のすたる爺の電脳お遊戯。 -2ページ目

のすたる爺の電脳お遊戯。

北国の港町に生息する莫迦親父な生き物が
日々の手遊びを時に駄文で綴り
また戯れ絵で遊ぶ、泡沫の如き代物。

壊れ親父には此の夏は既に致死熱だった。(笑)

朦朧とした意識のなか、ふと遠い記憶を思いおこす・・

遠い日に傍に居た、脳足らずのちび娘との会話の切れ端

 

 

Dangerous(デンジャラス)を=ダンゴラス=と読み

遺憾の意を=いかん(いけない)の「い」=と言い張り

ニヒリズムは何拍子か、と無意識に深遠な問いを発し

 

(譜面に)目を通してくれ、と二重奏の練習指示したのを

=デートして呉れ=と聞き違えて赤面発熱した挙句

=せんぱぁい、其れは仮初め(かりそめ)ですか=と

新しい日本語を真顔で創造してくれた脳足らずの記憶w

 

 

ああ、この時期フェーン現象の妄説も披露してたな・・

 

多分脳内回路に漢字、熟語がほぼインストールされておらず

おそらくプログラムさえ3進法とかで書いてあったらしき

アレの脳味噌はテレビニュースのフェーン現象で暑いという

=音=を聴いたとき、何かの神が降りたのだらう。

 

=あんまり暑くてふぇーんと泣くからふぇーんげんしょう=

 

と、言う人外魔境にして想像の遥か斜め上の

妄言をたたき出し、更に胸張って背伸びして

喫茶店のボックス席で其れを力説しやがった。

 

 

隣の席のカップルが盛大にアイスコーヒー吹く音と

何処からともなく潮騒のように高まる苦笑の波のなか

のすじいの体感温度が更に上がったのは言うまでもない。

 

其のあと執拗にパフェのお代わり奢れと脅迫されたっけなあ。

 

難しいこと言われると脳が減って

甘いものが居るんですと言う

ヒポクラテスが脳死しそうな無茶苦茶を

満面の笑みで言いやがって・・

 

 

あの頃、あの脳足らずの存在は

永遠に自分の傍らにあるものだと信じて

疑いさえしなかった夏の終わり。

 

 

今は都電荒川線じゃなくて

東京さくらトラムになったっけか。

 

 

連れて時折出かけた雑司ヶ谷

鬼子母神間近の都電停留所は屋根が無く

古い線路が柱のように立てられていて

其のためか時に夕焼けが綺麗で・・

 

初秋の夕刻、今晩、お部屋泊まっていい?と

ふにゃっとした笑顔で言った脳足らずに

 

ああ、とか、うう、とかしか返せず

ただ其の幼な顔と発育し過ぎの胸を見てた時も

其の背景は何処か切ない色の茜空だった。

 

連れのちびデブ乳娘が照れながらぽつりと

=ここ、ほんとにぃ・・駅ぃ?=と呟き

すうっと距離を詰めてくるのを酷く幸せに

そして何処かいけない事をしてる気分で見ていた。

 

 

まあ、其のあと・・踏切渡ってきた小学生の群れに

=あ~、あんなとこでエッチしてるう=と

大声で囃(はや)されて男女両方とも

照れと驚愕で夕焼け並みに真っ赤な顔に成ったが(笑)

 

え?その夜?・・まあ、其処は内緒のはなし。

ああ、東京ゆうひトラムでも良かったなあ・・

都電荒川線の新しい路線名。

 

 

 

 

 

 

10代から20代後半まで15年以上楽器吹いてた。

金管楽器で一番巨大な低音担当のチューバ。

 

 

当然のことながら中学高校大学と吹奏楽団で

社会人に成ってからも数年は市民吹奏楽団に。

 

まあ、最後は仕事の折り合いがつかずに辞めたが・・

一応は最初のボーナス頭金にしてローン組み

自前のチューバまで買ったりしたんだな。

 

で、其のころのブラバンは中途半端に女の子が多く

口の悪い他の部活からブラジャーバンドと(笑)

 

今の時期になると思い出す、全日本吹奏楽コンクール。

夏休み殆ど練習漬けで一日楽器吹いて・・

兄弟姉妹より確実に長い時間一緒に居た面子というか

楽器吹いてた男女朋輩は皆個性的だったが

今にして思うと吹いてる楽器の特徴というか

特質に影響されてたような気が妙にする。

 

