先週の日曜のことです。
家での法事が近づき、家の中の片付けやらお使いとお使いに伴うひまだれ(待ち時間を費やしてしまうこと)が多く過ぎた日でありました。
天候は雨。

お使いに出ての待ち時間。
となりの市の道ばたに赤い胞子さくを伸ばしたコケが雨に濡れて鮮やかでした。
このコケはなんでしょうね。先々週あたりから、コケの図鑑が欲しくってしかたないのですが、お店にはなかなか並んでいないようです。コケもたいへんに興味深い生き物のひとつです。身の回りにある植物、動物たちは気になってしまうとほんとにきりのないものですね。
コケもこれまた種類が多く、おいらにゃなにがなにやら、という世界です。
スギゴケに近いなにかしら・・・かしら。
赤いコケ

こちらもコケですが、形はまるで違っています。
ギンゴケなどはこんなふうになりますね。
ギンゴケみたいなの

こちらはおそらくジョウゴゴケと名の付くなにかしらです。
地衣類 ジョウゴゴケに近いもの

ところがこれはコケ植物ではなくて、地衣類というものの仲間で、藻類と菌類があわさって住処をこしらえた巣みたいなものだそうです。名前はコケと付くんですけれどもね。
ジョウゴ
こんなふうに一部をズームアップして撮るとまるで山の奥の渓谷にでもいるような雰囲気ですが、実はスーパーやホームセンターなどの郊外店の並ぶ道沿いの植え込みの一部でした。
雨のなか、そこにへばりつくようにして撮影している大の大人、これは怪しゅうございます。
でもしょうがないんですね、春ですからね。

天気予報などでよく聞く、「春は周期的に天候が変化し」というフレーズのとおり、先週末の雨から平日になるころには晴れの日へ移り変わり、陽射しと気温はすっかり春、という具合になってきました。
イヌノフグリ

このところは、チョウも見かけるようになってきました。
春の陽射しの中、長い冬を越して暖かさを味わっておるのでしょうか。
キタテハ

う~ん、これはキタテハのようです。
キタテハ雌雄

陽射しの当たる昨年の枯れ草の上に、あちらからひらひら、とまったかと思うと、こちらにひらひら。
キタテハ透過
地面にいると、枯れ草の色合いにすっかり紛れて気が付かないのですが、しばらく草むら全体を見ているといくつものキタテハがいるようでした。

キタテハを見ていた場所の足元の石垣から、こちらの足音に驚いたのかちいさなトカゲが飛び出し、側溝へ落っこちてしまいました。拾い上げたいけれど、そういうときはしっぽを切り離してしまうことがあるので、自力で登らせたほうがよいだろうなと思い、写真だけ撮らせてもらいました。
トカゲ

スズメたちは、日に日ににぎやかに追いかけっこをするようになっています。
スズメ

フクジュソウの咲くところも、だんだんと増えてきました。
フクジュソウ

夕暮れは遅くなり、夕焼けの見える日もかなり多くなりました。
夕暮れ

でもやっぱりフレーズの通りに周期的に変化するもので、今週末はまた冬に逆戻りです。
今朝は吹雪になり、湿った春先の雪が降るのかなと思っていたのにさらっとした冬の雪が舞っていました。
春の進み具合というのはこんな具合だったのですね、なにせわたくし、春は一年ぶりなものですから、すっかり忘れておりました。
もう雪の季節には戻らないのだ、その確信を得る春の朝の瞬間まではもうしばらくかかりそうです。


先週の土曜日、じいさまとのドライブから帰ってから、庭からの周りの鳥たちの様子です。

うちの畑の雪の上にハシボソガラスがやってきていました。
ハシボソガラスは、春に田おこしや代かき、夏に草刈りなどしているとどこからともなく飛んでくるカラスです。クルミを道路で割っていたり、雪の無いところでは冬に田んぼで葉っぱをひっくり返したりしているカラスですね。ぼくにとっては農作業の友、という気持ちです。
ハシボソガラス

なんとなく細身で、凛々しい感じがします。
りりしい

足を、右、左、と交互に歩く(普通に歩くんです)のが多く見られます。
土の上でちいさな虫などを探して歩くのでそんなふうなのでしょうか。
すたすた歩く

もう少し遠くの電線の上にはハシブトガラスがいました。
くちばしと頭のおでこのあたりを比べるとハシボソとはかなり違っています。
ハシブトガラス

おでこがでっぱっていて、くちばしも名前のとおり丈夫そうです。
おしりのほうから撮ったためわかりにくいですが、体つきがハシボソに比べてたくましい感じがします。
ハシブトのおでこ

ハシブトガラスが地面をてくてく歩いたりするのは見た記憶がありません。
木の上などにいて、なにか気になるものを見つけるとそこへ飛んでいくような感じです。
てくてく歩くのでなく両足でぴょんぴょん、と移動するようです。
鳴き声は、カアカア、とカラスらしいのと、アオウアウ、みたいになにかしゃべるような変な声のこともあります。
鳴くときの姿勢
鳴いているときの場所も違っている気がします。ハシボソガラスは地面で胸をふくらますようにして、長めの声でガ~。ハシブトガラスは木の枝や電線などでカアカアカア、しっぽを下げのどを膨らますようです。
どちらもいろんな声で鳴くようなこともあるそうですが、ぼくの見た範囲ではそんな具合でした。

キリの木の枝には、カワラヒワがやってきていました。
雪解けがはじまって、土手の雪がずり落ちて地面が見えてくると幾羽も集まって草の実をついばんでいるのをみかけるようになりました。
カワラヒワのおしり

