ロストレイル開発ブログ -4ページ目

工事中のターミナルより

すみません、今週の「アリオの冒険」は作者取材のため(嘘)休載とさせていただきます。

ロストレイルの開発作業はいよいよ大変なことになって参りました。
銀幕運営中は、次回作があるとすれば、システムはそのままで、データ部分を入れ替えればいいかくらいに思っていたのですが、いざとなると、そういうわけにもいかず、大半をイチからつくりなおさねばならないはめになっております。

8月の開発進行状況を見て、開始時期の見通しが立つと思いますので、わかりしだい、おしらせさせていただきますね。

システム面では、シナリオの参加方式、イラストやプライベートノベルのオファー方式、掲示板の形式など、いろいろリニューアルされる予定です。将来的には、シナリオとプライベートノベルの中間的なコンテンツなども検討中です(たとえば、未開のジャングルに覆われた世界で、PCさんが「探検の計画」を申請すると、それにもとづいて「専用のシナリオ」が公開され、その結果如何で未開地の開拓が進んでいく……というようなものを考えています)。

ロストレイルはコンセプトとして、少なくとも初期のうちは銀幕ほど単一のメインストーリーを打ち出していかない方針です。いくつもの異世界それぞれのストーリーが独立並行して進行するイメージです。

そもそもPBWでは、世界内のすべての情報を把握することは不可能なので、そんなことをしなくても楽しめるように設計されているものです。『銀幕★輪舞曲』でも、多数のシナリオに散らばった伏線や情報をすべて収集することは難しく(だって普通に考えて全部のノベルを読むなんて不可能ですよね?)、そうしなくてもストーリー進行には差し支えがありません。逆に、「やりこみ要素」として、「そうした情報を探し集めていく楽しみ」があるわけです(なので流れを追うためのあらすじ以上のまとめページがあえて作られていません)。

ロストレイルでは、さらに意図的に、バラバラにストーリーが進行しますので、自分が興味のある世界のストーリーだけを追っていくようなプレイスタイルを推奨としました。しかし時には、ひとつの世界に端を発した事件が、ゲーム全体を巻き込む大事件に発展することもあるかもしれず、そんな場合は総力を決した大作戦(全体イベント)が起こります。そうした大作戦の際には、普段は単なる移動手段であるロストレイルを「戦力」として投入することから、これをトレイン・ウォー(仮)と称する――などというのを考えております。


……ちょっと散漫な語りになってしまいましたが、今回はここまで。
やや力尽き気味の更新でごめんなさい。

次回はいよいよアリオが『世界図書館』に到着します。

更新予定は8月3日。
それでは、また。

質問箱:その3~トラベルギアの特殊な設定はどこまで可能?

Q&Aカテゴリの記事は、ご質問にお答えするコーナーです。今回はトラベルギア大会!

Q:トラベルギアに攻撃以外の特殊能力はないということですが、「攻撃に使用できる特殊能力」はどうでしょうか。たとえば「炎をまとった剣」「直撃するとその部位が氷結する銃」などです。

A:可能です。ただし戦闘の場面以外では使えないと思っておいて下さい。

==(補足)==

以下、もうすこし詳細に補足しますが、すこし頭の痛くなりそうなロジックですので、気力のある方だけお読みください。

「炎をまとった剣」「直撃するとその部位が氷結する銃」などは設定としては可能です。

しかし、その剣で「焚き火の火をつける」「川を凍らせて渡る」といったことはできない(戦闘ではないので)ということになります。なぜできないのか、なんだかヘンな気もするかもしれませんが、一応、ワールド的な設定ではトラベルギアは「戦う意思」を力に変えているので、攻撃以外には威力を発揮しないと考えます。

ただし、「炎をまとった剣」のトラベルギアが「炎をまとっていない剣」のトラベルギアより「強い」ということにはなりません。局面によっては、「強いかのような描写」が行われる可能性はあります(たとえば氷の彫像が動き出した敵に、炎の剣が効いた!的な)。

また、「直撃するとその部位が氷結する銃」で、「敵の足を床に凍りつかせて足止めする、という行動」は行えません(「特殊能力は持たない」ルールにより)。「敵の足が床に凍りついて足止めされたところ、別の攻撃がヒットして相手にダメージを与えることができた、という描写」は行われます(「ダメージを与える際のエフェクトは自由」ルールにより)。

