さて、昨日、稲刈りをしようと思って日程をとっておりました。土日に出勤のこともありますからね。その代わりです。
ところが、一番と上流側の田んぼがまだ稲刈りできないので、秋の行楽・・・と。

前々から行ってみたかった毛谷明神というお堂があるのでした。
その前に、途中の白鷹山地を通って寄り道をしていく予定です。
白鷹山地は、山形市などのある山形盆地と置賜地方の間に南北に横たわる丘陵部です。
1000mに満たないくらいの山々の連なる、と書きたいところですが、連なってもいないんですね。そのあたりが興味のそそられるところなのです。

まず、山と毛谷明神の前に、観音様のお堂にたちよりました。
東北自然歩道の標示があり、岩谷十八夜観音と書いてあります。ここから0.3km。
山の草とか花とか虫とか-東北自然歩道 岩谷十八夜観音

お堂の近くまできました。
説明の板がありました。
「岩谷十八夜観音堂は、飛鳥時代に開基され、平安時代鶯沢をのぼってこの地に至った慈覚大師が再興したと伝えられている。
~中略~
いつのころからか『オナカマ』といわれる巫女たちの本山として信仰され・・・」
とあります。
オナカマは、口寄せをする巫女(シャーマン?)なのですが、山形の内陸あたりのあちこちにいらっしゃって、うちの近くにもおりました。今も続けていらっしゃるのかわかりません。
民間の信仰のひとつで、家にいろんなことが起きると相談をしたり、拝んでもらったりするようでした。ぼくは直接お会いしたことはありません。
山の草とか花とか虫とか-説明板1

お堂はこのような雰囲気でした。
山の草とか花とか虫とか-お堂

お堂にも説明の板がありました。
こちらには、年代もより詳しく書いてありました。
「飛鳥時代に蘇我馬子の裔臣右近衛秀豊僧正が開基し、その後約二百年を経て、承和四年(八三七年)慈覚大師が再建したものと伝えられる。」とありました。
板に書いてあるオナカマの道具や絵馬は、10年ほどまえに別な場所で保存されている資料館に行って見た記憶があります。
山の草とか花とか虫とか-説明板2お堂

奥にもうひとつお堂がありました。
奥のほうが装飾などが手が混んでおります。
山の草とか花とか虫とか-奥のお堂

お堂の近くにはモミジが生えていて、これは葉の様子がオオモミジと雰囲気が似ていましたが、鋸歯などからヤマモミジだろうと思いました。
山の草とか花とか虫とか-奥のお堂とヤマモミジ

オオモミジは、イロハモミジの亜種とも、オオモミジと近縁とも言われているのですが、いずれにしても日本海側の積雪地の木です。葉の大きさがオオモミジに近く、葉の鋸歯などはイロハモミジに似ているとのことです。そろそろ紅葉も楽しみの時期になりますね。
山の草とか花とか虫とか-ヤマモミジ 葉

こういうお堂を訪ねる楽しみは、ぼくなりには樹木も楽しいと思っております。
これはカシの木ですね。山形ではカシは植栽されたものがほとんどであろうと思います。
これもそうでしょうか?しかし、なにカシなのかわかりませんでした。
山の草とか花とか虫とか-カシ

ツバキは、これはユキツバキでした。
幹は株立ちしており、葉の付け根には毛が生えていました。
これも日本海側に特有の木です。
山の草とか花とか虫とか-ユキツバキ

そして、純白のハギ。シラハギのようです。
シラハギの後ろには、湯殿山の石碑がありました。
オナカマともちょっと関連があるようなのですが、山伏の一種(?これはちょっと判然としませんが)のホエン様という方もうちの近くにおりました。割合ちかくの集落にお住まいだったので、普段からお会いする機会もありました。後に、ホエン様は「法印様」と書くのだと聞きました。それで湯殿山の石碑が?でも、湯殿山の石碑はほんとにあちこちにあります。
山の草とか花とか虫とか-シラハギ

