を装っていた人物からの裏切りにあい、重傷を負い倒れてしまう。
そして目覚めると、大柳国後宮の一室だった。
絢爛豪華な後宮で待ち受けていたのは、初めての女友達に、運命の恋―!?
大柳国皇城を舞台に繰り広げられる中華風宮廷ラブロマン、開幕。

著作者について

芝原 歌織
2011年下半期「ホワイトハート」新人賞受賞。
尚 月地
雑誌Wingsで『艶漢』連載中。
「 艶漢」1~5巻
画集「極彩少年」好評発売中。

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感想・書評を書く価値もない、軽い読み物(?)であった。
とはいうモノの、6冊分の読書時間を費やしたのだから、何かしら書いておかないとね。

そもそも、何故この本を読もうかと思ったかというと、次の通りである。

『十二国記』(小野不由美)シリーズが面白かったので、続きが読みたいと常々思っていた。
この年末年始にかけて、十二国記の次回作の原稿が千ページ分 出版社の方にあるとの情報があり、ワクワクしながら出版を待っていた。
それから、早半年・・・・。
何のアナウンスもなく、出版の話が全く途絶えてしまっている。

待つことに飽いてきたので、次なる本を探していたら、『中華風宮廷ラブロマン』との
書評文字が目に飛び込んできた。
『十二国記』も、中華風宮廷ラブロマンといえば、言えなくもない。
ちょうど、kindleで合本安売りしていることだし、暇つぶしにはちょうどよかろう・・・と。

こんな感じに読み始めたのだ。

先にも書いたが、まあ・・・読む価値もない作品だった。
文章も構成・物語性も、ネットで「好きという気持ちだけで書いて発表している」程度の物で、読んでいるこちらが恥ずかしくなるクォリティーだった。
こんな本を購入し、時間を費やしたことに後悔しなければならないレベルだ。

小学生か幼稚園児向けのアニメにちょうど良い。
その割には、登場人物の名前が難しい、というか
結局正しい読み方では読み進めず、適当な読み方で
人物認識していた。
(私は、登場人物の名前が必要以上にややこしい作品が大嫌いである)

この本を読んでいたのは、将に只今開催中である展示会の作品制作中だった。
制作を始めた時期は早く、珍しく製作期間に余裕があった。

・・・・・・あったはずなのだ・・・・・・

ところが、このblogの提供元であるピグが最近始めたバトルゲームに
妙にはまってしまって、多大なる時間をそちらに費やしてしまったのだ。

結果的には、作品締切日に提出出来、社会人として表向き恥ずかしくない振る舞いが
出来たのだが、いやいや、それにしてもギリギリだった。

最初は、本当に作品制作中のほんの気分転換にちょこっとゲームをしていただけなのだ。
(ホント、ホント)

しかし、いつの間にやらそちらがメインで、制作を合間にする・・・という状況になってしまっていた。

『こりゃ イカン!』

と、自分を戒め
PCにアラーム設定をして、時間を区切り、ゲームを切り上げる・・・という、
小学生か!的な管理をせねばならない程夢中になっていた。

そうこうしているうちに、会社の決算処理もせねばならない・・・
他の仕事もせねばならない・・・
雪だるま式にたまってくる must事項・・・。
どんどん どんどん 時間がタイトになって行ってしまって
締切直前は、もう 何がどうなってるのかわからないほどの『修羅場』であった。

ふぅ、生還できてよかったよ。

でもまあ・・・いつも思うが、何事もやりすぎはイカンな。
回りに迷惑をかけてしまう。

何事においても自分の現状が、「許せる」状態でなくなったら
ずるずるといつまでも 粘るのではなく
さっと、見切りをつけ、気分転換したほうが良い。

その決断が出来る自分でありたい。

きちんと、潔く凛として生きねば!





