おじぃちゃんの事件簿 -732ページ目

小川容疑者 離婚・退職、住居転々、奇行… 個室ビデオ店放火

個室ビデオ店に放火し、客15人を殺害したなどとして逮捕された小川和弘容疑者(46)はかつて、子ども思いの優しいお父さんと周囲にみられていた--。

しかし、離婚や退職をへて、最近は住居を転々とし、生活に困窮していた様子だったという。


近所の人の話などによると、小川容疑者は2年前まで、現住所の大阪府東大阪市に近い門真市の一軒家で暮らしていた。


妻とは息子が小さいころに離婚。


同居していた母親もその後死去し、最後は成人になったくらいの息子と2人で暮らしていた。


電器会社に勤めていたころは、幼い息子とキャッチボールをする姿がよく見かけられ、近所の子どもたちの面倒もみて

『小川のおっちゃん』


と慕われていたという。





だが後に会社のリストラ時に退職したころから



『普通のサラリーマン』

という印象が変わった。



当時の近所の男性は

『服装が派手になり、店の経営のようなことを始めた』


といい、やはり近所の女性は

『だんだんと近所づきあいが悪くなった』

と話す。



母親の死去後の06年夏、東大阪市のマンションを購入し、転居。

一人暮らしになった。


『前に勤めていた職場で手話を習っていたんです』

と言って近所の人に手話を教え、福祉関係の仕事をしている、とも言っていた。

しかし、まもなく体調を崩し、長期入院したという。


近くの守口市に転居した後、今春、東大阪市の以前の住居近くに戻ってきたときには、外見が一変していた。髪の毛が乱れ、疲れた様子で、



『病気で働けない』

『お金がない』

『生活していけない』


と話していたという。



『手話で人の役に立ちたい』


とも話す一方、最近は奇行が目立ったという。


小川容疑者が住むマンション住人によると、パンツ一枚で部屋に勝手に上がり込み


『一人暮らしなん?』


と話しかけてきたことがあった。



風呂場をのぞき、コイン式洗濯機の取り扱い法を一方的にしゃべって帰ったという。


事件の1週間前にも、上半身裸で歩く小川容疑者が見かけられている。

仮住まい、奪われた介護福祉士への夢!! 個室ビデオ店放火

大阪・ミナミの個室ビデオ店に放火し、男性客15人の未来を一瞬のうちに奪ったのは、会社勤めや家庭生活の夢を失った男だった!!


