土曜のこと。
街へ買い物に出かけました。

通りかかりに、鉄塔を眺めました。
この鉄塔は、なんというのか高さと幅と、全体的にバランスが良くてお気に入りの鉄塔です。
鉄塔はなぜだか好きです。人工物の無機質な最たるもの、という存在なのでしょうが、なにが良くて好きなのだかわかりません。
山の草とか花とか虫とか-鉄塔

この鉄塔は足元まで行くことができて、真下から眺めるとこのような感じです。
なんでしょうね?
こんな細そうな部材でこの高さ、か弱そうな、でもしっかり立っている。
おなじパターンの繰り返しでたいそう立派なつくりになっているのが、植物のつくりと似ていて、そんなところが好きなのかもしれません。
山の草とか花とか虫とか-鉄塔 真下から

送電線はずっと向こうの山を越えてそのまた先へ続いています。
山の草とか花とか虫とか-鉄塔の足元から

この鉄塔のある近くの田んぼの土手の下には、田んぼからの水分がしみ出るのでしょうか?
こういう土手にはよくこんなちいさな湿地のようなところが出来ます。
山の草とか花とか虫とか-田んぼの土手の下

こういうところには、湿気のあるところの好きな草がすかさず住んでいますね。
草たちの住むところを見つけるそのめざとさときたらたいしたものだと思います。
これは穂の熟したのが黒くたまのようになっているカヤツリグサの仲間のタマガヤツリのようです。
山の草とか花とか虫とか-タマガヤツリ 熟した穂

こちらもカヤツリグサに近い、テンツキのようです。
山の草とか花とか虫とか-テンツキ

カヤツリグサの仲間もこれまたややこしいところがあって、カヤツリグサの仲間が詳しく載っている図鑑が欲しいものだと思っているのですが、あまり需要がないためかすこし(結構)お高い・・・。

さて、買い物に行ったのは、まずは無線機を手に入れるためでした。
免許をいただいて約半年、どんなのが良いのかなあ?と山岳会の先輩たちに相談したりしてようやくふんぎりがついたので買いにいったのです。
免許を持っているだけでなく、開局申請というのをして、コールサインをいただいてから使えるので、まだ使用できません。はろー、CQCQ。言ってみたいなあ。(しばらくは、ほかのかたの話し方などを聞くだけにしますけれど)
山の草とか花とか虫とか-無線機
携帯電話やスマートフォンやら、そういうのが全盛の世の中で、いまさら無線機というのもなんだかなあという気がしますが、うちの近くの山はまだ携帯電話の圏外のところも多いのです。

ついでに、冬の服も買いました。
これは、釣具屋さんで買ったのですが、山用にも使えそうです。シェルパと書いてあります。
山専用の服は、なんというか、驚くほどの値段のものもありますね。
ゾウのマークや鳥の化石の絵が描いてあるものなどは、ちらりと値札を見ると、うほっ!と驚くほどのお値段がして、背広よりも高いほどです。
山で作業したりする際には、ワーク○ンで買った作業着を着ていったりするのですが、高価なものと違うかというと、う~ん。よくわかりません。
山の草とか花とか虫とか-冬の上着
ついでに、もふもふした耳あてのある帽子を買いました。

もひとつついでに、これは職場の先輩が貸してくれた道具です。
なんでも、のこぎりの刃にあさりをつけるための道具だそうです。
手軽に買えるのこぎりは、使い捨てのものが多く、焼入れが硬くて目立てできないのと、剪定用のものがほとんどで、あさりがついていません。木の切り口を綺麗に切って、剪定のところからばいきんが入らないようにするためだそうです。
ひいじいさんの残してくれた道具ののこは、目立てして使い、あさりのついたもので、それで木を切ってみるとすごく良く切れます。
山の草とか花とか虫とか-あさりをつける道具
使い捨てののこの刃は、立派な金属で出来ているので、使い捨てにするのはほんとうに気の毒だと思っていました。
使い捨ての替え刃のものはすごく刃が硬いので、これであさりをつけて目立てできるのかわかりませんが、出来たらすごく良いなあと思います。これは、ちょっと試してみないとわかりません。折れてしまうかもわかりませんから、ほんとに試し、ですね。