全体に緑っぽく、翼の一部が黄色いのが目印、と思っています。
カワラヒワ

どこかから、チュン、チュン、チュン、とちいさな声がずっと聞こえるなあと思って双眼鏡で探しているとスギの梢にホオジロがいました。
こないだ書いたカシラダカとは頭の毛の具合とおなかの色合いが違っています。
頬が白い

正面から見るとなんとなくだるまさんのお顔のようですね。
今の時期には高めの木の梢に陣取って、小さな声でずっと鳴いているのをみかけます。
ホオジロ
うちの庭には、これらのほかにもヤマガラやカケスやいろいろやってくるのですが、意外に撮りにくいものでなかなかね。

こないだ茎を伸ばし始めたフクジュソウは花を開いていました。
ひとつの花の寿命が意外に長いフクジュソウです。
朝夕には閉じていて、昼の陽射しのある日に開いています。閉じて開いてするうちに茎は伸び、やがて大きなこんぺいとうのような実のもとだけ残ります。
フクジュソウ

ヤブカンゾウの若い葉もあちらこちらに。これは道沿いにやたらと出てきます。
カンゾウ(甘草)の名のとおりちょこっと甘みがあります。山菜として食べる方もありますが、うちではあまり食べません。
ヤブカンゾウ

というように春が進んでいるのですが、今週末はまた冬に戻る天気図になっています。
寒気も入るようで、850hpaでは朝日連峰周辺をすっぽりと-6℃のライン。ふもとのうちのあたりでも湿った雪になるのでないかと思っています。風も強く、山では吹雪になることでしょう。
かつて、4月の朝日連峰へ、春になったと登って行って吹雪でやられてしまったパーティがいくつもあります。4月は穏やかな日にはふもとではすっかり春、と思っても山ではまだまだ冬にいつでも戻る具合で、そのギャップのゆえに遭難の危険のある季節だと思います。充分にお気をつけて遊ばれて欲しいなと思います。
先週の土曜のことです。
このところ仕事の帰りが遅くなったりするためか、春の暖かさのせいなのか、いつまでも眠っていたい気持ちでしたが、朝の早くから起こされました。
じいさまは数年前に運転免許を返納し、クルマの運転をしなくなりました。
でも雪解けの進むあちらこちらの山あいの集落の様子を見に行きたい気持ちになったようなのです。そんなわけでじいさまと一緒にちょっとだけあちらこちらのドライブに出かけました。

春の沢。
雪の積もった中、沢が開き、水がやや濁りを帯びて流れていきます。
春の沢

雪はまだありますが、これからは減っていく一方ですね。
春爛漫に至る気配をさせています。
沢に水が多い

ここ数年で新しくなった道路や、昨年の夏の崖崩れや、そういったところを見ながらゆっくりと運転していきました。
南東方向の尾根は、見えているのが北斜面で日当たりはよろしくはないのですが、それでも木々の幹の周りから雪が消え始めました。
根開き(ねあき)です。
根開き

道沿いの土手では、土手の肩になっているところから土が見え始めています。
一足早く、春の陽射しを浴び、土の中のつぼみが目を覚ましたのでしょう。
フクジュソウが花を咲かせています。
雪とフクジュソウ

アズマイチゲもいくらか咲き始めました。
キクザキイチゲよりも一足、いえ二足ほど早くに咲き始めるようです。
林床とアズマイチゲ

やや不揃いな花びら(いえ、実はアズマイチゲの花びらに見えるのは花びらでなくガクなんだそうです)は白く、一本ずつあちらこちらに茎を立ち上げて咲いています。
子どものころには雨降り花とも呼んでおり、「摘むと雨が降る」のだとなんとなく信じておりました。
春は周期的に天候が変わりやすいですから、その経験則からの鳩の迷信であるか、それともせっかく春先にいち早く咲く花をありがたく思う故、花摘む子を諌むるに大人がそのように言ったものかわかりません。
アズマイチゲ

山あいの集落をおおかた巡り、すこし街近くの集落へ。
ここ数年で新たに出来た橋を渡り、普段は通らないところからふと西を見ると朝日連峰の大朝日周辺が見えました。
あらまあ、ここからも見えるんだなあと思わぬビュウポイントです。
西に朝日連峰

白い山のうち、手前の尾根の右側が古寺山のあたり、そこから鞍部を左に辿って小朝日岳。
奥に最も高いのが大朝日岳です。よくここに載せる写真の大朝日の周りとは小朝日岳の位置がちょっと違っています。
大朝日岳

家から数キロだけ街の近くへ行っても花の進み具合はかなり違っていますね。
土手にはフクジュソウがたくさん見られすっかり花開いておりました。
フクジュソウ

陽あたりよい斜面は、昨年の枯れ草が陽射しを受け止め空気をほわんと暖めます。
ミツバチもすっかり元気にフクジュソウのおしべの周りを泳ぐようにして花粉を集めていました。
今の時期に飛び回っている働きバチたちは昨年の秋あたりに生まれたものでしょうか。
暖かい季節は初めて過ごすことでしょう。長い冬、こんな暖かな陽射しというものがあるのだなあと信じられない気持ちかもしれません。
ミチバチ

じいさまも満足したようなので、帰宅の途へつきました。クルマの運転はしなくなってから熱心に散歩するじいさまですが、時折は少し遠くの様子も見てみたいかもしれません。物理的な移動というのは脳みその記憶する機能にとって良い刺激になるそうです。

家に帰ってみると、近所のおばあちゃんの家の玄関の小さな屋根の上に、う~む、ダイコンを切り干ししているのでしょうか。
屋根の上に干しもの

このおばあちゃん、冬は凍み大根を作っておりましたが、今度はお日様の恵みを生かしておるのですね。
動物も植物も季節の巡りをよくわかっていて知恵のあることだなあと毎年に認識を改めるものなのですが、いえいえ人だって負けていないのだと思うのでした。