 

木管のフルート吹き少女は凄まじく理屈っぽいのと

年齢より幼く微妙に脳が緩いのでほぼ二分され

クラリネットは場の雰囲気が明るくないと駄目で

自然に真面目も莫迦も率先の天然リーダーというか

ある種の向日葵むすめと其の周辺の野の花系が構成。

 

サックスはあの楽器の音のように妙に煩く響くが

何処か年齢より妖艶というか色っぽいのが点在してて

大学時代はお前サックスよりS〇Xの方が得意だろと

無茶苦茶な突っ込み受け続つつスタンディングソロで

モンローウォークばりに腰振って吹く奴とか居たし

オーボエ、ファゴットは真面目だけど真面目過ぎて

何処かが致命的にずれてる雰囲気の子が多かったかも。

 

 

バスクラとかバリトンサックスは基本変人か陽気な莫迦で

だんまりから最初に騒ぎに火をつける一言放つのが得意。

 

此れは小生の吹いてた金管低音と共通の傾向かも・・。

 

金管のラッパ、トランペットは目立ちたがりで

基本メロディとハイトーンフレーズ多きゃご機嫌で

トロンボーンと並び男所帯だったから存外体育会。

 

ホルンは往時の金管じゃ珍しく女の子も居たが

不思議と男は楽理好き、妙に真摯で理屈屋が多く

女の子は其れを容認して笑ってるが其の騒ぎを一瞥し

無言で威圧して黙らせるお母さん系が居た気も。

 

トロンボーンはとにかく群れるというか親分の号令一下

莫迦も真面目も悪戯も何故か同じ方向いてやらかしてた。

 

低音金管のユーフォニアムは妙にメロディ好きで

天性、演奏も巧いというか勘所押さえてるタイプと

只管基礎練習独りで朝から晩まで吹き続け

妙にニコニコしてる腹の底の読めない謎娘とか居たなあ。

 

え?チューバ・・妙に多趣味博学で相当の理屈こきの割りに

真っ先に羽目外すという理解不能な奴が多かったな。

 

 

喋らせると受け狙って全部韜晦したり茶化したり

うん、一言で言えば変人が多かったんだ、小生の経験では。

楽器の性質が長く吹いてるとうつってくるのか

其れともそういう気質の奴が其の楽器選ぶのか・・

久々に思い出して考えたら面しれえなあ、と・・ふと。

 

ああ、妙に長い駄文が出来ちまったぞ、と(笑)

 

 

 

 

 

 

まだ残暑が続くようだけど

今はこういう気分・・

 

 

遠い日、500円札くしゃくしゃと手のひらに持ち

もう片方の手は小さい手と繋いで

赤い夕暮れが空を覆う細い路地歩きながら

 

かき氷喰うか大判焼き喰うかで

何となく言い合って結局コロッケ買い

フライパンで温めて喰った新庚申塚前あたり

 

湯上りの肌に触れる9月の夜風は

残暑から初秋に変わったのを

さりげなく莫迦と脳足らずに告げてくれて

 

気が付くと安普請のアパートの窓下

隣の壁との間、猫一匹の通り道の草むらから

ちち ちち と鳴く興梠(こおろぎ)。

 

 

此の音はF♯だね、と笑う脳足らずに

いや此れはD♭だろ、と応えた莫迦・・

 

流石に夜は素肌が幾分冷たくて

タオルケット巻き付けて抱き合ってた

厚みの無い安布団に敷いた茣蓙のうえ。

 

 

きっとぉ・・虫さぁん、音程で判るんだよぉ

あ、此れは○○ちゃんのおとだ・・

此れは、うん、せんぱぁいの・・

 

ああ、脳たらずの甘え声のkeyは・・・

Dだったような気がするな・・

幼いけど何処か甘くて湿りのある・・素直なD。

 

だからのすじいは、秋が少し苦いんだ・・

たぶん、ああ、此処から逝くまで。

 

 

そんな大学時代・・何をとち狂ったか二流私大で

哲学なぞという浮世離れな代物を

其れでも4年間糞真面目に学んでいたのすじい。

 

ある種の知的阿呆陀羅経が邦訳してある

希臘古代哲学の断片集など好きで普段読みし

英国の功利主義、ベンサムにちょこっと傾倒し

北一輝は法華経の行者というより哲学実践者と邪推し

宮沢賢治のオノマトペに真理の断片ありと妄想した。

 