カシワもありました。
カシワはナラの仲間なのですがユズリハとも呼ばれ、常緑樹のユズリハの代わりというのか、おなじように前年の葉が枝に残るのです。山形には大きく育つユズリハが無い(エゾユズリハという低木はある)ので、カシワがこのように縁起ものとして植えられたのでしょうか。
山の草とか花とか虫とか-カシワ

こういう古いお堂などは、草木の観察にも面白いですね。ついつい気になってしまいます。

さて、ここには説明の看板や周囲の地図がまだありました。
これはこの近くの史跡の地図です。
う~ん。気になるところがいくつもあります。
水垢離場、底なし井戸、鼻毛岩・・・。テンバイスズってなんだろう?
山の草とか花とか虫とか-説明板3岩谷史跡地図

こちらは、環境省(表示は環境庁となっていました)で設置の東北自然歩道のものです。
「新奥の細道 鳥海山と史跡のみち」とあります。
・・・鳥海山、このあとに訪れました。あの鳥海山ではなく、それと関係のある山です。
山の草とか花とか虫とか-説明板4東北自然歩道

もう一枚ありました。ほんとに多いですね。
山の草とか花とか虫とか-説明板5道端

地元の民俗などは、今はあまり親しみの薄れてしまったものや、少しだけ離れた地区でもまるっきり違ったものがあり興味が尽きません。
草木も気になり、時間が過ぎていきます。
このあと、鳥海山の前に大きなスギの木に会いに立ち寄りました。
稲刈りは、まだ登熟していない田んぼ二枚を残して二日目で一段落しました。
残りはこれから時期を見てすることになります。来週かな?
二日目には、慣れない機械で手のひらが痛くなってしまって、手がハンドルをにぎるのを拒否するのです。まったく根性の無い手ですね。持ち主に似たのかしらん?

稲刈りの終わったところに来訪者がありました。
カラスが杭のうえにとまっております。
山の草とか花とか虫とか-ハシボソガラス 杭の上

近づいてもあまり逃げません。
以前、街のほうでカラスを撮ろうとカメラを向けるとすぐに飛んでしまったのですが、この子はそうでもないようです。
このカラスはハシボソガラスのようでした。(多分)
正面から見るとなかなかりりしいお顔です。
山の草とか花とか虫とか-ハシボソガラス 正面

ポーズをとるように、右を向いたり。
山の草とか花とか虫とか-ハシボソガラス 左向き

左を向いたり。
山の草とか花とか虫とか-ハシボソガラス 右向き
なかなか可愛いですね。

カラスは、春のしろかきなどをしていても、どこからともなく幾羽もやってきます。
しろかきの際にはカエルが田んぼの水面を泳ぐのが目立つのでそれを狙ってやってくるようです。
草刈りした後などもやってきますね。
稲刈りのあとの田んぼもすっきりしていろんな虫や、あとは落穂などを拾うのでしょうか。
トラクタに乗っていたりすると、すぐ近くまでやってきて、畦で首をかしげたりしているのも見られます。話しかけたりするのですが、か~、としか返事がありません。
山の草とか花とか虫とか-田んぼのカラス


夕方の遅くには遠くへ飛んでいくのも見られました。
山の草とか花とか虫とか-ハシボソガラス 飛翔

広くなった田んぼではこんな光景もありました。
どちらもオオカマキリのメスのようなのですが・・・。
山の草とか花とか虫とか-オオカマキリ ともぐい

杭のうえには、別な翅のあるものもおりました。
山の草とか花とか虫とか-くいの上のアキアカネ

こちらは夕方に撮ったのですが、アキアカネのようですね。
アキアカネたちは、杭のうえにとまって、稲刈りをして隠れるところのなくなってしまったユスリカのようなちいさい虫が蚊柱を立てているのに反応して飛んでは戻りを繰り返していました。
山の草とか花とか虫とか-くいの上のアキアカネ 夕方

