フインキーのふんいき レビュー -95ページ目

VHS「ジュブナイル」 レビュー

山崎貴 監督。

ジュブナイル [DVD]
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スコア選択: ★★★

少年たちはある日、光の方向に導かれ高性能のロボット「テトラ」と出会う。
テトラは知能を持ち、成長するロボットだった。
一方、異星人が地球に侵入し、不穏な気配を漂わせていた。
テトラの目的は?異星人の行動は何を意味するのか…


Amazon の評価が抜群にいいので見てみました。
感想はやはり子供向けかな~と思います。
大人が見るには物足りない。
子供の方は星をもう一つプラスでもOK。

理由としては、内容がよくあるタイムパラドックスものなので、先が読めること。
分かりやすいのはいいですが、展開が単調なこと。
異星人のハイテクとローテクが混在した異様な性質。

VFXが頑張ってます。
9年前と考えると、すごい映像ですよね。

物語の核であるテトラと少年たちの絆がしっかり描かれていました。
希望を未来につなぐストーリーは子供たちに夢を与えます。

最後の20年後の世界は、実際に今から10年後にはそうなってそう。
タイムマシンは無しとして(笑)

子供と一緒に見るのがベストな作品でした。

アニメ「天元突破グレンラガン」 レビュー

ガイナックス製作のロボットアニメ。
全27話。

天元突破グレンラガン1 (完全生産限定版) [DVD]
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スコア選択: ★★★★

地下で暮らす人間たち。地上を知らないシモンはひたすら穴を掘り続けていた。
ある日、穴を掘っていると、巨大なロボットの顔が現れ、兄貴のカミナに相談する。
地上への脱出を夢見るカミナはこれを利用し、地上に出ることを考えた…


これは熱い
熱すぎるほど漢たちの魂が詰まった作品。

今どきの美少年が出てくるアニメでは絶対聞けないようなクサいセリフを真面目顔で吐くカミナ。
最初はベタだな~と見てたけど、後半になってこれが効いてくる。
胸にジンジンくるこの感じ、アニメで久しぶりに味わった。たまらん(笑)

そして、女性陣があまり出てこないのも特徴。
本当に男臭い。

全体的にギャグ路線が強いからこそ、たまにくる負の衝撃が大きい。
始まって早々に大きな転機を迎えるシモン。
それをどうやって乗り越えるか。。。


今作は大きく分けて3部で構成されます。
最初は怒涛の展開で息する暇も与えずグイグイ進む。
途中、中だるみがあって、スピードダウン。
しかし、後半がまた熱い。

途中までは全て序章にすぎず、見渡して見れば今までは何て狭い世界だったことか。
良いと思ってやってことが、角度を変えて見れば悪いことだったり…
そうくるか!の連続でした。

エヴァもそうですが、グレンラガンも一話ごとに作画監督が違います。
そのため毎回絵のタッチの違いを捜す楽しみもあります。
特に4話の絵が独特なので、注目して見てください。

DVD「紀子の食卓」 レビュー

園子温監督。
カルロヴィヴァリ国際フィルムフェスティバル、FICC賞など色々とってる作品。
収録時間は159分。

紀子の食卓 プレミアム・エディション [DVD]
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スコア選択: ★★★★

女子高生の紀子は退屈な田舎や家族に嫌気がさし、一人上京した。
そして、ネットで知った知人を通じて「レンタル家族」に入り、ドンドンのめり込んでいく。
現代における家族の虚構性を描いた作品。


順番が逆ですが、先に「愛のむきだし」を見てしまったために、衝撃があまり感じられなかったのが残念。
こちらを先に見たら、評価は絶対に変わってました。
それくらい”愛むき”は強烈。

今作もテンポが良く、ぐいぐいと物語に引き込まれます。
展開も同じで、一人一人順に焦点が当てられる仕様。
この人こんなこと考えてたんだ~!という面白さが味わえます。

