4月4日に大阪中之島美術館に行き「生誕150周年記念 上村松園」展を鑑賞した記録のつづきである。

 

会場の休憩スペースからの眺め。

 

 

このころはまだ桜が咲いていて…今はどうだろう。

 

第3章 古典を描く

 

「天人」 1918(大正7)年 

絹本着色 屏風(二曲一隻)・軸装(双幅) 京都市美術館

 仏間の襖絵だったらしい。二曲一隻の屏風の左右に軸装の作品が展示されていた。

上部に天女が描かれ、構図がとても良い。天女の表情、色彩など今回の展示で一番心を揺さぶられた作品だ。

 

「草紙洗小町」 1937(昭和12)年 絹本着色 軸装 東京藝術大学

 

 

「古代男舞之図」 1944(昭和19)年頃 絹本着色 軸装 大分県立美術館

 

 

「静」 1944(昭和19)年 絹本着色 軸装 東京国立近代美術館

 

 

「汐くみ」 1935(昭和10)年頃 絹本着色 軸装 大阪中之島美術館

 

 

謡曲「松風」から派生した日本舞踊の演目「汐汲」に着想を得た作品。

須磨の浦で在原行平に愛された海女の姉妹である松風と村雨を巡る物語だそうだ。

この作品では、松風が天秤棒に汐汲桶をつけた姿が描かれており、汐汲桶に松が描かれている→「待つ」の意味も、だそうだ。なるほど!

 

表装も素敵である。

 

「古代汐くみ」 1944(昭和19)年 絹本着色 軸装

 

 

こちらは汐汲桶が台車?で曳かれている。桶には海辺と松の木が描かれている。

 

色の感じなどとても好み。

 

特集 松園による多様な作画

 

「大原女之図」 1893(明治26)年 絹本着色 軸装

 白梅の束を運ぶ大原女、凧を引く童、地面に落ちている凧の傍らに白い仔犬。

 松園が大原女を描き、童は松園の師の弟・鈴木萬年が描いたそうだ。コラボレーション作品。

 

「柳陰鵲之図」 1894(明治27)年頃 紙本着色 軸装 公益財団法人 二階堂美術館

 

解説パネルに「松園には珍しい花鳥画」と書かれていた。

カササギが水浴びしているところだそうだ。

松園の花鳥画は初めてかも。そして、こんなゴツゴツとした力強いタッチも初めてかも。

 

「舞踊図」 制作年不詳 紙本着色 軸装

 菅笠をかぶって踊っている女性。顔は笠に隠れて見えず片手を高く上げて、躍動的な感じ。解説パネルによると、大阪・住吉大社の御田植神事で行われている住吉踊だそう。シンプルで動きのある筆致で、このような松園の絵は初めて見たかも。

 

第4章 暮らしを描く

 

「粧」 1900(明治33)年頃 絹本着色 軸装

 手前に木枠のスタンドに置かれた鏡、女性が手鏡を使って後頭部の髪型をチェックしているところか。女性の後頭部が描かれていて、顔は手鏡にうつっている。女性は薄緑の着物を着て腰を降ろしてねじっている姿勢…ちょっと厳しい姿勢かも。

 

「舞仕度」 1914(大正3)年 絹本着色 屏風(二曲一隻) 京都国立近代美術館

 

 

解説パネルによると、女性たちの着物の模様が白菊、萩なので季節は秋だろうとのこと。

 

右側のこの女性の表情がとても魅力的。

 

「新蛍」 1944(昭和19)年 絹本着色 額装 東京国立近代美術館

 

人物が右側に描かれていて、空間の様子がとても良いと思う。

 

蛍。肉眼では細かいところまで見えず単眼鏡で鑑賞した。なんとなく可愛い。

 

下絵、素描なども展示されており、私は、松園のスケッチを見るのはもしかすると初めてかも。

 

「松篁の幼時2」  1903(明治36)年頃 墨、淡彩・紙 松伯美術館

 赤ちゃんの上村松篁。可愛い~。

 

「鶏図(円山応挙模写)」 制作年不詳 墨、着色・紙 額 松伯美術館

 びっくりするほど迫力のある模写作品。なるほど応挙の模写をしていたのか…。

 

※次の縮図帖は頁替ありだそう。

 

「縮図帖 B」  1888(明治21)年 墨、淡彩・紙 松伯美術館

 お坊さんのかっこうをした狐、布袋などが描かれており、ユーモラスな感じ。これはスケッチだけに留まらず作品にして欲しかったモチーフ!

 

「縮図帖 D」 制作年不詳 墨、淡彩・紙 松伯美術館

 鼠。松園の作品に動物が描かれているのは本展覧会を除いて見たことがなかったように思うが鼠のスケッチもしていたのだ…と思って鑑賞。

 

「縮図帖(折本)」 制作年不詳 墨、淡彩・紙 松伯美術館

 人力車、洗濯が干されているところなど日常生活のスケッチか。これも作品にして欲しかったモチーフ。

 

 

大満足であった。

大阪まで行ったかいがあったとしみじみ思った。

 

思っていたより長時間鑑賞していたので、近場でさっくりお昼ご飯を…と思って館内のレストランを覗いてみたら…なんと空席あり!

 

カフェレストラン「ミュゼカラト(Musée KARATO)」

「スペシャルワンプレート遊園地」というランチのセットを。

 

ローストビーフ、キッシュ、サラダ・・・など6種類のお料理がワンプレートに。

奥に見えるグラスは水出しティーで、まったりと濃厚な感じで美味しかった。

 

ローストビーフに隠れて見えないが「ローストしたじゃが芋とキャベツのソテー(オニオン風味)」と美味しかった。じゃが芋とキャベツって合うのね。

 

プチデザート

 

この後、ゆっくりと歩いて移動。(つづく)