アキアカネは時期によって違うのかもしれませんけれど、一日中田んぼにいるのではなく、朝と夕方に田んぼの付近を飛んでおりました。
昼はどこに行くのでしょう?出勤しているのかな?
山の草とか花とか虫とか-アキアカネ舞う

飛んでいるところをばっちり撮ってみたいものですが、なかなかうまくいきません。
山の草とか花とか虫とか-アキアカネ シルエット

夕方の雲は、雨が近いのを知らせているようでした。秋の雲のようですね。(今日はようやくまとまった雨が降りました)
山の草とか花とか虫とか-夕方の雲

うちの田んぼです。
ここに写りきってないものもあと数枚ありますが、こんな感じの段々の田んぼです。
ちいさいですね。でも、これで10人以上が一年くらい(現代はひとりあたりの米の消費量が減っているのでもっとかな?)は食べられるのです。
山の草とか花とか虫とか-田んぼ

うちはいわゆる兼業農家という部類に入るのですが、農業の振興のはなしとなると、専業農家をどうやって増やすかとか、農地を集積して効率を上げるとか、そういう流れがあります。
ぼくが以前から思っているのは、専業農家だけでなしに、兼業農家もなるべく続けて、できたら増やして行けたならよいだろうと思うのです。堰や共同作業を維持するにはとにかく人数が・・・。そしてなにより、食糧を輸入しないと食べられないというのは共同体のありかたとしておかしい、と思うのです。
農業というのは不安定なもので、専業としてやっていくというのは、かなりの胆力、勇気のいることです。豊作になれば値崩れし、凶作になればもちろんだめですから恐くてよほど能力があるか気合のあるかたでないと勤まらないのですね。

過去を振り返れば、雇われの賃労働のものもいたとか、小作農はどうだとかキリがないですが、特に山村では、昔には農家が多く現在は減ったといのではなくて、一人の人がいろいろとやった、ということなのだろうと思います。職業としての農業という職業観は、ごく最近になって、会社に専門に勤める方が多くなってからできたものではないのかなあと。専業で会社員だと、「専業会社員」になるのかな?
うちの集落の場合には、稲作、養蚕、麻、炭焼きなどのきこり、わらじやみのや縄、つる細工や木工品などの資材や農具、狩猟、畜産などがあったようです。
兼業農家という言葉だと、どうしてもハンパな農家という語感になってしまいますけれどもね、そういうことではなくて、先代の小屋番さんが言う「山に住むものはなんでもできるようになれ」ということ、その流れのなかにサラリーマンとしての雇われ仕事もあるのだと解することができるのですね。(こういうのを自己正当化といいます。)

蟲×50

ハシボソガラス、オオカマキリ、アキアカネ・・・3種×50=150円

9月1日から累計3,200円

2012年8月:3,100円
2012年7月:4,150円
2012年6月:3,750円
2012年5月:2,450円
2012年4月:1,450円
2011年9月~2012年3月:16,700円
2011年4~8月:18,150円
昨日の朝、お日様が昇ったか昇らないかという時間に父からたたきおこされました。
壊れてしまった稲刈りの機械(バインダといいます)を借りてきたので、これで稲刈りできるねとのこと。
貸してくれたのは同じ集落の、今年は体調を崩してしまって田植えできなくなった方でした。
借りたついでに、そのかたの田んぼを来年から作ってくれないかと頼まれたそうですが・・・。(ムリですね)

で、午前中から稲刈りをできました。一時はぜんぶ手で刈ることになるかと思いました。

で、午後も稲刈りですね。
これがバインダという機械です。借りてきた機械は、走行クラッチが壊れていて、クラッチを切ったままにしておけないのでした。(そのほかにもあちこち壊れておりました)
うちの機械は30年以上使ったのですが、エンジンのプラグに電気を作って送る装置が壊れてしまったようで、再起不能かもしれません。部品も30年前のものだと在庫がなさそう。
山の草とか花とか虫とか-バインダ