”レンタル家族”とは、お客がお金を払って、業者の人に自分の家族のフリをしてもらうもの。
家族に上手く接することができない現代の人達だからこそ成り立つ商売。
作りものでもいいから構ってもらいたい、甘えたい。
要は安心を求めてるんですよね。

レンタル家族といえば、荻原浩の「母恋旅烏」を思い出しました。
あっちは家族の絆を深めていくものだったのに対し、今作は関係がどんどん作りものになっていくように思えます。

そして後半になるにつれて空虚さが増し、カオスになってきます。
鬱ムービーが嫌いな人は見ない方がいいかも。

つぐみの演技が抜群に良い。
別人が憑依したような突然の豹変ぶりが見ものです。
主演の吹石一恵よりも主演ぽい。


邦画「空気人形」 レビュー

是枝裕和 監督。
原作は業田良家の20ページの短編マンガ。

監督は「人形が恋した人に息を吹き込まれ、満たされるシーン」に強く惹きつけけられ、9年をかけてプロットを練り上げたそうです。

空気人形 豪華版 [DVD]/ぺ・ドゥナ,ARATA,板尾創路
スコア選択: ★★★★


"心"を宿してしまった人形を巡る、切なく美しい奇跡劇。


むむ…ペ・デゥナが可愛すぎるな、これは。

たどたどしい日本語、ちょこまかとした動きや仕草。
この役は彼女以外考えられないくらい合っています。

肌理細やかな白い肌+メイド服はまさに人形のようで、清潔感があって良いですね。
また、一つ一つの映像、どこを切り取っても絵になり、芸術的にも優れる作品だと感じます。

原作は既に心を持っている状態で始まるため、シナリオを膨らますにあたって、そのベースとなる設定をどうするか?が難しい部分だと思います。
普通、いきなり人形が色々なことを知ってたらおかしいですが、このシナリオではちゃんと理由が描かれていました。

また、段々と人形の心が成長していく様子もリアルに描かれていて、最後のシーンには誰しも胸を打たれるものがあるのではないでしょうか。
後半の展開は衝撃的で、心にずっしりきます。

R-15ということでエッチなシーンや不快なシーンも割と見受けられ、綺麗なだけで終わらないとこがまた現実的。
まさにリアルとメルヘンが共存する世界ですね。

ぺ・ドゥナの腫れぼったい目が愛おしく思えてくる、切なーい話でした。

小説「チーム・バチスタの栄光」 海堂尊

第4回、「このミス」大賞の作品。
あとがきでも書かれていますが、選考会でも絶賛の嵐だったそうです。
映画 、ドラマ化されてます。

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)/海堂 尊
¥500
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スコア選択: ★★★★

天才外科医・桐生率いるチーム・バチスタ。
今までなかった術中死が3例立て続けに起こり、何かがおかしいと不穏な空気に。
この原因をつきとめるため、神経内科の講師・田口は桐生に内部調査を依頼される。


上下巻合わせて500ページほどなのに、上下巻に分けるあたり出版社の策略を感じます。
まるで乙一の…
上巻は長~いイントロ。下巻から本番といった感じ。

前半は手術のことや、医療に携わる人たち(医師、教授、看護婦)などの軋轢、風習など書かれています。
筆者は現役の医者ということで、とっても詳しい。
でも、素人目からすれば、手術の手法など分からないことだらけで頭には全然入ってきません。
この辺りカットしても良かったのではないのかと思うくらい。

後半は一転、白鳥の登場によりスピード感、リズム感が変わり、刺激的に読み進められます。
白鳥が半端なくキャラ立ちしており、軽い口で憎っき敵をバッサバッサ感が楽しい。
でも、こんな人が周りにいたら絶対そばにいたくないわ(笑)

展開、オチは映画と同じだった気がします。
映画を先にみたので、白鳥と阿部寛がダブるダブる。

文章は論理的で端的に書かれており、筆者の頭の良さが伺えます。
これが一作目だとは思えないほど完成度が高い。
次の期待を込めてこの評価で。