 

その癖止揚(アウフヘーベン)を独逸語の直訳で

アウフ(上方に)ヘーベン(持ち上げる)と解釈し

体育会のような吹奏楽部の先輩の機嫌とって

一杯飲ませてもらう時の世辞、ヨイショの事を

密かにアウフヘーベンする、などと旧制高校生のように

考え落ちな=悪洒落=口にしちゃ粋がってた(笑)。

 

 

最後はお決まりのようにニーチェに漂着し

ニヒリズムと超人思想を合体させようと卒論で試み

担当教授にエホバのお筆先と最高の賛辞(笑)を貰う。

 

 

今もアレが大学に残ってたら凄まじく恥ずかしい(笑)

今ならゾロアスターの寝言くらいには書き直せるかも。

 

卒論の製本が間に合わず学生課の前で無言で・・

原稿用紙に後輩の小娘にパンチで穴をあけさせ

黒い綴(と)じ紐で必死に綴じて提出し

学園紛争による部室の移転と其の交渉で

懇意になった学生課の職員と課長に

此処まで往生際の悪い学生も滅多に居らぬよ、と

奇妙な褒め方の挙句にコーヒー奢ってもらったな。

 

哲学とはある意味魑魅魍魎のように不確定な学問だろう。

 

しかも理屈の全てが既存の論理否定から始まると思しき

=究極の俺学=にして=世に無くとも世が回る=学問筆頭。

 

まあ、だからこそ純粋な知的遊戯に近い代物で

考えたら実学、世の役に立つ学問は基本的に

知であっても智では無く・・まして般若でも無かろうし。

 

尤も俗世に一番塗れるような下種仕事・・

映像広告や宣伝なんぞ40年もやらかしてるうちに

あの頃の純粋な屁理屈、忘れちまったけどね。

 

今の小生の中にある究極の真理はただ一つ。

=かわいい、愛おしいは正義であり絶対=

 

うん、其れだけだ(断言~笑~)

 

夏が終わると浴衣が見られなくなる。

 

本来、胸部臀部平坦な女性に似合うんだが・・

むっちむちころっころのちびデブが

必死に可愛く着ようと努力しまくって

帯も緩やかな三尺で子供っぽく誤魔化したものの

妙に色っぽい笹団子シルエットが丸わかりで

可愛いやらエロいやら目の毒やら気の毒やら・・だったり

 

絶対下着ライン出ないように、と・・

安直にも直(じか)に着てしかもそれが化繊の廉価品で

汗かかなくても微妙に光加減で酷く眼福になるような

明らかに本来の湯帷子(バスローブ)と化してたり

 

渋い色目なら痩せて見えるかな、と悩んだ挙句

何処から持ち出したのか一度袖通したら洗い張り必至な

古渡りの絽や紗の逸物、価値判らずにざっくり着て

すげえ安物の子供っぽい山吹色の祭り三尺なんぞ

腹部のお肉隠すように高帯に巻いてたりする・・

 

 

そ、そう言う艶麗で阿呆くさく何処か隠微な夏姿が

見られなくなるのは、うん・・少し哀しい(爆)

 

・・ご覧、踊るように夏が逝くよ・・

 

 

フェミニズムと言う名のナチズムが

現在この国を闊歩しようとしている。

其れが昨今起きている萌え絵の駆逐だろう。

 

絵柄じゃなくて、乳とか股とか

(性差表現)の部分が強調し過ぎだったり、

女だらけだったりして、性的(ジェンダー)バイアスが

かかってるのが良くないと思う。

 

そう文句を言って焚付け、世論を煽っているのは

“自称フェミニスト”を名乗る性差ファシスト。

 

たとえば、以前、話題になった美濃加茂市の

「のうりん」も、地元では何も問題なかった。

 

 

ポスターが「不快だ!」などと

ネット上で批判が始まったのは15年11月28日ごろから。

市の観光協会によると、「いきなり」だったという。

このキャラのポスターは公開してから約1か月間、

地元民に批判されたことは一切無かった。

 

批判の多くは地元以外の人たちではないか、

と、観光協会では分析していたが・・まさにその通り。

 

