大ゴッホ展 第1期 夜のカフェテラス
6月1日(月)に上野の森美術館に行ってきた。「大ゴッホ展」である。本展覧会は、フィンセント・ファン・ゴッホにいち早く注目して、作品の収集に取り組んだヘレーネ・クレラー=ミュラーが創設した、オランダの「クレラー=ミュラー美術館の所蔵するゴッホと同時代の画家の作品が展示される。今回は第1期として、ゴッホの画業前半を紹介する展示になっている。すでに神戸市立博物館、福島県立美術館と巡回されており、展覧会の様子は各種記事やSNSなどで伝えられていて、東京会場にやってくるのを指折り数えて待ち、チケットの発売が始まってすぐに手続きし、開催3日目の6月1日9:00(一番始めの時間枠)のチケットを手に入れた(「アソビュー」というアプリで取ったため紙のチケットはないが…)。事前にSNSで情報をあつめ、美術館前に8:30頃到着。とりあえず並ぶ。9:00予約の人とチケット無しの人はこの列に並ぶ。※9:30予約の人はこの列には並ばないようにとのアナウンスあり。※木陰なので割と涼しかった。※美術館サイトに「熱中症対策のお願い」とあったので、日傘、首には冷却スカーフを着用。お茶のペットボトルと塩分タブレットも持参。きょろきょろしているうちに、美術館前のテント?の幕が開けられていた。8:40頃、先頭の方々からテント?の中に誘導され、ここで9:00予約とチケット無しの並び列が分かれる。美術館内にコインロッカーはなく、物を預けたい場合、このテント?内にあるコインロッカーを使用してくださいとのアナウンスあり。8:45頃、チケットの確認が始まる。私は「アソビュー」アプリのチケットのため、スマートフォンの画面そのままで入館するように指示あり。8:50頃、先頭から美術館への入館が始まる。私は、8:55過ぎに入館。ざざざっと作品を眺めつつ足を止めずに、目指すは「第5章 アルル時代」の展示室である。フィンセント・ファン・ゴッホ 「夜のカフェテラス(フォルム広場)」 1888年9月16日頃 油彩/カンヴァスこちらは正面で鑑賞・写真撮影できる並び列が設けられており、その列に入った。わくわくしつつ、前の列の方々の隙間から眺めつつ、割とすぐに最前列に。カフェのガス灯の明かりが眩しく見える。もう少しカフェのテラス部分を大きく写してみる。本当はもっと明るい。発光しているように明るい。そして夜空。星の美しい夜だったに違いない。こんな夜空のもと、ふらふらと歩いたら気分が良いだろう。静かな幸せを感じる。正面からは長く鑑賞できないが、並び列の外の左右からは、じっくり眺められる。私は左側からの鑑賞が気に入り、ああ、なんて綺麗なんだろうと思いつつ、じっくりと鑑賞。その後、移動して「第1章 バルビゾン派、ハーグ派」から鑑賞。紙のリストが見当たらず、展示室にバーコードが提示されていた。スマートフォンにメモ。とにかくメモしたい作品が多かった。「第2章 オランダ時代」すべてフィンセント・ファン・ゴッホの作品。「麦わら帽子のある静物」 1881年11月後半-12月半ば 油彩/カンヴァスに貼った紙 ゴッホってリアルな静物画も描くのねと驚いた作品。 テーブルに、瓶、お料理が入っていそうな蓋つきの陶磁器の鍋、蓋付きの壺(ざっくりと編まれた持ち手付きの袋?が被せられている)、布、パイプそして麦わら帽子が置かれている。「庭の片隅」1881年6月 鉛筆、黒インクのペン、透明水彩/簀の目紙 くすんだ茶色い紙に描かれたスケッチ。 奥に家の屋根が見え、塀があってぶどう棚らしきものがあり、その下にテーブル、塀側にベンチ、少し離れて椅子。テーブルの近くの地面にカゴ?