ええ、そうですね。
秘密の花のはなしをしたいと思います。

かれこれ・・・。ええと、どのくらい前になるのでしょう。
とある山のふもと、とある時にムラサキの花に会いました。
ムラサキ科ムラサキ。
現在は国内の多くのところで絶滅に瀕している草です。
山の草とか花とか虫とか-ムラサキとちいさなハチ

万葉集には、
「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」
ほか多数、この草が登場しています。
紫野、標野は、この草を植えてあった野原のことで、高貴なかたの土地で、ほかの人の出入りを禁じられた土地のことだそうです。紫野、標野、点野、〆野、禁野、ほかにも表記があるかもしれません。

かつては、この草の根を染料として用いて、紫紺染めという染色をしたのだそうです。
紫紺染めは宮沢賢治の著作にも出てきて東北の地でも、岩手あたりで盛んだったそうです。
万葉集に登場していることからわかるように、当時から栽培されていたそうなのですが、そのころでも貴重だったムラサキは、栽培の難しさ、合成染料の普及により、栽培下でも希少なものとなっているのです。

で、これはなぜか野生の株のようなのです。
この草は、水はけのよい草原のようなところを好む草で、草原という環境は、身近なようでたいへん貴重なものとなっています。動物をあまり飼わなくなったこと、茅葺などで草を使わなくなったこと、焼き畑の減ったこと。そんなわけで、草原は減ってきたのですね。

とある草むら、一緒に歩いていたかたが、ひそひそと声をひそめて、こっそりこちらにおいで、と足跡がつかないように草むらをかき分けていきます。
「ほら、あるでしょう。これがムラサキですよ」
と教えてもらったら、首のあたりがぞぞっと、あちこちの毛がぞわぞわする想いがしました。
それに輪をかけて、このころにはまだカメラの扱いに不慣れでほかの写真は手ブレで見られたものでありません。今だったらもうちょっと綺麗に撮れるなと思ったり。
山の草とか花とか虫とか-ムラサキ

というわけで、ムラサキのありかは、どなたにも言われません。

変わって、こちらはずっと身近な草です。
こちらはアカネです。
「あかねさす」の茜、アカネ、赤根です。
こちらは、根っこを赤い色にする染色に使います。
山の草とか花とか虫とか-アカネ

うちの庭先にも、道端の草むらにも、田んぼにもあちこちに初夏のころから茎を伸ばし、晩夏のころから花を咲かせています。
山の草とか花とか虫とか-アカネの花

花はちいさく目立たないのですが、ほんのりクリーム色。おしべの黄色がワンポイントで可愛らしいです。
山の草とか花とか虫とか-アカネの花拡大

茎はとげとげがたくさんあって、ヤエムグラなどこういうつるの草はあちこちに見かけますね。
このとげとげで、草むらのなかを光のあたるところに這い上がっていくのですね。
山の草とか花とか虫とか-アカネの茎

今は実の時期になっております。
実も染色に使えるとのことです。黒く見えますが、食べてみると濃い紫色。
あ、そう、ぼくは毒ではなかろうと食べてみたのですが、果肉は薄くさりさりとした歯ざわりで、ほんのり甘かったです。でも、タネが大きく、果肉はほんの少し。
毒があるのかわかりませんから、お勧めしません。
山の草とか花とか虫とか-アカネの実

首筋がぞわぞわするほど珍しい草、いつも身近にある草、どちらも素晴らしいです。
さて、海へ行き、その後、勉強会の会場へやってきました。
その近くには、大山下池というのがあり、ここがラムサール条約の湿地とのことです。
鳥を見るためのちいさな小屋がありました。
行って見ましょう。
山の草とか花とか虫とか-鳥を見る小屋

