先週の土曜のことです。
このところ仕事の帰りが遅くなったりするためか、春の暖かさのせいなのか、いつまでも眠っていたい気持ちでしたが、朝の早くから起こされました。
じいさまは数年前に運転免許を返納し、クルマの運転をしなくなりました。
でも雪解けの進むあちらこちらの山あいの集落の様子を見に行きたい気持ちになったようなのです。そんなわけでじいさまと一緒にちょっとだけあちらこちらのドライブに出かけました。

春の沢。
雪の積もった中、沢が開き、水がやや濁りを帯びて流れていきます。
春の沢

雪はまだありますが、これからは減っていく一方ですね。
春爛漫に至る気配をさせています。
沢に水が多い

ここ数年で新しくなった道路や、昨年の夏の崖崩れや、そういったところを見ながらゆっくりと運転していきました。
南東方向の尾根は、見えているのが北斜面で日当たりはよろしくはないのですが、それでも木々の幹の周りから雪が消え始めました。
根開き(ねあき)です。
根開き

道沿いの土手では、土手の肩になっているところから土が見え始めています。
一足早く、春の陽射しを浴び、土の中のつぼみが目を覚ましたのでしょう。
フクジュソウが花を咲かせています。
雪とフクジュソウ

アズマイチゲもいくらか咲き始めました。
キクザキイチゲよりも一足、いえ二足ほど早くに咲き始めるようです。
林床とアズマイチゲ

やや不揃いな花びら(いえ、実はアズマイチゲの花びらに見えるのは花びらでなくガクなんだそうです)は白く、一本ずつあちらこちらに茎を立ち上げて咲いています。
子どものころには雨降り花とも呼んでおり、「摘むと雨が降る」のだとなんとなく信じておりました。
春は周期的に天候が変わりやすいですから、その経験則からの鳩の迷信であるか、それともせっかく春先にいち早く咲く花をありがたく思う故、花摘む子を諌むるに大人がそのように言ったものかわかりません。
アズマイチゲ

山あいの集落をおおかた巡り、すこし街近くの集落へ。
ここ数年で新たに出来た橋を渡り、普段は通らないところからふと西を見ると朝日連峰の大朝日周辺が見えました。
あらまあ、ここからも見えるんだなあと思わぬビュウポイントです。
西に朝日連峰

白い山のうち、手前の尾根の右側が古寺山のあたり、そこから鞍部を左に辿って小朝日岳。
奥に最も高いのが大朝日岳です。よくここに載せる写真の大朝日の周りとは小朝日岳の位置がちょっと違っています。
大朝日岳

家から数キロだけ街の近くへ行っても花の進み具合はかなり違っていますね。
土手にはフクジュソウがたくさん見られすっかり花開いておりました。
フクジュソウ

陽あたりよい斜面は、昨年の枯れ草が陽射しを受け止め空気をほわんと暖めます。
ミツバチもすっかり元気にフクジュソウのおしべの周りを泳ぐようにして花粉を集めていました。
今の時期に飛び回っている働きバチたちは昨年の秋あたりに生まれたものでしょうか。
暖かい季節は初めて過ごすことでしょう。長い冬、こんな暖かな陽射しというものがあるのだなあと信じられない気持ちかもしれません。
ミチバチ

じいさまも満足したようなので、帰宅の途へつきました。クルマの運転はしなくなってから熱心に散歩するじいさまですが、時折は少し遠くの様子も見てみたいかもしれません。物理的な移動というのは脳みその記憶する機能にとって良い刺激になるそうです。

家に帰ってみると、近所のおばあちゃんの家の玄関の小さな屋根の上に、う~む、ダイコンを切り干ししているのでしょうか。
屋根の上に干しもの

このおばあちゃん、冬は凍み大根を作っておりましたが、今度はお日様の恵みを生かしておるのですね。
動物も植物も季節の巡りをよくわかっていて知恵のあることだなあと毎年に認識を改めるものなのですが、いえいえ人だって負けていないのだと思うのでした。