他にも何かあるかも。色彩が施されていないので良く分からないが、何か物語がありそうな風景。「ハーグの景観(パッデムース地区)」 1882年3月上旬鉛筆、黒インクのペン(ところどころで茶色に退色)、淡彩/網目紙 スケッチ。奥には住宅街、手前に歩道と塀が描かれ、人物は3人。手前はコートを着た女性だろうか。こちらも何か物語がありそう。「スヘンク通り沿いの水路」 1882年3月鉛筆、没食子インクのペンと筆(退色している)、灰色の淡彩、白の不透明水彩、升目状の跡/簀の目紙 水路の左側に並木道が描かれ、これが「スヘンク通り」なのか。右側は河川敷、その奥は工場?のような建物。 スケッチ。くすんだ色彩で淋しそうだが、眺めていると落ち着く感じ。 解説パネルを見て「没食子インク」って何だろうと思った。 調べてみると「もっしょくしインク」と読む。 原料は、没食子(虫こぶ)というものだそうだ。ヨーロッパで中世から近代にかけて使われた黒インクのことだそうだ。「簀の目紙」って?調べてみると、これは和紙か。平行線状の透かしの縞模様のある和紙のようだ。「大工の仕事場と洗濯場」1882年5月下旬鉛筆、黒チョーク、黒インクのペンと筆、茶色の淡彩、不透明水彩、引っかき傷、升目状の跡/簀の目紙 自宅の裏手を窓から眺めた風景が描かれているとのこと。洗濯物が干してあったり、全体的に茶色い色彩だがとても惹かれる。 細かく正確に描かれており、ゴッホがこんな表現をするなんて…驚いた。「スヘーフェニンゲンの魚干し小屋」1882年5月下旬鉛筆、黒の没食子インクのペンと筆(ところどころで茶色に退色)、白の不透明・白の透明水彩、升目状の跡/簀の目紙 手前に籠がたくさん置かれていて、白い頭巾の女性2人と男性1人が何やら相談しているのか?家もたくさん描かれてあり、空には鳥も飛んでいて、もちろん魚も干してあって、何となく明るい雰囲気も感じる。くすんだ色彩だが…。これも良いねえ。惹かれる。「ニューネンの改革派教会」1884年1月鉛筆、黒・茶色インクのペン、薄茶色の淡彩/網目紙 筆致が何となくベルナール・ビュフェを連想。塔のある教会の前に黒く描かれた人物。何かを肩に担いでいるような感じ。紙の下部は白くて、人物のスケッチがあった。これは完成品でなく習作?「織機と織工」1884年4月‒5月 油彩/カンヴァス「織機と織工」1884年6月‒7月 油彩/カンヴァス 紡績や紡織の様子を描いた作品が数品あり、惹かれるものがあった。 作業しているのは男性ばかり。同じ名前だが違う作品2点。「夕暮れのポプラ並木」 1884年10月 油彩/カンヴァス 奥のほうに地面に沈み始めている夕日。辺りは薄暗い。ポプラ並木を歩いている人は逆光で黒くなっており、夕日に向かっているのか、手前に向かっているのか分からない。「じゃがいもを食べる人々」1885年4月 リトグラフ/網目紙 解説パネルに、習作のためのリトグラフで、周囲から厳しい評価を受けたようなことが書かれていたが、私は大変惹かれた。 もしかすると、油彩画の「じゃがいもを食べる人々」よりも好きかも…。 人々の表情は疲れて、ぼんやりしているように見える。もしかして「明日もまた農作業か…」とウンザリしているのか?とも感じる。しかし、白黒の版画だがランプの光がとても明るく見え、そんなに悪い雰囲気ではないようにも思った。 テオ宛の手紙の一節が掲示されており、「手の労働」を表現したいとか、「皿に伸ばしているその手で土を掘った」などと書かれており、描かれている手に暫し注目してみた。「縫い物をする女」 1881年10月‒11月黒・赤・茶色のチョーク、淡彩、不透明・透明水彩/簀の目紙 こちらはかなり惹かれた。