難しく考えだすと混乱しそうですが、「最終的な結果が『相手を殴った』のと同じことになる」ような特殊能力はOKと考えるといいかもしれません。「敵の足が床に凍りついて足止めされたところ、別の攻撃がヒットして相手にダメージを与えることができた」のと「相手を殴った」のは結果だけみれば同じです。ですが「敵の足を床に凍りつかせて足止めし、傷つけずに捕縛した」のは「相手を殴った」のは違う結果です。

戦闘という文脈の中で、「敵を攻撃する行為」だと解釈できるものであれば、特殊能力は「エフェクト」の範疇になりますので、「シール型のトラベルギア。物体に貼りつけると対象が2つに分裂する。シールを剥がすと分かれていたものがひとつに戻り、同時に破壊される」といった複雑なものも可能です。最後の「破壊される」ところまでがひとまとりの「攻撃」と解釈できるので、それによってダメージを与えることができます。「物体を分裂させる能力」を他のことには使えません。一連の効果がすべて「相手にダメージを与えた」という現象の「視覚的な演出」になります。

「籠手型のトラベルギア。殴った箇所にジッパーがつく」というのも可能です。ジッパーは相手に与えるダメージと一切関係なく、戦闘にも役立ちません。この効果を戦闘時以外には使用できません。が、そのようなエフェクトだけなら可能です。

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Q:「人形に取り憑いた幽霊」というツーリストのキャラを考えていたのですが、トラベルギアをその人形に設定することは可能ですか? 日常行動では人形として喋ったり動いたりすると思うのですが……。

A:面白いキャラクターですね。ぜひ可能としたいところですが、正直申し上げてややあやしいので、今、あまり煮詰めていただかないほうが無難です。運営開始をお待ち下さい。

==(補足)==

「品物に取り憑く能力を持つ幽霊」が、トラベルギアに取り憑いているのは今のところ問題ないように思われます。ただ、トラベルギアは「ロストレイルに乗る旅客となった際に支給されるもの」ですので、その点だけおさえていただければと思います。つまりそれはもといた世界で取り憑いていた人形ではないということです(なぜか偶然まったく同じ形であることはあるかもしれません)。

ところで、「品物に取り憑く能力を持つ幽霊が、トラベルギアに取り憑いているというキャラクター」(トラベルギア=人形=本人)ではなく、「品物に取り憑く能力を持つ幽霊が取り憑いているトラベルギアを持つキャラクター」(トラベルギア=人形≠本人)は、どうでしょうか。

前者をよしとするなら、後者を排除する世界観上の設定を見出せないのですが、運営的には後者は避けたい状況です。そもそもトラベルギアとかかわりなく「本人から独立して存在する人格を含むキャラクター設定」(喋るペットなど)は、運営的にはさまざまな問題を含んでおり、本当は禁止するのが運営上は好ましいのです。しかしながら、「プレイヤーさん的に人気の設定」であることから、認めたいところでもあり、このあたり、なにかよい落としどころを考えたいと思います。

……などという事情もあるので、ご質問のケースについても、それ単体では問題なくとも、整合性をとるため、運営開始時点ではやっぱりNGになっている可能性がありますことをご了承ください。

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Q:「先祖伝来の家宝の日本刀」をトラベルギアに設定することは可能ですか?

A:ごめんなさい、これはできないんです。トラベルギアは「ロストレイルに乗る旅客となった際に支給されるもの」です。しかし、別品なのに先祖伝来の家宝となぜか偶然まったく同じ形の日本刀であることはあるかもしれません。


駅前で会いましょう

すべての世界群の基点となる「0世界」、そしてロストレイルの発着地点<ターミナル>。

『銀幕★輪舞曲』では、銀幕市という街が物語の舞台となり、同時に、ゲームサイト自体、「銀幕市の街の見立て」として構成されていました(「イラストのコーナー」→「スタジオ」とかですね)。ロストレイルでは、これが<ターミナル>になります。

ロストナンバーであるPCさんたちは、<ターミナル>を拠点として生活することになり(コンダクターの人は壱番世界に拠点を置くこともできます)、掲示板コンテンツなども初期時点では原則として<ターミナル>内のどこかという体裁になると思われます。

ただし、冒険(シナリオ)の舞台は、逆に、ほとんどが<ターミナル>から旅立って異世界へ出かけた先で行います。当初は0世界とかかわりの深い「代表的な異世界」で。ゲームが進行すれば新しい異世界への路線ができて、新しい冒険の場が広がっていきます。時には<ターミナル>内部やロストレイルの車上で事件が起きることも、まれにはあるかもしれません。異世界へ赴き、任務を完了して帰還する、というのがひとつの冒険の流れとなりますが、状況によっては、長期間、特定の異世界に滞在して継続して任務を行う特殊部隊などが結成される可能性もあります。