池はため池のようで、土手からは水面とたくさんの鳥たちを見ることができました。
水面を覆いつくさんばかりのマガモたちの群れです。
山の草とか花とか虫とか-鳥たち

会場の、ほとりあというところは、すぐ近くが住宅地でそのまわりはヨシの野原になっていました。
山の草とか花とか虫とか-ほとりあ遠望

小屋に着くころに、雨と風が強くなってきて、ヨシの野原も見たかったのですができませんでした。
山の草とか花とか虫とか-雨が降ってきた

ほとりあのなかに、説明がありました。
ここの都沢湿地は15年ほど前までは田んぼが作られていて、その後、休耕田になったところに下池からしみ出る水で湿地のような環境が保たれたところだそうです。
いろんな生き物がいると書いてあります。
山の草とか花とか虫とか-都沢湿地のいきもの
先日も書いた外来種の問題ですが、ここでは、アメリカザリガニとウシガエル(どちらも特定外来種むにゃむにゃの法律の対象)が問題として書かれていました。
ところが、上のほうへ書いてある「タイリクバラタナゴ」も外来で、日本にもともといたタナゴとの交雑が問題になっています。メダカも、ここの写真のものはヒメダカのようですが、ペットショップで売られた飼育のメダカを野生に返してしまうことで、野生の遺伝子を持ったメダカが大変少なくなってしまったという問題があります。
「タモロコ」も、もともとは東北地方には分布していなかったはずの魚です。
というように、身近な草や生き物はたいへんに変化してきているのですね。

ここでは、ウシガエルとアメリカザリガニはトラップで採捕しているようで、捕らえたウシガエルはイベントなどで食べるそうです(もともと食用ですから)。
アメリカザリガニももちろん食べられるものなので、コロッケに入れて食べたとのことでした。
たいへんに好評だとのことでした。
山の草とか花とか虫とか-トラップ

さて、勉強会は13時30分から17時ごろまであり、各地の湿地などの保護活動の状況、イヌワシと風力発電や周辺の田畑との関連、希少な植物の調査の進捗状況などの報告がありました。
ご紹介したいのですが、特に希少な動植物については広く知られると盗掘しに行ってしまうかたがいるので、その点の保護の方法についても議論となり、残念ながら勉強会の内容はここには書かれません。
希少なものと知ったら、では採らないようにしましょうと思うのが多くの方の考え方なのでしょうが、逆に手元に置きたくなったり、売ってしまいたくなったりと盗掘があとを絶たないのです。ぼくもこのブログにいろんな植物を載せているものの、盗掘されやすい種などは載せられないのが残念です。

せっかく良い池の近くにいるので、カモの仲間の見分け方についてもレクチャがありました。

お、ここにもウがいますね。
山の草とか花とか虫とか-ウ

池にはたくさんのマガモたちがいて、このたくさんのなかに、ヒドリガモ、オナガガモ、コガモなども混じっているとのことですが、ぼくにはよくわかりませんでした。
鳥を専門に観察し続けていると、はるか彼方から飛んでくる鳥をすぐに見分けることが出来るようになるそうです。
山の草とか花とか虫とか-たくさんの鳥

時折、ばさささっとたくさんのカモたちが一斉に飛び立ちます。
ぼくは寡聞にして知らなかったのですが、カモたちは池に集まっているのは眠ったり休んだりするためなのだそうです。昼は池などに集まって休み、夜に田んぼなどで落穂ひろいをしたりするんだそうですよ。夜に活動する鳥はフクロウやヨタカくらいと思っていたのでびっくりでした。
山の草とか花とか虫とか-たくさん飛び立つ

もうちょっとね、じっくり撮ったりできればよかったのですが、ここでもまた雨が降ってきました。
山の草とか花とか虫とか-着水

池の上には高館山。今回は登れませんでしたが、来年の春のカタクリの咲く頃に来て見たいものです。
山の草とか花とか虫とか-高館山

勉強会が終わってから、参加者たちで夕食を食べに行ったのですが、大学の先生なども参加していて、その先生の言うには、「こういうのをまさに学会というんだよね」とのことでした。
ふへ~、学会ですか。学会というと、あの抹香臭い、いえ、ほこり臭い?ようなあれでしょうか?
現在のいろいろな学会は、敷居がだんだん高く、権威的になり、本来的にはその学問に関わる人たちでお互いに情報を共有したり刺激しあったりするためのものであったのが、互いに足を引っ張ったり牽制したりするようになってしまって、閉鎖的なものになっているのだとその先生はおっしゃるのでした。
そうですね。今回の勉強会はなかなか率直な内容が多く、たいへんに興味深いものでした。
ぼくの場合には、なにかしらの専門家でも、特別な活動をしているわけでもないので、楽しく観察を続けるためにはテーマのようなものを持つのも必要かなあなんて思いました。