図書館の神様/マガジンハウス
¥1,296
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瀬尾まいこ

内容紹介

主人公は、清く正しい青春をバレーボールに捧げてきた、その名も清(きよ)。
あることがきっかけで、夢をあきらめて教師になるべく、海の見える中学校に赴任する
(教員採用試験に受かっておらず、臨時雇いではあるが)。
そこで、思いがけず文芸部の顧問となった清に訪れた変化とは……。
「卵の緒」で坊っちゃん文学賞を受賞した瀬尾まいこの、デビュー第2作。
大幅にファンを増やした評判作の、待望の文庫化。
単行本未収録の幻の短篇「雲行き」も収録。 

内容(「BOOK」データベースより)

思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。
…「垣内君って、どうして文芸部なの?」「文学が好きだからです」「まさか」!…
清く正しくまっすぐな青春を送ってきた“私”には、思いがけないことばかり。
不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。
ほかに、単行本未収録の短篇「雲行き」を収録。


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久しぶりの更新である。

更新していない間、何も読んでいなかったのかというと
そういう事は、全くない。

ま、更新は気まぐれなもの。

さて、この本である。
この本はkindle版で読んだのだが、なんだか よくわからない作品だった。

題名は、見ての通り素敵なものなのだ。
しかし、内容がどうも私にはピンと来なかった。

読み方が悪かったのか?と思い
短編というほどではないが、短い話なので
読み直してもみた。


それでも、なんともなあ・・・。

ネットに載っている、他の人の当作品に対する評価は
概ね上々だ。

「嘗て出会ったことのない、爽やかな作品」
「本当に図書館には神様がいるのかもしれない」

といった、魅力的な言葉が並んでいる。

まあ・・・私にはそうは思えなかった。
おそらく、そう遠くない未来には
この本を読んだことすら忘れてしまうであろうと思うので
ここに、読んだという自分への備忘録として
記しておこうと思った次第だ。

そうそう、我が家の近くの図書館が
きれいになった。
図書館内も明るく、読書スペースもそこかしこに出来て
なかなか快適になった。

私が快適になった・・・ということは
当然、他の人にも快適になったということで
なにやら、勘違いした親子が大挙して押し寄せてきている。
または、おしゃべりおばさんの集団やら・・・。

図書館や、本屋では極力無駄話をしない、という
教育がされていないのだろうか?

それとも、そのような場所は静かにすべきと
考えている 私の「常識」の方が 間違っているのだろうか?

公道で子供を遊ばせたり、レストランで走り回ったり大声だしたり
電車ホームで並ばない等
マナーというものは、この日本から消滅してしまったのだろうか?

少なくとも、学校では教えていないのだろうなとは思う。

なんともなあ・・・・・。

図書館に神様がいるのなら、どうか うるさくする「利用者」に
教え諭して欲しい。

神様、おねがい☆~

原田マハ

内容(「BOOK」データベースより)
二ノ宮こと葉は、製菓会社の総務部に勤める普通のOL。
他人の結婚式に出るたびに、「人並みな幸せが、この先自分に訪れることがあるのだろうか」と、
気が滅入る27歳だ。
けれど、今日は気が滅入るどころの話じゃない。
なんと、密かに片思いしていた幼なじみ・今川厚志の結婚披露宴だった。
ところが、そこですばらしいスピーチに出会い、思わず感動、涙する。
伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。
衝撃を受けたこと葉は、久美に弟子入りすることになるが…。


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危篤の父の枕元編 その2。

そういったわけで、今の私の求める読み物は
ひたすらに穏やかで読後感の良いもの、それだけが望みだ。

この作品は、どうやら「大切な人に読ませたい本」とのことなので
良書であることを期待して、生まれ育った街の本屋さんで購入してみた。

表紙は、水引があしらわれたご祝儀袋模様。

そのデザインにはちょっと抵抗があるものの、まあ・・面白い名前の作者に興味があったし、読んで見ることにした。

あらすじにも載せたが、スピーチライターの話である。

ヴォーカリストと作詞家・作曲家がいるように、スピーカーとライターが居るのは、当然と言えば、当然だ。

歴史に残る名スピーチの影には、優秀なスピーチライターが居たのはこれまた当然の話だ。

政治家が、演説をする為に用意している原稿は、そういったライターが常に介在していないものなのだろうか?

まあ、常に存在しているのだとしたら、しばしば起こる『失言』騒ぎなどはありようもないが。

時は今、都知事選の差中である。
総理大臣経験者が出馬するなどして
顔ぶれは、一見豪華だ。
『スピーチ』は、街に溢れている。

しかし、なんだか どれもこれもパッとしない。
今こそ、素晴らしいスピーチをぶちかませ!
そうすれば、あっという間に浮動票を集められるぞ!

