小説「丹波家の殺人」 折原一 | フインキーのふんいき レビュー

小説「丹波家の殺人」 折原一

「~の殺人」という何ともありきたりなタイトルの本はあまり食指が向かない人も多いと思います。実は自分もそうなんですが。
じゃあ、何で読んだの?というと、折原作品だから・・・ラストで騙されたときのやられた感が好きなので、ついつい読んでしまうんです。

今回もラスト数ページで二転三転します。こんなの予想できるわけない!無理です。よくこれだけの言葉遊びというか、言葉のトリックを思いつきますよ、感心します。

丹波家の殺人 (光文社文庫)/折原 一
¥650
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スコア選択: ★★★

本作は密室トリックが大好きな黒星警部の連作。シリーズ4作目らしい。
丹波家の莫大な遺産相続の話で、どんどん事件が起こり、どんどん新しい遺書が出てきておもしろい。
登場人物が多く混乱しがちですが、親切にも家系図がちゃんとあり、これを見ながら読めば大丈夫です。名前も長男(健太郎)、次男(雄二郎)、三男(三郎)、長女(末子)と分かりやすく筆者の配慮が窺えます。

全体的にポップで暗さや怖さがさほど感じられず、安心して読めました。これもシリーズの特徴ですかね。
折原一の全作品にいえることですが、風景描写などの話の本筋に関係ない無駄な描写が一切ないので、すらすらーと退屈せずに読めると思います。主に人間たちの感情のぶつかり合いもつれ合いが面白おかしく(?)描かれてますので活字嫌いの人もいけるかもしれません。

今回は驚きがちょっと足りないかな。そして、犯人の印象も弱くて惜しいといった印象。でも、娯楽作品としては良作です。あまり複雑でないので、考えずともちゃんとトリックを理解できるようになってますよ~。