それが「エロ」とか「萌え」とか、クレーマーにとって

そんなのは実際の処・・本当の問題ではなく、

『性差の表現』が感じ取られる制作物に、

フェミニストたちが“異常な危機感”を表明していること。

 

 

元来、そのイラストが「萌えキャラ」や

「アニメ風」ということではなくても、

別の手法で例えば芸術的なタッチで描かれていても、

『性差の表現』が感じ取られる制作物であれば、

フェミ・ナチたちの言うところの

ジェンダー・バイアスで「気に入らない」のだな。

 

つまり、この問題の背後に

「“性差”は表現されてはいけない」という

『ジェンダーフリーの思想』があり、

攻撃側に明らかな“政治的意図”がある訳だ。

 

 

因みに「性差はあってはならない」とする

“男女共同参画”の理想とする生物は

「雌雄同体のカタツムリ」 だそうである・・・

其の方が余程異常で気持ち悪いと思うんだが。

 

これは、以前の“福岡市カワイイ区”イベントへの

「可愛い女性のみを持ち上げるのはけしからん」と言う

無茶な抗議と同様、 公的イベントに対する

“フェミニスト”たちの『性差表現』“規制”、

明確な言論弾圧、『言葉狩り』でもある。

 

此れを許容すれば此の先・・もう『峰不二子』のような

“性差”を「具体的に表現」した“名キャラクター”は、

“創造してはいけない”ことになってしまう。 

 

 

此れこそ「表現の自由」の“侵害”にほかならぬ蛮行だろうに。.

故に小生は多分息の続く限りどっか古臭い

見たところおんな、な色鉛筆戯れ絵を描き続ける。

 

まあ、此れしか描けぬと言うのはこの際おいて置いて(笑)

 

 

 

 

 

妙に中華が喰いたくなった・・・

其れも横浜南京町、中華街の安いとこ。

 

安記とか言う名前の中華粥食わせる店が好きで

確か内臓も結構色々料理して出す店だった。

 

レバ皿とか言う名の肝臓の炒め煮に洋辛子添えたのとか

でも一番旨いのは中華粥で意外とさらっとしてて・・

其処に油条とか言う揚げパンの長く成ったような奴

ちぎって放り込んで蓮華突っ込んで喰う・・

 

朝9時ころのあの街は異国と海の匂いがした。

在る事情で学生の一時期から社会人1年生の頃

そこそこ通ったんだわ・・神奈川の某所・・

 

 

で、横浜にも何度か夜遅く入り込んで安宿入って。

朝から飯食える中華街の店は往時少なくてねえ。

 

巣鴨の洋食屋と同時にもう一度行きたい店だな。

 

ああ、今は新潟でも喰えるのかな・・中華粥。

ただ、あの想い出の味には敵わぬのだろうが・・

 

其処にはたぶん殉愛と言う補正調味料が掛かってるから。

 

 

 

 

 

 

今年も結局海には行かぬのだろうな・・

 

日差しと潮風と野放図な露出は若者の特権だ。

老いるとあの太陽光線と潮風がきつくなる。

 

露出の多い姉ちゃんも

戯れ絵で描くぶんには良いが

実際おいでませ状態で隣に居られても

既に何やかや頑張る気力も体力も無いから。

 

 

其れに此の季節、其の・・ああいう行為や

其の前段階の行動起こすと実はかなり疲れるw

 

 

若いころからだが短躯豊満脳足らず爆乳が

極めて好きな変物なので寄り添って交配に至るのは

物理的に秋口から冬場の人肌恋しい時期がw

 

うん、真夏のアレは一種の肉体競技だから(遠い目)

 

獣欲に溺れることを大学時代=けだモード=・・

すなわち=獣(けだもの)入っちゃってる=などと

どっか高踏気取って戯れてた記憶が蘇る。

 

老いたうえに壊れたのすじいには

夏の誘惑、夏の媚薬は遠い記憶だけ(苦笑)

 

 

 

大学時代は夏休みもバイトと吹奏楽に明け暮れて

帰省もせず楽器吹いてた20歳ちょいの頃。

 

なにせ吹奏楽コンクールの大学予選とか在って

自由曲と課題曲、譜面覚えるまで吹いてた記憶。

 

 

身体が抱きかかえたチューバの金属臭・・

緑青と言うか金気の匂いが取れなく成るくらい

時に触れ続けの左腕の前腕が青く染まっちゃって

銭湯で皮が剥けそうなくらい擦っても取れないくらい

何か判らんけど必死こいて練習してた夏。

 