とても良いと思った。 窓際で縫い物をする茶色い頭巾を被った高齢の女性、赤いブラウスを着ている。もしかすると私は縫物をする女性の絵が好きなのかもしれない。ふと、ハマスホイの作品を連想。静寂を感じたからかも…いや、違うなあ、もっと湿度を感じるなあ・・・人の生々しさも感じる。「じゃがいもの皮をむく女」 1881年9月 黒チョーク、灰色の淡彩、不透明・透明水彩/簀の目紙 窓際で、じゃがいもの皮をむく高齢の女性。白い頭巾に赤っぽいケープ、スカートは青。窓の外に見える木には葉がないが、雪が積もっている感じはない。女性もケープを着用しているがその下の上衣の袖が肘くらいまでしかなく、肘から先は肌が見えている。作業中なのでめくったのか、寒くないのか気になる。いや、軽くスケッチのように描かれている窓の外も気になる。「秋の風景」1885年11月 油彩/カンヴァス 木々の葉が色づき、下草も茶色くなっている部分もある。奥に人が1人?小さく描かれている。落ち着いた秋の景色。ゴッホってこんな絵も描くのねえ…と認識を新たにした。「第3章 パリの画家とファン・ゴッホ」クロード・モネ 「モネのアトリエ舟」 1874年 油彩/カンヴァス 私は水に浮かぶ小舟が好きなのかも。この舟にのってモネは絵を描いたのか。赤茶色の屋根に黄緑の壁の小さな部屋がちょこんと載った舟。可愛い。カミーユ・ピサロ「虹、ポントワーズ」 1877年 油彩/カンヴァス 明るい田園風景。虹も、空の色も、畑も、家々も全て明るくて爽やかな気分になる。「第4章 パリ時代」「バラとシャクヤク」 1886年6月 油彩/カンヴァス 友人の画家ホレス・マン・リヴンス宛の手紙の一節が掲示されていて、「モデル代がたりず、本当なら人物画に没頭したかったところですが、ただ花を描いて一連の色彩研究の習作をやっています。」と書いてあった。 いやー、ゴッホってこんな花卉画も描くのね。「野の花とバラのある静物」 1886年‒1887年 油彩/カンヴァス「青い花瓶の花」 1887年6月頃 油彩/カンヴァス 可憐な花卉画。吉野石膏コレクションのゴッホの「静物、白い花瓶のバラ」にも感動したがこちらにも感動。「草地」 1887年4月‒6月 油彩/カンヴァスポーラ美術館所蔵の「草むら」(1889年 油彩/カンヴァス)にも惹かれるが、こちらは小花も描かれていているのだ。思わずポストカードとハンドタオルを購入したほど惹かれた。「レストランの室内」 1887年夏 油彩/カンヴァス写真の上段の真ん中の作品。点描で描かれ、明るくて良い。テーブルには花瓶に生けられたボリュームのある花々が飾られている。まだ人は入っていない様子。作品のセレクトが素晴らしく、私がこれまでに見ていない作風のものも多く、大変見ごたえがあったが、作品数はそう多くなかったので丁寧に鑑賞できた。椅子もあって休憩できたのでわりとしっかり「居座った感」があったが、10:23で退出した。1時間半ほどの鑑賞。なんと、ショップに待ち列がない!ただし、入口でチケットを見せなくてはならず、「アソビュー」アプリでの表示の仕方が分からず(とほほ)、あたふたしてしまった。上野の森美術館では、ミッフィーのぬいぐるみを求める運命なのか。2018年10月の「フェルメール展」で「牛乳を注ぐミッフィー(大)」を求めている。並べて飾ろうか…。求めたもの。「夜のカフェテラス」ミッフィーと絵葉書来年の「第2期 アルルの跳ね橋」も行きたいが、東京展でなく福島展に行こうかしら…と思っている。観光とか温泉とセットで。良いかも。