アリオの冒険:4で、アリオが名前は思い出せていませんが、<ターミナル>に似ている、と思ったのはフランスのモン・サン=ミシェルです。同地よりは<ターミナル>のほうがずっと大きく、ヴァチカン程度の都市にはなっています。町並みはおおむねヨーロッパ調ですが、さまざまな異世界からやってきた人が暮らしているので、路地裏には赤ちょうちんのおでん屋が営業していたりするかもしれません。


……ちょっと短いですが、本日はここまで。
トラベルギアについていくつかご質問が届いていますので、明日、回答したいと思います。

開発ノートの次回定期更新は27日の予定です。

アリオの冒険:4

『まもなく「0世界」。<ターミナル>に到着します』

 アナウンスとともに、窓の外の風景が変わった。
 明るさに目をしばたきながら、おれが外へ目をやれば、空には地球と同じ青空が広がっている。
「すげ……」
 そして下方は、どこまでもどこまでも、永遠に続く地平線――それも土の地面ではなく、白と黒の市松模様の、チェス盤みたいな床が広がっているのだ。
 そのチェス盤の上空をロストレイルは飛んでいたのだが、しだいのその高度が下がっていく。そして旋回する列車の前方に、その<街>があった。
 なにかで見たことがある……、そんな気がした。
 どこか外国で、海の上の小さな島に建つ修道院で、世界遺産になっていた場所があったと思うが、それに似ていた。
 とにかく、チェス盤の地平に忽然と、小山のような<都市>が築かれているのである。こんもりした山の斜面に建物を密集させたような感じだったが、チェス盤の地平線には他に山らしきものは一切見えず、風景の違いはここだけだ。
 その<都市>の中腹へ、ロストレイルの線路が突き刺さるように伸び、列車が導かれてゆく。

『長らくのご乗車お疲れ様でした。<ターミナル>に到着します。お忘れ物のないよう、ご注意下さい』

 なるほど、ここが<ターミナル>。この列車の不思議な旅の終点というわけだ。
 列車が滑り込んだプラットフォームは、これもヨーロッパ風のたたずまいだった。
 湾曲した高い天井はガラス張りで、構内は明るい。10以上のプラットフォームが並ぶ、大きな駅だった。
 そこに――さまざまな風体の旅客たちが行きかっているのを、おれは見た。
「……」
 もう驚かないぞ、と思っていたが、やはりそれは不思議な光景だ。
 背中に翼をもつもの、直立したドラゴンのような人、時代劇から出てきたような和装の人物、RPGそのものの剣士のような人……、それに混じって、スーツ姿のサラリーマンみたいな人まで歩いているから面食らってしまう。
 おれは改札へ向かった。
 そこに、さっきの<車掌さん>がいた。
 いや……、別人だったのかもしれないが、見たところまったく同じ姿の人がいる。
「あの――」
 からっぽのパスホルダーを見せると、しかし、ゼスチャーで通っていいと云ってくれた。

 改札を抜けて石畳の上をすこし歩けば、駅前には広場があって、ここにもさまざまな人々が集っていた。
 町並みは、ヨーロッパのどこかの町、といった感じだ。
 その家々のあいだを、市電みたいなちいさな一両だけの列車が(あれ、一両だけだと列車って言わないのかな?)通っていて、どうやらこれが街の交通手段らしい。自動車はどこにも見当たらなかった。
「あの、すいません」
 おれは、傍に立っている人に話しかける。
 なるべく「普通の人間に見える人」に話しかけたつもりだったが……たしかに異形なところはどこにもないが、そのかわりちょっとこわもての男の人だった。長身のがっしりした体格の人だ。なんだ?と返される視線に思わずたじろぐ。
「アリッサって人、知ってますか?」
 おれは訊いた。
 ――着いた駅でアリッサをたずねて。
 彼女はそう言ったのだ。
「……。あのアリッサのことか」
「知ってるんですか!?」
「図書館に行ったらどうだ」
「え?」
 男の人が指さす方角へ、おれは視線をめぐらす。
 この街はわりと急な斜面に建っていることは述べたとおりだが、それはたぶん都市の頂点にあたる場所だった。山でいえば頂上だ。そこに、丸いドーム型の屋根を持つ大きな建物が見える。
「ごめん、待った!?」
「遅い」
「行き先がブルーインブルーでしょ。支度をしてたの」
「もう列車が出るぞ」
 そのとき、男の人の連れらしい女の人が駆けてきて、ふたりはさっさと改札へ歩きだして行ってしまった。
 見送るおれは、男の人の幅広い肩のうえに、奇妙な生き物が乗っているのを目にする。なんだろう、あれ。フクロウに似ているが、鳥だろうか。そいつが、くるりと振り返って、丸い目でおれを見た。

