シンガポールからバタム島までフェリーで約40分。フェリーはビンタン島行きよりも古くて遅いので、船酔いの激しい私はいつもノックアウトされている。

低血圧だと余計に船酔いするので、朝イチにジムで一時間のランをした。
起床時間から時間が経てば経つほど低血圧は改善されるので、今日の用意周到な私の動きは完璧だった。


フェリーターミナルまでの車内でもさほど酔うことがなく、少々荒れ模様の海をはしるフェリーは、TDLのカリブの海賊程度の揺れ(最後の方?少し落ちるところ・笑)がずっと続いたのだが、何とか船酔いを逃れることができた。


以前フェリーターミナルで酔い止めの薬を購入して飲んだことがあったのだが、海外の薬が私には合わなかったらしく、船酔い以上の悪感に襲われ散々な思いをしたことがあった。
それ以来、色々な船酔い防止方法を試してきたが、やはり一番効いたのが、フェリー出発四時間前には起床するということ。

ゴルフは朝行動が基本なのでゴルフ前日は気合いを入れて目覚ましをセットしまくるようにしている。


それでも正直、船の揺れには全く慣れない。
周りには車酔いをする人も船酔いをする人も居ないので、

「んなもん慣れでしかないよ~。」

「気持ちを強く持て!」

「地震でも酔うなんて聞いたことないよ(笑)」

なんて軽くあしらわる始末。
でもね、こればかりは生まれつきなところがあるので治したくても難しいのですよ。


乗り物酔いは遺伝すると良く聞くが、母は乗り物酔いを全くしない人。
父は水産高校卒で船舶の国家資格を持つものの、酷い船酔いをするため仕事には結びつけることができなかったという残念な人。

水産高校には、船でハワイに2ヶ月行くという研修があるらしいのだが、あまりの船酔いに体重は10kg近く減り、その時の写真が数枚残っているのだが、一枚たりとも笑顔の写真がなかったほど。

「あの時は苦しすぎて、海に嘔吐しながら身をも投げたしたくなったもんだ。」
当時を思い出しながら話す父は、今でもその苦しさが忘れられないという様子で顔をしかめていた。


「船酔いだなんて、全くわからないわ~神経が細い人は災難ね。」

いつも暢気な母の発言に父と私は口を揃えて、

「私らは神経のズ太いお母さんと違ってデリケートなんじゃ!」

と罵倒するも、母には効くわけもなく(笑)私は性格もスキンカラ-も、乗り物酔いまで父の遺伝子を受け継いでしまったらしい(汗)



いつもはゴルフクラブに着くなり、アザリさん(キャディーのおっさん)がビッグスマイルで駆け寄ってきてくれるのに、この日に限って姿が見えない。
「おかしいな?」
と思いつつ、更衣室へ入ると、コリアンのゴルフツアー客がわんさか入っていた。
ざっと数えて男女合わせて40人以上。
最近著しくインドネシアにコリアンのゴルフプレイアーが流れ込んでいるのだけど、何故だろう?

一説には、今の時期の韓国は日本の青森くらいの気温なので、暑い国に流れているのだとか。

「これだけプレイヤーがいたら、アザリさんは既にキャディーの仕事に出てしまっているのかな?」


そう思いながらゴルフクラブの用意されたバギーへ向かうと、やはりアザリさんの姿はなく、初めてお目見えするキャディーだった。

「キャディーのアザリさんはいないの?」

別のキャディーに尋ねると、

「アザリは病気で1ヶ月の休みをとっているんだよ。背中に血が溜まってしまう病気らしくて、手術するしか完治する方法はないそうだ。」


このキャディーはムリヤニさんと言う方で、アザリさんと同じキャディー養成学校に通っていた大親友だそうだ。

「手術が必要って、どれくらい費用がかかるの?」

ムリヤニさんは少し顔をしかめ、「シンドルでざっと3000だそうだ。俺たちみたいな仕事では払える額じゃないよ。」


日本円に換算すると約20万円、彼等のような仕事では保険というものにも入ることができないだろうから、全て実費なのだろう。


彼等のキャディーの収入は全てチップの歩合制なのだと言われている。
平均的なチップはS$20、そこから6割をゴルフクラブに取られるので、一回の仕事の収入はわずかS$8になるらしい。