往時つるんでた少女は微妙に脳の緩(ゆる)い~笑~

幾分以上に=お莫迦=で幼い奴だったが・・

夏の暑さにぶち壊れて時折奇矯な行動をして。

 

 

何故かマルハの魚肉ソーセージが好きな奴で

弁当どころか時におにぎりの具にするような

魚肉ソーセージ愛~爆~あふれる奴だったんだが

 

其れを一本まるのまんま人前で喰うと言う~笑~

いやね、エロいと言うのも在ったんだけどさあ

 

其の・・直視するとえらく=痛い=んだわ~爆~

 

 

安アパートで二人きりなら多分押し倒してたけど

周囲に人がわさわさ居る某地蔵通りのベンチとかで

無意識に旨そうに喰うと言うか弄ると言うか(笑)

 

いや、若い兄ちゃんの妄想爆裂だったのは確かで

本人は餓鬼同様の無意識・・だったんかなあ?

 

唐突に思い出したシーンを前に描いてた自作小説の

キャラクター2匹で再現した絵を描く莫迦親父。

 

 

此の街の夏も密かに盛りを過ぎはじめたようだ・・

そう、踊るように逝く晩夏はすぐ其処かも。

 

 

寂れ切った故郷の元繁華街

取り壊した自宅店舗の跡地、更地は

想像以上に狭く周辺も殆ど街が死んでいた。

 

のすじいは此処で祖父母に撫育され

周囲の商売屋の親父やおかみさんに遊ばれ

兄ちゃん姉ちゃんに色々教えられて

本来孤独であった筈の幼少年期をにぎやかに過ごせた。

 

両親、いや母親の殆ど育児放棄のような状況下

其れでも何とか此処まで道外さず生きて来られたのは

此の捻くれてはいるが好奇心だけは旺盛な性格を

祖父母が育んでくれたからに他ならない・・

 

あ、父親は婿養子の癖に外におんな作って

単身赴任と称し別居、自宅戻るときは常に泥酔の酒乱で

のすじいの記憶の中の両親の姿の殆どは

包丁持ち出して殺し合いさながらの喧嘩を繰り返し

其の鬱憤をすべて餓鬼になすりつけて苛める

陰湿で理不尽で薄汚い生き物以外の何物でも無かった。

 

祖父母の下から連れ戻されあの二人の見栄と体面のために

同居と称し転校させられ其れまで会ったことも無い餓鬼・・

狂母が溺愛の限りを尽くし最低の屑の犯罪者に育て上げた

暴君其の物の腐った男親に酷似した実弟の付録のように

顧みられることなく放置され高校を卒業するまで生きた。

 

今、振り返って想う・・結局は其の狂母と屑実弟

そして49歳で不摂生と乱倫の限りを尽くして死んだ糞実父。

其の3人の後始末をするだけの為に生きてきたかも、と。

 

唯一の救いは祖父母の撫育のお陰で書籍好きになれたのと

銀行員だった糞実父に返済計画の借用書を血判で出すことで

ようよう進学できた東京の二流私立大での青年の日々・・

其処で出会った人びと、初めての自立と拘束の無い時間。

 

糞実父は入学金と学費だけは出したが生活費は出さず

ほぼ毎月今月で幾ら利子が付いたから卒業後は毎月

月収の半分を自分に返済しろと、凄まじく慇懃な達筆で

陰湿を文字にしたような内容の督促と嫌がらせを

封書で、時に内容証明で送りつけてきた・・4年間ずっと。

 

其の間、狂母は祖母の作った呉服店に後継ぎと称して居座り

凡そ商売とは言えぬお嬢様ごっこを続けていたのだが。

 

のすじいが一人の少女の面影だけを永遠に恋うる理由

たぶん其れの真実を知ってるのは此の空間だけになった。

 

 

祖父母も、愛した娘も、糞実父も、屑実弟も・・

既にこの世には居らぬから・・あの狂母以外には誰も。

 

夏草の中に杖で立つと、一瞬にぎやかだったあの頃

昭和40年代の此の商店街のざわめきが聴こえる気がして

・・のすじいはたぶん少年の顔に成ってたと思う。

 

午前10時の寂れ果てた田舎商店街の更地の一角で。