綺麗なイメージだけの言葉を並べても、国民の・・・いや、都民の心は微動だにしないのだよ。

などと、小説に影響されて、そんな事を考えてみた。


そんなに簡単にはいかないだろうけどね。
けれども、よく練られたすばらしいスピーチを是非とも聞いてみたいものだ。


禁猟区 (新潮文庫)/乃南 アサ
¥546
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『禁猟区』 乃南アサ

ホストにいれあげている中年女、若山直子の資金源は、ホストクラブで借金がかさみ、身動きのとれなくなった少女たちだった。
経営者を脅して得た顧客情報から、未成年者の親に当たり、「解決してやる」とカネを要求する。
直子の職業は、警察官だった。
犯罪に手を染めた警察官を捜査する組織、警視庁警務部人事1課監察係。
女性の監察官沼尻いくみの活躍を描く傑作警察小説4編。


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危篤の父の付き添いのため、長い時間を過ごさねばならない状況下で
病院内のコンビニで見つけたのがこの本だった。


まあ、そんなときに読みたい本といえば、
穏やかで読後感がよく、ほんのりと和むようなものがよろしい。

しかし、病院内のコンビニには、そのような物がない。

なぜだ??・・・まあ、仕入れする人が
そんなところまで、気を使っていないという事か?

読みやすく、良い本を置いていたら
評判になると思うのだけれどな~~。


まあ、そんなことはさておいて、この本である。

なにやら、物々しいタイトルだ。

しかし、裏表紙のあらすじを読んでみると、それほど 物騒な話でもなさそうだ。
コンビニの本棚にならんでいた、他の○○殺人事件だの、△△事件簿だのより
ずっと和めそうだ。


事件を起こす登場人物が、どれもこれも 普通の人で
(特別、悪人として描かれてはいないという意味)

「これくらい、大丈夫じゃないか?」


という程度の認識で
違反を犯し、処分されることとなる警察関係者の話である。

それなりに、一所懸命生きていると思われる人々が登場人物・・・という感じだ。


どの話も、金が絡んでくる。
金が絡んでいるから、つまり登場人物の行為が犯罪であり
処分対象になるのだ。


人間が作り出したシステムである「金」というものが介在しているから
犯罪を作る。

なんだか、微妙な感じだ。

登場人物に対して「アホだな~」という感想を、どの話にも持つ。


しかし、この「アホだな~」という感覚を私は、いったい いつ身につけたのだろうか。
私だけではなく、世の中一般の人達は、どうやって身につけていったのだろうか。


お金とは、そもそも 社会においての「共通の価値観」を作り上げるために
発明されたシステムだ。
「アホだな~」と思う感覚も、これまた 恐らく作られた「共通認識」である。


作られた「共通」という意識の、ほんのちょっとした差異が
非常識だの犯罪だのを浮き上らせる。


同じ価値観だとか、価値観の違いだとか言ったところで
大きくみると、大した違いは無いんじゃあないだろうか?
平凡に生きられていれば、の話だが。

踊る猫/光文社
¥1,575
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内容紹介

夢か、うつつか、物の怪か――

昔むかし、人々の見えるもの聞こえるものが、今より少しだけ多かった時代。
不思議なできごとは、いつもすぐそばにあった――。
心にそっとあかりを灯す珠玉の連作短編。
第3回小説宝石新人賞作家、待望のデビュー作!
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ああ、久しぶりに良い作品を読んだな~~。

与謝蕪村がストーリーテーラーとして登場する。
幻想的怪奇物・・・というには、柔らかで懐の深さを感じさせる作品。

幻想的怪奇物というと、時代背景が中世を思い浮かべるが、これは近世。
近世であるから、町人が生き生きと活動しているのが感じられる。

連作の短編集であるが、どの話も実によくできていて
しみじみと優しく、温かである。

さてさて、この本は先頃 帰郷した時に池袋 ジュンク堂で購入したもの。
表紙がかわいらしく、好みだったので、楽しみに読まずにとっておいたのだ。(笑)

10冊ほどあった未読本も読了してしまって、とうとうこの本を手にとることに。
一気に読み進めてしまうのが勿体ないので、途中 買い物へ行ったり
調べものをしたりして、インターバルをおきながら読み進めたのだが
やっぱり1日で読み終えてしまう。

しみじみ、よかったなと思える本だったので
本好きの知人に、さっそく貸した。