日本円に換算すると、約500円。
インドネシアの平均月収は8000円だと言われているので、1ヶ月に20日間働いて、最低一組のゴルフプレイヤーが平均的なチップをくれたとすると、月収は約1万円となり、インドネシアの平均月収よりはやや高収入の仕事になるそうだ。


それにしても、手術費が日本円にして20万円ともなると約20ヵ月分の医療費となると用意に支払うことができる人はいないだろう。

日本人に例えると、日本人の平均月収が25万円だとしたら実費で約500万円の手術に相当する。


残念ながら、私の英語力では病名など詳しいことを聞くことはできなかったが、とにかく彼が心配だ。

「俺が今日、アイツの容態を見てくるよ。俺は明日もキャディーをしているからどんな様子だったか教える。」

ムリヤニさんは全く日本語が話せないので、英語での会話が続いた。


彼等は特に習ったわけではないのに、日常会話くらいの英語はパーフェクト。
私は四大を出るまでの間、必須科目で英語を習う期間が十分にあったのにほとんど話すことができない。


先進国でこれほど英語を話すことができない民族は日本人だけだ。
日本より遥かに経済が発達していない国の人でさえ、これだけ英語を話すことができるのだから、つくずく日本の教育には疑問を抱いてしまう。


日本はインターナショナルだなんだと言いつつ、閉鎖的でそれについて危機感を持たなすぎなんだな…。


日本から出てみると、本当に色々なことが見えてくる。
多分、色々な国を観光するくらいでは見えてはこないことだろう。



この日の天候は晴天→大雨→強風と、なかなかの荒れ模様で、風でティーからゴルフボールが飛んでいってしまうほどだった。

天候のせいにするのも何だが、スコアはソーバッド!!
日本であの天候だったらプレイは間違いなく中止だろう。
バケツをひっくり返したような雨の中、滝業しているかのように全身に雨を浴びた(笑)


自他共に認める雨女は雨が降るほど調子がよくなるというジンクスがあったのに…この日のスコアには全く結び付かなかった。

ゴルフは精神競技であるから、全ホールを回るまで心が折れないようにしないと上手くいかない。
まあ、精神虚弱な私にはもってこいのスポーツなのでこれからもめげずに続けてみますわ~。
11月始めに行ったきり、バタム島のカントリークラブのキャディーのおっちゃん、通称私のレッスンプロ(笑)に会っていない。

人づてに、「最近あの娘は来ないけど、どーした?」と私を気にかけてくれていたと聞いて、やけに会いたくなった。

あのおやじさんはフェリーターミナルから送迎バスに乗って来る私等を見つけると、ブンブン手を振りながら駆け寄ってきて、最高のビックスマイルで出迎えてくれる。

キャディー業も抜かりなく、ボールがどんな方向へ飛んで行こうが『アイキャンシー!』、ジャングルや池に迷い込んでも、抜群の視力で大抵のボールを見つけ出してくれる。
多分、本当に視力5.0くらいは余裕であるのだろう。

自分でやらなければならないファーストショットのボールの置き場所も指定してくれて、スイングの練習もいくらでも付き合ってくれる。
時には鬼コーチになって、全ホールプレイ後にパターやピッチングを上手く出来るまで教え込んでくれ、ミラクルショットをカマした時には私以上に喜び、プレイヤーと共にゴルフを楽しんでくれるプロでもある。

キャディーの仕事は体力勝負のサービス業なので、キャディーさんのモチベーションの有無がとても重要になってくる。

やっぱりプレイヤーに対する色々な心配りが必要で、その日のキャディーさんによってプレイヤーの気分も十二分に左右されると思う。


ビンタン島でも何度かゴルフをしたことがあるのだが、指名キャディー開拓中な私等には毎度様々なタイプのキャディーさんが付いてくれる。

新米のフレッシュなキャディーさんが付いてくれた時は、19才という年齢+みてくれの可愛らしさが邪魔して、キャディー業をミスろうが
「君はバギーの後ろで笑っていてくれればいいよ。(あたしゃオヤジか?笑)」
てなスタンスになってしまい、キャディーの仕事の半分は自ら進んでやっちゃった…(汗)という始末。