犠牲者の中には、介護福祉士を目指し、勉強を続けていた元会社経営者もいた。


『うちの家族では!』


身元確認が難航する中、警察には問い合わせが相次いだ。


亡くなった元会社経営者の友人によると、この男性は50歳代。


事業で失敗し、巨額の借金を抱えていた。


決まった住居で暮らしていた時期もあったが、借金苦から、放火された個室ビデオ店を住まいにしていた。


『午後11時以降なら料金が安い』


と話していた。


『自己破産してすっきりしたらどうか?』


と友人は持ちかけたが、男性は


『借金の保証人になってくれた人に迷惑がかかるといけない』


と取り合わなかったという。


男性は2年前から、大阪市浪速区の訪問介護会社に勤務。


同僚は

『まじめでよく働いてくれていた』

と話す。


ホームヘルパー2級の資格を持ち、十数人いるヘルパーの中で貴重な戦力だった。


『3年したら介護福祉士の資格を取る』


と話し、介護支援専門員(ケアマネジャー)を目指していたという。


放火された1日。男性は朝から大阪市西区のお年寄りを訪問する予定だった。


お年寄り宅から


『まだ来ていない』


と会社に電話があった。


まもなく、同僚の携帯電話に警察から男性の身元の確認を求める連絡が入った。


現場に同僚の電話番号を書いた所持品が残っていたという。


会社は男性の遺族の連絡先を把握していなかった。


たまたま男性の友人から

『彼と昨日一緒に飲んでいたが、大丈夫か?』


と電話が入り、遺族の連絡先を知った。


同僚は

『とにかく浪速署に行ってください』

と、遺族に伝えたという。


犠牲者の遺体が搬送された大阪府警浪速署には、約10組の人たちが身元の確認に訪れた。


同署を出てきた人のなかにはハンカチを顔にあてて涙し、うつむく姿がみられた。


報道関係者の問いかけに

『話すことはありません』

と足早に立ち去った。


府警によると、死亡した男性客15人のうち、運転免許証など身元がわかるものを所持していたのは半数以下で、確認に手間取っているという。


府警は1日夜、4人の身元確認が終わったことを明らかにしたが、この元会社経営者はまだ含まれていなかった。

15人死亡火災『生きていくのが嫌になった』殺人・放火容疑の男

1日午前2時55分ごろ、大阪市浪速区難波中3丁目の7階建て雑居ビル「檜(ひのき)ビル」1階の個室ビデオ店「試写室キャッツなんば店」付近から出火、大阪市消防局によると、店舗約220平方メートルのうち約40平方メートルが焼け、利用客の男性15人が死亡、女性1人を含む10人が負傷し、うち1人が重体、2人が重傷という。

火元とみられる部屋の利用客が放火を認めたとして、大阪府警は同日、殺人と殺人未遂、現住建造物等放火の疑いで逮捕した。

今後、「店側の業務上過失致死傷容疑」についても捜査を進める。


府警捜査1課は浪速署に捜査本部を設置した。


捜査本部によると、逮捕されたのは

大阪府東大阪市加納7丁目

無職

小川和弘容疑者(46)


小川容疑者は

「生きていくのが嫌になった」

「店のティッシュペーパーに火をつけ、バッグの中の新聞紙や下着に燃え移らせた。こんな所で火をつけたらほかの人が死ぬのはわかっていた」


などと供述しているといい、捜査本部は

『未必の故意』

による殺人と殺人未遂容疑が成り立つと判断したとみられる。



捜査本部によると、小川容疑者は、同日午前1時半ごろ、友人とともに入店。


関係者によると、小川容疑者は出火直後、自ら


『水をくれ。火が出ている。やばい』

などと言ってカウンターにいた店員に助けを求めたが、火の勢いで部屋には戻れず、逃げたという。


午前4時前、現場付近で浪速署員が小川容疑者に声をかけたところ

『ごめんなさい』

と謝り

『たばこに火をつけたら煙が出た』


と震えながら話したという。


不審に思った署員が任意同行を求めて同署で事情聴取したところ

『火をつけた後煙が充満し、怖くなった』


などと話し、放火を認めたという。


捜査本部などによると、キャッツなんば店には、個室が32室あり、各室は2平方メートルほどの大きさで、ソファやテレビ、DVDデッキが置いてある。


死亡者の大半はやけどの程度が軽いことから、捜査本部は一酸化炭素(CO)中毒で死亡したとみている。


個室のあるスペースへの出入り口は1カ所で、死亡者のうち11人は個室内で、4人は通路で発見された。


いずれも出入り口から離れた位置で見つかっており、窓がなく密閉された店内に煙が一気に充満したため、逃げ遅れたとみられる。


捜査本部によると、けが人は32~77歳の男性9人と51歳の女性1人で、女性を含む3人は同店の外で煙を吸うなどしたという。


出火当時、同店の個室は32室中26室が埋まっており、店長と従業員の計3人が勤務していた。


現場は南海難波駅から西へ約100メートルの雑居ビルが並ぶ繁華街。
     ◇

〈未必の故意〉 確定的に犯罪を行おうとするのではないが、結果的に犯罪行為になってもかまわないと思って犯行に及ぶ際の容疑者の心理状態。殺人事件の場合、明確な殺意がなくても、相手が死ぬ危険性を認識していれば、故意として殺人罪が適用される。