親を許しなさい、という理由。
私ね、ずっとわからなかったの。親を許しなさいという理由。 ご先祖様に祈りなさいとかご先祖様に感謝しなさいとかそこはうっすらとわかっても、それはそれとして毒になっていた親を許す理由がわからなかった。根本には、勝手に産んだくせに産まれたくて産まれたわけじゃない親なら産んだ子に責任持てよ私は与えられたもので幸せになっていないというような感情があった。あれ、子ども時代本気で笑ったことあったかな?夫と一緒になってから本気で笑ったり怒ったりすることは増えたけど。結構、無表情多かったような。でもね、親もご先祖様なんだよね。だからなんなのって思っていたけど、ご先祖さまって死んだ人たちでしょって思っていたけれど、いくらさ、母のエネルギーが子どもを守ると言ってもそんな実感感じたこともないから。ただね、親もご先祖様なんだよ。私が親に恨みをぶつけるじゃん、するとさ、恨みって子々孫々に引き継がれるわけで、自分に流れてくるのかな、とふと思った。あれ、これ、子どもに流れていくのは嫌だなと思ったのよね。 恨みや憎しみって、その人で受け取れない分はもちろんその家系に伝わってしまうものなのかなってのはなんとなくわかる。だから、親を許せって言うのは、自分が幸せになるために親を、自分を、子どもを呪うことのないようにってそういうことなのかなと。親に対してはあきれているよ、毒親だと思っているし(親はそう思っていなくても子どもが毒と自覚すれば毒親確定)非人道的で、自分の思い込みでさばいて思い通りにならないと非難して心底あきれている。これまで私が頑張って譲歩したは何だったのかと思うし、今後も関わる気もない。謝っても許さないというか、もう関わりたくないよね。だって一時的で表面的な謝罪しかないとわかっている。そもそも絶対に彼らは謝ることはない。正しいと思っているから。 私も彼らの子だからね。正しいと正義を振りかざす気はないけれど絶対的に相いれない価値観だと思ってるわけで関係改善に何年も費やした無駄時間を思うとこちらが我慢して歩み寄る気もない。ので、たぶん会うとしても葬式じゃないのかな。葬式も呼ばれないじゃないかな。でもね、許すとか許さないとかそういうのだけは手放そうと思っている。あの頃の親の行いはひどいなというように許せていない部分もあるけど、そういう人たちだ、と思えるようにはなっている。あんな親で恥ずかしいわ、あんな親がいて私ってまともなんだろうか、ってひたすら悩むこともあるけれどね。「あんたはおかしい」って言っていた親がおかしいなら私はまともなのかもしれないし、わたしもまたまともではないのかもしれない。自分がまともではないのかもしれないと自覚できる分だけは親よりまともだと信じたい。自分のために、自分の下の子孫のために親を憎んだり恨んだりするのだけはやめておこう。そうでなく、馬鹿な奴らだったな、くらいにしておこう。それができたら、もうそれだけでいいと思う。親を恨んだり憎むエネルギーで自分が穢されませんように。親を許しなさいって、結局それだけ、だよね。