「……さて」
 おれはもう一度、遠くの建物を見遣る。
 次の目的地は決まった。
 あの場所まで、歩いていけるだろうか。それともあの市電みたいなもの、このパスホルダーで乗れるんだろうか。とにかく、歩きだしてみよう。おれの冒険は、始まったばかりだ。

さあ、武器をとれ!

もうちょっと進めたかったのですが、思ったより字数を食ってしまったアリオの冒険:3話です。

最後でロストレイルが飛び出したのは「ディラックの空」。世界群の外側です。宇宙のように見えますが、宇宙ではなく、すべての世界の完全な果て、という設定になっております。世界群は以前にもお話したように「階層構造」をもっています。するとその世界間の移動は「上下運動」になるわけで、なおかつ、「世界の外側」を上下に運行するなら、その移動の軌跡は「螺旋」を描くことになるだろう――というのが螺旋特急という語の由来なのでした。

えー……
アリオが<ターミナル>に着いたらその話を書こうと思っていたんですが、次回持ち越しになったので、なにか別のネタを……と思いつつ、なにを書けばよいか、迷います。設定にせよシステムにせよ、ちょうど今が最終決定局面にあるため、あまりヘタなことを言えないタイミングだったりするのでした。

そもそも「開発ブログ」ってどういうことを書くもんなんでしょうか?(今さら)
そんな根本的な疑問にとらわれたりもしながら、キャラクターメイキングのお話をすこし続けましょうか。

 *

今からキャラクターを考えてもらうのは、気が早いのは間違いないですが、しかし、RPGでいちばん楽しいのはキャラクターメイキングだとも言います。まだお話していない、キャラ作成に重要な要素としては「トラベルギア」があります。

トラベルギアは一言で言えばロストナンバーたちが持つ武器。
危険な場所へ出かけることも多いロストナンバーは、全員が、ひとりにひとつずつ、トラベルギアを所有しています。これにより、コンダクターも遜色なく戦うことができ、ツーリストは――実はかれらの異世界での力を制限しているのもこのトラベルギアなのですが、それゆえ、誰にとってもトラベルギアが最大の武器となります。

トラベルギアは戦いに使用する以外の特別な効果などは持ちませんが(そういうベンリ機能はツーリストたちの特殊能力に助けてもらいましょう)、パスホルダーに魔法的に収納されるため、どこへでも携帯できますし、通常の方法では破損もしません。

そしてトラベルギアの形状は、「本人にとってなじみ深いもの」であれば、どのような形状のものも存在しうるというのがトラベルギアの特徴です。武器ではありますが、形状は「剣」や「斧」あるいは「銃」といった、もとから武器であるものから、「指輪」「携帯電話」「ティーカップ」「鳥籠」「くまのぬいぐるみ」などでも構いません。

えっ、「ティーカップ」でどうやって戦うかって?
それはプレイヤーのあなたが考えることです。カッコイイ戦いのエフェクトを考えてあげてください。

<参考:トラベルギアのルール(変更の可能性あります)
・ひとりひとつしか所有できません。
・ただし「カップとソーサー」などセットであるものはセットでひとつと解釈します。また「矢」「弾丸」など使用に必要な消耗品は無尽蔵に出現します。
・攻撃以外の特殊能力は持ちません。
・その品物の本来の用途には使用できます。
・他人のトラベルギアは戦闘に使用できません(本来の用途には使用できます)。
・容積が「旅行カバンひとつぶん」に収まらないものは不可です。
・生物は不可です。
・攻撃方法やエフェクトは自由に設定できますが、演出以上の特別な有利不利が原則として発生しません(WRの判断でノベルの展開につながることはあります)。

ちなみにアリッサのトラベルギアは「日傘」です。
アリオのは……さて、何になるでしょうか?

 *

本日はここまで。

次回更新は7月20日の予定です。ご感想やご質問などもお待ちしておりますのでよろしくお願いします。