『本日は、お日柄もよく』原田マハ | 本と散歩と珈琲と
原田マハ

内容(「BOOK」データベースより)
二ノ宮こと葉は、製菓会社の総務部に勤める普通のOL。
他人の結婚式に出るたびに、「人並みな幸せが、この先自分に訪れることがあるのだろうか」と、
気が滅入る27歳だ。
けれど、今日は気が滅入るどころの話じゃない。
なんと、密かに片思いしていた幼なじみ・今川厚志の結婚披露宴だった。
ところが、そこですばらしいスピーチに出会い、思わず感動、涙する。
伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。
衝撃を受けたこと葉は、久美に弟子入りすることになるが…。


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危篤の父の枕元編 その2。

そういったわけで、今の私の求める読み物は
ひたすらに穏やかで読後感の良いもの、それだけが望みだ。

この作品は、どうやら「大切な人に読ませたい本」とのことなので
良書であることを期待して、生まれ育った街の本屋さんで購入してみた。

表紙は、水引があしらわれたご祝儀袋模様。

そのデザインにはちょっと抵抗があるものの、まあ・・面白い名前の作者に興味があったし、読んで見ることにした。

あらすじにも載せたが、スピーチライターの話である。

ヴォーカリストと作詞家・作曲家がいるように、スピーカーとライターが居るのは、当然と言えば、当然だ。

歴史に残る名スピーチの影には、優秀なスピーチライターが居たのはこれまた当然の話だ。

政治家が、演説をする為に用意している原稿は、そういったライターが常に介在していないものなのだろうか?

まあ、常に存在しているのだとしたら、しばしば起こる『失言』騒ぎなどはありようもないが。

時は今、都知事選の差中である。
総理大臣経験者が出馬するなどして
顔ぶれは、一見豪華だ。
『スピーチ』は、街に溢れている。

しかし、なんだか どれもこれもパッとしない。
今こそ、素晴らしいスピーチをぶちかませ!
そうすれば、あっという間に浮動票を集められるぞ!

綺麗なイメージだけの言葉を並べても、国民の・・・いや、都民の心は微動だにしないのだよ。

などと、小説に影響されて、そんな事を考えてみた。


そんなに簡単にはいかないだろうけどね。
けれども、よく練られたすばらしいスピーチを是非とも聞いてみたいものだ。