そのゴルフクラブに勤続5年目だというベテランキャディーさんが付いた時は、カタコトの日本語が話せる人だったのでコミュニケーションをとろうとこちらから話掛けても、無口で無愛想。プレイヤーのペースをそっちのけで勝手にゴルフを進行させる始末。とても気分が悪くなるキャディーだった。


しかしベテランキャディーが全てそうだとは限らない。同じく勤続6年目のベテランキャディーさんはカタコトの日本語と英語で沢山コミュニケーションをとってくれた。
バタム島のおやじさん並みにOBボールを探してくれたり、あまりバギーにも乗らず、ゴルフクラブやボールを持ちながらコースを走り回って私達の一打一打を見守ってくれた。
まだまだ下手っぴな私にスイングをレクチャーしてくれたり、私達と共に一喜一憂してくれた。


そちらのゴルフクラブにはキャディーの満足度投票箱があって、多く票を集めたキャディーはゴルフクラブ側から何らかの優遇を受けられるようになっていた。
彼女は仕事のモチベーションが高く、キャディーに付かせてもらったプレイヤー皆に積極的に名刺を渡し、「投票箱に清き一票をヨロシクね!」てな感じで営業にも熱を注いでいた。
こちらは十分に楽しませて頂いたので、キャディーの満足度は満点!
もちろん投票箱のグレイト!に票を入れてきた。

「ありがとね!シスター!」

最初はマダムだとか言っていたのに、いつの間にか私はシスター呼ばわり(笑)。でも、何だかその親近感が結構嬉しかったりするのよね。

私がクラブハウスに戻るまでも、あのおやじさんのようなありったけのビッグスマイルを振りまいてくれた。

「シスター、明日も来ちゃいなよ!」

インドネシア人に良くみられる、おおらかでラフすぎるそのスタンスが私は大好きだ。
日本人なら誰しもが必ず癒され、元気を貰えるだろう。


そういえば以前、知人の友達のインドネシア人に『ストレス』って知ってるか?と尋ねたことがあった。
最初は「??。」だった彼だけど、それは私達の単語の発音が悪かっただけらしく(汗)、

「ああ、ストレスね。知ってるとも。言葉に出すことは特に無いけど、やっぱり仕事が忙しい時にはストレスを感じるさ。」


そうかそうか、こんなに緩やかそうに見える国で産まれ育ってもストレスを感じてしまうのか…。

彼等はまだ、自殺者が世界一多い日本国のように、『感じなくて良いこと』を感じている様子はないにせよ、これからの世の中、今まで発展途上国だと思われていた国が著しい発展を私等に見せつける時はそう遠い未来ではないことは確かだ。

そんな未来の彼等には、今の私達のような悲観的な心を持ってほしくない。
彼等には今のような『心の余裕』を持ち続けてほしいな…

なんて勝手な想いを巡らせながら、今日はあのおやじさんに会いに行く予定だ。

「社会人たるもの、ゴルフはスポーツではなく『接待』という名のビジネスと思え。」

上記のこと、日本のほとんどのビジネスマンなら一度は経験していることなのでは?
ちと強引な心得だと思ったけれど、強ち間違いではない。
特に営業職であれば、昼=ゴルフ、夜=お姉ちゃんのいる呑み屋が鉄板の接待コースでしょ。
(ビジネスウーマンにはまず舞い込まない仕事だろうけど)私はゴルフを身に付ければどちらの接待もドンと来いだわ!(あ、失言?・笑)

そもそも、インドネシアの小さな島に『接待』って言葉は存在するのだろうか?いくら英語が話せるおやじさんでも、『接待』って単語を知っているのかな?

試しに今日、聞いてみるとしよう。
シンガポールで一番ブランドの品揃えが良い百貨店=高島屋

だったのはつい数月前の話。現在は品揃えで言ったらIONの方が勝っているだろう。

しかし、この国は国土が小さくシティーも狭いため、高級ブランド物のストックはほとんど無いのだそう。
「現品のみです」
なんてことも珍しくないのだとか。

そういえばIONの上はオフィスビルだと思っていたのだけど、住居にしている人も沢山いるらしい。
階数によりけりだろうが、五億はくだらないそうだ。ひょえ~!!