で、機械で刈る前に、あらかじめ田んぼのかどをすこし刈っておきます。
機械は、自分で一応進むのですが、一輪車みたいなものでハンドルを持って手で持って方向転換するという具合です。
使い慣れたうちの機械よりも重く、バランスもちょっと違ったりして腕が痛くなりました。
山の草とか花とか虫とか-かどがり

バインダは刈り取って、イネを束にしてくれます。
それを集めてはこんでこないだの杭にかけていくのですね。
杭には二束セットで置いていき、次に載せる二束は90度回転させて、というように積んでいきます。
山の草とか花とか虫とか-稲杭

ならんだならんだ。
コンバインでの稲刈りが主流になっておりますが、コンバインだと刈り取った稲から脱穀までやってもみが袋に入ります。束を集めて運んで干してというのがないのですね。
バインダの導入前は10日ほどかけて稲刈りしたそうです。バインダを使うと2~3日。
コンバインだと稲刈りと脱穀のふたつの作業分で、うちの田んぼくらいの広さなら1時間くらいでできるかと思います。すごい作業量の差ですね・・・。
山の草とか花とか虫とか-かかった稲杭

切り株。
田植えした時の歩いたとおりに育っていくので、田植えでぐにゃぐにゃ曲がっていると刈りにくいのです。そして、列の並びなども刈り取りを考えて植えないと、刈る際に歩きにくくてしかたがない、と。
「だ~れだっぁ?こんなへたくそに植えてんの?」
と言ってみるものの、植えたのもぼくでした。申し訳ない。
山の草とか花とか虫とか-刈跡

刈り取ると田んぼわきの水路が見やすくなります。
今は草で埋もれておりますけれど。
山の草とか花とか虫とか-田んぼわきの水路

で、この水路にコナギやオモダカなど水がずっとあるのを好む草が生えているのですね。
それから、マツモムシやオオコオイムシ、おたまじゃくしにサンショウウオの子ども、ホタルにカワニナも住んでおります。
山の草とか花とか虫とか-コナギ

こちらの田んぼでは、ふたつの水路が段差で並んでおります。
うちの田んぼは、ちいさな沢の谷間の地形を使った田んぼになっていて、上の田んぼから順に下の田んぼへ水をまわしていきます。なので、こんなちいさな水路が巡っているのですね。
水路には、水が動くか動かないかくらいの水が入っていて、田の水位管理がしやすいようにしてあります。そういうところと田んぼの面との組み合わせになっているのでいろんな生き物が住むんですね。
山の草とか花とか虫とか-田んぼ脇の水路2本

稲に隠れていたちいさな草たちも現れました。
この草たちも、田んぼの一枚一枚での様子が違ったりして興味深いところがあります。
山の草とか花とか虫とか-刈跡2

稲の杭には雨避けのためビニール袋をかぶせます。
これから掛け替えを二度。そして脱穀というように作業が進んでいきます。
山の草とか花とか虫とか-夕暮れの稲杭

一日目で1/3ほど終わりました。
もう日が暮れます。
山の草とか花とか虫とか-夕暮れ

そういえば、昨日は敬老の日でした。
じいさまは今年で88歳になったようです。
でも、まだまだ現役で田んぼで作業するのですね。
田んぼの作業のうち、たおこし、しろかきなどトラクタを使うものや力仕事はぼくの仕事なのですが、水管理とかの長年の経験の要るこまめにしないといけないところはじいさまがします。
うちの近所で90歳くらいでも、集落の共同作業に参加して作業したりしてもおりますね。
稲刈りでも、稲の束を集めたりしておりましたが、さすがにたくさん運んだりは疲れてしまうので休み、休みやっておりました。
敬う、敬意を払うというのは、そういう作業をしなくてよいからおうちにいてよいですよ、ということではないのだろうと思うのです。
だから、山村には元気なおじいさんおばあさんが多いのかもしれません。