フインキーのふんいき レビュー -152ページ目

小説「丹波家の殺人」 折原一

「~の殺人」という何ともありきたりなタイトルの本はあまり食指が向かない人も多いと思います。実は自分もそうなんですが。
じゃあ、何で読んだの?というと、折原作品だから・・・ラストで騙されたときのやられた感が好きなので、ついつい読んでしまうんです。

今回もラスト数ページで二転三転します。こんなの予想できるわけない!無理です。よくこれだけの言葉遊びというか、言葉のトリックを思いつきますよ、感心します。

丹波家の殺人 (光文社文庫)/折原 一
¥650
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スコア選択: ★★★

本作は密室トリックが大好きな黒星警部の連作。シリーズ4作目らしい。
丹波家の莫大な遺産相続の話で、どんどん事件が起こり、どんどん新しい遺書が出てきておもしろい。
登場人物が多く混乱しがちですが、親切にも家系図がちゃんとあり、これを見ながら読めば大丈夫です。名前も長男(健太郎)、次男(雄二郎)、三男(三郎)、長女(末子)と分かりやすく筆者の配慮が窺えます。

全体的にポップで暗さや怖さがさほど感じられず、安心して読めました。これもシリーズの特徴ですかね。
折原一の全作品にいえることですが、風景描写などの話の本筋に関係ない無駄な描写が一切ないので、すらすらーと退屈せずに読めると思います。主に人間たちの感情のぶつかり合いもつれ合いが面白おかしく(?)描かれてますので活字嫌いの人もいけるかもしれません。

今回は驚きがちょっと足りないかな。そして、犯人の印象も弱くて惜しいといった印象。でも、娯楽作品としては良作です。あまり複雑でないので、考えずともちゃんとトリックを理解できるようになってますよ~。

DVD「リリイ・シュシュのすべて」 レビュー

監督は「花とアリス」の岩井俊二 。音楽は小林武史。

また、リリイ・シュシュは今で言うSalyuです。
この頃は今のような明るさはなく、神聖で暗めな曲が多いですが、映画の内容と相まって雰囲気が抜群にいい。

リリイ・シュシュのすべて 通常版/市原隼人
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スコア選択: ★★★★★

感受性の強い少年少女は見た後トラウマになりかねない映画。
この作品は心に余裕のあるときに見ましょう。

時間は2時間半と日本映画では珍しく長く、静かな音楽と共に物語は進んでいくんですが、緩急のつけ方がうまく終始目が離せません。
今回、自分は2度目で、3年前に初めて見たのですが、衝撃が大きかったせいか内容をだいたい覚えてました。

評価が高いので、当時、前情報なしで楽しみにして見たら、ここぞとばかりに倍の力でカウンターをくらったのを覚えています。一種のトラウマ。
いじめ、恐喝、万引き、援助交際、レイプ、殺人、自殺など現代社会の闇の部分が描かれ、とても重~い内容です。

映像は田圃の緑や、空の青、部屋に差し込む光など、色の表現がとっても綺麗。
岩井俊二は綺麗な映像作品が多いですね。
これは7年前の作品なんですが、今第一線で活躍中の役者が子役でわんさか出てます。
市原隼人、蒼井優、忍成修吾など。勝地涼が友達役で出てるのには驚きました。
みんなまだまだ発展途上で演技はヘタですが、この映画に関してはそれが逆に引き込まれる要因になってる気がします。

見終わった後は心をえぐられた様な気分になることでしょう。
過激ですがいろいろ考えさせられる内容なのでたくさんの人に見てもらいたい。
あとからジワジワと良さが実感できる作品だと思います。

DVD「HINOKIO」 レビュー

秋山貴彦 監督作品。

怪我などで学校に行けない子供がロボットを動かして、代わりに授業を受けたり、友達と楽しい空間を共有できる。

こんなロボットがあったらワクワクしませんか?

この作品はそんなロボット、ヒノキオが出てきます。

名前の由来は体の一部がヒノキで作られてることから。

CGが多様してあるんですが、ロボットの歩くシーンなど違和感なく、本物が歩いてるように見えます。

すごいです。

HINOKIO ヒノキオ/中村雅俊
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スコア選択: ★★★★

多分、このころはあまり知名度は低かったであろう子役の本郷奏多、多部未華子、堀北真希が出てます。
今と比べ演技、表情がまだ途中段階で初々しさがあります。
子供の成長は本当に速いですね~。


感想としては、ロボットの使い方や現実世界とゲームでの世界をリンクさせる発想はおもしろいと思いました。
もう少し工夫させて、ファンタジーに重きを置いても良かったかなと。

それもあってか、分かりやすいんですが内容が子供向け。
いい意味で安心して見れます。
子供と一緒に見るのがいいかも。

ストーリーの後半が少しヒートダウンしてしまったのが残念でした。
CGも何か・・・煙突のシーンは無理があったんじゃないかなぁ。

個人的にやっぱりロボットものは好きです。
最近、障害者向けの補助ロボットが開発されてますが、将来のロボットはどんなことができるようになってるんでしょうね~。

DVD「さよなら、クロ」 レビュー

映画「東京タワー~オカンと・・・」で有名な松岡錠司監督です。
以前に一度見たんですが、同じ時期に見た「きょうのできごと」にも妻夫木聡+伊藤歩が出てて、頭の中でごっちゃになってたので、再び見ました。
実話をもとにした作品なんですね。

さよなら、クロ~世界一幸せな犬の物語~スペシャル・エディション/妻夫木聡
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スコア選択: ★★★★

時代背景が昭和30年代半ばなので、建物や風習がかなり古いといった感じ。映像は普通。
今から5年前の作品なので学生役の妻夫木くんが若々しい。でも、その10年後の老けた役でも全然違和感がないのはさすが。髪型だけであれだけ印象が変わるんですね~。
そして、主役の犬が賢いったらないです。よく犬であれだけの演技(?)が。先生と一緒に驚くシーンは爆笑wwこれ必見!

話は犬中心なんですが、人間の複雑な心情なども交えながら上手に描いてます。
衝撃的な出来事で暗ーい気分になりますが、最後は前に進んでいこうという意思が感じられて、見終わった感じは悪くなかったです。
適度に緊張感を与えてくれるのであっという間に見終わりました。
犬がとてもかわいいです。犬好きにはたまらない映画。

DVD「Life 天国で君に逢えたら」 レビュー

新城毅彦 監督。


ガンのために38歳の若さで他界したプロウィンドサーファー、飯島夏樹の著作をもとにした映画作品。実話です。

Life天国で君に逢えたら スタンダード・エディション
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スコア選択: ★★★★

ハワイの海がとても美しく、風も気持ち良さげで、日本に比べ時間がゆっくり流れてるに違いない!と見てて思いました。
本作は病気ものなんですが、全体を通して悲しさはあまり感じられず、どちらかといえば爽やかな印象が強いです。これも、ハワイの暖かい気候や明るさが陽に出てるからでしょう。
主人公である飯島夏樹や妻の寛子、子供4人みんな明るく前向きでポジティブなとこが見ていて気持ちよかったです。いい家族だ。
それでもやっぱり人生谷あり、山ありなんだなと感じました。
才能のある人が若いうちに亡くなってしまうというのはつらいことですね。

エンドロールで本人の写真が映るんですが、大沢たかおさんに若干似てます。ナイスな人選ですね~。