しかもこの国は不動産の値が下がることはほとんどないらしい。
(土地は国のものであり、購入が不可。理由は国土が小さいため、国ごと買収されないためだそう。)


IONにはローカルなホーカーズが苦手だという日本人にも馴染みやすい綺麗なホーカーズもあるのでオススメ。
ION中のその他のレストランは私自身まだ未開拓なのだが、高島屋にあるクリスタルジェイドには一度行ってみたいなと思っている。

クリスタルジェイドの姉妹店(チャンギ空港内やパークウェイにもある)にはちょいちょい行くのだが、本家本元にはまだ行ったことがないからだ。

その他、日本人が喜ぶ飲食店といえば寿司屋の『青木』。
築地から毎朝空輸される新鮮な魚がいただけるとあって、ディナーで1人あたり5万はするのだとか!
もちろん私は行ったこともなければ場所すらイマイチ把握出来ていないのだが、ANAの東京→シンガポール片道の航空券が買えるくらいの値段の寿司なら、日本に帰国したときに美味しくて手頃な寿司を食べるで十分である。
ま、そんな高級なお店なのだから店からしてもイチゲンさんの小娘なんてノーサンキュー!だろうけど(笑)


シンガポールは和洋中のレストランならばいくらでも存在するのだけど、やはりその中でも日本人の舌に合う店を見つけるには、口コミの評価云々よりも、自ら色々と調べて挑戦していかないとダメダメなのだなぁ…と痛感することがよくある。


シンガポールは大抵、高いものならまともな食べ物がでてくるので、外食でケチると痛い目をみることも少なくない。
イコール、街に出れば美味しい店もそれなりに存在する。
私はまだこちらで美味しいフレンチをいただいたことがないので、これから開拓したいと思っている。
同じく、イタリアンももう少し行き付けのお店を増やしたいところなのだが、結局のところ明治屋さんで良い食材を購入し、自炊で自分の好きな料理を作る方が好きかもしれない(笑)

ちなみに、明治屋さんの富士フィルム隣りにあるパン屋はとてもまともだと思う。
こちらは気候のせい?安いホーカーズがあるから?か、美味しい調理パンがなかなかないのだけど、こちらのパンは美味しくいただけるものばかりだった。



あらら、話がかなり脱線してしまった。
話をだい~ぶ元に戻すと、高島屋とIONは日本の百貨店なのだから、もっと日本にあるようなファッションのテナントを増やしたり、シンガポールに無いけれどこちらで通用するかもしれないショップなど、色々試してみたら良いのになぁと感じてならない。

私の希望としては、こちらのような、あり得ないくらい安~いペナペナの生地のセンスの無いランジェリーや部屋着のショップに喝を入れるように、今日本で流行っているようなルームウエアの店舗を構えてみたり、日本の若者にはとても有名なブランドばかりを展開するバロックにシンガポールへ参戦していただきたいと思う。

今や若者にはこの国でも『安くて可愛い』が当たり前なので、日本でもメジャーになったフォーエバー21やザラが店舗を拡大しているのだが、日本人よりも派手な色が好きな人種なのでスライなんかで発売される、日本人には抵抗のあるようなビビットなカラーのワンピースやキャミソールは意外と当たるのではないかな?と思っている。

ま、私個人の希望が強いのだけど(笑)
正直、ザラやトップショップ、フォーエバー21は生地の良し悪しがはっきりと出るので、沢山洗濯してもモ-マンタイな洋服をもっと展開してほしいと願うばかり。
あ、その希望を答えるためにユニクロがシンガポールに参戦してきたのだろうか?(笑)
とにかく、食だけでなくファッションや美容にも力を入れていただけたら、この国はカルチャーの分野で急成長を遂げられるかもしれないし、悲しいかな、多民族が口を揃えて『シンガポーリアンに美男美女などいない』と言われることもなくなるかもしれない?!?!

話がごっちゃごちゃしすぎました(反省)…。